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湯氣
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ゆげ
ふりがな文庫
“
湯氣
(
ゆげ
)” の例文
新字:
湯気
浴室
(
よくしつ
)
の
窓
(
まど
)
からも
此
(
これ
)
が
見
(
み
)
えて、
薄
(
うつす
)
りと
湯氣
(
ゆげ
)
を
透
(
すか
)
すと、ほかの
土地
(
とち
)
には
餘
(
あま
)
りあるまい、
海市
(
かいし
)
に
對
(
たい
)
する、
山谷
(
さんこく
)
の
蜃氣樓
(
しんきろう
)
と
言
(
い
)
つた
風情
(
ふぜい
)
がある。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今
(
いま
)
は
餘波
(
なごり
)
さへもない
其
(
その
)
戀
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
つけうために!
卿
(
そなた
)
の
溜息
(
ためいき
)
はまだ
大空
(
おほぞら
)
に
湯氣
(
ゆげ
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
り、
卿
(
そなた
)
の
先頃
(
さきごろ
)
の
呻吟聲
(
うなりごゑ
)
はまだ
此
(
この
)
老
(
おい
)
の
耳
(
みゝ
)
に
鳴
(
な
)
ってゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私
(
わたし
)
は
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つて、
折
(
をり
)
から
運
(
はこ
)
ばれて
來
(
き
)
た
金盥
(
かなだらひ
)
のあたゝな
湯氣
(
ゆげ
)
の
中
(
なか
)
に、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
から
搖
(
ゆる
)
ぎ
落
(
お
)
ちたやうな
涙
(
なみだ
)
を
靜
(
しづ
)
かに
落
(
おと
)
したのであつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
火鉢
(
ひばち
)
には
小
(
ちひ
)
さな
鍋
(
なべ
)
が
掛
(
か
)
けてあつて、
其
(
その
)
葢
(
ふた
)
の
隙間
(
すきま
)
から
湯氣
(
ゆげ
)
が
立
(
た
)
つてゐた。
火鉢
(
ひばち
)
の
傍
(
わき
)
には
彼
(
かれ
)
の
常
(
つね
)
に
坐
(
すわ
)
る
所
(
ところ
)
に、
何時
(
いつ
)
もの
坐蒲團
(
ざぶとん
)
を
敷
(
し
)
いて、
其前
(
そのまへ
)
にちやんと
膳立
(
ぜんだて
)
がしてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
火の側の小さな圓い
卓子
(
テエブル
)
の上に置かれた陶器の茶碗や光つた
急須
(
きふす
)
が、どんなに美しく見えたらう! 飮物の
湯氣
(
ゆげ
)
や
燒麺麭
(
トースト
)
の香りが、どんなにか
香
(
かう
)
ばしかつたらう! だが、その燒麺麭は
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
此時
(
このとき
)
、われに
返
(
かへ
)
る
心
(
こゝろ
)
、しかも
湯氣
(
ゆげ
)
の
裡
(
うち
)
に
恍惚
(
くわうこつ
)
として、
彼處
(
かしこ
)
に
鼈甲
(
べつかふ
)
の
櫛
(
くし
)
笄
(
かうがい
)
の
行方
(
ゆくへ
)
も
覺
(
おぼ
)
えず、
此處
(
こゝ
)
に
亂箱
(
みだればこ
)
の
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
、
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
にさへ
袖
(
そで
)
をこぼれて
亂
(
みだ
)
れたり。
面
(
おもて
)
、
色
(
いろ
)
染
(
そま
)
んぬ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
火鉢
(
ひばち
)
の
火
(
ひ
)
が
赤
(
あか
)
いのも、
鐵瓶
(
てつびん
)
が
優
(
やさ
)
しい
響
(
ひゞ
)
きに
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てゝゐるのも、ふと
擡
(
もた
)
げてみた
夜着
(
よぎ
)
の
裏
(
うら
)
が
甚
(
はなはだ
)
しく
色褪
(
いろあ
)
せてゐるのも、すべてが
皆
(
みな
)
私
(
わたし
)
に
向
(
むか
)
つて
生
(
い
)
きてゐる——この
年
(
とし
)
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
夕食
(
デイナー
)
は、二個の、大きな
錫張
(
すゞば
)
りの器で出された。その器からは惡臭のある脂のつよい白い
湯氣
(
ゆげ
)
が立つてゐた。見ると、この食物は、平凡な
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と古くさい肉の變な切屑とを一緒に煮てあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ゴウーンと
雨
(
あめ
)
に
籠
(
こも
)
つて、
修禪寺
(
しゆぜんじ
)
の
暮
(
くれ
)
六
(
む
)
つの
鐘
(
かね
)
が、かしらを
打
(
う
)
つと、それ、ふツと
皆
(
みな
)
消
(
き
)
えた。……むく/\と
湯氣
(
ゆげ
)
ばかり。
堰
(
せき
)
に
釣
(
つり
)
をする、
番傘
(
ばんがさ
)
の
客
(
きやく
)
も、
槻
(
けやき
)
に
暗
(
くら
)
くなつて、もう
見
(
み
)
えぬ。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
さ
)
うかと
思
(
おも
)
ふと、
一人
(
ひとり
)
で、
思
(
おも
)
ひに
堪
(
た
)
へ
廉
(
か
)
ねるか、
湯氣
(
ゆげ
)
の
上
(
うへ
)
に、
懷紙
(
ふところがみ
)
をかざして、
紅
(
べに
)
を
蒸
(
む
)
して、
密
(
そつ
)
と
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
に
當
(
あ
)
てた
事
(
こと
)
などもある、ほりものにでもしよう
了簡
(
れうけん
)
であつた、と
見
(
み
)
えるが
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ヒガネと
讀
(
よ
)
む、
西風
(
にしかぜ
)
の
寒
(
さむ
)
きが
當
(
たう
)
熱海
(
あたみ
)
の
名物
(
めいぶつ
)
なりとか。
三島街道
(
みしまかいだう
)
に
十國峠
(
じつこくたうげ
)
あり、
今日
(
こんにち
)
は
風
(
かぜ
)
凪
(
な
)
ぎ
氣候
(
きこう
)
温暖
(
をんだん
)
。
日
(
ひ
)
に
三度
(
さんど
)
雲
(
くも
)
の
如
(
ごと
)
き
湯氣
(
ゆげ
)
を
卷
(
ま
)
いて
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
づる
湯
(
ゆ
)
は
實
(
じつ
)
に
壯觀
(
さうくわん
)
に
御座候
(
ござさふらふ
)
。
後便
(
こうびん
)
萬縷
(
ばんる
)
敬具
(
けいぐ
)
熱海の春
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
湯氣
(
ゆげ
)
が
霞
(
かすみ
)
の
凝
(
こ
)
つたやうにたなびいて、
人々
(
ひと/″\
)
の
裸像
(
らざう
)
は
時
(
とき
)
ならぬ
朧月夜
(
おぼろづきよ
)
の
影
(
かげ
)
を
描
(
ゑが
)
いた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大火鉢
(
おほひばち
)
に
火
(
ひ
)
がくわん/\と
熾
(
おこ
)
つて、
鐵瓶
(
てつびん
)
が、いゝ
心持
(
こゝろもち
)
にフツ/\と
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てて
居
(
ゐ
)
る。
銅壺
(
どうこ
)
には
銚子
(
てうし
)
が
並
(
なら
)
んで、
中
(
なか
)
には
泳
(
およ
)
ぐのがある。
老鋪
(
しにせ
)
の
旦那
(
だんな
)
、
新店
(
しんみせ
)
の
若主人
(
わかしゆじん
)
、
番頭
(
ばんとう
)
どん、
小僧
(
こぞう
)
たちも。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あらう
事
(
こと
)
か、
奧方
(
おくがた
)
は
渦
(
うづま
)
きかゝる
湯氣
(
ゆげ
)
の
中
(
なか
)
で、
芝居
(
しばゐ
)
の
繪比羅
(
ゑびら
)
に
頬
(
ほゝ
)
をつけた。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
半纏
(
はんてん
)
を
脱
(
ぬ
)
いだあとで、
頬
(
ほゝ
)
かぶりを
取
(
と
)
つて、ぶらりと
提
(
さ
)
げると、すぐに
湯氣
(
ゆげ
)
とともに
白
(
しろ
)
い
肩
(
かた
)
、
圓
(
まる
)
い
腰
(
こし
)
の
間
(
あひだ
)
を
分
(
わ
)
けて、
一個
(
いつこ
)
、
忽
(
たちま
)
ち、ぶくりと
浮
(
う
)
いた
茶色
(
ちやいろ
)
の
頭
(
あたま
)
と
成
(
な
)
つて、そしてばちや/\と
湯
(
ゆ
)
を
溌
(
は
)
ねた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
湯氣
(
ゆげ
)
が
温
(
あたゝか
)
く、
目
(
め
)
の
下
(
した
)
なる
湯殿
(
ゆどの
)
の
窓明
(
まどあかり
)
に、
錦葉
(
もみぢ
)
を
映
(
うつ
)
すが
如
(
ごと
)
く
色
(
いろ
)
づいて、むくりと
此
(
こ
)
の
二階
(
にかい
)
の
軒
(
のき
)
を
掠
(
かす
)
めて、
中庭
(
なかには
)
の
池
(
いけ
)
らしい、さら/\と
鳴
(
な
)
る
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
に
搖
(
ゆ
)
れかゝるから、
内湯
(
うちゆ
)
の
在所
(
ありか
)
は
聞
(
き
)
かないでも
分
(
わか
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さつと
音
(
おと
)
して、
柳
(
やなぎ
)
の
地摺
(
ぢず
)
りに
枝垂
(
しだ
)
れた
葉
(
は
)
が、
裾
(
すそ
)
から
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
いて
黒
(
くろ
)
み
渡
(
わた
)
つて、
搖
(
ゆ
)
れると
思
(
おも
)
ふと、
湯氣
(
ゆげ
)
に
蒸
(
む
)
したやうな
生暖
(
なまぬる
)
い
風
(
かぜ
)
が
流
(
なが
)
れるやうに、ぬら/\と
吹掛
(
ふきかゝ
)
つて、
哄
(
どつ
)
と
草
(
くさ
)
も
樹
(
き
)
も
煽
(
あふ
)
つて
鳴
(
な
)
つたが、
裾
(
すそ
)
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に
立
(
た
)
つ
湯氣
(
ゆげ
)
を
見
(
み
)
れば
掛茶屋
(
かけぢやや
)
なりけり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
氣
部首:⽓
10画
“湯”で始まる語句
湯
湯槽
湯気
湯呑
湯女
湯屋
湯治
湯殿
湯沸
湯浴