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果
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はて
ふりがな文庫
“
果
(
はて
)” の例文
四五日
(
しごんち
)
すると夫人が来る。そこで今度は二人してまた東西南北を
馳
(
か
)
け廻った揚句の
果
(
はて
)
やはりチェイン・ローが
善
(
い
)
いという事になった。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なにも痴情の
果
(
はて
)
ではあるまいし、屍体を素裸にして、ストーブの中に逆さ釣りにして燃やすなんて手数のかかることをするものですか
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ぞなし居たり感應院が
食事
(
しよくじ
)
仕果
(
しはて
)
し頃を計り寶澤も
油掃除
(
あぶらさうぢ
)
を
成
(
なし
)
果
(
はて
)
て
臺所
(
だいところ
)
へ入來り
下男
(
げなん
)
倶々
(
とも/″\
)
食事をぞなしぬ
胸
(
むね
)
に一物ある寶澤が
院主
(
ゐんしゆ
)
の方を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「情死じゃアねえが、大方
痴戯
(
いたずら
)
の
果
(
はて
)
だろうよ」「いや、菊屋のかみさんが
残酷
(
ひどい
)
からだ、
以前
(
このまえ
)
もあそこの下女で井戸へ飛んだ者がある」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
指
(
ゆびさ
)
して、それを、
旧
(
もと
)
のわが家なる木戸の際に、
路
(
みち
)
を
蔽
(
おお
)
いて繁りたりしかの青楓の
果
(
はて
)
なりと、継母の語りし時、われは思わず涙ぐみぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
それは
先年
(
せんねん
)
西海
(
せいかい
)
の
果
(
はて
)
に
崩御
(
ほうぎょ
)
あらせられた
貴人
(
きじん
)
の
御霊
(
みたま
)
であったが、それを拝すると共に
眼前
(
めさき
)
が
暗
(
くら
)
んで馬から落ちたのだと云う噂であった。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
猟奇の
徒
(
と
)
よ、
卿等
(
けいら
)
は余りに猟奇者であり過ぎてはならない。この物語こそよき
戒
(
いましめ
)
である。猟奇の
果
(
はて
)
が
如何
(
いか
)
ばかり恐ろしきものであるか。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お
定
(
さだま
)
りの
女買
(
おんながい
)
に
費込
(
つかいこ
)
んだ
揚句
(
あげく
)
の
果
(
はて
)
に、ここに進退きわまって
夜更
(
よふ
)
けて劇薬自殺を
遂
(
と
)
げた……と
薄気味悪
(
わ
)
るく
血嘔
(
ちへど
)
を吐く手真似で話した。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
風流の道というものは長崎の
果
(
はて
)
の先生でも、奥州の人とも手紙の遣り取りをして
交際
(
つきあい
)
をするものだがね、久馬様はおなくなりになって
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
果
(
はて
)
しがないからいい加減に見当を付けて降り始めたが、忽ち急な雪渓が私達の足を封じてしまった。どうも東へ寄り過ぎたようだ。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
あげくの
果
(
はて
)
が、
永井荷風
(
ながいかふう
)
先生、宇野浩二先生、
瀧井孝作
(
たきいこうさく
)
先生方を始め
悪口雑言
(
あっこうぞうごん
)
、
無礼妄言
(
ぶれいもうげん
)
の数々、性来のオッチョコチョイで仕方がない。
インチキ文学ボクメツ雑談
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
其樣
(
そん
)
なものに
鼻毛
(
はなげ
)
よまれて
果
(
はて
)
は
跡
(
あと
)
あしの
砂
(
すな
)
の
御用心
(
ごようじん
)
さりとてはお
笑止
(
しようし
)
やなどヽ
憎
(
に
)
くまれ
口
(
ぐち
)
いひちらせど
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
は
妬
(
ねた
)
し
妬
(
ねた
)
しの
積
(
つも
)
り
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
野母
(
のも
)
半島の
彼方
(
かなた
)
には、玄界灘が
果
(
はて
)
しもなく、別にまた橘湾と玄海を結びつける天草灘があり、大小の天草列島が、その間に
星散碁布
(
せいさんきふ
)
する。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
いろいろの花をつないだ
艸
(
くさ
)
の糸は、湖のまわりを一まわりしてもまだ余るほどで、
果
(
はて
)
は広い野原の
艸
(
くさ
)
にかくれて見えなくなっております。
ルルとミミ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
とだけん
(著)
岸つづきの珍らしい山河や、夜になると明るくなってくる都会が、この岸つづきの
果
(
はて
)
にあるのだ。おれはそれを考えるとたまらなくなる。
寂しき魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
厳寒地の生鮮
蔬菜
(
そさい
)
の貯蔵の問題は、満州などでも大分騒がれているようであるが、樺太の北の
果
(
はて
)
ではどうなっているのであろう。
ツンドラへの旅
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
今や僕の力は全く悪運の鬼に
挫
(
ひし
)
がれて了いました。自殺の力もなく、自滅を待つほどの
意久地
(
いくじ
)
のないものと成り
果
(
はて
)
て居るのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そこで、これは
果
(
はて
)
しがない、少しはしょッてという気になって、前号の終りに以後一年半ほどの事を、ひとまとめに、こう書いてしまった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「出来る」「いや出来ぬ」「見事拙者がやってお目にかけよう」「何んの貴殿如き」と、
果
(
はて
)
しもなく意地を張り続けました。
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一体今度の革命軍と云ふものは内外人の心が
北京
(
ペキン
)
の政治に厭き
果
(
はて
)
たと云ふ都合のよい機運に会したので意外の勢力となりつつある様であるが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
温泉場で懇意になったのが縁となって、帰京の後にも交際をつづけ、
果
(
はて
)
は縁組みをして親類になったなどというのもある。
温泉雑記
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただ関東以西には猟を主業とする者が、一部落をなすほどに多く集まっておらぬに反して奥羽の
果
(
はて
)
に行くとマタギの村という者がおりおりある。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
果
(
はて
)
はますます暴動
募
(
つの
)
りて
術
(
すべ
)
よく米を渡さぬ家は
打毀
(
うちこは
)
しなどする程に、市街の
騒擾
(
そうじよう
)
大かたならず、
這
(
こ
)
は只
浪花
(
なには
)
のみならず諸国に斯る挙動ありしが
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
果
(
はて
)
は
腑甲斐
(
ふがい
)
なき此身
惜
(
おし
)
からずエヽ木曾川の
逆巻
(
さかまく
)
水に命を洗ってお辰見ざりし前に生れかわりたしと血相
変
(
かわ
)
る
夜半
(
よわ
)
もありし。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
日常生活から、部屋の様子、器具の置場などまでして話して下さるので、どんなだろうか、あんなだろうかと想像をも加えて、
果
(
はて
)
がありません。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
もし世間の笑いものになって、ここで生きて行かれぬというなら、
唐
(
から
)
天竺
(
てんじく
)
の
果
(
はて
)
までも、いっしょに行く気でおりますわいな
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
は、
海面
(
かいめん
)
より
數百尺
(
すひやくしやく
)
高
(
たか
)
き
斷崖
(
だんがい
)
の
上
(
うへ
)
に
建
(
たて
)
られ、
前
(
まへ
)
は
果
(
はて
)
しなき
印度洋
(
インドやう
)
に
面
(
めん
)
し、
後
(
うしろ
)
は
美麗
(
びれい
)
なる
椰子
(
やし
)
の
林
(
はやし
)
に
蔽
(
おほ
)
はれて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
国の名で申しますと、
陸奥
(
むつ
)
、
陸中
(
りくちゅう
)
、
陸前
(
りくぜん
)
、
羽後
(
うご
)
、
羽前
(
うぜん
)
、
磐城
(
いわき
)
、
岩代
(
いわしろ
)
の七ヵ国となります。昔の「みちのく」即ち道の奥と呼んだ国の
果
(
はて
)
であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
マーキュ はて、あの
蒼白
(
あをじろ
)
い
情無
(
じゃうな
)
し
女
(
をんな
)
のローザラインめが
散々
(
さん/″\
)
に
奴
(
やつ
)
を
苦
(
くるし
)
めるによって、
果
(
はて
)
は
狂人
(
きちがひ
)
にもなりかねまいわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いつか私は彼に頼っていました。そうして
果
(
はて
)
はこの友達に向って持前の
稚
(
いとけな
)
さをさらけ出してしまいました。私は月にそっくり打ち明けて話しました。
聖アンデルセン
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
何も
急
(
せ
)
く旅でもなしいっそ
人力
(
じんりき
)
で五十三次も面白かろうと、トウトウそれと
極
(
きま
)
ってからかれこれ一月の
果
(
はて
)
を車の上
車
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
やがて我身の
果
(
はて
)
であるのだ。三人の悪者は、この歌をうたって、暗然として何等か涙を催すようなことがあろうか。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一生をモルガンにまかせて、何処ででも
果
(
はて
)
よう、国籍は、もう日本の
女
(
もの
)
ではないのだという覚悟が、はっきりした。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
北條某
(
ほうじょうなにがし
)
とやら
申
(
もう
)
す
老獪
(
ずる
)
い
成上
(
なりあが
)
り
者
(
もの
)
から
戦闘
(
たたかい
)
を
挑
(
いど
)
まれ、
幾度
(
いくたび
)
かのはげしい
合戦
(
かっせん
)
の
挙句
(
あげく
)
の
果
(
はて
)
が、あの三
年
(
ねん
)
越
(
ご
)
しの
長
(
なが
)
の
籠城
(
ろうじょう
)
、とうとう
武運
(
ぶうん
)
拙
(
つたな
)
く
三浦
(
みうら
)
の一
族
(
ぞく
)
は
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ソクラテスの女房は、
何
(
ど
)
うかして機嫌の悪い時には、一
頻
(
しきり
)
我鳴りたてた
揚句
(
あげく
)
の
果
(
はて
)
が、いきなり
水甕
(
みづかめ
)
の水を哲学者の頭に、滝のやうに
打
(
ぶ
)
ち
撒
(
ま
)
けたものだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
不覚の名を
穢
(
けが
)
し、今に落着
相極
(
あいきわま
)
らず死せん事こそ口惜しけれ、依て残す一言あり、我れ
果
(
はて
)
ても仏事追善の営み無用たるべし、川合又五郎が首を
手向
(
たむ
)
けよ
鍵屋の辻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
其の内誰かお光坊は拾いっ子だ、捨てっ子だ、といい出して、
果
(
はて
)
はみんなが拾っ子やあいやあい、と囃し立てる。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
恋は悲しい、
遂
(
つい
)
に添われぬ身の
果
(
はて
)
を嘆いて、お富もまた離ればなれに
上
(
かみ
)
の手の岩から身を躍らしたと
俚俗
(
りぞく
)
にいう。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
雨に打ち砕かれて、
果
(
はて
)
は咲かなくなつて居た
薔薇
(
さうび
)
が、今朝はまたところどころに咲いて居る。
蜘蛛
(
くも
)
の網は、日光を反射する露でイルミネエトされて居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
果
(
はて
)
をめざして飛びゆく
生命
(
いのち
)
の短き旅を終へんためわれ世に歸らば、汝の詞
報酬
(
むくい
)
をえざることあらじ。 三七—三九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「かうすべいに、なじかは難からう。」と申しも
果
(
はて
)
ず、やにはに緋の袍の袖をひらいて、「れぷろぼす」を小脇に
抱
(
かか
)
いたれば、見る見る足下が暗うなつて
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然に此篇のお夏は、主人の娘として
下僕
(
かぼく
)
に情を寄せ、其情は
初
(
はじめ
)
に
肉情
(
センシユアル
)
に起りたるにせよ、
後
(
のち
)
に
至
(
いたり
)
て立派なる
情愛
(
アツフヱクシヨン
)
にうつり、
果
(
はて
)
は
極
(
きはめ
)
て神聖なる
恋愛
(
ラブ
)
に迄進みぬ。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
更にまた一夜に百金を散じた昔の榮華を思出して
飢
(
うゑ
)
と
疾
(
やまひ
)
とに
顫
(
をのゝ
)
きながら斃れた
放蕩息子
(
のらむすこ
)
の
果
(
はて
)
もあツたらうし
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
知識で究めるのは
果
(
はて
)
しが着かないというなら、科学や哲学に何の権威がある乎。科学や哲学で究めても解らないものなら文学や宗教でどうして満足出来る乎。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
然し女に
廃物
(
すたり
)
は無い。お春さんは他の東京から
貰
(
もら
)
われて来た里子の
果
(
はて
)
の男と出来合うて、其私生児を残して嫁に往った。而して二人は今幸福に暮らして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その
果
(
はて
)
は心靈の極度なる神に達して、神は花聟であるし、僕等は花嫁であるのだ。天は對を許さないから、僕等の状態は小い心靈全體の交通となるわけである。
神秘的半獣主義
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
偶然大金を拾ひ候ばかりに
人殺
(
ひとごろし
)
の大罪を犯す身となり
果
(
はて
)
候上は、最早や如何ほど後悔致候ても及びもつかぬ
仕儀
(
しぎ
)
にて、今は自首致して
御仕置
(
おしおき
)
を受け申すべきか。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そのうちについ書くことが消えてしまい、そうしてとうとうそれは忘れるともなく全く忘れ
果
(
はて
)
てしまった。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
果
(
はて
)
しなき
今昔
(
こんじやく
)
の感慨に、瀧口は柱に
凭
(
よ
)
りしまゝしばし茫然たりしが、
不圖
(
ふと
)
電
(
いなづま
)
の如く胸に感じて、想ひ起したる小松殿の言葉に、
顰
(
ひそ
)
みし眉動き、沈みたる
眼閃
(
ひら
)
めき
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
しばしば彼に告ぐるに両親の悪意なきことを以てしけれども、なお
言
(
ことば
)
を左右に托して来らず、ようよう疎遠の姿となりて、
果
(
はて
)
はその消息さえ絶えなんとはしたり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
果
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
“果”を含む語句
効果
結果
果物
無花果
果實
因果
果実
相果
效果
果然
果報
朽果
果敢
果合
仏果
成果
倦果
無花果樹
其果
苹果
...