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紳士
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しんし
ふりがな文庫
“
紳士
(
しんし
)” の例文
呀
(
やあ
)
?
衣
(
きぬ
)
も
扱帶
(
しごき
)
も
上
(
うへ
)
へ
摺
(
ず
)
つて、するりと
白
(
しろ
)
い
顏
(
かほ
)
が
襟
(
えり
)
に
埋
(
うま
)
つた、
紫
(
むらさき
)
と
萌黄
(
もえぎ
)
の、
緋
(
ひ
)
を
流
(
なが
)
るゝやうに
宙
(
ちう
)
に
掛
(
か
)
けて、
紳士
(
しんし
)
は
大跨
(
おほまた
)
にづかり/\。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
英国の一
紳士
(
しんし
)
にしてながく日本に滞在し、日本の婦人を妻とせる人がすこぶる日本
贔屓
(
びいき
)
で、種々の
著述
(
ちょじゅつ
)
もして日本を世界に
紹介
(
しょうかい
)
した。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
『どうして、岩のようにじょうぶだ』とその
紳士
(
しんし
)
が言った。『十人に九人までは死ぬものだが、あれは
肺炎
(
はいえん
)
の
危険
(
きけん
)
を通りこして来た』
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
その時、そこのプラットホオムに四十五六の
紳士
(
しんし
)
がいて、僕のいる車室へ乗り
込
(
こ
)
んで来た。その後から
赤帽
(
あかぼう
)
が大きなかばんを持ち込む。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「あ、もしもし、二
銭
(
せん
)
でも、三
銭
(
せん
)
でも、
投
(
な
)
げてやったら、どうだ?」と
風
(
かぜ
)
が、
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
いかけていって、
紳士
(
しんし
)
の
耳
(
みみ
)
にささやきました。
ある冬の晩のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
二人の青年
紳士
(
しんし
)
が
猟
(
りょう
)
に出て
路
(
みち
)
を
迷
(
まよ
)
い、「
注文
(
ちゅうもん
)
の多い
料理店
(
りょうりてん
)
」にはいり、その
途方
(
とほう
)
もない
経営者
(
けいえいしゃ
)
からかえって注文されていたはなし。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ぼくはこんなことを、日本選手でもあり、立派な
紳士
(
しんし
)
、
淑女
(
しゅくじょ
)
でもある
皆
(
みな
)
さんに、お話するのは、じつに残念であるが、
止
(
や
)
むを得ん。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
左側にはハツカネズミの
紳士
(
しんし
)
たちが立ちならんでいて、前足でひげをなでていました。部屋のまんなかに、
花嫁
(
はなよめ
)
、
花婿
(
はなむこ
)
の姿が見えました。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
長いヴェールをかぶった花よめもいますし、りっぱな
服
(
ふく
)
をきた
紳士
(
しんし
)
もいます。それから、美しいまっ白な服をきた、まき毛の子もいます。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ちゃんとした服装をした
紳士
(
しんし
)
であったが、私の方を指さして、子供に「あれは
日本人
(
ヤパーナー
)
だ。
支那人
(
ヒニーゼ
)
とはちがう」と説明していた。
日本のこころ
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
あゝお
糸
(
いと
)
が芸者になつたら一緒に手を引いて歩く人は
矢張
(
やつぱり
)
あゝ
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
紳士
(
しんし
)
であらう。自分は何年たつたらあんな
紳士
(
しんし
)
になれるのか知ら。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『さうです。
君
(
きみ
)
の
出
(
で
)
られた
學校
(
がくかう
)
です。
三田
(
みた
)
ですか、
早稻田
(
わせだ
)
ですか。』と
高等商業
(
かうとうしやうげふ
)
の
紳士
(
しんし
)
は
此二者
(
このにしや
)
を
出
(
いで
)
じといふ
面持
(
おもゝち
)
で
問
(
と
)
ふた。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
突然声をかけたのは首席教官の
粟野
(
あわの
)
さんである。粟野さんは五十を越しているであろう。色の黒い、
近眼鏡
(
きんがんきょう
)
をかけた、
幾分
(
いくぶん
)
か
猫背
(
ねこぜ
)
の
紳士
(
しんし
)
である。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして
謳
(
うた
)
ひをはつて
席
(
せき
)
についたときに、
拍手
(
はくしゆ
)
とゝもに「モア、モア!」と
云
(
い
)
ふ
声
(
こえ
)
が
若
(
わか
)
いR
国
(
こく
)
の
紳士
(
しんし
)
によつてかけられた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
恐らくこの
紳士
(
しんし
)
は、最初車室にはいって来たときに、
素早
(
すばや
)
くあたりを見廻して、クルミさん一人だけのこの席をみつけると、相手を少女とみくびって
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
こうかれはいつもいった、だがいまきてみると子供等ばかりでなく、労働者も商人も
紳士
(
しんし
)
も役人も集まっている。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
彼
(
かれ
)
は、
人柄
(
ひとがら
)
としては、まことに
温和
(
おんわ
)
な
風貌
(
ふうぼう
)
の
分別盛
(
ふんべつざか
)
りの
紳士
(
しんし
)
である。
趣味
(
しゅみ
)
がゴルフと
読書
(
どくしょ
)
だという。そして、
井口警部
(
いぐちけいぶ
)
との
間
(
あいだ
)
に、
次
(
つぎ
)
のような
会話
(
かいわ
)
があつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
りっぱなひげをはやした三十あまりになる
紳士
(
しんし
)
と、それよりすこし下かと思われる婦人とが、かけこんで来た。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すると、それまで隊のあとから見えがくれについて来ていた背広の
紳士
(
しんし
)
が、つかつかと進み出て、まず荒田老と、つぎに朝倉先生と、あいさつをかわした。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
中島はまた
紳士
(
しんし
)
の生活とかっさいする。矢野は準備を楽しむという大木のことばを思い出して愉快になった。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
其先
(
そのさ
)
きは、つい、
下
(
した
)
の、
圓長寺
(
えんちやうじ
)
。
日蓮宗
(
にちれんしう
)
の
大寺
(
おほでら
)
である。
紳士
(
しんし
)
が
帽子
(
ぼうし
)
を
取去
(
とりさ
)
ると、それは
住職
(
じうしよく
)
の
飯田東皐氏
(
いひだとうくわうし
)
。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
紳士
(
しんし
)
たちよ、
私
(
わたし
)
は二人にお礼をいひます。」と言つて頭を下げました。兵卒のことは、だれでも、たゞ、「マン」と言つて「ゼントルマン」とは言はないのです。
パナマ運河を開いた話
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
神さまの道、教えるの学校!
基督教
(
キリストきょう
)
紳士
(
しんし
)
、組み立ての学校! 今からそれ分らない人、後から失望、お気の毒であります。学問の為め勉強の人、早くお帰りなさい。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
町のものに取っては幾個の中学校よりもこの石油会社の方が
遥
(
はる
)
かにありがたい。会社の役員は金のある点において
紳士
(
しんし
)
である。中学の教師は貧乏なところが下等に見える。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぜひおよめに来てもらいたいという
紳士
(
しんし
)
は、あとからあとからとたえませんでしたが、むすめは、こうなると、よけいおとうさまのそばをはなれることはできないとおもって
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)
(新字新仮名)
/
ガブリエル=シュザンヌ・バルボ・ド・ヴィルヌーヴ
(著)
カピ長 まゝ、
堪忍
(
かんにん
)
して、
放任
(
うちす
)
てゝおきゃれ、
立派
(
りっぱ
)
な
紳士
(
しんし
)
らしう
立振舞
(
たちふるま
)
うてをる
上
(
うへ
)
に、
實
(
じつ
)
を
言
(
い
)
へば、
日頃
(
ひごろ
)
ヹローナが、
徳
(
とく
)
もあり
行状
(
ぎゃうじゃう
)
もよい
若者
(
わかもの
)
と
自慢
(
じまん
)
の
種
(
たね
)
にしてゐるロミオぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
むかしむかし、あるところに、なに不自由なく、くらしている
紳士
(
しんし
)
がありました。
灰だらけ姫:またの名 「ガラスの上ぐつ」
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
其結果は如何である? 儂が越して程なく
要
(
よう
)
あって来訪した東京の一
紳士
(
しんし
)
は、あまり見すぼらしい家の
容子
(
ようす
)
に掩い難い侮蔑を見せたが、今年来て見た時は、眼色に
争
(
あらそ
)
われぬ尊敬を現わした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
無論
(
むろん
)
、
私
(
わたくし
)
は
炎
(
ほのお
)
の中の方が熱いと思います」とひとりの
紳士
(
しんし
)
がいいました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
朝の光線のせいか、何もかも新しいものをつけている
紳士
(
しんし
)
が、このように早く与一を尋ねて来ると云う事は、よっぽど親しい、遠い地からの友人であろうと、私は忙がしく与一を揺り起した。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
艦長
(
かんちやう
)
は
既
(
すで
)
に
虎髯大尉
(
こぜんたいゐ
)
よりの
報告
(
ほうこく
)
によつて、
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
と
共
(
とも
)
に
落下
(
らくか
)
した
吾等
(
われら
)
の
二人
(
ふたり
)
の
日本人
(
につぽんじん
)
である
事
(
こと
)
も、
一人
(
ひとり
)
は
冐險家
(
ぼうけんか
)
らしい
紳士
(
しんし
)
風
(
ふう
)
で、
他
(
た
)
の
一人
(
ひとり
)
は
同
(
おな
)
じ
海軍
(
かいぐん
)
の
兵曹
(
へいそう
)
である
事
(
こと
)
も
知
(
しつ
)
て
居
(
を
)
つたと
見
(
み
)
え、
今
(
いま
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三十歳前後に至って始めて顔が
赭
(
あか
)
く焼けて来て
脂肪
(
しぼう
)
を
湛
(
たた
)
え急に体が太り出して
紳士
(
しんし
)
然たる
貫禄
(
かんろく
)
を備えるようになるその時分までは全く婦女子も同様に色が白く衣服の好みも随分
柔弱
(
にゅうじゃく
)
なのである。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
美青年の
紳士
(
しんし
)
であった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
勾玉
(
まがたま
)
? さかずきのかけたようなもの?
君
(
きみ
)
は、またどうしてそんなものに
趣味
(
しゅみ
)
を
持
(
も
)
っているのです。」と、
紳士
(
しんし
)
は、
驚
(
おどろ
)
いたようです。
銀河の下の町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど四十フランの金をくれるものは子どもではなかった、ふところの大きい、物おしみをしない
紳士
(
しんし
)
が来てくれなければならなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
見るとそれは実に立派なばけもの
紳士
(
しんし
)
でした。
貝殻
(
かいがら
)
でこしらえた
外套
(
がいとう
)
を着て
水煙草
(
みずたばこ
)
を片手に持って立っているのでした。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
云
(
い
)
はれるまゝに
見返
(
みかへ
)
ると、
島田
(
しまだ
)
に
結
(
ゆ
)
つた芸者と、
其
(
そ
)
れに
連立
(
つれだ
)
つて
行
(
ゆ
)
くのは
黒絽
(
くろろ
)
の
紋付
(
もんつき
)
をきた
立派
(
りつぱ
)
な
紳士
(
しんし
)
であつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
待
(
ま
)
てよ、
先刻
(
さつき
)
の
紳士
(
しんし
)
は、あゝして、
鹽尻
(
しほじり
)
で
下車
(
おり
)
たと
思
(
おも
)
ふが、……
其
(
それ
)
とも
室
(
しつ
)
を
替
(
か
)
へて
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
たか、
俥
(
くるま
)
が三
臺
(
だい
)
、
揃
(
そろ
)
つて。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とソフアに
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
たオックスフオード
出身
(
しゆつしん
)
の
紳士
(
しんし
)
が
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
して
聞
(
き
)
いた。
其口元
(
そのくちもと
)
には
何
(
なん
)
となく
嘲笑
(
あざけり
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べて
居
(
ゐ
)
る。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
もちろんこれら一派の
紳士
(
しんし
)
は腕力を
縦
(
ほしいまま
)
にしたのでなく、
基督
(
キリスト
)
の仁と称するは決して悪き意味における婦女子の愛のごとき猫可愛がりでないと説いた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これはお金持のりっぱな
紳士
(
しんし
)
の心でした。おそらく、この人の名まえは紳士録にのっているでしょう。
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
六、それから又玉突き
場
(
ば
)
に遊びゐたるに、
一人
(
ひとり
)
の年少
紳士
(
しんし
)
あり。僕等の仲間に入れてくれと言ふ。
病牀雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
クルミさんは、横顔のあたりに
紳士
(
しんし
)
の気味悪い
視線
(
しせん
)
を感じながら、ひそかに
溜息
(
ためいき
)
をついた。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
其所
(
そこ
)
へ
來合
(
きあは
)
せた一
紳士
(
しんし
)
が、
貴君方
(
あなたがた
)
は
何
(
なに
)
をするんですかと
咎
(
とが
)
めたので、
水谷氏
(
みづたにし
)
は
得意
(
とくい
)
の
考古學研究
(
かうこがくけんきう
)
を
振舞
(
ふりま
)
はした。
其紳士
(
そのしんし
)
連
(
しき
)
りに
傾聽
(
けいちやう
)
して
居
(
ゐ
)
たが、それでは
私
(
わたくし
)
も
仲間
(
なかま
)
に
入
(
い
)
れて
貰
(
もら
)
ひたい。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
それが
了
(
おわ
)
ると、
例
(
れい
)
の
大入道
(
おうにうどう
)
の
紳士
(
しんし
)
が、
吃
(
ども
)
りのやうな
覚束
(
おぼつか
)
ない
日本語
(
にほんご
)
で
翻訳
(
ほんやく
)
してくれた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「明治学園、それはお金儲けする人を養わない。それは
基督教
(
キリストきょう
)
紳士
(
しんし
)
を養う。人はパンのみにて生きない。それを教えるのが学校、それ、私共の学校明治学園、
皆
(
みんな
)
さん、
何
(
ど
)
うでありますか?」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それからまた進んで、いくつかのへやを通って行きますと、どのへやにも、
紳士
(
しんし
)
たちや
貴婦人
(
きふじん
)
たちが、立っているものも、腰をかけているものも、みんな、たわいなく眠りこけていました。
眠る森のお姫さま
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
友人というのは、
某会社
(
ぼうかいしゃ
)
の
理事
(
りじ
)
安藤某
(
あんどうぼう
)
という
名刺
(
めいし
)
をだして、年ごろ四十五、六、
洋服
(
ようふく
)
の
風采
(
ふうさい
)
堂
(
どう
)
どうとしたる
紳士
(
しんし
)
であった。主人は
懇切
(
こんせつ
)
に
奥
(
おく
)
に
招
(
しょう
)
じて、花前の一
身
(
しん
)
につき、
問
(
と
)
いもし
語
(
かた
)
りもした。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
東京客が
沢山
(
たくさん
)
来た。新聞雑誌の記者がよく田園生活の
種取
(
たねと
)
りに来た。
遠足半分
(
えんそくはんぶん
)
の学生も来た。演説依頼の
紳士
(
しんし
)
も来た。労働最中に洋服でも着た立派な東京紳士が来ると、彼は頗得意であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
東海さんが、顔
馴染
(
なじみ
)
のフォオド会社の
肥
(
ふと
)
った
紳士
(
しんし
)
に、ゴルフを教えてもらい、なんども
空振
(
からぶ
)
りをして、地面を
叩
(
たた
)
く
恰好
(
かっこう
)
を
面白
(
おもしろ
)
がって、みんな笑い
崩
(
くず
)
れていましたが、ぼくにはつまらなかった。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
“紳士”の意味
《名詞》
紳士(しんし)
上流社会の男性。また、上品で礼儀正しい男性。
成人の男性、または男性一般を美化した語。
(出典:Wiktionary)
“紳士”の解説
紳士(en: gentleman)とは、社会的に高い地位にある男性、また礼儀やマナーを心得ている者を指す。明代、清代における在郷名士「郷紳」と科挙合格を目指す「士人」を合わせた言葉。転じて地方官吏、退官後地方で隠棲する人、地方有力者などを指す。
(出典:Wikipedia)
紳
常用漢字
中学
部首:⽷
11画
士
常用漢字
小5
部首:⼠
3画
“紳士”で始まる語句
紳士道
紳士風
紳士程
紳士気質
紳士淑女