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澁
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しぶ
ふりがな文庫
“
澁
(
しぶ
)” の例文
新字:
渋
お葉は十分に
澁
(
しぶ
)
りながらも、かなりの好奇心を燃やしてゐるらしく、八五郎に引かれて庭を
迂廻
(
うくわい
)
して、離屋の前に立つてゐるのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
何
(
な
)
んぼ
何
(
な
)
んでも、不意に二人でいんだら、
家
(
うち
)
で
喫驚
(
びつくり
)
しますがな。』と、お光は
自家
(
うち
)
へ小池を伴なつて歸るのを
澁
(
しぶ
)
る樣子であつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
柿
(
かき
)
の
好
(
す
)
きなお
百姓
(
ひやくしやう
)
の
子供
(
こども
)
は
青
(
あを
)
い
柿
(
かき
)
を
見
(
み
)
に
來
(
き
)
ましたが、
取
(
と
)
つて
食
(
た
)
べて
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に
澁
(
しぶ
)
さうな
顏
(
かほ
)
をして、
食
(
た
)
べかけのを
捨
(
す
)
てゝしまひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何うで盲目縞の筒袖に三尺を脊負つて
産
(
で
)
て來たのだらうから、
澁
(
しぶ
)
を買ひに行く時かすりでも取つて
吹矢
(
ふきや
)
の一本も當りを取るのが好い運さ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこで『
立派
(
りつぱ
)
なユーモリスト』なる
澁
(
しぶ
)
六
先生
(
せんせい
)
之
(
これ
)
に
和
(
わ
)
して、『
世界中
(
せかいぢう
)
のひつくりかへる
旦
(
あした
)
かな』とやつたんだ。どうだ
分
(
わか
)
つたか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
▼ もっと見る
榧
(
かや
)
の
實
(
み
)
、
澁
(
しぶ
)
く
侘
(
わび
)
し。
子供
(
こども
)
のふだんには、
大抵
(
たいてい
)
柑子
(
かうじ
)
なり。
蜜柑
(
みかん
)
たつとし。
輪切
(
わぎ
)
りにして
鉢
(
はち
)
ものの
料理
(
れうり
)
につけ
合
(
あ
)
はせる。
淺草海苔
(
あさくさのり
)
を一
枚
(
まい
)
づゝ
賣
(
う
)
る。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
俺
(
お
)
ら、
爺樣
(
ぢいさま
)
に
鐵火箸
(
かなひばし
)
で
打
(
ぶ
)
つ
飛
(
と
)
ばさつて、
骨接
(
ほねつぎ
)
へ
行
(
い
)
つて
來
(
き
)
た
處
(
とこ
)
だが、
忙
(
いそが
)
し
處
(
ところ
)
酷
(
ひで
)
え
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
つちやつた」
勘次
(
かんじ
)
はそれでも
口
(
くち
)
が
澁
(
しぶ
)
つて
思
(
おも
)
ふ
樣
(
やう
)
にいへなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
に
澁
(
しぶ
)
に
似
(
に
)
た
柿
(
かき
)
に
似
(
に
)
た
茶
(
ちや
)
に
似
(
に
)
た
色
(
いろ
)
の
法衣
(
ころも
)
を
纏
(
まと
)
つてゐた。
足
(
あし
)
も
手
(
て
)
も
見
(
み
)
えなかつた。たゞ
頸
(
くび
)
から
上
(
うへ
)
が
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
のためだと
思
(
おも
)
ふと、
氣
(
き
)
を
靜
(
しづ
)
める
妙法
(
めうはふ
)
で——
露骨
(
ろこつ
)
に、これを
説明
(
せつめい
)
すると、やきもち
靜
(
しづ
)
め——その
澁
(
しぶ
)
さ、
床
(
ゆか
)
しさ、
到底
(
たうてい
)
女人
藝術
(
げいじゆつ
)
同人
(
どうじん
)
などの、
考
(
かんが
)
へつく
所
(
ところ
)
のものではない。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
それでも仲々
階下
(
した
)
にさへ
降
(
お
)
り
澁
(
しぶ
)
つて、
二人限
(
きり
)
になれば何やら
密々
(
ひそ/\
)
話合つては、袂を口にあてて聲立てずに笑つてゐたが、夕方近くなつてから、お八重の發起で街路へ出て見た。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
といつて
歎
(
なげ
)
きましたが、
姫
(
ひめ
)
はいよ/\
澁
(
しぶ
)
るばかりで、
少
(
すこ
)
しも
聞
(
き
)
きいれる
樣子
(
ようす
)
がありませんので、
翁
(
おきな
)
も
手
(
て
)
のつけようがなくなつて、どうしても
宮中
(
きゆうちゆう
)
には
上
(
あが
)
らぬといふことをお
答
(
こた
)
へして
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『
叔父
(
おぢ
)
さん、
私
(
わたくし
)
はもう
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
つて
來
(
き
)
ましてよ。』と、
睡醒
(
ねざめ
)
に
澁
(
しぶ
)
る
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
仰
(
あほ
)
いだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
乃
(
そこ
)
で
愛
(
あい
)
ちやんは
隨分
(
かなり
)
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
ローリー
鳥
(
てう
)
と
議論
(
ぎろん
)
をしました、ローリー
鳥
(
てう
)
は
終
(
つひ
)
には
澁
(
しぶ
)
ッ
面
(
つら
)
して
拗
(
す
)
ねて
背中
(
せなか
)
を
向
(
む
)
けて、『
私
(
わたし
)
はお
前
(
まへ
)
より
年上
(
としうへ
)
だよ、
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
が
能
(
よ
)
く
知
(
し
)
つてる
サ
』と
只
(
たゞ
)
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つたばかりなので
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
K
夫人
(
ふじん
)
はいひ
澁
(
しぶ
)
つたが、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さうに
病人
(
びやうにん
)
を
見
(
み
)
ていふのだつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
羽蟲
(
はむし
)
はくるしい
爪
(
つめ
)
の
下
(
した
)
で、いひ
澁
(
しぶ
)
つてゐましたが
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
澁
(
しぶ
)
りたる
愁
(
うれひ
)
に濁る。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
上林
(
かんばやし
)
澁
(
しぶ
)
の方より
短歌集 日まはり
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
「
棧
(
さん
)
が
澁
(
しぶ
)
くて、暫らくガヂヤガチヤやつてゐたやうですから間違ひは御座いません。——何んでしたら、お仲を呼びませうか」
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『いえ、あのお
猿
(
さる
)
さんが
蟹
(
かに
)
にぶつけたのも、きつと
私
(
わたし
)
のやうな
澁
(
しぶ
)
い
柿
(
かき
)
で、
自分
(
じぶん
)
で
取
(
と
)
つて
食
(
た
)
べたといふのはお
前
(
まへ
)
さんのやうな
甘
(
あま
)
い
柿
(
かき
)
ですよ。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
駄々
(
だゞ
)
を
捏
(
こ
)
ぬて、
泣癖
(
なきくせ
)
が
著
(
つ
)
いたらしい。への
字
(
じ
)
形
(
なり
)
の
曲形口
(
いがみぐち
)
、
兩
(
りやう
)
の
頬邊
(
ほゝべた
)
へ
高慢
(
かうまん
)
な
筋
(
すぢ
)
を
入
(
い
)
れて、
澁
(
しぶ
)
を
刷
(
は
)
いたやうな
顏色
(
がんしよく
)
。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
汝
(
わ
)
れ
梅
(
うめ
)
なんぞ
噛
(
か
)
じつて、おとつゝあ
腹
(
はら
)
抉
(
ゑぐ
)
り
拔
(
ぬ
)
いてやつから
待
(
ま
)
つてろ」
勘次
(
かんじ
)
は
疾
(
とう
)
から
澁
(
しぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
舌
(
した
)
でいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
澁
(
しぶ
)
を
買
(
か
)
ひに
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
かすりでも
取
(
と
)
つて
吹矢
(
ふきや
)
の
一本
(
いつぽん
)
も
當
(
あた
)
りを
取
(
と
)
るのが
好
(
い
)
い
運
(
うん
)
さ、お
前
(
まへ
)
さんなぞは
以前
(
もと
)
が
立派
(
りつぱ
)
な
人
(
ひと
)
だといふから
今
(
いま
)
に
上等
(
じやうとう
)
の
運
(
うん
)
が
馬車
(
ばしや
)
に
乘
(
の
)
つて
迎
(
むか
)
ひに
來
(
き
)
やすのさ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
A
馬鹿
(
ばか
)
だなア、
澁
(
しぶ
)
六とは
俺
(
おれ
)
の
變名
(
へんめい
)
ぢやないか。『
立派
(
りつぱ
)
なユーモリスト』『
日本
(
にほん
)
一のユーモリスト』として
俺
(
おれ
)
の
盛名
(
せいめい
)
を
知
(
し
)
らないとは、
親友甲斐
(
しんいうがひ
)
のないにも
程
(
ほど
)
があるぢやないか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
と、いひますと、
姫
(
ひめ
)
は
案外
(
あんがい
)
の
顏
(
かほ
)
をして
答
(
こた
)
へ
澁
(
しぶ
)
つてゐましたが、
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
その
趣味
(
しゆみ
)
の
澁
(
しぶ
)
い
例
(
れい
)
を
擧
(
あ
)
げると、
三上
(
みかみ
)
がその
著名
(
ちよめい
)
なる
東京市内出沒行脚
(
とうきやうしないしゆつぼつあんぎや
)
をやつて、
二十日
(
はつか
)
も
歸
(
かへ
)
つて
來
(
こ
)
ないと
時雨
(
しぐれ
)
さんは、
薄暗
(
うすぐら
)
い
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
で
端座
(
たんざ
)
して、たゞ
一人
(
ひとり
)
双手
(
もろて
)
に
香爐
(
かうろ
)
を
捧
(
さゝ
)
げて、
香
(
かう
)
を
聞
(
き
)
いてゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
そのうちに、
※
(
あつ
)
い
灰
(
はひ
)
の
中
(
なか
)
に
埋
(
う
)
まつて
居
(
ゐ
)
た
柿
(
かき
)
の
穴
(
あな
)
からは、ぷう/\
澁
(
しぶ
)
を
吹出
(
ふきだ
)
しまして、
燒
(
や
)
けた
柿
(
かき
)
がそこへ
出來上
(
できあが
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お
店者
(
たなもの
)
風の四十男、
澁
(
しぶ
)
い好みですが、手堅いうちにも贅があつて、後金の緩んだ雪駄を穿く人柄とは見えません。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然
(
しか
)
し
病氣
(
びやうき
)
は
馬
(
うま
)
に
飮
(
の
)
ませる
藥
(
くすり
)
の
赤玉
(
あかだま
)
では
直
(
すぐ
)
には
癒
(
なほ
)
らなかつた。それで
彼
(
かれ
)
はお
品
(
しな
)
の
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
な
)
る
積
(
つもり
)
で、
次
(
つぎ
)
の
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
く
朋輩
(
ほうばい
)
の
背
(
せ
)
に
運
(
はこ
)
ばれた。
卯平
(
うへい
)
は
澁
(
しぶ
)
り
切
(
き
)
つた
顏
(
かほ
)
で
迎
(
むか
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
叫
(
さけ
)
びます。
翁
(
おきな
)
が
少
(
すこ
)
し
澁
(
しぶ
)
つてゐると、それには
構
(
かま
)
はずに
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
B
何
(
な
)
アんだ、
隱居
(
いんきよ
)
だの
熊公
(
くまこう
)
だの
澁
(
しぶ
)
六だのと。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「歸る前に、——場所が場所だし、傳三は船頭だから船の道具を少しは持つて居たことだらう。
澁
(
しぶ
)
を塗つた細引なんかなかつたか、隣りの駄菓子屋で訊いて見よう」
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さすがに本人は言ひ
澁
(
しぶ
)
りましたが、訊き上手の平次が、いろ/\鎌をかけて引出したところでは、將軍秀忠の命を狙つたといふ疑ひで、宇都宮十五萬石を召上げられ
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二十七八の
澁
(
しぶ
)
を塗つて陽へ干したやうな、そのくせ何處か小意氣なところのある若い衆です。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八も最初は
澁
(
しぶ
)
りましたが、向柳原の叔母の家に居ても、親分の平次の家に居ても、居候に變りはないのですから、結局
晩酌
(
ばんしやく
)
と御馳走と、お琴の美しさを滿喫するのが景物で
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
奧方は言ひ
澁
(
しぶ
)
りましたが、擧げた顏が平次の熱心な瞳に逢ふと、思ひ切つた調子で
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こいつは船具だよ。
澁
(
しぶ
)
を引いた三つ繰りで雜穀屋などにある品物ぢやねえ」
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
石津右門の
澁
(
しぶ
)
るのも構はず末廣町の自宅に持つて歸り、一と晩止めて、ほんの少しばかり手を入れた上、翌る日は上屋敷に持參、家老石津右門と、用人大垣伊右衞門立合の上、開いて見ると
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そんな話になると、お袖の話はひどく
澁
(
しぶ
)
ります。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
長崎屋は一寸答へに
澁
(
しぶ
)
りました。
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小僧は一寸言ひ
澁
(
しぶ
)
りました。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お春は
澁
(
しぶ
)
りました。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
澁
部首:⽔
15画
“澁”を含む語句
水澁
澁面
澁太
澁茶
苦澁
澁々
澁紙
難澁
澁團扇
澁谷
澁皮
御難澁
澁滯
澁川流
面澁
出澁
陰澁
茶澁
晦澁
生澁
...