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ふりがな文庫
“
家内
(
うち
)” の例文
余程眠りこけて居たのか、昼寐から俺が覚めた時にはもう誰一人
家内
(
うち
)
には居なかつた、昼間の活動でも見に行つたものと見える。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
己
(
おら
)
アまア
家内
(
うち
)
の勝手も知んなくなったくれえだね、
何
(
ど
)
うかまアそんなことを云わずに、どうかお
前
(
めえ
)
がいてくれねえば困りますから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その死骸はな、よく死んだことを見極めて、
家内
(
うち
)
の雑具部屋へ入れておけ。高田
様
(
さん
)
、
貴下
(
あなた
)
も御迷惑であろうが手伝って下枝を捜して下さい。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家内
(
うち
)
は何だか取込んでいて話声が
譟然
(
がやがや
)
と聞える中で、誰だか作さん——私の名だ——作さんが着いた、作さんが、と
喚
(
わめ
)
く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
家内
(
うち
)
に居れば私の傍ばつかり覘ふて、ほんに/\手が懸つて成ませぬ、何故彼樣で御座りませうと言ひかけて思ひ出しの涙むねの中に漲るやうに
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
三輪田
(
みわた
)
のお
光
(
みつ
)
さんが
鮎
(
あゆ
)
をくれたけれども、東京へ送ると途中で腐ってしまうから、
家内
(
うち
)
で食べてしまった、等である。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それらの人たちに、
家内
(
うち
)
の
婢
(
おんな
)
たちや、子供たちも交えて、三十数名のものが、土間に蓆をしいてずらりと二列に並ぶ。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
思ったより! これじゃアどうやら
家内
(
うち
)
へはいり、編笠を脱いで顔をさらしても、めったに
化
(
ば
)
けの皮は現われまい。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お熊も
興
(
きよう
)
がりて「其の方が
可
(
よう
)
御座んす、どうせ、
貴所
(
あなた
)
は
家内
(
うち
)
の人も同様で
在
(
いら
)
つしやるんですから」と言ふを「成程、其れが西洋式でがすかナ」と利八も笑ふ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『徳さん徳さん今井の叔父さんを起こしてくれ』とたれか
家内
(
うち
)
で呼ぶから僕は帰って見ると、みんな出発に取りかかっていたが叔父さんばかり高いびきで
臥
(
ね
)
ている。
鹿狩り
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
漸くみのるが
家内
(
うち
)
にはいつて行つた時は、もう義男は小さい長火鉢の前に横になつてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
家内
(
うち
)
の者の事を話すのがすきな千世子は肇にさえ変に思われたほど熱して真面目に云った。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
牀
(
ゆか
)
に飾られ室を
彩
(
いろど
)
るためのものではなく、台所に置かれ居間に散らばる諸道具である。あるいは皿、あるいは盆、あるいは
箪笥
(
たんす
)
、あるいは衣類、それも多くは
家内
(
うち
)
づかいのもの。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
八時ごろだったから
売女
(
おんな
)
は大方出ていって
家内
(
うち
)
は女中のお清が独り留守をしていた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
家内
(
うち
)
から
金盆
(
かなぼん
)
の中へ
麦焦
(
むぎこが
)
しを入れ、その真ん中によい
家
(
うち
)
なれば銀貨三枚位、悪い家なれば一枚あるいは半分の銀貨を入れて、その
糧
(
かて
)
の所にカタ(薄絹)の小さいのを一つ添えてあるです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
所は
芝
(
しば
)
烏森
(
からすもり
)
で俗に「
林
(
はやし
)
の屋敷」と呼ばれていた屋敷長屋の
端
(
はず
)
れの
家
(
うち
)
だったが、
家内
(
うち
)
の
間取
(
まどり
)
といい、庭の
趣
(
おもむき
)
といい、
一寸
(
ちょっと
)
気取った家で、
凡
(
すべ
)
て
上方
(
かみがた
)
風な少し陰気ではあったが
中々
(
なかなか
)
凝
(
こ
)
った
建方
(
たてかた
)
である
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
で、松どんも仕方なしに
家内
(
うち
)
へはいったが、いっそう腑に落ちない顔で
早耳三次捕物聞書:04 海へ帰る女
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「外の人にはこんな話は出来ません。長年気心も知り合つて
家内
(
うち
)
の人も
同
(
おんな
)
じのお前さんの事だから、私もお話を為るのですけれどね、困つた事が出来て了つたの——どうしたら可からうかと思つてね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「あそこでも今ぢゃ
家内
(
うち
)
ぢうで米はとても食ひおほせんらよ?」
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
以前この庭の中で、
家内
(
うち
)
中
揃
(
そろ
)
って写真を
撮
(
と
)
ったことがある。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
家内
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
れば
私
(
わたし
)
の
傍
(
そば
)
ばつかり
覗
(
ねら
)
ふて、ほんに/\
手
(
て
)
が
懸
(
かゝ
)
つて
成
(
なり
)
ませぬ、
何故
(
なぜ
)
彼樣
(
あんな
)
で
御座
(
ござ
)
りませうと
言
(
い
)
ひかけて
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しの
涙
(
なみだ
)
むねの
中
(
なか
)
に
漲
(
みなぎ
)
るやうに
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三輪田の御光さんが鮎をくれたけれども東京へ送ると途中で腐つて仕舞ふから、
家内
(
うち
)
で
食
(
た
)
べて仕舞つた。等である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
長「直にったって大騒ぎなんで、
家内
(
うち
)
に少し
取込
(
とりこみ
)
があるんで、年頃の一人娘のあまっちょが今朝出たっきり
帰
(
けえ
)
らねえので、内の
女房
(
やつ
)
も
心配
(
しんぺえ
)
してえるんでね」
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
貴郎
(
あなた
)
、今の奥様のです、だから二た言目には此の山木の
財産
(
しんだい
)
は
己
(
おれ
)
の物だつて威張るので、あんな高慢な山木様も、
家内
(
うち
)
では頭が上がらないさうです、——先生
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
というのは、今しがた誰も居ないのに声が
懸
(
かか
)
って、人形が物を言うていこたあ無い筈だと思ったが、下枝の
業
(
わざ
)
であったかも知れぬわい。待て、
一番
(
ひとつ
)
家内
(
うち
)
を
検
(
しら
)
べて見よう。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お小夜と珠太郎の
吃驚
(
びっくり
)
したことは! それはほんとに気の毒なほどだった。もちろん二人は逃げてしまったさ。お小夜は外へ、珠太郎は
家内
(
うち
)
へな。そこで我輩も外へ出た。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
或は皿、或は盆、或は箪笥、或は衣類、それも多くは
家内
(
うち
)
づかひのもの。悉くが日々の生活に必要なものばかりである。何も珍しいものではない。誰とてもそれ等のものを知りぬいてゐる。
雑器の美
(新字旧仮名)
/
柳宗悦
(著)
家内
(
うち
)
にいる時は、もう
書籍
(
ほん
)
なんか読む気にはなれない。大抵猫と遊んでいた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
家内
(
うち
)
の Tinka Ongo でもやつた事だらう、面白い、と一寸妹に感心する、而して又物好きな心がその寂しい心の尖にしんみりとマツチを擦りつける、と昼の焔が微かに燃える。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
美人
夜叉
(
やしゃ
)
と変ず で何か
家内
(
うち
)
で非常な喧嘩が始まったような声がして居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
家内
(
うち
)
に居れば私の傍ばつかり
覗
(
ねら
)
ふて、ほんにほんに手が懸つて成ませぬ、
何故
(
なぜ
)
あんなで御座りませうと言ひかけて思ひ出しの涙むねの中に
漲
(
みなぎ
)
るやうに
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
前
(
まえ
)
が
何
(
ど
)
うも
麪桶
(
めんつう
)
代
(
がは
)
りに
砂張
(
すばり
)
の
建水
(
みづこぼし
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
るので感心したから、
残余肴
(
あまりもの
)
だが
参州味噌
(
さんしゆうみそ
)
のお
汁
(
しる
)
もあるから、チヨツと
膳
(
ぜん
)
で
御飯
(
ごぜん
)
を
上
(
あ
)
げたい、さア
家内
(
うち
)
へ
上
(
あが
)
つてね
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
南町はちと君には遠廻りの処を、是非廻って貰いたいと云うもんだから、
家内
(
うち
)
で口を利いて
行
(
ゆ
)
くようになったんだから、ここがちと言い憎いのだが、今云った、それ、
膚合
(
はだあい
)
の合わない処だ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんなことを思っては、私は方々、
目的
(
あて
)
もなく歩き廻った。天気が好ければよくって
戸外
(
そと
)
に出るし、雨が降れば降って
家内
(
うち
)
にじっとしていられないで出て歩いた。破れた傘を
翳
(
さ
)
して出歩いた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
よろしう御座んす慥かに受合ひました、むづかしくはお給金の前借にしてなり願ひましよ、見る目と
家内
(
うち
)
とは違ひて何處にも金錢の埓は明きにくけれど
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「別院
傍
(
わき
)
の紅屋の
家内
(
うち
)
ですがね、どちらだって構わないじゃありませんか。」
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よろしう御座んす
慥
(
たし
)
かに受合ひました、むづかしくはお給金の前借にしてなり願ひましよ、見る目と
家内
(
うち
)
とは違ひて
何処
(
いづこ
)
にも金銭の
埒
(
らち
)
は明きにくけれど
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さるほどに得三は高田とともに
家内
(
うち
)
に
入
(
い
)
り、下枝は
居
(
お
)
らずや見えざるかと、あらゆる部屋を
漁
(
あさ
)
り来て、北の台の座敷牢を念のため開き見れば、射込む
洋燈
(
ランプ
)
の光の下に白く
蠢
(
うごめ
)
くもののあるにぞ
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よろしう
御座
(
ござ
)
んす
慥
(
たし
)
かに
受合
(
うけあ
)
ひました、むづかしくはお
給金
(
きうきん
)
の
前借
(
まへがり
)
にしてなり
願
(
ねが
)
ひましよ、
見
(
み
)
る
目
(
め
)
と
家内
(
うち
)
とは
違
(
ちが
)
ひて
何處
(
いづこ
)
にも
金錢
(
きんせん
)
の
埓
(
らち
)
は
明
(
あ
)
きにくけれど
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
珍らしく
家内
(
うち
)
中との触れに成けり、このお供を
嬉
(
うれ
)
しがるは
平常
(
つね
)
のこと、
父母
(
ちちはは
)
なき
後
(
のち
)
は唯一人の大切な人が、病ひの床に見舞ふ事もせで、物見
遊山
(
ゆさん
)
に歩くべき身ならず
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
割木
(
わりき
)
ほどの
事
(
こと
)
も
大臺
(
おほだい
)
にして
叱
(
しか
)
りとばさるる
婢女
(
はした
)
の
身
(
み
)
つらや、はじめ
受宿
(
うけやど
)
の
老媼
(
おば
)
さまが
言葉
(
ことば
)
には
御子樣
(
おこさま
)
がたは
男女
(
なんによ
)
六
人
(
にん
)
、なれども
常住
(
じやうぢう
)
家内
(
うち
)
にお
出
(
いで
)
あそばすは
御總領
(
ごそうりやう
)
と
末
(
すゑ
)
お
二人
(
ふたり
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
割木ほどの事も大台にして
叱
(
しか
)
りとばさるる
婢女
(
はした
)
の身つらや、はじめ
受宿
(
うけやど
)
の
老媼
(
おば
)
さまが言葉には御子様がたは
男女
(
なんによ
)
六人、なれども常住
家内
(
うち
)
にお
出
(
いで
)
あそばすは御総領と末お二人
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
例
(
いつも
)
は威勢よき黒ぬり車の、それ門に音が止まつた娘ではないかと
兩親
(
ふたおや
)
に出迎はれつる物を、今宵は辻より飛のりの車さへ歸して
悄然
(
しよんぼり
)
と格子戸の外に立てば、
家内
(
うち
)
には父親が相かはらずの高聲
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
例
(
いつも
)
は
威勢
(
いせい
)
よき
黒
(
くろ
)
ぬり
車
(
くるま
)
の、それ
門
(
かど
)
に
音
(
おと
)
が
止
(
と
)
まつた
娘
(
むすめ
)
ではないかと
兩親
(
ふたおや
)
に
出迎
(
でむか
)
はれつる
物
(
もの
)
を、
今宵
(
こよひ
)
は
辻
(
つぢ
)
より
飛
(
とび
)
のりの
車
(
くるま
)
さへ
歸
(
かへ
)
して
悄然
(
しよんぼり
)
と
格子戸
(
かうしど
)
の
外
(
そと
)
に
立
(
た
)
てば、
家内
(
うち
)
には
父親
(
ちゝはゝ
)
が
相
(
あひ
)
かはらずの
高聲
(
たかごゑ
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
例
(
いつも
)
は威勢よき黒ぬり車の、それ
門
(
かど
)
に音が止まつた娘ではないかと
両親
(
ふたおや
)
に出迎はれつる物を、
今宵
(
こよひ
)
は
辻
(
つぢ
)
より
飛
(
とび
)
のりの車さへ帰して
悄然
(
しよんぼり
)
と
格子戸
(
かうしど
)
の外に立てば、
家内
(
うち
)
には父親が相かはらずの高声
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
無茶苦茶にいぢめ立る訳ではあるまいが、得て世間に褒め物の
敏腕家
(
はたらきて
)
などと言はれるは極めて恐ろしい我まま物、外では知らぬ顔に切つて廻せど勤め向きの不平などまで
家内
(
うち
)
へ帰つて当りちらされる
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
無茶苦茶
(
むちやくちや
)
にいぢめ
立
(
たて
)
る
譯
(
わけ
)
ではあるまいが、
得
(
え
)
て
世間
(
せけん
)
に
褒
(
ほ
)
め
物
(
もの
)
の
敏腕家
(
はたらきて
)
などゝ
言
(
い
)
はれるは
極
(
きわ
)
めて
恐
(
おそ
)
ろしい
我
(
わが
)
まゝ
物
(
もの
)
、
外
(
そと
)
では
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
に
切
(
き
)
つて
廻
(
まわ
)
せど
勤
(
つと
)
め
向
(
む
)
きの
不平
(
ふへい
)
などまで
家内
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
當
(
あた
)
りちらされる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
越
(
こ
)
しての
肩縫
(
かたぬひ
)
あげ
可愛
(
かはい
)
らしき
人品
(
ひとがら
)
なりお
高
(
たか
)
さま
御覽
(
ごらん
)
なされ
老人
(
としより
)
なき
家
(
いへ
)
の
埒
(
らち
)
のなさ
兄
(
あに
)
は
兄
(
あに
)
とて
男
(
をとこ
)
の
事
(
こと
)
家内
(
うち
)
のことはとんと
棄物
(
すてもの
)
私一人
(
わたしひとり
)
が
拍
(
う
)
つも
舞
(
ま
)
ふもほんに
埃
(
ほこり
)
だらけで
御座
(
ござ
)
いますと
笑
(
わら
)
ひて
誘
(
いざな
)
ふ
座蒲團
(
ざぶとん
)
の
上
(
うへ
)
おかまひ
遊
(
あそ
)
ばすなと
沈
(
しづ
)
み
聲
(
ごゑ
)
にお
高
(
たか
)
うやむやの
胸
(
むね
)
の
關所
(
せきしよ
)
たれに
打明
(
うちあ
)
けん
相手
(
あひて
)
もなし
朋友
(
ともだち
)
の
誰
(
た
)
れ
彼
(
か
)
れ
睦
(
むつ
)
まじきもあれどそれは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雪
(
ゆき
)
こそふれ
夜
(
よ
)
はまだそれほどに
御座
(
ござ
)
りませねばと
歸
(
かへ
)
り
支度
(
じたく
)
とゝのへるにそれならば
誰
(
たれ
)
ぞ
供
(
とも
)
にお
連
(
つれ
)
なされお
歩行
(
ひろひ
)
御迷惑
(
ごめいわく
)
ながら
此邊
(
このほとり
)
には
車
(
くるま
)
鳥渡
(
ちよつと
)
むづかしからん
大通
(
おほどほ
)
り
近
(
ちか
)
くまで
御難澁
(
ごなんじふ
)
なるべし
家内
(
うち
)
にてすら
火桶
(
ひをけ
)
少
(
すこ
)
しも
放
(
はな
)
されぬに
夜氣
(
やき
)
に
當
(
あた
)
つてお
風
(
かぜ
)
めすな
失禮
(
しつれい
)
も
何
(
なに
)
もなしこゝより
直
(
すぐ
)
にお
頭巾
(
づきん
)
召
(
め
)
せ
誰
(
た
)
れぞお
肩掛
(
かたかけ
)
お
着
(
き
)
せ
申
(
まを
)
せと
總掛
(
そうがゝ
)
りに
支度
(
したく
)
手傳
(
てつだ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
“家内”で始まる語句
家内中
家内安全