興味きようみ)” の例文
意地惡い事ではあるが、私はこの人が下らない努力に何時まで飽きずにゐられるかに興味きようみを有つて、それとはなしに毎日待つてゐた。
歌のいろ/\ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あらためてこゝふ。意味いみおいての大怪窟だいくわいくつが、學術がくじゆつひかり如何どうらされるであらうか。ふか興味きようみもつ此大發掘このだいはつくつむかへざるをない。
湯原ゆがはら温泉をんせんぼくになじみのふかところであるから、たとひおきぬないでもぼくつて興味きようみのないわけはない、しかすでにおきぬつたのちぼくには
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
とにかく初期微動繼續時間しよきびどうけいぞくじかんはじめとして、發震時はつしんじ其他そのたかんするあたひ計測けいそくし、これを器械觀測きかいかんそく結果けつか比較ひかくすることすこぶ興味きようみおほいことである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
宗助そうすけとかうたとかいふものには、もとからあま興味きようみたないをとこであつたが、どうわけこのんだとき大變たいへん感心かんしんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたしなども少年しようねんのころ、御陵ごりよう巡拜じゆんぱいするといふようなことから、つい/\考古學こうこがく興味きようみおぼえるようになつた次第しだいであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
村落むらいきほ嫉妬しつと猜忌さいぎとそれからあらたおこつた事件じけんたいするやうな興味きようみとをもつ勘次かんじうへそゝがれねばならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぼくは、ジヤン・ダークが如何いかきたかをるよりも、すくなくとも現代げんだい婦人ふじんにとつては、如何いかにトルストイがきたかをはうが、興味きようみがあるだらうとおもふ。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けれどもこれは、和歌わかではまづ出來できない相談そうだんで、おそらくこのひとが、かういふふうな思想しそうあらはかたをする俳句はいくにも、興味きようみつてゐたから出來できたものなのでせう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
なかには人間にんげん知識ちしき高尚こうしやう現象げんしやうほかには、ひとつとして意味いみのある、興味きようみのあるものはいのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これでみなさんもやまかんするいろ/\なことをおぼえられたので、をりがあつたらたかやまにものぼつて實際じつさいについてられると、一層いつそう興味きようみがあるでせう。——(終)——
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
併し何方にも何等の興味きようみを感ぜず、單に一所いつしよに行ツたお房とおふくろを悦ばせたといふに過ぎなかツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
なにべてきてたの?』とつね飮食いんしよく問題もんだい多大たゞい興味きようみつてところあいちやんがたづねました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ちゝつけで、毎年まいねんとほ虫干むしぼし手傳てつだひをさせられるのも、んなときには、かへつて興味きようみおほ仕事しごと一部分いちぶぶんかぞへられた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
各所かくしよ太鼓たいこおと興味きようみかへつれからだといふやうしづんだとほして一直線ちよくせんひゞいてる。うたこゑとほちかきこえる。よるまつたをどるものゝ領域りやうゐきした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それもくつからはをかしいが、かんがへればなんでもないところに、わづかな興味きようみおこしたにすぎません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
かれまへのやうに八きて、ちやのちすぐ書物しよもつたのしんでんでゐたが、ごろあたらしい書物しよもつへぬので、古本計ふるほんばかんでゐるせゐか、以前程いぜんほどには興味きようみかんぜぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さればこそ歐米おうべい地震學者ぢしんがくしやおほくは此方面このほうめん研究けんきゆう興味きようみち、また主力しゆりよくかたむけてゐるのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
見物人けんぶつにん大人おとなでも子供こどもでも興味きようみをもつてそれ/″\動物どうぶつ生活状態せいかつじようたいることが出來できるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
宗助そうすけはさういふ方面はうめんまる經驗けいけんのないをとこではなかつたので、ひて興味きようみよそほ必要ひつえうもなく、たゞ尋常じんじやう挨拶あいさつをするところが、かへつて主人しゆじんるらしかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あなたがたわかこゝろには、かういふうた興味きようみはわからないかもれませんが、日本につぽん文學ぶんがくには、かういつたしづかなかすかなあぢはひが、よい作物さくぶつにはずっととほつてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼等かれらいそがしくうごかしてるとともこゑころしてひそ/\とかもちかられて笑語さゞめいた。彼等かれら戸外こぐわいきこえをはばからぬならば興味きようみじようじて放膽はうたんさわはずでなければならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
みぎほか體驗たいけんした地震動ぢしんどうおほいさを器械觀測きかいかんそく結果けつか比較ひかくするのもまた興味きようみある事柄ことがらである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
或時あるとき徒然つれ/″\なるにまかせて、書物しよもつ明細めいさい目録もくろく編成へんせいし、書物しよもつにはふだを一々貼付はりつけたが、這麼機械的こんなきかいてき單調たんてう仕事しごとが、かへつて何故なにゆゑ奇妙きめうかれ思想しさうろうして、興味きようみをさへへしめてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こゝには動植鑛物どうしよくこうぶつはじめ、理科りかかんする標本ひようほん完備かんびしてゐます。そして子供こども素人しろうとのためにいろ/\興味きようみくようにならべてありますので、としわか學校がつこう生徒せいとなども大勢おほぜい見物けんぶつかけます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)