かれいの贈物かれいのおくりもの
十二月も半ば過ぎた頃であった。村上は友人の山崎を自宅の昼飯に招いた。独身者同様の村上は時にこうして十五ばかり年下の山崎と会食をしながら寛いだ気もちで談笑するのが好きであった。年齢の相違もあるので二人の間には師弟といったような感覚も交っていた …