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昨年
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さくねん
ふりがな文庫
“
昨年
(
さくねん
)” の例文
一
方
(
ぱう
)
貿易外
(
ぼうえきぐわい
)
の
受取超過額
(
うけとりてうくわがく
)
が
毎年
(
まいとし
)
一
億
(
おく
)
六七千
萬圓
(
まんゑん
)
あるから
大體
(
だいたい
)
に
於
(
おい
)
て
昨年
(
さくねん
)
の
海外支拂勘定
(
かいぐわいしはらひかんぢやう
)
は
受取勘定
(
うけとりかんぢやう
)
で
償
(
つぐな
)
ひ
得
(
う
)
ることとなつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
昨年
(
さくねん
)
、ご
当地
(
とうち
)
で、お
目
(
め
)
どおりいたしました
娘
(
むすめ
)
は、さる
地方
(
ちほう
)
において、
俵
(
たわら
)
を
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねまする
際
(
さい
)
に、
腹帯
(
はらおび
)
が
切
(
き
)
れて、
非業
(
ひごう
)
の
最期
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたくし
)
は
昨年
(
さくねん
)
の十二
月
(
ぐわつ
)
芝愛宕下
(
しばあたごした
)
桜川町
(
さくらがはちやう
)
へ
越
(
こ
)
しまして、
此春
(
このはる
)
は
初湯
(
はつゆ
)
に
入
(
はい
)
りたいと
存
(
ぞん
)
じ、つい
近辺
(
きんぺん
)
の
銭湯
(
せんたう
)
にまゐりまして「
初湯
(
はつゆ
)
にも
洗
(
あら
)
ひのこすや
臍
(
へそ
)
のあか」
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨年
(
さくねん
)
の
秋
(
あき
)
鳥部寺
(
とりべでら
)
の
賓頭盧
(
びんづる
)
の
後
(
うしろ
)
の
山
(
やま
)
に、
物詣
(
ものまう
)
でに
來
(
き
)
たらしい
女房
(
にようぼう
)
が
一人
(
ひとり
)
、
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
と一しよに
殺
(
ころ
)
されてゐたのは、こいつの
仕業
(
しわざ
)
だとか
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
と……
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
を
昨年
(
さくねん
)
も
見
(
み
)
た。……
篤志
(
とくし
)
の
御方
(
おかた
)
は、
一寸
(
ちよつと
)
お
日記
(
につき
)
を
御覽
(
ごらん
)
を
願
(
ねが
)
ふ。
秋
(
あき
)
の
半
(
なかば
)
かけて
矢張
(
やつぱ
)
り
鬱々
(
うつ/\
)
陰々
(
いん/\
)
として
霖雨
(
ながあめ
)
があつた。
三日
(
みつか
)
とは
違
(
ちが
)
ふまい。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
『
可笑
(
をか
)
しい
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひますね、
昨年
(
さくねん
)
あんなに
世話
(
せわ
)
になつた
人
(
ひと
)
に
會
(
あ
)
ひたいのは
當然
(
あたりまへ
)
だらうと
思
(
おも
)
ふ。』
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
赤とんぼの休んでいる竹には、
朝顔
(
あさがお
)
のつるがまきついています。
昨年
(
さくねん
)
の夏、この
別荘
(
べっそう
)
の主人が
植
(
う
)
えていった朝顔の結んだ実が、また
生
(
は
)
えたんだろう——と赤とんぼは思いました。
赤とんぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
昨年
(
さくねん
)
私
(
わたし
)
がドイツを
旅行
(
りよこう
)
して、ミュンヘンといふ
町
(
まち
)
へまゐりました
時
(
とき
)
、そこにある
大
(
おほ
)
きい
美術博物館
(
びじゆつはくぶつかん
)
の
附近
(
ふきん
)
に、
小
(
ちひ
)
さいけれども
考古學博物館
(
こうこがくはくぶつかん
)
がありましたので
見物
(
けんぶつ
)
に
出
(
で
)
かけました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
海軍部内
(
かいぐんぶない
)
に
其人
(
そのひと
)
ありと
知
(
し
)
られたる
豫備海軍大佐櫻木重雄氏
(
よびかいぐんたいささぐらぎしげをし
)
は一
昨年
(
さくねん
)
英國
(
エイこく
)
に
遊
(
あそ
)
び
歸朝
(
きてう
)
以來
(
いらい
)
深
(
ふか
)
く
企
(
くわだ
)
つる
所
(
ところ
)
あり、
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
軍事上
(
ぐんじじやう
)
の
大發明
(
だいはつめい
)
をなして、
我國々防上
(
わがくにこくぼうじやう
)
に
貢獻
(
こうけん
)
する
處
(
ところ
)
あらんと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
クリスマスと新年の祝いも、いつしか過ぎ去りまして、はや今日は
二十日
(
はつか
)
正月となりました。
昨年
(
さくねん
)
の御正月には、御なずかしき御家に上りまして、
御雑煮
(
おぞうに
)
の御祝いに預りました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
女子教育上
(
ぢよしけういくじやう
)
の
意見
(
いけん
)
としては
別段
(
べつだん
)
に
申上
(
まをしあげ
)
ることも
御在
(
ござ
)
ませんが、
唯
(
た
)
だ
私
(
わたくし
)
が一
昨年
(
さくねん
)
の
春
(
はる
)
此
(
こ
)
の
女子英學塾
(
ぢよしえいがくじゆく
)
を
開
(
ひら
)
いてから
以來
(
いらい
)
、
種々
(
いろ/\
)
今日
(
こんにち
)
の
女子
(
ぢよし
)
即
(
すなは
)
ち
女學生
(
ぢよがくせい
)
に
就
(
つい
)
て
經驗
(
けいけん
)
した
事
(
こと
)
がありますから
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
昨年
(
さくねん
)
の
暮
(
くれ
)
押
(
おし
)
つまつてから
産聲
(
うぶごゑ
)
をあげて、はじめて
此赤
(
このあか
)
い
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れました
時
(
とき
)
、
私
(
わたし
)
はまだ
其時分
(
そのじぶん
)
宇宙
(
うちう
)
に
迷
(
まよ
)
ふやうな
心持
(
こゝろもち
)
で
居
(
ゐ
)
たものですから、
今
(
いま
)
思
(
おも
)
ふと
情
(
なさけ
)
ないのではありますけれど
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この方たちのお母さんは一
昨年
(
さくねん
)
没
(
な
)
くなられました。ええ、ボートはきっと
助
(
たす
)
かったにちがいありません、なにせよほど
熟練
(
じゅくれん
)
な
水夫
(
すいふ
)
たちが
漕
(
こ
)
いで、すばやく船からはなれていましたから
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
然
(
しか
)
るに
昨年
(
さくねん
)
十一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
に、
今年
(
こんねん
)
一
月
(
ぐわつ
)
十一
日
(
にち
)
に
於
(
おい
)
て
金解禁
(
きんかいきん
)
を
決行
(
けつかう
)
することに
決定
(
けつてい
)
發表
(
はつぺう
)
し
得
(
え
)
たことは
我國經濟
(
わがくにけいざい
)
の
爲
(
ため
)
に
非常
(
ひじやう
)
な
仕合
(
しあは
)
せである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
それは、一
昨年
(
さくねん
)
の
夏
(
なつ
)
のことでした。わたくしは
小
(
ちい
)
さい
弟
(
おとうと
)
をつれて、つりにいったその
帰
(
かえ
)
りです。
弟
(
おとうと
)
は、
足
(
あし
)
がつかれたといって、とうとう
泣
(
な
)
きだしてしまいました。
どこかで呼ぶような
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
同時
(
どうじ
)
に一
昨年
(
さくねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
、
衣絵
(
きぬゑ
)
さん、
婿君
(
むこぎみ
)
のために
若奥様
(
わかおくさま
)
であつた、
美
(
うつく
)
しい
夫人
(
ふじん
)
がはかなくなつて
居
(
ゐ
)
る……
新仏
(
しんぼとけ
)
は、
夫人
(
ふじん
)
の三
年目
(
ねんめ
)
に、おなじ
肺結核
(
はいけつかく
)
で
死去
(
しきよ
)
したのであるが……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其子
(
そのこ
)
も
昨年
(
さくねん
)
の
暮
(
くれ
)
チプスに
懸
(
かゝ
)
つて
死
(
し
)
んださうに
聞
(
きゝ
)
ました、
女
(
をんな
)
はませな
物
(
もの
)
ではあり、
死
(
し
)
ぬ
際
(
ぎは
)
には
定
(
さだ
)
めし
父樣
(
とゝさん
)
とか
何
(
なん
)
とか
言
(
い
)
ふたので
御座
(
ござ
)
りましよう、
今年
(
ことし
)
居
(
ゐ
)
れば五つになるので
御座
(
ござ
)
りました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
湯原
(
ゆがはら
)
の
温泉宿
(
をんせんやど
)
中西屋
(
なかにしや
)
の
女中
(
ぢよちゆう
)
である!
今
(
いま
)
僕
(
ぼく
)
の
斯
(
か
)
う
筆
(
ふで
)
を
執
(
と
)
つて
居
(
を
)
る
家
(
うち
)
の
女中
(
ぢよちゆう
)
である!
田舍
(
ゐなか
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
の
娘
(
むすめ
)
である!
小田原
(
をだはら
)
は
大都會
(
だいとくわい
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
る
田舍娘
(
ゐなかむすめ
)
! この
娘
(
むすめ
)
を
僕
(
ぼく
)
が
知
(
し
)
つたのは
昨年
(
さくねん
)
の
夏
(
なつ
)
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
昨年
(
さくねん
)
の夏、彼は大きな
甕
(
かめ
)
を買った。
径
(
わたり
)
三尺、深さは
唯
(
たった
)
一尺五寸の平たい甕である。これを庭の芝生の
端
(
はし
)
に据えて、毎朝水晶の様な
井
(
いど
)
の水を
盈
(
み
)
たして置く。大抵大きなバケツ八はいで
溢
(
あふ
)
るゝ程になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これによつて
短期期限付
(
たんききげんづき
)
の
金解禁
(
きんかいきん
)
を
決行
(
けつかう
)
し
得
(
え
)
たのであるが、
結局
(
けつきよく
)
昨年
(
さくねん
)
の
貿易
(
ぼうえき
)
は
豫想以上
(
よさういじやう
)
の
好成績
(
かうせいせき
)
にして
輸入超過額
(
ゆにふてうくわがく
)
は
内地分
(
ないちぶん
)
だけで六千七百
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
よ
)
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
やはり
人々
(
ひとびと
)
にもまれながら
寺
(
てら
)
の
境内
(
けいだい
)
に
入
(
はい
)
ると、
片側
(
かたがわ
)
に
高
(
たか
)
い
軽業
(
かるわざ
)
の
小舎
(
こや
)
があって、
昨年
(
さくねん
)
見
(
み
)
たときのような
絵看板
(
えかんばん
)
が
懸
(
か
)
かっていました。
彼
(
かれ
)
は、
木戸銭
(
きどせん
)
を
払
(
はら
)
ってのぞきました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此處
(
こゝ
)
は
空屋
(
あきや
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
を
)
ります……
昨年
(
さくねん
)
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
ましたつて
最
(
も
)
う
何
(
なん
)
の
縁
(
えん
)
もありませんものが、
夜中
(
やちう
)
、
斷
(
ことわ
)
りもなしに
入
(
はひ
)
つて
參
(
まゐ
)
りましたんですもの。
知
(
し
)
れましては
申譯
(
まをしわけ
)
がありません……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨年
(
さくねん
)
の
夏
(
なつ
)
も
他
(
た
)
の
女中
(
ぢよちゆう
)
から
小田原
(
をだはら
)
のお
婿
(
むこ
)
さんなど
嬲
(
なぶ
)
られて
居
(
ゐ
)
たのを
自分
(
じぶん
)
は
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る、あゝ
愈々
(
いよ/\
)
さうだ! と
思
(
おも
)
ふと
僕
(
ぼく
)
は
慊
(
いや
)
になつてしまつた。
一口
(
ひとくち
)
に
言
(
い
)
へば、
海
(
うみ
)
も
山
(
やま
)
もない、
沖
(
おき
)
の
大島
(
おほしま
)
、
彼
(
あ
)
れが
何
(
なん
)
だらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
年
(
とし
)
ちゃんは、一
昨年
(
さくねん
)
の
夏
(
なつ
)
、
田舎
(
いなか
)
へいったときのことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
古いてさげかご
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“昨年”の意味
《名詞》
昨 年 (さくねん)
今年より一つ前の年。
(出典:Wiktionary)
昨
常用漢字
小4
部首:⽇
9画
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
“昨”で始まる語句
昨夜
昨日
昨夕
昨晩
昨
昨宵
昨今
昨日今日
昨夜来
昨霄