)” の例文
あるのこと、むすめは、やまはやしなかへいつものごとくはいってゆきました。すると一のかわいらしい小鳥ことりが、いいこえいていました。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、そのたびに、一の白い小鳥ことりがその木の上にとんできては、灰かぶりがほしいというものを、なんでもおとしてくれました。
小鳥ことりつたこともないという、ごうつくばりの因業いんごうおやじが、なぜ金魚きんぎょになつたか、そのてんにも問題もんだいがないことはない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
そのあとから、また五のガンがあらわれました。このガンたちは、いままでの仲間たちよりも、もっとじょうずに飛んできました。
と見るまに、二のせきれいのうち、一羽がとろの水に落ちて、うつくしい波紋はもんをクルクルとえがきながら早瀬はやせのほうへおぼれていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鵞鳥がちようを。二の鵞鳥を。薄いひらめな土坡どばの上に、おすの方は高く首をげてい、めすはその雄に向って寄って行こうとするところです。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
のこの美しい水鳥はお互いに心いっぱいに愛の喜びを感じているとみえて、小さい二つの尾羽おばねはきそうようにふられていた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
その時一はとが森のおくから飛んで来て、ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家のまど近く羽を休めました。
山をりて、もりをぬけて、こんどはひろい野原のはらへ出ました。するとそらの上で、「ケン、ケン。」とこえがして、きじが一とんでました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そんなおしゃべりをしていますと、突然とつぜん空中くうちゅうでポンポンとおとがして、二がんきずついて水草みずくさあいだちてに、あたりのみずあかそまりました。
お爺さんが止めるのも聞かずに、馳出かけだして行きました。この子供が木の実を拾いに行きますと、高い枝の上に居た一橿鳥かしどりが大きな声を出しまして
二人の兄弟 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちょうどそのとき一のかわせみが矢のように早く船の上をかすめて、青い光をひらめかしながら飛んだ。
水島生みずしませいが来た。社会主義しゃかいしゅぎ神髄しんずいを返えし、大英遊記だいえいゆうきを借りて往った。林の中でひろったと云って、弾痕だんこんあるつぐみを一持て来た。食う気になれぬので、楓の下に埋葬まいそう
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そこから一つるがふらふらとちて来て、また走り出したインデアンの大きくひろげた両手りょうてちこみました。インデアンはうれしそうに立ってわらいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このはなしは一どういちじるしき感動かんどうあたへました。なかには遁出にげだしたとりさへあり、年老としとつた一かさゝぎ用心深ようじんぶかくも身仕舞みじまひして、『うちかへらう、夜露よつゆ咽喉のどどくだ!』としました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そうして、石碣せきけつの矢をつがえると、折から空の高くを飛び過ぎて行く渡り鳥の群に向って狙いを定める。弦に応じて、一箭いっせんたちまち五の大鳥があざやかに碧空へきくうを切って落ちて来た。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
あるとき、一のつばめは、ふねろうとおもって、とおいところから、いそいでんできましたが、すでにふねってしまったあとでした。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
たださいぜんから明らかに知っていて、べつに気にもめなかったのは、鳥居とりい横木よこぎにうずくまっている一灰色はいいろの鳥だった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、ズルスケはそれより早く、矢のように突進とっしんして、一のガンのはねをくわえるが早いか、ふたたびきしのほうへかけもどりました。
その声をききつけて、たちまち、白い小バトが二台所だいどころからはいってきました。つづいて、山バトが、いく羽もいく羽もはいってきました。
それは八白鳥はくちょうゆきのように白いつばさをそろえて、しずかにりて行くのでありました。伊香刀美いかとみはびっくりして
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
この小屋こやには、一人ひとりおんなと、一ぴき牡猫おねこと、一牝鶏めんどりとがんでいるのでした。ねこはこの女御主人おんなごしゅじんから
子どもを失った二のはとのように。こんなこと、はじめなければよかった。でもいまさらやめてしまうわけにもいかない。なあに、パンクくらいなおせるのだ。
空気ポンプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
するとおどろいたことは、王子たちの青い大きな帽子ぼうしかざってあった二の青びかりの蜂雀はちすずめが、ブルルルブルッとんで、二人ふたりの前にりました。そして声をそろえていました。
やがて、しずかに、れかかりました。からすのれは、七、九、五というふうに、それぞれれつつくってんでかえりました。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
十二人のにいさんたちのすがたは十二のカラスにかわってしまって、みんなは森のはるかかなたへととびさってしまったではありませんか。
それから、そのあとを六の若いガンが、右に三、左に三羽飛ぶのです。どれもこれも、りっぱなすじの高山ガンです。
童子どうじはいつものとおり一間ひとまはいって、天文てんもんほんをしきりにんでいますと、すぐまえにわかきの木に、からすが二、かあかあいってんでました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
毎日高尾の山巓さんてんにたって、一の鳥影も見のがさずに、わしの帰るのを待ちわびている者は、加賀見忍剣かがみにんけんその人である。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほか子供こどもさんはずいみんみんなきりょうしだねえ、あの一ほかは、みんなね。おかあさんがあれだけ、もうすこしどうにかくしたらよさそうなもんだのに。」
小さい太郎は、いちばんはじめに、いちばん近くの、桑畑くわばたけの中の金平きんぺいちゃんの家へゆきました。金平ちゃんの家には七面鳥を二かっていて、どうかすると、庭に出してあることがありました。
小さい太郎の悲しみ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
くもったのことです。太郎たろう海辺うみべにゆきますと、ちょうど波打なみうちぎわのところに、一のややおおきなとりちて、もだえていました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
その声をききつけて、たちまち、白い小バトが二台所だいどころまどからはいってきました。つづいて山バトが、いく羽もいく羽もはいってきました。
あるとき為朝ためともうみばたに出て、はるかおきほうをながめていますと、しろいさぎとあおいさぎが二つれってうみの上をんで行きます。為朝ためともはそれをながめて
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
は、銀のように、キラキラ光っていました。ボートは、六のハクチョウに引かれていきました。
かれは眼を開いて自分の体をみるともはや一のおしどりとなっていた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
見慣みなれない小鳥ことりみょうふしまってうたをうたっていました。むすめは、いままでこんな不思議ふしぎうたをきいたことがありません。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが、死んだ馬のところまできてみますと、もう、カラスが一馬の上にとまって、死んだ馬をくっているのです。
子供こどもがないものですから、おじいさんはすずめの子を一、だいじにして、かごにれてっておきました。
舌切りすずめ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
のさよなきどりがすんでいましたが、そのなきごえがいかにもいいので、日びのいとなみにおわれているまずしい漁師りょうしですらも、晩、あみをあげにでていって、ふと
「じつは、わたしのところにつよ闘鶏とうけいが一いる。かつてけたことがないのだから、ひとつおまえさんのこのとりたたかわしてみましょう。」
金持ちと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども、二のハトがいつもかたの上にとまっていて、なにからなにまで若者の耳にささやいてくれました。
、いったところであるから、みちまよ心配しんぱいもなかった。二のすずめは、やまえて、湯気ゆげのぼ温泉おんせんへついたのでした。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、とつぜん、どこからともなく、雪のように白いハトが二とんできて若者わかものの両方のかたにとまりました。
あっというに、こうかつな一がそのかばねをさらってどこかへると、あわてて三、四、そのあといかけていきました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
町はずれの門のところで、一の鳥がやぶのなかにはいって、でられなくなっているのを見つけました。これもチーズといっしょに、ポケットにつっこみました。
けれど、まだ二、三意地悪いじわるいからすがのこっていて、どこへもらずに、とう屋根やねまって、けわしいをねらっていました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「でも、あそこに、白いカモが一およいでいるわ。たのんだら、きっとわたしてくれるわよ。」
そのうちに、どこからか、かれらにかって、空気銃くうきじゅうをうったものがあります。一のすずめは、はねのあたりをきずつけられました。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどそのとき、七年という年月のさいごの瞬間しゅんかんがすぎさったのです。と、空にバタバタというはねの音がして、十二のカラスがとんできて、地面じめんにまいおりました。