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のみこ
ふりがな文庫
“
呑込
(
のみこ
)” の例文
「二年越行儀作法を仕込んで居るのに、まだ武家の家風を
呑込
(
のみこ
)
めぬとは、何んとした
白痴
(
たわけ
)
だ。裸体で碓氷の山の中で暮した時とは違う」
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
顏中
(
かほぢゅう
)
のどこも/\
釣合
(
つりあひ
)
が
善
(
よ
)
う
取
(
と
)
れて、
何一
(
なにひと
)
つ
不足
(
ふそく
)
はないが、
萬
(
まん
)
一にも、
呑込
(
のみこ
)
めぬ
不審
(
ふしん
)
があったら、
傍註
(
わきちゅう
)
ほどに
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
ふ
眼附
(
めつき
)
を
見
(
み
)
や。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
あなたの言ったことはきれぎれで
恰度
(
ちょうど
)
「いろは」の御本を読むようだったので、荒木夫人は
呑込
(
のみこ
)
めなかったかもしれなかった。
少年・春
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
作男
(
さくをとこ
)
のぢいやに委細を
呑込
(
のみこ
)
ませ、
四角
(
よすみ
)
に竹を打込むから、よしずを
廻
(
まは
)
り三方と屋根へくご
繩
(
なは
)
で結びつけるまでもして
貰
(
も
)
らひ
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
あとで入間川検査役が
洩
(
もら
)
した言葉に『言葉道断ですよ』と嘆声を発してゐるを考へても、『
呑込
(
のみこ
)
み八百長』はすぐ看破されるに決つてゐるのだ。
呑み込み八百長
(新字旧仮名)
/
栗島山之助
(著)
▼ もっと見る
と見て
居
(
ゐ
)
ると
金
(
かね
)
を
七八
(
なゝやツつ
)
づゝ
大福餅
(
だいふくもち
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れ
上
(
うへ
)
から
餡
(
あん
)
を
詰
(
つ
)
め
餅
(
もち
)
で
蓋
(
ふた
)
をいたしてギユツと
握固
(
にぎりかた
)
めては口へ
頬張
(
ほゝば
)
り
目
(
め
)
を
白
(
しろ
)
ツ
黒
(
くろ
)
にして
呑込
(
のみこ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ペテロとサルフィユとの心理は一応
呑込
(
のみこ
)
めるが、話としてもその表現はイージーゴーイングだね、しかし大へんすばらしい思いつきだよ……」
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
亂
(
みだ
)
るゝ
心
(
こゝろ
)
を
流石
(
さすが
)
に
靜
(
しづ
)
めて
花子
(
はなこ
)
さま
仰
(
おほ
)
せまだ
私
(
わたし
)
には
呑込
(
のみこ
)
めませぬお
答
(
こた
)
へも
何
(
なに
)
も
追
(
おつ
)
てのこと
今日
(
けふ
)
は
先
(
ま
)
づお
暇
(
いとま
)
と
立
(
た
)
たんとするを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
孤独で内気な、その中学生に読みをあてれば、どんなに彼が
間誤
(
まご
)
つき、
真※
(
まっか
)
になるかをちゃんと
呑込
(
のみこ
)
んでいたのだ。
冬日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「どんな話をです?」と、氏の
問
(
とい
)
が
能
(
よ
)
く
呑込
(
のみこ
)
めないので訊き返したが、その時
偶
(
ふ
)
っと胸に浮んだのは沼南外遊中からの夫人の
芳
(
かん
)
ばしからぬ噂であった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
兄から父を評すれば正にそうであるという事を自分は以前から
呑込
(
のみこ
)
んでいた。けれども兄に対してこの場合何と
挨拶
(
あいさつ
)
すべきものか自分には解らなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その事を話すとお嬢さんが云ったっけ、地平線に行って山にでもなってしまいそうな風に歩いて行くのでしょうねと云ったっけ。実によく
呑込
(
のみこ
)
めたものだ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
ずいぶんと込み入った事柄でも、
呑込
(
のみこ
)
んでその通りにしたというのは、すなわち片親の方からその知識が、だんだんに注入せられている結果かと思います。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
つまり客を扱うものなんですから、長く船頭をしていた者なんぞというものはよく人を
呑込
(
のみこ
)
み、そうして人が愉快と思うこと、不愉快と思うことを呑込んで
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
初会
(
しよくわい
)
の客に出るのはちよつと面倒くさいといふ気もしてゐたので、気心を
呑込
(
のみこ
)
んでゐる新造にさう言はれて、気のおけないやうなお客なら出てもいゝと思つて
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
いかに
野育
(
のそだ
)
ちの彼でも多少の理屈は
呑込
(
のみこ
)
めるのである。
加之
(
しか
)
も
是
(
これ
)
はお葉の説教である。復讐に
凝固
(
こりかたま
)
った彼の
頭脳
(
あたま
)
の氷も、愛の
温味
(
あたたかみ
)
で少しく
融
(
と
)
け
初
(
そ
)
めて来たらしい。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
若し大体の意味が
呑込
(
のみこ
)
めたら、しばらく私の評釈の文から離れ歌自身について反復熟読せられよ。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
万事につけて村上の心もちを
呑込
(
のみこ
)
んでいる山崎はそんなことくらいを深くとがめる気にはならないですぐあっさり忘れて、その日は夕方まで敏子を中心に面白く話し合った。
かれいの贈物
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
それよりは皆なの意見を
容
(
い
)
れて今しばらく伊東に滞在しておれ、とある。不思議だ、不思議だと、お種が思い続けたことは、
漸
(
ようや
)
く
端緒
(
いとぐち
)
だけ
呑込
(
のみこ
)
めることが出来るように成った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
母は鼈四郎が勉強のため世間に知識を
漁
(
あさ
)
っていて今に何か
掴
(
つか
)
んで来るものと思い込んでるので
呑込
(
のみこ
)
み顔で放って置いたし、拓本職人の
老爺
(
ろうや
)
は仕事の手が欠けたのをこぼしこぼし
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
青年の
呑込
(
のみこ
)
みぶりは頼もしい。竜之助はしばらく待っていると青年は再び現われて
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ソコデ若し果してそうならば、
宜
(
よろ
)
しく人の
定
(
きま
)
らぬ内に課長に
呑込
(
のみこ
)
ませて置く
可
(
べ
)
しだ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
と、招いた客の人相をよく言いきかされて、
呑込
(
のみこ
)
んでいるように笑顔で先導する。
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
村長は委細を
呑込
(
のみこ
)
んで、
何卒
(
どうか
)
機会
(
おり
)
を見て
甘
(
うま
)
くこの縁談を
纏
(
まと
)
めたいものだと思った。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「どこにですか」私は彼女の意味が
呑込
(
のみこ
)
めないで、ぼんやりしていた。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
是
(
こ
)
ればかりは奥平にも山本にも一切
誰
(
たれ
)
にも云わずに、君
一人
(
ひとり
)
で
呑込
(
のみこ
)
んで居て
外
(
ほか
)
に
洩
(
も
)
らさぬようにして、僕は是れから下ノ関に出て船に
乗
(
のっ
)
て
先
(
ま
)
ず大阪に行く、
凡
(
およ
)
そ十日か十五日も
掛
(
かか
)
れば着くだろう。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その男はモーニングを
纏
(
まと
)
って、金縁の分の厚い眼鏡をかけて、時勢おくれの奇妙に長い
八字髭
(
はちじひげ
)
を生やしていて、一番
呑込
(
のみこ
)
みが悪いらしく、幾度となく夫人に“No good”とどやしつけられ
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ふん、」と
返事
(
へんじ
)
を
呑込
(
のみこ
)
んだが、まだ
其
(
そ
)
の
息
(
いき
)
は
発喘
(
はず
)
むのであつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「誰が、いつ、降伏致すと申しやったかな。筑前のひとり
呑込
(
のみこ
)
みであろ。筑前が望みは、城中の難民やわが士卒の
生命
(
いのち
)
ではあるまい。鳥取の城であろう。そうはやすく参らん。これには、経家が住んでおる」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
給仕にチップをやる
骨
(
こつ
)
も心得、テーブル・スピーチなども、極めて要領よく当らず触らずにこなす呼吸も
呑込
(
のみこ
)
んで居りました。
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
されば
大恩
(
だいおん
)
教主
(
けうしゆ
)
は
先
(
ま
)
づ
阿含
(
あごん
)
を
説法
(
せつぱう
)
し
志道軒
(
しだうけん
)
は
隆々
(
りゆう/\
)
と
木陰
(
ぼくいん
)
を
揮回
(
ふりまは
)
す、
皆之
(
みなこ
)
れこ〻の
呼吸
(
こきふ
)
を
呑込
(
のみこ
)
んでの
上
(
うへ
)
の
咄
(
はなし
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
無敵
(
むてき
)
にわけのわからぬ
強情
(
がうじよう
)
の
加减
(
かげん
)
、
唯〻
(
たゞ/\
)
女房
(
にようぼう
)
にばかり
手
(
て
)
やはらかなる
可笑
(
をか
)
しさも
呑込
(
のみこ
)
めば、
伯母
(
おば
)
なる
人
(
ひと
)
が
口先
(
くちさき
)
ばかりの
利口
(
りこう
)
にて
誰
(
た
)
れにつきても
根
(
ね
)
からさつぱり
親切氣
(
しんせつげ
)
のなき
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
素人
(
しろうと
)
は分らない事を分ったように
呑込
(
のみこ
)
んだ顔をするものだから非難は五分五分である。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうも気が知れぬ、文三には平気で澄ましているお勢の心意気が
呑込
(
のみこ
)
めぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
何
(
なん
)
が、」と変な目をして、捨吉は
解
(
わか
)
ったようで
呑込
(
のみこ
)
めない。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「これじゃ何だか葉村君の
呑込
(
のみこ
)
みがよすぎたようだ。」
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
平民殿様はすっかり下々のことを
呑込
(
のみこ
)
んでおります。「不義は御家の
厳
(
きつ
)
い
法度
(
はっと
)
」などは、この御殿では通用しません。
奇談クラブ〔戦後版〕:02 左京の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
無敵にわけのわからぬ強情の加減、唯々女房にばかり手やはらかなる
可笑
(
をか
)
しさも
呑込
(
のみこ
)
めば、伯母なる人が口先ばかりの利口にて
誰
(
た
)
れにつきても根からさつぱり親切気のなき
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
境涯が境涯だから人にも
賤
(
いや
)
しめられ侮られているが、世間を
呑込
(
のみこ
)
んで少しも
疑懼
(
ぎく
)
しない気象と、人情の機微に通ずる貴い同情と——女学校の教育では決して得られないものを持ってる。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
桂木は大胆に、一口食べかけたのをぐツと
呑込
(
のみこ
)
み
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
またお勢の心意気が
呑込
(
のみこ
)
めなく成ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
綾麿の言葉はこれで
了
(
おわ
)
りました。母親も友吉も、
呑込
(
のみこ
)
み兼ねた様子で黙りこくって居りましたが
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鐵拳
(
かなこぶし
)
に
撲倒
(
はりたふ
)
す
勇氣
(
ゆうき
)
はあれど
誠
(
まこと
)
に
父母
(
ちゝはゝ
)
いかなる
日
(
ひ
)
に
失
(
う
)
せて
何時
(
いつ
)
を
精進日
(
しやうじんび
)
とも
心得
(
こゝろえ
)
なき
身
(
み
)
の、
心細
(
こゝろぼそ
)
き
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ふては
干場
(
ほしば
)
の
傘
(
かさ
)
のかげに
隱
(
かく
)
れて
大地
(
だいぢ
)
を
枕
(
まくら
)
に
仰向
(
あふむ
)
き
臥
(
ふ
)
してはこぼるゝ
涙
(
なみだ
)
を
呑込
(
のみこ
)
みぬる
悲
(
かな
)
しさ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鴎外の気質はおおよそ
呑込
(
のみこ
)
んでるから、
威丈高
(
いたけだか
)
に何をいおうと格別気にも留めなかったが、誰だか鴎外に注意したものがあったと見えて、その後偶然フラリと鴎外を尋ねると、私の顔を見るなり
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「瀬川さんの……ね、あれさ、」と
呑込
(
のみこ
)
ませる。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お滝の声も、チラホラ見え初めた旅人の姿に遠慮して、それっ切り
呑込
(
のみこ
)
む外はなかったのです。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
初
(
はつ
)
は
口惜
(
くや
)
しく
悲
(
かな
)
しく
情
(
なさけ
)
なく、
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
かれぬほど
込上
(
こみあぐ
)
る
涕
(
なみだ
)
を
呑込
(
のみこ
)
んで、これは
私
(
わたし
)
が
惡
(
わる
)
う
御座
(
ござ
)
んした、
堪忍
(
かんにん
)
をして
下
(
くた
)
され、お
力
(
りき
)
が
親切
(
しんせつ
)
で
志
(
こゝろざ
)
して
呉
(
く
)
れたものを
捨
(
すて
)
て
仕舞
(
しま
)
つたは
重々
(
ぢう/\
)
惡
(
わる
)
う
御座
(
ござ
)
いました
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ぐッと
呑込
(
のみこ
)
んで、円輔はあたりを
眗
(
みまわ
)
し
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私立
(
しりつ
)
なれども
生徒
(
せいと
)
の
數
(
かず
)
は千
人
(
にん
)
近
(
ちか
)
く、
狹
(
せま
)
き
校舍
(
かうしや
)
に
目白押
(
めじろおし
)
の
窮屈
(
きうくつ
)
さも
教師
(
きやうし
)
が
人望
(
じんぼう
)
いよ/\あらはれて、
唯
(
たゞ
)
學校
(
がくこう
)
と一ト
口
(
くち
)
にて
此
(
この
)
あたりには
呑込
(
のみこ
)
みのつくほど
成
(
な
)
るがあり、
通
(
かよ
)
ふ
子供
(
こども
)
の
數々
(
かず/\
)
に
或
(
あるひ
)
は
火消
(
ひけし
)
鳶人足
(
とびにんそく
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
八五郎はすつかり
呑込
(
のみこ
)
んだことを言ふのです。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
呑
漢検準1級
部首:⼝
7画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“呑込”で始まる語句
呑込顔
呑込顏
呑込々々