トップ
>
真白
>
まっしろ
ふりがな文庫
“
真白
(
まっしろ
)” の例文
旧字:
眞白
森は雪におおわれて
真白
(
まっしろ
)
になりました。高い大きな
枯木
(
かれき
)
の上で、カラスが拡声器をすえて、今しきりに、こんなことを
喋
(
しゃべ
)
っています。
ペンギン鳥の歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
それだから一夜に事の起った時は、冬で雪が降っていたために、鳥博士は、帽子も、服も、靴まで
真白
(
まっしろ
)
にしていた、と話すのであった。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
外は十二月の夜で、月が
真白
(
まっしろ
)
い霜にさえておりました。蟹の出たのは
神戸
(
こうべ
)
の
或
(
ある
)
宿屋の中庭だったのです。あたりはしんとしております。
椰子蟹
(新字新仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
序
(
つい
)
でにお
爺
(
じい
)
さんの
人相書
(
にんそうがき
)
をもう
少
(
すこ
)
しくわしく
申上
(
もうしあ
)
げますなら、
年齢
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
は
凡
(
おおよ
)
そ八十
位
(
くらい
)
、
頭髪
(
とうはつ
)
は
真白
(
まっしろ
)
、
鼻下
(
びか
)
から
顎
(
あご
)
にかけてのお
髭
(
ひげ
)
も
真白
(
まっしろ
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
岩で出来た岸をぐるっと取巻いて、海は白い泡となって砕けていましたが、ただ一方の岸だけは、雪のように
真白
(
まっしろ
)
な砂浜になっていました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
▼ もっと見る
といいながら、おじさんは
井戸
(
いど
)
ばたに立って、あたりをながめまわしていた。ほんとうに井戸がわまでが
真白
(
まっしろ
)
になっていた。
火事とポチ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
残暑の夕日が
一
(
ひと
)
しきり夏の
盛
(
さかり
)
よりも
烈
(
はげ
)
しく、ひろびろした
河面
(
かわづら
)
一帯に燃え立ち、
殊更
(
ことさら
)
に大学の
艇庫
(
ていこ
)
の
真白
(
まっしろ
)
なペンキ塗の
板目
(
はめ
)
に反映していたが
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
振返ってみると、なるほど、梅ヶ谷のような
大女
(
おおおんな
)
、顔を
真白
(
まっしろ
)
に塗立てた
人
(
じん
)
三
化
(
ばけ
)
七が、
頻
(
しき
)
りに手招きしながら追っ掛けて来る。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
唄の声は
正
(
まさ
)
しくお葉であった。重太郎は枯柳に
犇
(
ひし
)
と
取付
(
とりつ
)
いて、酔えるように耳を
澄
(
すま
)
していた。雪はいよいよ
降頻
(
ふりしき
)
って、重太郎も柳も
真白
(
まっしろ
)
になった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私はまだ三十にもならぬに、濃い髪の毛が、一本も残らず
真白
(
まっしろ
)
になっている。この
様
(
よう
)
な不思議な人間が
外
(
ほか
)
にあろうか。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
母
(
かあ
)
さん、」とマリちゃんが
言
(
い
)
った。「
兄
(
にい
)
さんは
扉
(
と
)
の
前
(
まえ
)
に
坐
(
すわ
)
って、
真白
(
まっしろ
)
なお
顔
(
かお
)
をして、
林檎
(
りんご
)
を
手
(
て
)
に
持
(
も
)
っているのよ。 ...
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
病に疲れてものうく、
眠
(
ね
)
む
気
(
け
)
がさして、うっとりとして来るにつれて、その嫁入衣裳のキレは冷たい
真白
(
まっしろ
)
な雪に変る。すると
橇
(
そり
)
の鈴の音が聞えて来る。
少年・春
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
やがてその火も消え、女中が
蓋
(
ふた
)
をとると、
真白
(
まっしろ
)
い湯気がもうもうと立ち上がる。たき立てのご飯の
匂
(
にお
)
いが、ほのぼのとおなかの底まで
浸
(
し
)
み込むような気がした。
おにぎりの味
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
そうして何か木の葉木の皮ようの物を綴って着ている。歯は
真白
(
まっしろ
)
だが口の香が甚だ臭いとまでいっている。労賃は
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
だとある。材木一本に一個二本に二個。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と云いながら様子が
訝
(
おか
)
しいから瞳を定めて能く見ると、透通って見えるような
真白
(
まっしろ
)
な足を出して、赤い
蹴出
(
けだし
)
がベラ/″\見えましたから、慌てゝ立上りながら
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三人が村を出た時は、まだ河の流れに朝霧がかかって、
河原
(
かわら
)
の石の上には霜が
真白
(
まっしろ
)
に
下
(
お
)
りていました。
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
真黒
(
まっくろ
)
な
帽子
(
ぼうし
)
をかぶり、
真黒
(
まっくろ
)
な
服
(
ふく
)
をつけ、
真黒
(
まっくろ
)
な
靴
(
くつ
)
をはき、手に
曲
(
まが
)
りくねった
杖
(
つえ
)
を
持
(
も
)
っていました。
顔
(
かお
)
には
真白
(
まっしろ
)
な
髯
(
ひげ
)
が
生
(
は
)
えて、その
間
(
あいだ
)
から大きな
眼
(
め
)
が光っていました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
また谷間をS字形に縫っている
真白
(
まっしろ
)
な行手の
自動車道
(
ドライブ・ウェー
)
を
蒼翠
(
そうすい
)
の間に見出しながら、いつでも千々岩灘と千々岩松原を、両山脚の間に見て、一気
呵成
(
かせい
)
におりて行く趣きは
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
先生のうちで
飯
(
めし
)
を食うと、きっとこの西洋料理店に見るような白いリンネルの上に、
箸
(
はし
)
や
茶碗
(
ちゃわん
)
が置かれた。そうしてそれが必ず洗濯したての
真白
(
まっしろ
)
なものに限られていた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
赤裸な雑木林の
梢
(
こずえ
)
から
真白
(
まっしろ
)
な富士を見て居た
武蔵野
(
むさしの
)
は、裸から若葉、若葉から青葉、青葉から五彩美しい秋の錦となり、移り変る自然の面影は、其日〻〻其月〻〻の趣を
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そうしていま私のぼんやり立っているこの
小径
(
こみち
)
からその芝生を
真白
(
まっしろ
)
い
柵
(
さく
)
が
鮮
(
あざ
)
やかに
区限
(
くぎ
)
って。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
焔
(
ほのお
)
を高くささげながら、じッと、あわだつ水面を
透
(
す
)
かしてみていると、やがて
真白
(
まっしろ
)
な
泡
(
あわ
)
がブクブクと
湧
(
わ
)
きあがって、そのなかから、
蓬
(
よもぎ
)
のような、人間の黒髪がういてみえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うっすら明るい梅の下に
真白
(
まっしろ
)
い顔の女が二つの白い手を動かしつつ、ぽちゃぽちゃ水の音をさせて洗い物をしているのである。盛りを過ぎた梅の花も、かおりは今が盛りらしい。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そこには
真白
(
まっしろ
)
な
綿
(
わた
)
の
蒲団
(
ふとん
)
を
敷
(
し
)
いて、その上に青いエメラルドの宝石が一つ
載
(
の
)
っていた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
芒
(
すすき
)
すらあまり
生
(
は
)
えない、古塚の中から、
真白
(
まっしろ
)
の
褂
(
うちぎ
)
を着て、
九尾
(
きゅうび
)
に見える、薄黄の長い袴で
玉藻
(
たまも
)
の
前
(
まえ
)
が現われるそれが、好評であったので、後に、歌舞伎座で、菊五郎が上演しようとし
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
二人
(
ふたり
)
が
旅行
(
りょこう
)
を
終
(
お
)
えて
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
たのは十一
月
(
がつ
)
、
町
(
まち
)
にはもう
深雪
(
みゆき
)
が
真白
(
まっしろ
)
に
積
(
つも
)
っていた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
真白
(
まっしろ
)
に
塗
(
ぬ
)
りつぶされたそれらのかたちが、
間
(
ま
)
もなく
濡手拭
(
ぬれてぬぐい
)
で、おもむろにふき
清
(
きよ
)
められると、やがて
唇
(
くちびる
)
には
真紅
(
しんく
)
のべにがさされて、
菊之丞
(
きくのじょう
)
の
顔
(
かお
)
は
今
(
いま
)
にも
物
(
もの
)
をいうかと
怪
(
あや
)
しまれるまでに
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
折々——というよりは
煩
(
うる
)
さく、多分下宿屋の女中であったろう、十二階下とでもいいそうな
真白
(
まっしろ
)
に塗り立てた女が現われて来て、茶を
汲
(
く
)
んだり炭をついだりしながら
媚
(
なまめ
)
かしい
容子
(
ようす
)
をして
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
老婦人はもう髪の毛は
真白
(
まっしろ
)
であった。顔色が真蒼である。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
最早
(
もはや
)
、最後かと思う時に、鎮守の
社
(
やしろ
)
が目の前にあることに心着いたのであります。同時に峰の
尖
(
とが
)
ったような
真白
(
まっしろ
)
な杉の大木を見ました。
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
銭湯
(
せんとう
)
は
今方
(
いまがた
)
湯を抜いたと見えて、雨のような
水音
(
みずおと
)
と共に
溝
(
どぶ
)
から
湧
(
わ
)
く湯気が寒月の光に
真白
(
まっしろ
)
く人家の軒下まで漂っている。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私
(
わたくし
)
は
立
(
た
)
ちながら
眼
(
め
)
を
瞑
(
つむ
)
って
見
(
み
)
ると、
間
(
ま
)
もなく
眼
(
め
)
の
底
(
そこ
)
に
頭髪
(
かみ
)
の
真白
(
まっしろ
)
な、
痩
(
や
)
せた
老人
(
ろうじん
)
の
姿
(
すがた
)
がありありと
映
(
うつ
)
って
来
(
き
)
ました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
由「じゃア
姉
(
ねえ
)
さん、馬は
暴
(
あ
)
れねえのを頼んでおくれ、いゝかえ馬に附ける物があるから、
間違
(
まちげ
)
えちゃアいけねえよ……何しろ虻が
大変
(
てえへん
)
で……あゝ玉子焼が出来た、おゝ
真白
(
まっしろ
)
だ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
風も
亦
(
また
)
吹き
募
(
つの
)
って来た。天から降る雪と地に敷く雪とが一つになって、
真白
(
まっしろ
)
な
大浪
(
おおなみ
)
小波
(
こなみ
)
が到る処に渦を巻いて狂った。
其
(
そ
)
の凄じい
吹雪
(
ふぶき
)
の中を、お葉は傘も
挿
(
さ
)
さずに夢中で駈けた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
麻糸はさらして
真白
(
まっしろ
)
にすることがむつかしく、また、木綿のように
紅
(
あか
)
や青のあざやかな色には染まらなかった上に、これで織った布が長くもつので、そうたびたびは
機
(
はた
)
は立てなかった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
勿論画面の調子から云って、
吾人
(
ごじん
)
が既に充分に知っている赤外線写真と同じで、たとえば樹々の青い葉などは雪のように
真白
(
まっしろ
)
にうつって見えた。なんという驚くべき器械の
魅力
(
みりょく
)
であるか。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大地が始終
真白
(
まっしろ
)
になって居るではなし、少し日あたりのよい風よけのある所では、
寒中
(
かんちゅう
)
にも
小松菜
(
こまつな
)
が
青々
(
あおあお
)
して、
崖
(
がけ
)
の蔭では
菫
(
すみれ
)
や
蒲公英
(
たんぽぽ
)
が二月に咲いたりするのを見るのは、珍らしくない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
真白
(
まっしろ
)
な
名札
(
なふだ
)
が立って、それには MISS のついた
苗字
(
みょうじ
)
が二つ書いてあったっけ。……そう、その一方が確か MISS SEYMORE という名前だったのを私は今でも覚えている。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
六尺の
縁
(
えん
)
をへだてて広い座敷には、朱の
毛氈
(
もうせん
)
がしかれ、
真白
(
まっしろ
)
な紙がちらばっていた。澄んだ秋の空気は、座敷の隅まではいって来た。そして床の間には、
漱石
(
そうせき
)
先生の詩の
双幅
(
そうふく
)
がかかっていた。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
蜂
(
はち
)
と風とは
林檎
(
りんご
)
の枝に音を立てて居た。もう五月になったのだ。庭にはあなたと母様とただ二人、
真白
(
まっしろ
)
な花びらが雪のように乱れて散る。あなたはお
祖父
(
じい
)
様が
拵
(
こしら
)
えて下すったブランコに乗った。
少年・春
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
先生は
真白
(
まっしろ
)
なリンネルの着物につつまれた
体
(
からだ
)
を窓からのび出させて、葡萄の一房をもぎ取って、
真白
(
まっしろ
)
い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、細長い銀色の
鋏
(
はさみ
)
で
真中
(
まんなか
)
からぷつりと二つに切って
一房の葡萄
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
雪は
真白
(
まっしろ
)
虹は七色
ペンギン鳥の歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
宮の森を黒髪にして、ちょうど水脈の血に揺らぐのが
真白
(
まっしろ
)
な胸に当るんですね、
裳
(
すそ
)
は裾野をかけて、うつくしく雪に
捌
(
さば
)
けましょう。——
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
丈
(
たけ
)
高く細長き女の
真白
(
まっしろ
)
き裸体は身にまとへる赤き
布片
(
ふへん
)
と黒く濃き毛髪とまた
蒼然
(
そうぜん
)
たる緑色の背景と
相俟
(
あいま
)
つて
真
(
しん
)
に
驚愕
(
きょうがく
)
すべき魔力を有する整然たる完成品たり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と云い掛けてほろりと涙をこぼしましたが、晋齋に
覚
(
さと
)
られまいと思いますので、
俄
(
にわか
)
に一層下を向きますと、頬のあたりまで半襟に隠れ、襟足の通った
真白
(
まっしろ
)
な頸筋はずッと表われました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
抱いて下へ連れてきてよく見ると、口のまわりも
真白
(
まっしろ
)
に白餅だらけになっていた。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
予は持て居た
双眼鏡
(
そうがんきょう
)
を
翳
(
かざ
)
した。前なる
透
(
す
)
かし
幌
(
ほろ
)
の内は、丸髷に結って
真白
(
まっしろ
)
に塗った美しい若い婦人である。後の車には、
乳母
(
うば
)
らしいのが
友禅
(
ゆうぜん
)
の美しい着物に包まれた女の児を
抱
(
だ
)
いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それから
睫毛
(
まつげ
)
も
矢張
(
やは
)
り
雪
(
ゆき
)
のように
真白
(
まっしろ
)
……すべて
白
(
しろ
)
づくめでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
いよいよその別荘の
真白
(
まっしろ
)
な
柵
(
さく
)
が私たちの前に現われた
瞬間
(
しゅんかん
)
には、その柵の中の灯りの一ぱいに落ちている
芝生
(
しばふ
)
の向うに、すっかり開け放した
窓枠
(
まどわく
)
の中から、私の見覚えのある古い
円卓子
(
まるテエブル
)
の一部が見え
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
俊吉は、
外套
(
がいとう
)
も
無
(
な
)
しに、番傘で、
帰途
(
かえり
)
を急ぐ
中
(
うち
)
に、雪で
足許
(
あしもと
)
も
辿々
(
たどたど
)
しいに附けても、心も空も
真白
(
まっしろ
)
に
跣足
(
はだし
)
というのが身に染みる。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
“真白”で始まる語句
真白昼
真白羽
真白々