有名いうめい)” の例文
此時このとき今迄いまゝで晴朗うらゝかであつた大空おほぞらは、る/\うち西にしかたからくもつてて、熱帶地方ねつたいちほう有名いうめい驟雨にわかあめが、車軸しやぢくながすやうにつてた。
一人大岡越前守のみ夫が邪曲じやきよくうかゞしり身命しんめい投打なげうち既往きわう今來こんらいを尋ね遂に奸計かんけい看破みやぶつて處刑しよけいせしといふ有名いうめいの談話にてかゝる奸物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かゝる大發掘だいはつくつこゝろみてから、非常ひじやう此所こゝ有名いうめいつたが、いま兒島惟謙翁こじまゐけんおう邸内ていない編入へんにふせられて、とて普通ふつうでは發掘はつくつすること出來できずにた。
だい一、お医師様いしやさまも、七ツ八ツのおちひさいときからおかゝりつけのかたをお一人ひとりだけ……もつと有名いうめい博士はかせかたださうですけれど——
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ラランの悪知慧わるぢえ有名いうめいなもので、ほかのとりがうまくんでるのをると、近寄ちかよつては自分じぶんとがつた嘴先くちさきでチクリとして墜落ついらくさせてしまふのだ。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
家名相續かめいさうぞくなにともすべしとひと一人ひとり二人ふたりならず、あるとき學士がくし親友しんいうなりしそれがし當時たうじ醫學部いがくぶ有名いうめい教授けうじゆどのひとをもつてかたごとみしを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
安井やすゐわらひながら、比較ひかくのため、自分じぶんつてゐるある友達ともだち故郷こきやう物語ものがたりをして宗助そうすけかした。それは淨瑠璃じやうるりあひ土山つちやまあめるとある有名いうめい宿しゆくことであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
また有名いうめいなる九しう有明灣ありあけわん理由りいうなしに改竄かいざんして島原灣しまはらわんなどとゝなへてゐるものもある。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
此書これ有名いうめいなレウィス、キァロルとひとふでつた『アリス、アドヴェンチュアス、イン、ワンダーランド』をやくしたものです。邪氣あどけなき一少女せうぢよ夢物語ゆめものがたり滑稽こつけいうちおのづか教訓けうくんあり。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そのあひだ彼女かのぢよは、無産者むさんしや××同盟どうめい支部しぶはたらかたはら、あるデパート專屬せんぞく刺繍ししう工場こうぢやうかよつて生活せいくわつさゝへた。そのうち、三・一五事件じけんとして有名いうめいな、日本にほん×××ゐん全國的ぜんこくてき大檢擧だいけんきよおこなはれた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
また折々をり/\のおかたのおともをいたして、大坂おほさか有名いうめい藤田様ふぢたさま御別荘ごべつさうまゐりまして、お座敷ざしき拝見はいけんしたり、御懐石ごくわいせき頂戴ちやうだいしたあと薄茶うすちやいたゞいたりして、誠に此上このうへもない結構けつこうな事でございます。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
中根熊吉なかねくまきちの「うまさん」は二年兵ねんへいの二等卒とうそつで、中隊ちうたいでもノロマとお人好ひとよしとで有名いうめいだつた。教練けうれん度毎たびごとにヘマをやつて小隊長せうたいちやう分隊長ぶんたいちやう小言こごとはれつづけだつた。戰友達せんいうたちにもすつかり馬鹿ばかにされてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
くわふるに橄欖島かんらんたう附近ふきんには、始終しじう有名いうめいなる海賊船かいぞくせん横行わうかうし、また屡々しば/\歐洲をうしう諸國しよこく軍艦ぐんかん巡航じゆんかうしてますから、其邊そのへん海底戰鬪艇かいていせんとうてい機關きくわん活動くわつどううしなつて
ふるくから、ひとつた有名いうめい引手茶屋ひきてぢやや。それが去年きよねん吉原よしはら火事かじけて、假宅かりたく營業しやうばいをしてたが、つゞけて營業しやうばいをするのには、なほしをしなくてはならぬ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
印度いんどから西にしくと、ペルシヤが非常ひぜうさかんである。ペルシヤにはれい有名いうめいなルステムの化物退治ばけものたいぢ神話しんわがあり、アラビヤにはれい有名いうめいなアラビヤンナイトがある。埃及えじぷともさうである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
これが有名いうめいな三途川づのかはふので。岩「三途川づのかはにしちやア橋がるね。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
オヽおまへ留守るす差配さはいどのがえられてといひさしてしばたゝくまぶたつゆ白岡鬼平しらをかきへいといふ有名いうめい無慈悲むじひもの惡鬼あくき羅刹らせつよと蔭口かげぐちするは澁團扇しぶうちはえんはなれぬ店子共たなこども得手勝手えてがつて家賃やちん奇麗きれいはらひて盆暮ぼんくれ砂糖袋さたうぶくろあましるさへはしかばぐる目尻めじり諸共もろとも眉毛まゆげによぶ地藏顏ぢざうがほにもゆべけれど
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
兵曹へいそう、どうぢや一番いちばん腕押うでおしは——。』とてつやううで突出つきだした。虎髯大尉こぜんたいゐ腕押うでおしたら有名いうめいなものである。けれど武村兵曹たけむらへいそうはちつともらない、自分じぶんだい力自慢ちからじまん
えらい、東京とうきやうきやくだますのは豪儀がうぎだ。ひよい、といて温泉宿をんせんやど屋根越やねごしやまひとつ、まるで方角はうがくちがつたところへ、わたしつて手際てぎはふのはい。なにか、へんに、有名いうめいきつねでもるか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ローマネスク、ゴシツク時代じだいになると、餘程よほど進歩しんぽして一のまとまつたものが出來できた。たとへば巴里ぱりのノートルダムの寺塔じたふ有名いうめい怪物くわいぶつ繼合物つぎあはせものではなくて立派りつぱまとまつた創作さうさくになつてる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)