風景ふうけい)” の例文
なんというか、まだ、江南こうなんはるらないけれど、このちゃをすするときに、ゆめのような風景ふうけい恍惚こうこつとして想像そうぞうするのでありました。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
木曾きそ掛橋かけはし景色けしきおなことながら、はし風景ふうけいにはうたよむひともなきやらむ。木曾きそはしをば西行法師さいぎやうほふしはるはなさかりとほたまひて
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
明治十二年めいじじゆうにねんふね横濱よこはまきまして、そのころ出來できてゐました汽車きしや東京とうきよう途中とちゆう汽車きしやまどからそこらへん風景ふうけいながめてをりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
こんどもいったときと同じように、ニールスはいくさきざきで、めずらしい伝説でんせつを聞いたり、美しい風景ふうけいをながめたりしていました。
しかもそれが、美しい風景ふうけい描写びょうしゃとともに、ゆたかな空想力によって、じつにすばらしい物語となっているのです。
左舷さげん紅燈こうとう海上法かいじやうはふまもり、停泊とゞまれるふね大鳥おほとり波上はじやうねむるにて、丁度ちやうどゆめにでもありさう景色けしき! わたくし此樣こん風景ふうけい今迄いまゝで幾回いくくわいともなくながめたが
自然しぜん風景ふうけいうつすほかは、画帳がちょうことごとく、裸婦らふぞうたされているというかわようだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
故郷こきやう風景ふうけいもととほりである、しか自分じぶん最早もはや以前いぜん少年せうねんではない、自分じぶんはたゞ幾歳いくつかのとししたばかりでなく、かう不幸ふかうか、人生じんせい問題もんだいになやまされ、生死せいし問題もんだい深入ふかいりし
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
すべてスポーツにかんするもので、ちょうど盛夏せいかちかづいたから、山岳さんがく風景ふうけいや、溪谷けいこく海洋かいようのけしきなどが、にもしたしまれたのであります。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
動物どうぶつ標本ひようほんみな、ぱのらまの風景ふうけいなかに、それをあしらつて、自然しぜん景色けしきなかにそれ/″\動物どうぶつんでゐるところせることにつとめてをりますから
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
やうぢやな。)といつたばかりでべつめず、あふいでそらやうともしない、此時このときかぎらず、しづたけが、といつて古戦場こせんぢやうしたときも、琵琶湖びはこ風景ふうけいかたつたとき
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この高山かうざんは、風景ふうけいきわめてうるはしく、吾等われらたつしたるいたゞきは、三方さんぽう巖石がんせき削立せうりつして、自然しぜん殿堂でんどうかたちをなし、かゝる紀念塔きねんたふつるには恰好かつこう地形ちけいだから、つひ此處こゝ鐵車てつしやとゞめた。
「だが、この地方ちほうでのいちばんいいものは、風景ふうけいの美しさじゃないよ。」
「ありがとう。」と、薬売くすりうりの少年しょうねんほういて、おれいをいいました。まくらもとのかべには父親ちちおやがいっている、ハワイの風景ふうけい写真しゃしんられていました。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
眞鶴まなづるはま風景ふうけいことし、大島おほしままで十三里じふさんり、ハジマまで三里さんりとぞ。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしは、風景ふうけいや、生物せいぶつの、たのしく生存せいぞんする姿すがたをかいて、みんなにしめし、そのよろこびをわかちたいとおもうのです。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
野原のはらなかに、おおきなかしのがありました。そのしたで、二人ふたり少年しょうねんは、あたりの風景ふうけい写生しゃせいしていました。
写生に出かけた少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくいしげると、一そらがって、それはきれいであった。しかも、奇怪きかい風景ふうけいというかんじがした。そらは、毎日まいにち灰色はいいろくもっている。そして、さむかぜいている。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
またさか上方じょうほうそらが、地上ちじょうへひくくたれさがって、ここからは、そのさきにあるまちや、木立こだちなどいっさいの風景ふうけいをかくして、たとえば、あのさきうみだといえば、そうもおもえるように
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あか夕空ゆうぞらしたに、工場こうじょう煙突えんとつがたくさんたっている、近代的きんだいてきまち風景ふうけいとか、だいだいいろ太陽たいようえるおかに、光線こうせんなみうつ果樹園かじゅえんとか、さもなければ、はてしない紺碧こんぺきうみをいく
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらへ、あか風船球ふうせんだま屋台やたいがでました。また、金魚売きんぎょうりが、をおろしていました。まわりへこどもらが、あつまっています。その風景ふうけいは、いまむかしと、すこしのわりもありません。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このあたらしい風景ふうけいは、ぼくの気持きもちを、どんなにたせたかしれません。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたすかぎりの広場ひろばなかは、いろいろの風景ふうけい雑然ざつぜんとしてられました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは、このごろの風景ふうけいが、みんなひかってえますがねというから、それは、おまえが、おかあさんの金歯きんばったおかねで、ったからでしょうというと、おかあさんは、さすがにえらいな
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんなに、風景ふうけいのいいところを、こうしておくのはしいものだ。わたしかえって、みんなにらせます。そうすると、このしまは、たちまち有名ゆうめいになって、世界せかいじゅうの金持かねもちが見物けんぶつにやってきます。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねんは、よくこうした景色けしきるのです。ゆくところ、どこにもおなじようなむらがあり、ひとんで、わらったり、おこったりしているとおもうと、なんとなくこのあたりの風景ふうけいてもなつかしいのでした。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たまには、いろのついている風景ふうけいきたいんだ。」
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)