“成上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なりあが57.1%
なりあがり42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
北條某ほうじょうなにがしとやらもう老獪ずる成上なりあがものから戦闘たたかいいどまれ、幾度いくたびかのはげしい合戦かっせん挙句あげくはてが、あの三ねんしのなが籠城ろうじょう、とうとう武運ぶうんつたな三浦みうらの一ぞく
同時に、器量望みで比較的富裕な家に嫁に行ったお秀に対する津田の態度も、また一種の自尊心にちていた。彼は成上なりあがりものに近いある臭味しゅうみを結婚後のこの妹に見出みいだした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此の……県に成上なりあがりの豪族、色好いろごのみの男爵で、面構つらがまえ風采ふうつき巨頭公あたまでっかちようたのが、劇興行しばいこうぎょうのはじめからに手を貸さないで紫玉を贔屓ひいきした、既に昨夜ゆうべ或処あるところ一所いっしょに成る約束があつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
玉蟲染たまむしぞめ天鵞絨びろうどのやうな薔薇ばらの花、あかの品格があつて、人のをさたる雅致がちがある玉蟲染たまむしぞめ天鵞絨びろうどのやうな薔薇ばらの花、成上なりあがりの姫たちが着る胴着どうぎ似而非えせ道徳家もはおりさうな衣服きもの僞善ぎぜんの花よ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)