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訳
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わけ
ふりがな文庫
“
訳
(
わけ
)” の例文
旧字:
譯
尤
(
もつと
)
も
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
渡
(
わた
)
るほどの
大事
(
おほごと
)
なのではないが、
本街道
(
ほんかいだう
)
には
些
(
ち
)
と
難儀
(
なんぎ
)
過
(
す
)
ぎて、なか/\
馬
(
うま
)
などが
歩行
(
ある
)
かれる
訳
(
わけ
)
のものではないので。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうぞ
是非
(
ぜひ
)
一つ
聴
(
き
)
いて
頂
(
いただ
)
きたい、と
云
(
い
)
うのは、
実
(
じつ
)
はそう
云
(
い
)
う
訳
(
わけ
)
であるから、
寧
(
むしろ
)
君
(
きみ
)
は
病院
(
びょういん
)
に
入
(
はい
)
られた
方
(
ほう
)
が
得策
(
とくさく
)
であろうと
考
(
かんが
)
えたのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかし天下の事は成敗
利鈍
(
りどん
)
をもって
相判
(
あいはん
)
じ
候
(
そうろう
)
訳
(
わけ
)
にはこれなく、小生は正をもって起こり、正をもって
斃
(
たお
)
るること始めよりの目的に
候
(
そうろう
)
。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ええそういう
訳
(
わけ
)
なら御嫁に来て上げましょうと、その場ですぐ承知しないとも限るまいと思って、
私
(
ひそ
)
かに
掛念
(
けねん
)
を
抱
(
いだ
)
いたくらいである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鬢
(
びん
)
はほつれ、眼は血走り、全身はわなわな
顫
(
ふる
)
えています。少女達は驚きながら
訳
(
わけ
)
を
訊
(
たず
)
ねると、女はあわてて
吃
(
ども
)
りながら言いました。
気の毒な奥様
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
何でも大呉服店のマークが附いて居ないと幅が利かないといふ
訳
(
わけ
)
なのか、時にも費用にもかまはず、今は皆下町に足を運ぶやうである。
買ひものをする女
(新字旧仮名)
/
三宅やす子
(著)
書棚には支那の書物、外国の書物、例の『理想の
良人
(
おっと
)
』もある
訳
(
わけ
)
だな。——上下二冊揃だ。寝室がまた一間あって、真鍮のベッドかな。
幸福な家庭
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
甘いパンといって非常に珍重するものをお料理に使うつもりですけれどもこれは
滅多
(
めった
)
にない肉で犢一頭に必ずある
訳
(
わけ
)
でありません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私
(
わたくし
)
は
別
(
べつ
)
に
婦道
(
ふどう
)
が
何
(
ど
)
うの、
義理
(
ぎり
)
が
斯
(
こ
)
うのと
言
(
い
)
って、
六ヶ
(
むずか
)
しい
理窟
(
りくつ
)
から
割
(
わ
)
り
出
(
だ
)
して、
三浦
(
みうら
)
に
踏
(
ふ
)
みとどまった
訳
(
わけ
)
でも
何
(
なん
)
でもございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「しかし、今まで世話をしている関係があっちゃア、そう急によしてしまう
訳
(
わけ
)
には行かないだろう。恨まれるのはいやだからな。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「お
手間
(
てま
)
を
取
(
と
)
らせることじゃない。ちと
折
(
おり
)
いって、
相談
(
そうだん
)
したい
訳
(
わけ
)
もある。ついそこまで、ほんのしばらく、つき
合
(
あ
)
っておくれでないか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
一日二十二銭の
訳
(
わけ
)
なのだが、
月極
(
つきぎ
)
めにすると二十銭に負けて呉れるのだった。
素人
(
しろうと
)
の家の間を借りて居たが、間代が二円だった。
天の配剤
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ちやんと
勧善懲悪
(
くわんぜんちようあく
)
の
道理
(
だうり
)
がお
解
(
わか
)
りになるから
飽
(
あ
)
かずに見て
居
(
ゐ
)
らつしやるのだ、
若
(
も
)
し
其道理
(
そのだうり
)
が
解
(
わか
)
らなければ
退屈
(
たいくつ
)
して
仕舞
(
しま
)
ふ
訳
(
わけ
)
ぢやアないか
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まあ思っても見たまえ、クリコーというだけじゃなく、クリコー・マトゥラドゥーラってやつさ、つまり二倍の強さのクリコーって
訳
(
わけ
)
さ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
措
(
お
)
いても
直
(
す
)
ぐ奥の
間
(
ま
)
へ立って行ったそんな
訳
(
わけ
)
だから常に春琴の座右を案じて出教授には行かず宅で弟子を取るばかりであった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「この川を
向
(
む
)
こうへ
跳
(
と
)
び
越
(
こ
)
えてやろうかな。なあに
訳
(
わけ
)
ないさ。けれども川の
向
(
む
)
こう
側
(
がわ
)
は、どうも草が
悪
(
わる
)
いからね」とひとりごとを
言
(
い
)
いました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
狂暴な音楽と
喊声
(
かんせい
)
につれて、追いつ追われつしている、ホセとカルメン、どうした
訳
(
わけ
)
か、多分服装のせいであったろう、私はそれを
聯想
(
れんそう
)
した。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私
(
わたし
)
の
人物
(
じんぶつ
)
が
全
(
まつた
)
く
想像
(
さうざう
)
と
反
(
はん
)
して
居
(
ゐ
)
たのに
驚
(
おどろ
)
いたと
云
(
い
)
ひます、
甚麼
(
どんな
)
に
反
(
はん
)
して
居
(
ゐ
)
たか聞きたいものですが、ちと
遠方
(
ゑんぱう
)
で今
問合
(
とひあは
)
せる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
きません
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「ああ! どうぞ
勘弁
(
かんべん
)
して
下
(
くだ
)
さい!」と
男
(
おとこ
)
が
答
(
こた
)
えた。「
好
(
す
)
き
好
(
この
)
んで
致
(
いた
)
した
訳
(
わけ
)
ではございません。
全
(
まった
)
くせっぱつまって
余儀
(
よぎ
)
なく
致
(
いた
)
しましたのです。 ...
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
しかし
命賭
(
いのちが
)
けでもこれを取払わねばならぬというほどの必要に迫られている
訳
(
わけ
)
でもない。単に邪魔だとか
目障
(
めざわ
)
りだとかいうに過ぎないのである。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで
子家鴨
(
こあひる
)
は
試
(
ため
)
しに三
週間
(
しゅうかん
)
ばかりそこに
住
(
す
)
む
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
されましたが、
卵
(
たまご
)
なんか
一
(
ひと
)
つだって、
生
(
うま
)
れる
訳
(
わけ
)
はありませんでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
お母様はこの時ばかりはどうした
訳
(
わけ
)
か只お泣きになるばかりで、しまいには、その声さえ包まずに心ゆくばかり泣いておいでになったようです。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
所がその後幕府はなか/\な混雑、又亜米利加にも南北戦争と云う内乱が
起
(
おこっ
)
たと云うような
訳
(
わけ
)
で、その後一向便りもない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
滝田
君
(
くん
)
についてはこの
外
(
ほか
)
に
語
(
かた
)
りたいこともない
訳
(
わけ
)
ではない。しかし
匆卒
(
そうそつ
)
の
間
(
あいだ
)
にも
語
(
かた
)
ることの出来るのはこれだけである。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
苛々
(
いらいら
)
しさ……何よりも芸術の粋を慕ふ私の心は渾然としたその悲念の
溶
(
とろ
)
ましさに
訳
(
わけ
)
もなく
苛
(
いぢ
)
められ、魅せられ、ひき包まれ、はたまた泣かされる。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「だから、その
訳
(
わけ
)
を話して、得心して貰いてえと思って、急ぐところを引ッ返してきたのじゃねえか。まア、落ちついて、おれの話を聞いてくれ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元亨釈書
(
げんこうしゃくしょ
)
などに出て来る景気の好い
訳
(
わけ
)
は、大衆文芸ではない大衆宗教で、ハハア、面白いと聞いて置くに適している。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
無論其れ程の
地積
(
ちせき
)
がある
訳
(
わけ
)
でも必要がある訳でも無いが、種苗店の目録を見て居るとつい買いたくなって買うのだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この様な
訳
(
わけ
)
で、およそこの十年間には、
筆端舌頭
(
ひったんぜっとう
)
に依って猛烈なる立憲的の大運動が起り、ついに国会開設の請願を提出するまでに立ち至ったのである。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
またある時は米屋の借金のいい
訳
(
わけ
)
は婦人に限るなど、
唆
(
そその
)
かされて
詫
(
わ
)
びに行き、存外
口籠
(
くちごも
)
りて赤面したる事もあり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
『ほんとに
私
(
わたし
)
は、こんなことが
貴郎
(
あなた
)
に言はれた義理ぢアないんですけれど、手紙で申し上げたやうな
訳
(
わけ
)
で……』
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
一
百
(
そく
)
仕方
(
しあ
)
げたに教育せられ
薫陶
(
くんとう
)
せられた中から
良妻賢母
(
れうさいけんぼ
)
も
大袈裟
(
おほげさ
)
だが
並
(
なみ
)
一人前の
日本
(
にほん
)
婦人が出て来る
訳
(
わけ
)
なら
芥箱
(
ごみばこ
)
の玉子の
殻
(
から
)
もオヤ/\
鶏
(
とり
)
に
化
(
くわ
)
さねばならない
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
何事が起ったのか知らんと思ったけれども「そう
慌
(
あわ
)
てていわれたところで一向
訳
(
わけ
)
が分らぬ。静かにしなさい」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
神様の
居催促
(
いざいそく
)
にあっては
叶
(
かな
)
わない、笑わないわけにもいかないと、こっそり自分に
言
(
い
)
い
訳
(
わけ
)
を
云
(
い
)
ったりした。
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
医者たちはみな
訳
(
わけ
)
のわからない薬をくれましたが、どれも無効で二度と呼ばれた者はありませんでした。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
と申したら、なぜ十分に探究しないかとおっしゃるかもしれませんが、それにはまた
訳
(
わけ
)
があるのです。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
年上の女と恋をするのはどんな気持なものかとも私がお尋ねしましたら、綺麗な人だつたせいか自分は年上とも思はなかつたとあなたは
訳
(
わけ
)
なしに云つておいででした。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
われらの衣食住はその資源を植物に
仰
(
あお
)
いでいるものが多いことを見ても、その
訳
(
わけ
)
がうなずかれる。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
その
訳
(
わけ
)
は、人間の頭で考え得られる大概の事は昔のギリシア人が考えてしまっている、それだからギリシアの戦術を研究すれば何かしらきっと今度の戦争に役に立つような
変った話
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
関東の事情切迫につき、英艦
防禦
(
ぼうぎょ
)
のため
大樹
(
たいじゅ
)
(家茂のこと)帰府の儀、もっともの
訳
(
わけ
)
がらに候えども、京都ならびに近海の守備警衛は大樹において自ら指揮これあるべく
候
(
そうろう
)
。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ナント
異
(
おつ
)
に
出来
(
でか
)
したでは
厶
(
ござ
)
らぬか、
此詩
(
このし
)
を
懐中
(
くわいちう
)
したれば、
門
(
もん
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
驚
(
おどろ
)
かし
申
(
まを
)
さんかとは思ひしが、
夢中
(
むちう
)
感得
(
かんとく
)
の
詩
(
し
)
なれば、
何時
(
いつ
)
何処
(
どこ
)
にても、またやらかすと
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
自分はそんなのらくら息子とは
訳
(
わけ
)
が違うのだと云う誇に頼って、密かになぐさめていた。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「ははあ、わかったわかった。その人形は
地獄
(
じごく
)
に
居
(
い
)
る。
訳
(
わけ
)
はないから取りに行くがいい」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
言うに言われぬ
訳
(
わけ
)
あって、夫殺しの
咎人
(
とがにん
)
と、
死恥
(
しにはじ
)
曝
(
さら
)
す身の因果、ふびんと
思
(
おぼ
)
し一片の、
御回向
(
ごえこう
)
願い上げまする、世上の娘御様方は、この駒を見せしめと、親の許さぬいたずらなど
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかしこゝでは信心が堅いので、晩飯には
腥
(
なまぐさ
)
いものを、口にする
訳
(
わけ
)
にいかなかつた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのために今日では同地方の地図は全く空虚になって居る次第であります、これは我々の職務として
遺憾
(
いかん
)
に堪えぬ次第で、国家のため死を
賭
(
と
)
しても目的を達せねばならぬ
訳
(
わけ
)
であります
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
これなら
訳
(
わけ
)
はないと思つてみんなナメてかゝるのだが、それがまた芝兼さんのつけ込みどころで、大抵の相手は手数将棋で
戦
(
たゝかひ
)
を挑んだが最後、コロリコロリとまかされてしまふのである。
手数将棋
(新字旧仮名)
/
関根金次郎
(著)
これがもし紅葉見物を兼ねての旅であったならば、目的の一半は既に失われた
訳
(
わけ
)
であるが、
皇海
(
すかい
)
山に登ることが主眼であったから、秋の旅とはいえ、紅葉の方はどうでもよかったのである。
皇海山紀行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
その振り向いた様子が、どういう
訳
(
わけ
)
であるか知らないが少しく変わっていた。
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
虎ほどには自分の興味を引かないので自分の坐ってる右手の壁にかかってる
訳
(
わけ
)
の分らぬ西洋画や、自分の前方の左り手にあるビール箱で組みたてた書棚の本の金文字やらに目をやりながら
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
訳
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“訳”を含む語句
申訳
言訳
訳合
云訳
訳語田
邦訳
飜訳者
通訳
纂訳
訳解
訳官
飜訳
翻訳
事訳
反訳
其訳
抄訳
賃訳
訳柄
飜訳大監
...