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有樣
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ありさま
然るに
言はうと
云ふ
望は、
終に
消えず
忽にして
總の
考を
壓去つて、
此度は
思ふ
存分、
熱切に、
夢中の
有樣で、
言が
迸り
出る。
片手の
掌に
握り込むを得る程の石にて打ち、恰も
桶屋が桶の籠を打ち込む時の如き
有樣に、手を
動かし、
次第次第に全形を作り上げしならん。
實に
前後の
形勢と、かの七
隻の
船の
有樣とで
見ると、
今や
海蛇丸は
明に
何事をか
我軍艦に
向つて
信號を
試みる
積だらう。けれど
私は
審かつた。
「いや
御覽の
如く
亂雜な
有樣で」と
言譯らしい
返事をしたが、それを
緒に、
子供の
世話の
燒けて、
夥だしく
手の
掛る
事などを
色々宗助に
話して
聞かした。
「いや、
何とも
何とも。
今日の
閣下の
昇天の
御勢にはわたくし
共まるで
木つ
葉微塵の
有樣でございましたな。」
お
許し下されと幼年に
似合ず思ひ入たる
有樣に聞居る名主を
初め
村中の者は
只管感心するより外なく皆々口を
探ることも
發見すことも
出來ぬ
有樣——それが
身の
爲にならぬのは
知れてあれど——
可憐けな
蕾の
其うるはしい
花瓣が、
風にも
開かず、
日光にもまだ
照映えぬうちに
支度とても
唯今の
有樣で
御座いますからとて
幾度斷つたか
知れはせぬけれど、
何も
舅姑のやかましいが
有るでは
無し、
我が
欲しくて
我が
貰ふに
身分も
何も
言ふ
事はない
私は
此時まで
殆んど
喪心の
有樣で、
甲板の
一端に
屹立つた
儘、
此慘憺たる
光景に
眼を
注いで
居つたが、ハツと
心付いたよ。
貝塚の實地
調査に由りて知るを得べければ、
此一事はコロボックルの日常の
有樣を考ふに付きて深き據とは爲すべからず
アンドレイ、エヒミチは
恁云ふ
病院の
有樣では、
熱病患者、
肺病患者には
最も
可くないと、
始終思ひ/\するのであるが、
其れを
又奈何する
事も
出來ぬので
有つた。
申付られし身なれば此程の
有樣を見て深く心を痛め主人
主税之助へ種々藤五郎の
詫言をなし出
牢有べきやう申しければ主税之助大いに
立腹し又しても/\藤五郎の事を
總じて
主人が
内にある
時と、
外に
出でし
後と、
家内の
有樣は、
大抵天地の
違あるが
家並に
候なり。
かう
云ふ
惡戯をする
年頃の
娘は
固よりの
事、
子供と
云ふ
子供を
育て
上げた
經驗のない
宗助は、
此小さい
赤い
夜具の
尋常に
日に
干してある
有樣をしばらく
立つて
眺めてゐた。
今宵見れば
如何にも
淺ましい
身の
有樣、
木賃泊りに
居なさんすやうに
成らうとは
思ひも
寄らぬ、
私は
此人に
思はれて、十二の
年より十七まで
明暮れ
顏を
合せる
毎に
行々は
彼の
店の
彼處へ
座つて
身長七
尺に
近く、
灰色の
毛は
針の
如く
逆立ち、
鋭き
爪を
現はして、スツと
屹立つた
有樣は、
幾百十年の
星霜を
此深林に
棲暮したものやら
分らぬ。
此事に付きては
後段別に述ぶる所有るべけれど、土偶の
形状はコロボツクル日常の
有樣を
基として作りしものならんとの
事丈は
此所に記し置くべし。
取ひう/\と風を切て振廻す
有樣宛然麻殼を
扱かふが如くなるにぞ八五郎は是を見て
彌々肝を
是が
七日の
晩に
坂井へ
呼ばれて、
安井の
消息を
聞く
迄の
夫婦の
有樣であつた。