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幾本
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いくほん
ふりがな文庫
“
幾本
(
いくほん
)” の例文
青
(
あお
)
い、
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に、
黒
(
くろ
)
い
煙
(
けむり
)
の
上
(
あ
)
がる、
煙突
(
えんとつ
)
の
幾本
(
いくほん
)
か
立
(
た
)
った
工場
(
こうじょう
)
がありました。その
工場
(
こうじょう
)
の
中
(
なか
)
では、
飴
(
あめ
)
チョコを
製造
(
せいぞう
)
していました。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
せきの水は濁って大へんに増し、
幾本
(
いくほん
)
もの
蓼
(
たで
)
やつゆくさは、すっかり水の中になりました。飛び
込
(
こ
)
むのは
一寸
(
ちょっと
)
こわいくらいです。
蛙のゴム靴
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
孰
(
いづ
)
れも古い
家屋
(
かをく
)
ばかりで、
此処
(
こゝ
)
らあたりの田舎町の特色がよく出て
居
(
ゐ
)
た。町の中央に、芝居小屋があつて、青い白い
幟
(
のぼり
)
が
幾本
(
いくほん
)
となく風にヒラヒラして
居
(
ゐ
)
た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
之
(
これ
)
よりは
我
(
わが
)
大日本帝國
(
だいにつぽんていこく
)
の
領地
(
りようち
)
である
事
(
こと
)
を
表示
(
ひやうし
)
する
爲
(
ため
)
に、
幾本
(
いくほん
)
の
日章旗
(
につしようき
)
を
海岸
(
かいがん
)
に
飜
(
ひるがへ
)
して
置
(
お
)
いても、
一朝
(
いつてう
)
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
つた
後
(
あと
)
の
事
(
こと
)
は、
少
(
すくな
)
からず
氣遣
(
きづか
)
はれるのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
屋根にはイルミネーションがつき、前面には金銀の
垂
(
た
)
れ
幕
(
まく
)
が下がり、
幾本
(
いくほん
)
もの
旗
(
はた
)
がにぎやかに立ち
並
(
なら
)
び、すべて新吉の町に
造
(
つく
)
ったものと少しも
変
(
か
)
わりませんでした。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
▼ もっと見る
石畳の上は、
淡
(
あわ
)
い燈のあかりでぬるぬる光っていた。温い夜風が、皆の裾を吹いて行く。井戸の中には、
幾本
(
いくほん
)
も縄がさがって「ううん、ううん」
唸
(
うな
)
り声が湧いていた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
殊
(
こと
)
に
夜
(
よる
)
であつた。むかし
住
(
す
)
んだ
家
(
いへ
)
は
一寸
(
ちよつと
)
見富
(
けんたう
)
が
着
(
つ
)
かない。さうだらう
兩側
(
りやうがは
)
とも
生垣
(
いけがき
)
つゞきで、
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
などは、
木戸内
(
きどうち
)
の
空地
(
あきち
)
に
井戸
(
ゐど
)
を
取
(
と
)
りまいて
李
(
すもゝ
)
の
樹
(
き
)
が
幾本
(
いくほん
)
も
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
をちの
柳
(
やなぎ
)
といふのも、はっきりと、
何本
(
なんぼん
)
あるとも、どの
位
(
くらゐ
)
の
距離
(
きより
)
にあるともいはれないで、まづほのかな
色
(
いろ
)
あひで、
幾本
(
いくほん
)
か
竝
(
なら
)
んでゐるといふ
感
(
かん
)
じを
起
(
おこ
)
させるためなのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
松
(
まつ
)
の
幹
(
みき
)
の
染
(
そ
)
めた
樣
(
やう
)
に
赤
(
あか
)
いのが、
日
(
ひ
)
を
照
(
て
)
り
返
(
かへ
)
して
幾本
(
いくほん
)
となく
並
(
なら
)
ぶ
風情
(
ふぜい
)
を
樂
(
たの
)
しんだ。ある
時
(
とき
)
は
大悲閣
(
だいひかく
)
へ
登
(
のぼ
)
つて、
即非
(
そくひ
)
の
額
(
がく
)
の
下
(
した
)
に
仰向
(
あふむ
)
きながら、
谷底
(
たにそこ
)
の
流
(
ながれ
)
を
下
(
くだ
)
る
櫓
(
ろ
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其処
(
そこ
)
には静脈と動脈の血管が
幾本
(
いくほん
)
も
聚
(
あつ
)
まっていて肺臓も
腎臓
(
じんぞう
)
も顔を出しているし
殊
(
こと
)
に動脈管は下の睾を連結しているからサア
何処
(
どこ
)
をどう破っていいかそれが一番むずかしい。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
日曜には次郎もかかさず朝倉先生といっしょに下赤塚の駅におりたが、そのたびごとに、かれは、建物の位置とにらみあわせて、つつじその他の小さな樹木を
幾本
(
いくほん
)
かずつ植えかえた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
すぐ
後
(
うしろ
)
の寺の門の
屋根
(
やね
)
には
雀
(
すゞめ
)
と
燕
(
つばめ
)
が絶え
間
(
ま
)
なく
囀
(
さへづ
)
つてゐるので、
其処此処
(
そここゝ
)
に
製造場
(
せいざうば
)
の
烟出
(
けむだ
)
しが
幾本
(
いくほん
)
も立つてゐるに
係
(
かゝは
)
らず、
市街
(
まち
)
からは遠い春の
午後
(
ひるすぎ
)
の
長閑
(
のどけ
)
さは充分に
心持
(
こゝろもち
)
よく
味
(
あぢは
)
はれた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
クリスマスのころになると、ずいぶん若い木が、
幾本
(
いくほん
)
も切りたおされました。
モミの木
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と
是
(
これ
)
から
案内
(
あんない
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
き、
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
ると
葭簀張
(
よしずばり
)
の
腰掛
(
こしか
)
け
茶屋
(
ぢやゝ
)
で、
奥
(
おく
)
が
住居
(
すまゐ
)
になつて
居
(
を
)
り、
戸棚
(
とだな
)
が
三
(
みつ
)
つばかり
有
(
あ
)
り、
棚
(
たな
)
が
幾
(
いく
)
つも
有
(
あ
)
りまして、
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
、ラムネ、
麦酒
(
ビール
)
などの
壜
(
びん
)
が
幾本
(
いくほん
)
も並んで
居
(
ゐ
)
て
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十
幾本
(
いくほん
)
となく並んだ松と松との間はせまい。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
走
(
はし
)
って、
私
(
わたし
)
は、
善
(
ぜん
)
ちゃんのいるところへもどりました。
正
(
しょう
)
ちゃんも、
幾本
(
いくほん
)
となく
握
(
にぎ
)
って、かたきうちをしようと、
勇
(
いさ
)
んで
駆
(
か
)
けてきました。
草原の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ジョバンニは、いつか町はずれのポプラの木が
幾本
(
いくほん
)
も
幾本
(
いくほん
)
も、高く星ぞらに
浮
(
う
)
かんでいるところに来ていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして、この
化
(
ば
)
け
物
(
もの
)
には、
幾本
(
いくほん
)
も
手
(
て
)
や
足
(
あし
)
があって、それがへびのように、
電信柱
(
でんしんばしら
)
や
街灯
(
がいとう
)
の
柱
(
はしら
)
に、まきついて、つめから
血
(
ち
)
がしたたっている。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ジョバンニは、いつか町はずれのポプラの木が
幾本
(
いくほん
)
も幾本も、高く星ぞらに
浮
(
うか
)
んでいるところに来ていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いい
音楽
(
おんがく
)
の
聞
(
き
)
こえてくる
坂道
(
さかみち
)
を、
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
をのせて
登
(
のぼ
)
ると、そこには
桜
(
さくら
)
の
木
(
き
)
が
幾本
(
いくほん
)
もあって、みごとに
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いていました。
春さきの古物店
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの、黒い山がむくむく
重
(
かさ
)
なり、その
向
(
むこ
)
うには
定
(
さだ
)
めない雲が
翔
(
か
)
け、
渓
(
たに
)
の水は風より
軽
(
かる
)
く
幾本
(
いくほん
)
の木は
険
(
けわ
)
しい
崖
(
がけ
)
からからだを
曲
(
ま
)
げて空に
向
(
むか
)
う、あの景色が石の滑らかな
面
(
めん
)
に描いてあるのか。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ある
日
(
ひ
)
、
太郎
(
たろう
)
は、
野原
(
のはら
)
へいってみますと、
雪
(
ゆき
)
の
消
(
き
)
えた
跡
(
あと
)
に、
土筆
(
つくし
)
がすいすいと
幾本
(
いくほん
)
となく
頭
(
あたま
)
をのばしていました。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人がその白い道を、
肩
(
かた
)
をならべて行きますと、二人の影は、ちょうど四方に窓のある
室
(
へや
)
の中の、二本の柱の影のように、また二つの車輪の
輻
(
や
)
のように
幾本
(
いくほん
)
も幾本も四方へ出るのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「だって、
帰
(
かえ
)
っておいでなさるかもしれないわ。わたしは、お
父
(
とっ
)
さんが
見当
(
けんとう
)
のつくように、ろうそくの
火
(
ひ
)
を
点
(
とも
)
してあげるわ。」と、
娘
(
むすめ
)
はいって、
窓
(
まど
)
ぎわに
幾本
(
いくほん
)
となく
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
がその白い道を、
肩
(
かた
)
をならべて行きますと、
二人
(
ふたり
)
の
影
(
かげ
)
は、ちょうど四方に
窓
(
まど
)
のある
室
(
へや
)
の中の、二本の
柱
(
はしら
)
の
影
(
かげ
)
のように、また二つの
車輪
(
しゃりん
)
の
輻
(
や
)
のように
幾本
(
いくほん
)
も
幾本
(
いくほん
)
も四方へ出るのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
おまえは、
毎日
(
まいにち
)
、
出歩
(
である
)
くことが
好
(
す
)
きだから、この
村
(
むら
)
はずれから十
里
(
り
)
あちらの
町
(
まち
)
に
出
(
で
)
るまで、
電信柱
(
でんしんばしら
)
の
数
(
かず
)
が
幾本
(
いくほん
)
あるか、かぞえてみれ。それを
当
(
あ
)
てたら
財産
(
ざいさん
)
を
分
(
わ
)
けてやる。
星と柱を数えたら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
山吹
(
やまぶき
)
の
根
(
ね
)
もとには、
新
(
あたら
)
しい
芽
(
め
)
が、
幾本
(
いくほん
)
も
土
(
つち
)
を
破
(
やぶ
)
って
頭
(
あたま
)
を
出
(
だ
)
していました。
親木と若木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
幾本
(
いくほん
)
となく
起重機
(
きじゅうき
)
のそびえたつ、
大
(
おお
)
きな
鉄工場
(
てっこうじょう
)
が
現
(
あらわ
)
れるのでした。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
年郎
(
としろう
)
くんと、
吉雄
(
よしお
)
くんは、ある
日
(
ひ
)
、
学校
(
がっこう
)
の
帰
(
かえ
)
りにお
友
(
とも
)
だちのところへ
遊
(
あそ
)
びにゆきました。そのお
家
(
うち
)
には、一
本
(
ぽん
)
の
大
(
おお
)
きないちじゅくの
木
(
き
)
があって、その
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
差
(
さ
)
して
造
(
つく
)
った
苗木
(
なえぎ
)
が、
幾本
(
いくほん
)
もありました。
いちじゅくの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
本
常用漢字
小1
部首:⽊
5画
“幾”で始まる語句
幾度
幾
幾何
幾歳
幾日
幾人
幾許
幾年
幾個
幾干