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物思
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ものおも
ふりがな文庫
“
物思
(
ものおも
)” の例文
鼻筋
(
はなすぢ
)
の
象牙彫
(
ざうげぼり
)
のやうにつんとしたのが
難
(
なん
)
を
言
(
い
)
へば
強過
(
つよす
)
ぎる……かはりには
目
(
め
)
を
恍惚
(
うつとり
)
と、
何
(
なに
)
か
物思
(
ものおも
)
ふ
體
(
てい
)
に
仰向
(
あをむ
)
いた、
細面
(
ほそおも
)
が
引緊
(
ひきしま
)
つて
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
話
(
はなし
)
は、やがて、
妃
(
きさき
)
のお
耳
(
みみ
)
にまで
達
(
たっ
)
すると、
妃
(
きさき
)
は
明
(
あ
)
けても、
暮
(
く
)
れても、その
珠
(
たま
)
が
空想
(
くうそう
)
の
目
(
め
)
に
浮
(
う
)
かんで、
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
まれたのであります。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
物思
(
ものおも
)
ひ
顏
(
がほ
)
の
若者
(
わかもの
)
が
襟
(
えり
)
のあたり
冷
(
ひ
)
いやりとしてハツと
振拂
(
ふりはら
)
へば
半面
(
はんめん
)
を
射
(
ゐ
)
る
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
光
(
ひかり
)
蒼白
(
あをじろ
)
し
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼女は、少しの間、
物思
(
ものおも
)
はしげだつた。が、やがて身を起しながら、快活に云つた——
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
先の
快
(
こゝろよ
)
げなる
氣色
(
けしき
)
に引きかへて、
首
(
かうべ
)
を垂れて
物思
(
ものおも
)
ひの
體
(
てい
)
なりしが、やゝありて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
は
時計
(
とけい
)
を
取
(
と
)
つて
物思
(
ものおも
)
はしげにそれを
眺
(
なが
)
めました、それから
彼
(
かれ
)
はそれを
茶碗
(
ちやわん
)
の
中
(
なか
)
へ
浸
(
ひた
)
して
又
(
また
)
それを
見
(
み
)
てゐました、
併
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
が
最初
(
さいしよ
)
云
(
い
)
つた『それは
上等
(
じやうとう
)
の
牛酪
(
バター
)
でした』と
云
(
い
)
ふ
言葉
(
ことば
)
より
他
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
も
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此時
(
このとき
)
ロミオ
物思
(
ものおも
)
ひ
顏
(
がほ
)
にて一
方
(
ぱう
)
へ
出
(
で
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
うなだれて
物思
(
ものおも
)
ひ立てる
秋の一夕
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
物思
(
ものおも
)
はする
花
(
はな
)
をぐさ。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
すると、
月
(
つき
)
は、
物思
(
ものおも
)
い
顔
(
がお
)
に、じっと
自分
(
じぶん
)
を
見
(
み
)
ていたが、そのまま、
黒
(
くろ
)
い
雲
(
くも
)
のうしろに
隠
(
かく
)
れてしまったことをあざらしは
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したのであります。
月とあざらし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
御内端
(
おうちば
)
すぎてのお
物思
(
ものおも
)
ひくよ/\
斗
(
ばか
)
り
遊
(
あそ
)
ばせばこそ
昨日今日
(
きのふけふ
)
は
御顏色
(
おいろ
)
もわるし
御病
(
おわづら
)
ひでも
遊
(
あそ
)
ばしたら
御兩親
(
をふたかた
)
さまは
更
(
さら
)
なる
事
(
こと
)
なり
申
(
まを
)
すも
慮外
(
りよぐわい
)
ながら
妹
(
いもと
)
と
思
(
おもふ
)
ぞとての御
慈愛
(
じあい
)
に
身
(
み
)
は
姉上
(
あねうへ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「忍ぶれど色に
出
(
で
)
にけり我恋は」と謂ひしは
粋
(
すゐ
)
なる
物思
(
ものおも
)
ひ、予はまた野暮なる
物思
(
ものおもひ
)
に臆病の色
頬
(
ほ
)
に出でて
蒼
(
あを
)
くなりつゝ
結
(
むす
)
ぼれ
返
(
かへ
)
るを、物や思ふと松川はじめ通学生等に問はるゝ
度
(
たび
)
に
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
学者
(
がくしゃ
)
は、しばらくたたずんで、
昔
(
むかし
)
、この
寺
(
てら
)
に
美
(
うつく
)
しい
尼
(
あま
)
さんが、
夜々
(
よるよる
)
空
(
そら
)
を
仰
(
あお
)
いで、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に、
雲
(
くも
)
の
姿
(
すがた
)
に、
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
んだ
姿
(
すがた
)
を
想像
(
そうぞう
)
したのであります。
三つのかぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
も
何
(
なに
)
もぼうつとして
物思
(
ものおも
)
ひのない
處
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
かれるであらう、つまらぬ、くだらぬ、
面白
(
おもしろ
)
くない、
情
(
なさけ
)
ない
悲
(
かな
)
しい
心細
(
こゝろぼそ
)
い
中
(
なか
)
に、
何時
(
いつ
)
まで
私
(
わたし
)
は
止
(
と
)
められて
居
(
ゐ
)
るのかしら、これが一
生
(
せう
)
か、一
生
(
せう
)
がこれか
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
後
(
あと
)
で、
美
(
うつく
)
しいちょうは、
独
(
ひと
)
り
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
みました。ちょうは、
人間
(
にんげん
)
の
造
(
つく
)
った
町
(
まち
)
にいってみたくなったのです。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
腸
(
はらわた
)
断
(
た
)
えざらん
限
(
か
)
ぎりなき
心
(
こゝろ
)
のみだれ
忍艸
(
しのぶぐさ
)
小紋
(
こもん
)
のなへたる
衣
(
きぬ
)
きて
薄
(
うす
)
くれなゐのしごき
帯
(
おび
)
前に結びたる
姿
(
(すが)た
)
今
(
いま
)
幾日
(
いくひ
)
見
(
み
)
らるべきものぞ
年頃
(
としごろ
)
日頃
(
ひごろ
)
片時
(
かたとき
)
はなるゝ
間
(
ひま
)
なく
睦
(
むつ
)
み
合
(
あ
)
ひし
中
(
うち
)
になど
底
(
そこ
)
の
心
(
こゝろ
)
知
(
し
)
れざりけん
少
(
ちい
)
さき
胸
(
むね
)
に
今日
(
けふ
)
までの
物思
(
ものおも
)
ひはそも
幾何
(
いくばく
)
ぞ
昨日
(
きのふ
)
の
夕暮
(
ゆふぐれ
)
お
福
(
ふく
)
が
涙
(
なみだ
)
ながら
語
(
かた
)
るを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三
人
(
にん
)
の
前
(
まえ
)
には、さびれていく
田園
(
でんえん
)
の
景色
(
けしき
)
がしみじみとながめられたのです。
年上
(
としうえ
)
の
子供
(
こども
)
は、
黒
(
くろ
)
い
瞳
(
ひとみ
)
をこらして、
遠方
(
えんぽう
)
をじっと
物思
(
ものおも
)
わしげに
見
(
み
)
つめていました。
石段に鉄管
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
何
(
なに
)
につけても
忍
(
しの
)
ばるゝは
又
(
また
)
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
なりしが
思
(
おも
)
ひきや
孃
(
じよう
)
さま
明日今日
(
きのふけふ
)
のお
物思
(
ものおも
)
ひ
命
(
いのち
)
にかけてお
慕
(
した
)
ひなさるゝ
主
(
ぬし
)
はと
問
(
と
)
へば
杉原
(
すぎはら
)
三
郎
(
らう
)
どのとや
三輪
(
みわ
)
の
山本
(
やまもと
)
しるしは
無
(
な
)
けれど
尋
(
たづ
)
ぬる
人
(
ひと
)
ぞと
知
(
し
)
る
悲
(
かな
)
しさ
御存
(
ごぞん
)
じ
無
(
な
)
ければこそ
召使
(
めしつか
)
ひの
我
(
わ
)
れふし
拜
(
をが
)
みてのお
頼
(
たの
)
み
孃
(
ぢやう
)
さま
不憫
(
いとし
)
やと
思
(
おも
)
はぬならねど
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
何
(
なん
)
として
取持
(
とりも
)
たるべき
受合
(
うけあひ
)
ては
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「これからどこへいくのですか。」と、
月
(
つき
)
はたずねました。
箱
(
はこ
)
は、
黙
(
だま
)
って、
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
んでいましたが
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
父
(
とゝ
)
さま
無
(
む
)
二の
御懇意
(
ごこんい
)
とて
恥
(
はづ
)
かしき
手前
(
てまへ
)
に
薄茶
(
うすちや
)
一
服
(
ぷく
)
參
(
まゐ
)
らせ
初
(
そめ
)
しが
中々
(
なか/\
)
の
物思
(
ものおも
)
ひにて
帛紗
(
ふくさ
)
さばきの
靜
(
しづ
)
こゝろなく
成
(
な
)
りぬるなり
扨
(
さて
)
もお
姿
(
すがた
)
に
似
(
に
)
ぬ
物
(
もの
)
がたき
御氣象
(
ごきしよう
)
とや
今
(
いま
)
の
代
(
よ
)
の
若者
(
わかもの
)
に
珍
(
めづ
)
らしとて
父樣
(
とゝさま
)
のお
褒
(
ほ
)
め
遊
(
あそ
)
ばす
毎
(
ごと
)
に
我
(
わが
)
ことならねど
面
(
おも
)
て
赤
(
あか
)
みて
其坐
(
そのざ
)
にも
得堪
(
えたへ
)
ねど
慕
(
した
)
はしさの
數
(
かず
)
は
増
(
まさ
)
りぬ
左
(
さ
)
りながら
和女
(
そなた
)
にすら
云
(
い
)
ふは
始
(
はじ
)
めて
云
(
い
)
はぬ
心
(
こゝろ
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
秀吉
(
ひできち
)
は、
両手
(
りょうて
)
を
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
で
組
(
く
)
んで、ぼんやりと、
遠方
(
えんぽう
)
をながめながら、
物思
(
ものおも
)
いにしずんでいました。
さか立ち小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
毎日
(
まいにち
)
のように、
赤
(
あか
)
い
姫君
(
ひめぎみ
)
は、ぼんやりと
遠
(
とお
)
くの
空
(
そら
)
をながめて、
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
んでいられました。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今日
(
きょう
)
も
長吉
(
ちょうきち
)
は
学校
(
がっこう
)
から
帰
(
かえ
)
ると、
自分
(
じぶん
)
のへやに
入
(
はい
)
って
机
(
つくえ
)
の
前
(
まえ
)
にすわって
物思
(
ものおも
)
いに
沈
(
しず
)
んでいました。
外
(
そと
)
は
雪
(
ゆき
)
が
晴
(
は
)
れていて、
子供
(
こども
)
らがみんなさもうれしそうにして
遊
(
あそ
)
んでいる、その
声
(
こえ
)
が
聞
(
き
)
こえてきます。
残された日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
物思
(
ものおも
)
いにふけっていられました。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
思
常用漢字
小2
部首:⼼
9画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物頭