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すぐ
ふりがな文庫
“
直
(
すぐ
)” の例文
「多加ちゃんがあすこへはいると
直
(
すぐ
)
に、日曜学校の生徒からだって、花を
一束
(
ひとたば
)
貰ったでしょう。さあ、お花だけにいやな気がしてね」
子供の病気:一游亭に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
疲労
(
つかれ
)
と心配とで、私も寝台の後の方に倒れたかと思うと、
直
(
すぐ
)
に復た眼が覚めた。一晩中、お房は「母さん、母さん」と呼びつづけた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
駅から駅への電話が、この中津川で行先不明の私たちをやっと捉えると、
直
(
すぐ
)
にも引き返さねばならぬ重大用件を取りついだのである。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
普通の際なれば、
直
(
すぐ
)
にも吹き出してしまう所でしょうが、その
滑稽
(
こっけい
)
な問答を、私達はまるで果し合いの様な真剣さで続けたものです。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
氏郷勢よりは多かったので、兵が少くては何をするにも不都合だからであることは言うまでも無い。板谷山脈を越えれば
直
(
すぐ
)
に飯坂だ。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
「あの見ゆる所湯本なれば、この道筋を
直
(
すぐ
)
に行けば出ずるなり」とよくよく教え、「御縁あらば重ねて」といとまごいして別れけり。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
うむを見て
男魚
(
をな
)
己
(
おのれ
)
が
白䱊
(
しらこ
)
を
弾着
(
ひりつけ
)
、
直
(
すぐ
)
に
女魚
(
めな
)
男魚
(
をな
)
掘
(
ほり
)
のけたる
沙石
(
しやせき
)
を左右より
尾鰭
(
をひれ
)
にてすくひかけて
鮞
(
こ
)
を
埋
(
うづ
)
む。一
粒
(
つぶ
)
も
流
(
なが
)
さるゝ事をせず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「おやもうそつちの
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つたのかい、それぢや
彼處
(
あすこ
)
を
叩
(
たゝ
)
くんだよ」
内儀
(
かみ
)
さんはいつて
分
(
わか
)
れた。おつぎは
直
(
すぐ
)
に
自分
(
じぶん
)
の
裏戸口
(
うらどぐち
)
に
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それこそ松原の
直
(
すぐ
)
の蔭で、隣接する家とてもなく、いまだに門に人力車を乗りつくる事も出来ぬといふ不便の地点の一軒家である。
沼津千本松原
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
あの娘が居ればこそ永い間貧乏世帯を張って苦労をしながらこう
遣
(
や
)
っていたが、お久が居ないくらいなら私は
直
(
すぐ
)
に出て往っちまうよ
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それより、自分の手にかけて殺し、自分も
直
(
すぐ
)
にその後を追ってやはり、死んでからも親子であるという考えからやったことだといった。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若いお内儀さんが
夜半
(
よなか
)
に
閨
(
ねや
)
をぬけ出して、下女部屋へ忍んで来た仔細は
直
(
すぐ
)
に判った。判ると同時に、お菊は差当りの返事に困った。
黄八丈の小袖
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まあ、あたし初茸御飯なんて初めてですわ。どんなでしょう。松茸ならおいしいと思いますけれど。今晩
直
(
すぐ
)
に炊いて見ましょうか。」
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
是
(
ここ
)
においてわたくしは、外崎さんの捜索を
煩
(
わずらわ
)
すまでもなく、保さんの今の
牛込
(
うしごめ
)
船河原町
(
ふながわらちょう
)
の住所を知って、
直
(
すぐ
)
にそれを外崎さんに告げた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「なに、八四二区か。ふむ、それは本当に油断がならないぞ。敵機が着陸したら、
直
(
すぐ
)
に
毒瓦斯
(
どくガス
)
部隊で取り囲んで、敵を
殲滅
(
せんめつ
)
してしまえ」
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今の諸侯の中で、心から国を憂い、また皇室へも、心から
直
(
すぐ
)
な心をよせている者は、政宗を
措
(
お
)
いて誰もいない——というのである。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少
(
わか
)
い女の片肌が、ふっくりと円く抜けると、麻の目が
颯
(
さっ
)
と遮ったが、
直
(
すぐ
)
に
底澄
(
そこず
)
んだように白くなる……また片一方を脱いだんです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それも一つは原料の泡立て方が足りないとこの位明けても
直
(
すぐ
)
に縮まります。原料の泡が固い位に出来ていると少し位明けても平気です。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
近江さんが近頃下宿を
此処
(
ここ
)
に変へられた事を知らぬ自分達は
其
(
その
)
奇遇に驚いたが、氏のお世話で
直
(
すぐ
)
に
此
(
この
)
家の一室へ落附く事が出来た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そして一目見ると
直
(
すぐ
)
に、
少
(
すこ
)
しあけツ
放
(
はな
)
しの
點
(
てん
)
のある
代
(
かはり
)
には、こせつかぬ、おツとりとした、
古風
(
こふう
)
な
顔立
(
かほだて
)
であることを見て取ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この句を読むと
直
(
すぐ
)
に蕪村の「うぐひすや家内揃うて飯時分」を思い出す。「食時分」はやはり「メシジブン」とよむのであろう。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
代助はそうかと答えたまま、留めもしない、と云って
直
(
すぐ
)
分れもしなかった。赤い棒の立っている停留所まで歩いて来た。そこで
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは男の晴やかな額を見ても
直
(
すぐ
)
分る。いつもは優しい
詞
(
ことば
)
を掛けていても、その底に
隙
(
すき
)
を
覗
(
うかが
)
っているような、意地の悪い心持ちがあった。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
貴女が
可厭
(
いや
)
だつたら
直
(
すぐ
)
に帰りますよ、ねえ。それはなかなか好い景色だから、まあ私に
騙
(
だま
)
されたと思つて来て御覧なさいな、ねえ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
日に
繼
(
つい
)
で支度に
掛
(
かゝれ
)
ば二月の末には
萬々
(
ばん/\
)
用意は
整
(
とゝ
)
のひたり爰に皆々を
呼集
(
よびあつ
)
め
評定
(
ひやうぢやう
)
に及ぶ樣は
直
(
すぐ
)
さま江戸へ下るべきや又は大坂表へ出て
動靜
(
やうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
青眼先生は仕方なしに、薬籠の中から油薬を出して、繃帯一面に
浸
(
し
)
ませて、こうやっておけば
直
(
すぐ
)
に痛くないように繃帯が取れるであろう。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
何
(
なに
)
かミハイル、アウエリヤヌヰチが
云
(
い
)
ふたので
有
(
あ
)
るが、
直
(
すぐ
)
に
皆
(
みな
)
掻消
(
かきき
)
えて
了
(
しま
)
つた。
恁
(
か
)
くてアンドレイ、エヒミチは
永刧
(
えいごふ
)
覺
(
さ
)
めぬ
眠
(
ねむり
)
には
就
(
つ
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
けれども誠に仕合せな事にはその沢山な人達が着くと
直
(
すぐ
)
にヤクの糞を沢山に拾って来て、夜通しテントの中で火を燃して居るのみならず
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
私は
直
(
すぐ
)
に
起
(
た
)
ってそこの廊下の雨戸を一枚
明
(
あ
)
けて、立って待っておると
戸外
(
おもて
)
は
朧
(
おぼろ
)
の夜で庭の
面
(
おも
)
にはもう薄雪の一面に降っていた。
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
あの事を止めてしまへば自分は「ただの女」となつてしまふ。一旦は喜んで貰へるかもしれないが
直
(
すぐ
)
に又侮蔑がくるであらう。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
ムラサキ科のチサノキは関東地には無いから無論この品に
非
(
あら
)
ざる事は
直
(
すぐ
)
に推想が出来るが、しかし時とするとそれを間違えている人もある。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
でも
先
(
まず
)
差当
(
さしあた
)
り牛込と浅草とを目差して先ず牛込へ行き
夫々
(
それ/″\
)
探りを入て置て
直
(
すぐ
)
又
(
また
)
車で浅草へ引返しました、何うも
汗水垢
(
あせみずく
)
に成て働きましたぜ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
是
(
こ
)
れは大変な事と思て、
直
(
すぐ
)
に
引返
(
ひきかえ
)
して
舳
(
おもて
)
の方に居る公用方の
吉岡勇平
(
よしおかゆうへい
)
にその次第を告げると、同人も大に驚き、場所に
駈付
(
かけつ
)
け
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
遠近のおかみさん達から完全な晴雨計と見做されていたということが書いてあるのを見て、
直
(
すぐ
)
に思い出したのは故郷の赤城山のことであった
山と村
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
一度ならず二度までもあまりといえば不思議なので
翌朝
(
よくあさ
)
彼は
直
(
すぐ
)
に
家主
(
いえぬし
)
の家へ行った、
家主
(
やぬし
)
の
親爺
(
おやじ
)
に会って今日まであった事を一部始終
談
(
はな
)
して
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
生活に對する
今日
(
こんにち
)
までの經驗が何事によらず
直
(
すぐ
)
と物の眞底を
見透
(
みすか
)
して興味を
殺
(
そ
)
いでしまふし、其れと同時に、路傍に聞く新しい
流行唄
(
はやりうた
)
なども
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
アヽおまへこゝに居たネ、おつかさんが町へつれてつて
呉
(
く
)
れろといつたが、行くなら早く仕度をするが
好
(
い
)
い、
直
(
すぐ
)
と出るから
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
(突然
活溌
(
かっぱつ
)
になりて二三歩前の方へ
出
(
い
)
で、
独言
(
ひとりごと
)
。)そのくせゆうべヘレエネと話しているうちに
直
(
すぐ
)
にでもかき始められるように思ったのだが。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
マーキュ さゝ、
足下
(
おぬし
)
はイタリーで
誰
(
た
)
れにも
負
(
ひけ
)
を
取
(
と
)
らぬ
易怒男
(
おこりむし
)
ぢゃ、
直
(
ぢき
)
に
怒
(
おこ
)
るやうに
仕向
(
しむ
)
けられる、
仕向
(
しむ
)
けらるれば
直
(
すぐ
)
怒
(
おこ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「馬車が出ます/\」と、
炉火
(
ろくわ
)
を
擁
(
よう
)
して
踞
(
うづく
)
まりたる
馬丁
(
べつたう
)
の
濁声
(
だみごゑ
)
、闇の
裡
(
うち
)
より響く「吉田行も、大宮行も、今ま
直
(
すぐ
)
と出ますよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
お膳立をしてあの
戸棚
(
とだな
)
へ入れときましたから、どうぞ……お嬢さま、もう
直
(
すぐ
)
宜
(
よ
)
うござんすか? それじゃア行ってまいります
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
喬介は
直
(
すぐ
)
に
鉄蓋
(
やね
)
の上へ
匐
(
は
)
い上った。——実際こんな処では、匐っていなければ墜ちてしまう——そして、その上の無数の跡に就いて調べ始めた。
気狂い機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
(
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
で
直
(
すぐ
)
に
眠
(
ねむ
)
くなつたり、
懵然
(
ぼんやり
)
するものだから一
心
(
しん
)
に)
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
で
考
(
かんが
)
へてゐますと、
突然
(
とつぜん
)
可愛
(
かあい
)
い
眼
(
め
)
をした
白兎
(
しろうさぎ
)
が、その
傍
(
そば
)
に
驅
(
か
)
け
寄
(
よ
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
東が白むと万作一家三人
直
(
すぐ
)
と起きて、霞が浦の水掬いあげて顔を洗って、日輪さまを拝んで、それから
鳥屋
(
とや
)
を明けて鶩を出してやるのがお光の役で
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
かくてかれその
直
(
すぐ
)
なりし目を横に歪め、少しく我を見て後
頭
(
かうべ
)
をたれ、これをほかの
盲
(
めしひ
)
等とならべて倒れぬ 九一—九三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
真
(
ま
)
っ
直
(
すぐ
)
に公園のほうへぬけられる九尺幅の道をつけ、両側に、小料理屋だのカフェーだのを並ばせて、“親米小路”という名まえをつけたわけで……
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
それにあるこーる、えーてる
等
(
とう
)
の
如
(
ごと
)
く
一時
(
いちじ
)
に
燃
(
も
)
え
擴
(
ひろ
)
がるものが
近
(
ちか
)
くにあるとき、
直
(
すぐ
)
に
大事
(
だいじ
)
を
惹起
(
ひきおこ
)
すに
至
(
いた
)
ることが
多
(
おほ
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
意
(
おも
)
いのほか金が散かったり品物が
掛
(
かけ
)
になったりして、資本の運転が止ったところで、去年よりも一層不安な年の暮が、
直
(
すぐ
)
にまた二人を見舞って来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それ等のことは片耳にも入れで、
唯
(
ただ
)
四辺
(
あたり
)
の静にさわやかなるを喜び、今日より
直
(
すぐ
)
にお借り申まする、敷金は唯今置いて参りまして、引越しはこの夕暮
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あたくしはね、
直
(
すぐ
)
にあちらへ行くといふ譯には行きませんけれど、どうにか、看護婦志願は出來るのですけれど——
日本橋あたり
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“直”の意味
《名詞》
(じき)
(じか)
(あたい/あたえ 歴史的仮名遣い:あたひ/あたへ)古代日本において、県主等に与えられた姓。
(すぐ)将棋の棋譜での用語で、駒をまっすぐ前に進めること。
《形容動詞》
(じき)短い期間のうちに、すぐにと言うわけではないが、そうなるまでに大きな変化はなく。
(出典:Wiktionary)
直
常用漢字
小2
部首:⽬
8画
“直”を含む語句
正直
直接
直下
素直
真直
直道
直立
驀直
強直
直衣
眞直
立直
硬直
直角
御直
直後
直面
宿直
直々
直截
...