樣々さま/″\)” の例文
新字:様々
往返わうへんし旅人の懷中ふところねら護摩ごまはひの頭なり因て半四郎が所持の金に目をかけ樣々さま/″\にして終に道連となりしかば此夜このよ何卒なにとぞして半四郎の胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
べしは重々ぢゆう/\此方こなたわるけれど母上はゝうへとらへてなにいひつたかおみゝれまいとおもへばこそ樣々さま/″\苦勞くらうもするなれさらでもの御病氣ごびやうきにいとゞおもさを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人類の住居ぢうきよには樣々さま/″\の種類有るものにて、我々われ/\日本人にほんじんは現今地盤上にてたる家にのみすまへど、古今を通じて何人種なにじんしゆも同樣と云ふ譯にはあらず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
されば一の行爲おこなひより樣々さま/″\の事出でぬ、そは一の死、神の聖意みこゝろにも猶太人ジュデーアびとの心にも適ひたればなり、この死の爲に地は震ひ天は開きぬ 四六—四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此等これら樣々さま/″\化物思想ばけものしさう具體化ぐたいくわするのにどういふ方法はうはふもつてしてるかといふに、ときにより、くにによつて各々おの/\ことなつてゐて、一がい斷定だんていすること出來できない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
忽然たちまち樣々さま/″\妄想まうぞう胸裡こゝろわだかまつてた、今日こんにちまでは左程さほどまでにはこゝろめなかつた、こく怪談くわいだん
私達わたしたちいままで日本につぽん古墳こふんと、そのなかから發見はつけんせられる樣々さま/″\遺物いぶつてまゐりましたが、これ品物しなものは、みなこのふる時代じだいひとつくつた美術品びじゆつひん工藝品こうげいひんであつて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「それで、これからひろ世界せかいをめぐつて、もつともつと樣々さま/″\のことをたりいたりしたいのです」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
彼等かれら複雜ふくざつ社會しやくわいわづらひたとともに、その社會しやくわい活動くわつどうから樣々さま/″\經驗けいけん直接ちよくせつれる機會きくわいを、自分じぶんふさいで仕舞しまつて、都會とくわいみながら、都會とくわい文明人ぶんめいじん特權とくけんてたやう結果けつくわ到着たうちやくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さして送らせける其後種々しゆ/″\樣々さま/″\吟味有けるに先の申たてと相違も無きこと故これより大惡の本人ほんにんたる重四郎の段右衞門と愈々いよ/\突合つきあはせ吟味とこそはきはまりけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はぬ浮世うきよ樣々さま/″\には如何いかなることやひそむらん、いまむかしのなみだたねこひならぬ懺悔物ざんげものがたり、くもかなしきうへあり、はるふけてにしむかぜ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから自分じぶん學校時代がくかうじだいによく進撃しんげきしたやぶそばや梅月ばいげつことや、其他そのほか樣々さま/″\こと懷想くわいさうして、つばさあらばんでもきたいまで日本につぽんこひしくなつたこと度々たび/\あつたが
して相摸路より甲州へいたり是より所々方々と遊歴いうれきなし種々いろ/\樣々さま/″\たのしみ居たりけるさても翌日所のもの共此ていを見出し大いに驚きて飛脚ひきやく馬士まごの殺されたるおもぶきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さりとて其夜そのよらるヽところならず、ひてとこへはりしものヽ寐間着ねまきかへずよこにもならず、さてつく/″\とかんがへればまへ晝間ひるま樣々さま/″\かびて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とても面白おもしろ競漕きやうそうなどは出來できない、時々とき/″\やつてたが、「ハンデー」やら其他そのほか樣々さま/″\遣繰やりくりやらで、いつも無邪氣むじやき紛着もんちやくおこつて、墨田川すみだがは競漕きやうそうやう立派りつぱにはかぬのである。
姉樣ねえさま御覽ごらんれよかし、おまへめられなばれとてもうれしきものをと可愛かあゆふに、おもひある一層いつそうたのもしく樣々さま/″\機嫌きげんりて、姉樣ねえさまさだめし和歌うたはお上手じやうずならん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
婦人をんなはかなしとおももひたえて、松野まつの忠節ちうせつこゝろより、われ大事だいじもふあまりに樣々さま/″\苦勞くらう心痛しんつう大方おほかたならぬこゝろざしるものから、それすらそらふくかぜきて、みゝにだにめんとせざりし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
學校がくかうみました書物しよもつ教師けうしからかしてれました樣々さま/″\ことは、それはたしかにわたしためにもなり、ことあるごとおもしてはあゝでつた、うでつたと一々いち/\かへりみられまするけれど
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
不幸ふかう由來もとさとめて、ちヽこひはヽこひしの夜半よはゆめにも、かぬさくらかぜうらまぬひとりずみのねがかたくなり、つヽむにもれ素性すじやうひとしらねばこそ樣々さま/″\傳手つてもとめて、香山かやま令孃ひめくるしく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
でつ漸々やう/\東京こゝへはきしもの當處あてどなければ御行衛おゆくゑさらるよしなく樣々さま/″\艱難かんなん御目おめにかゝるをりめられぐさにとつはこゝろたのしみつゝいやしい仕業しわざきよおこなひさへがれずばと都乙女みやこおとめにしきなか木綿衣類もめんぎもの管笠すげがさ脚袢きやはん
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)