たふ)” の例文
たふうへにははとあそぶさうである。く。花屋敷はなやしきをのがれたざうたふしたきた。ざう寶塔はうたふにしてしろい。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ヂュリ おゝ、パリスどのと祝言しうげんをせうほどなら、あのたふうへからんでい、山賊やまだち跳梁はびこ夜道よみちけ、へびくさむらひそめいともはッしゃれ。
すでたふ建立けんりつをはつたので、最早もはや歸途きとむか一方いつぽうである。往復わうふく五日いつか豫定よていが、その二日目ふつかめには首尾しゆびよく歸終きろくやうになつたのは、非常ひじやう幸運こううんである。
取繕とりつくろひ申にぞ次右衞門三五郎口をそろへて然らば其石塔せきたふ參詣さんけい致し度貴僧きそうには先へ歸られ其用意よういをなし置給へと云に祐然かしこまり候と急ぎ立歸りて無縁むえんの五りんたふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
日本にほん往時わうじ高層建築かうそうけんちくはおほくなかつた。たゞたふには十三ぢうまであり、城堡ぜうほうには七ぢう天守閣てんしゆかくまであり、宮室きうしつには三層閣さうかくれいがあるが、一ぱんには單層たんそう標準へうじゆんとする。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
他人ひと資本もとでりてやるやうな事では仕方しかたがない、なんでも自分で苦しんでありたふむやうにボツ/\身代しんだいをこしらへたのでなくては、大きな身代しんだいになれるものではないから
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ニコライ堂のやうな高い/\たふの屋根に登ツてをどツたり跳たりしてゐる。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
こゝは此度新に建てし長方形の仮屋かりやにて二列にテーブルを据ゑ、菓子のたふ柿林檎の山、小豚の丸煮まるに、魚、鳥の丸煮など、かず/\の珍味を並べ、テーブルの向ふには給仕ありて、客の為に皿を渡し
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
たふの沢のいかもの店に女唐めたうちそのむか桜花はな盛りなり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
しづかなる午後の砂漠さばくにたち見えし三角さんかくたふあはれ色なし
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「谷中の長海寺で——立派なたふがありますよ」
いまつひうつしを九輪くりんたふはるけて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
ぢゆうたふをかけた
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
御寺みてらたふ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
やかた屋根やねうづまいてかゝりますと、晝間ひるま寢床ねどこ——仙人せんにんよるはいつでも一睡いつすゐもしないのです、夜分やぶんたふうへあがつて、つきひざまづき、ほしをがんで
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たうたかさ三じやくすん三尖方形さんせんほうけい大理石だいりせきで、そのなめらかなる表面ひやうめんには「大日本帝國新領地朝日島だいにつぽんていこくしんりようちあさひとう」なる十一ふかきざまれて、たふ裏面うらには、發見はつけん時日じじつと、發見者はつけんしや櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさとが
のがるゝこそましならめさりながら如何なる因果の報いにや我幼少えうせうにて父におく艱難辛苦かんなんしんくの其中に又母をもうしなひしかど兩親の遺言ゆゐごんを大事に守り江戸にて五ヶ年の千しん萬苦ばんくも水のあわありたふくみつるあは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
或一年あるひとゝせはるすゑかた遠乗とほのりかた/″\白岩しらいはたふ見物けんぶつに、割籠わりご吸筒すゐづゝ取持とりもたせ。——で、民情視察みんじやうしさつ巡見じゆんけんでないのがうれしい。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
紀念塔きねんたふ建立けんりつをはつて、吾等われらは五六退しりぞいてながめると、うるはしき大理石だいりせきたふ表面ひやうめんには、鮮明あざやかに『大日本帝國新領地朝日島だいにつぽんていこくしんりようちあさひたう』。あゝれで安心あんしん々々、一同いちどうぼうだつして大日本帝國だいにつぽんていこく萬歳ばんざい三呼さんこした。
とも二人三人召連めしつ春風はるかぜとほがけのうまり、たふのあたりにいたり、岩窟堂がんくつだう虚空蔵こくうざうにてさけをのむ——とある。古武士こぶしがけの風情ふぜいきようあり。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
天利てんりにて、晝食ちうじき料理屋れうりやかどにて小杉天外氏こすぎてんぐわいしふ。それより函嶺はこねおもむ途中とちう電鐵でんてつ線路せんろまよあぶなはしわたることなどあり、午後四時半ごごよじはんたふさはちやく
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
し、とはれて、けますと、そこあなうちではなかつたのです。すつくりてたやうなたかみねの、うへにもうひとたふきましただいうへりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
淺草寺あさくさでら觀世音くわんぜおん八方はつぱうなかに、幾十萬いくじふまん生命いのちたすけて、あき樹立こだちもみどりにして、仁王門にわうもん五重ごぢうたふとともに、やなぎもしだれて、つゆのしたゝるばかりおごそか氣高けだか燒殘やけのこつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)