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芝生
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しばふ
ふりがな文庫
“
芝生
(
しばふ
)” の例文
私は門のところに
躊
(
ため
)
らひ、
芝生
(
しばふ
)
の上に
躊
(
ため
)
らつた。鋪石道を往き
復
(
かへ
)
りした。
硝子戸
(
ガラスど
)
の
鎧戸
(
よろひど
)
は
閉
(
しま
)
つてゐて内部を見ることは出來なかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そこでは、
芝生
(
しばふ
)
はもう緑に色づいていたのですが、まわりのやぶや木々は、まだ、はだかで、
褐色
(
かっしょく
)
の木の
肌
(
はだ
)
を見せているのでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
青山浩一
(
あおやまこういち
)
は、もと
浜離宮
(
はまりきゅう
)
であった公園の、海に面する
芝生
(
しばふ
)
に腰をおろして、向うに
停泊
(
ていはく
)
している汽船を、ボンヤリと眺めていた。
女妖:01 前篇
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おとなしく手をとられて常人のごとく安らかに
芝生
(
しばふ
)
等の上を
歩
(
あゆ
)
むもの、すべて
老若
(
ろうにゃく
)
の
男女
(
なんにょ
)
を
合
(
あわ
)
せて十人近い患者の
群
(
むれ
)
が、今しも
病房にたわむ花
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ある日も、王子は
芝生
(
しばふ
)
の上に
寝
(
ね
)
ころんで、
向
(
むこ
)
うの高い
壁
(
かべ
)
をぼんやり
眺
(
なが
)
めていました。
壁
(
かべ
)
の
向
(
むこ
)
うには、青々とした山の
頂
(
いただき
)
が
覗
(
のぞ
)
いていました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
H温泉旅館の前庭の丸い
芝生
(
しばふ
)
の植え込みをめぐって電燈入りの
地口行燈
(
じぐちあんどん
)
がともり、それを取り巻いて踊りの輪がめぐるのである。
沓掛より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
左の方はひろい
芝生
(
しばふ
)
つづきの庭が見え、右の方は
茄子
(
なす
)
とか、
胡瓜
(
きゅうり
)
を植えた菜園に沿うて、小さい道がお勝手口へつづいている。
こんにゃく売り
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
沙利
(
じゃり
)
を敷いた路は思うように歩けなかった。左側の
街路
(
とおり
)
に沿うた方を低い土手にして
庭前
(
にわさき
)
を
芝生
(
しばふ
)
にしてある洋館の横手の方で犬の声がした。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
昔
(
むかし
)
はあんなに草深かったのに、すっかり見ちがえる位、
綺麗
(
きれい
)
な
芝生
(
しばふ
)
になってしまいましたね。それに白い
柵
(
さく
)
などをおつくりになったりして。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そして、あの中庭の
芝生
(
しばふ
)
の上を自由に散歩する事も出来るし、愉快にあのベンチによる事も出来るんだと、庭の方を見て居た。
青白き夢
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
四、五歳の青い目の子供が聞いた次の話が、六歳の
薔薇色
(
ばらいろ
)
の口から即席に作られたのも、この庭の
芝生
(
しばふ
)
の上においてである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
みんなは、つかれたので、
思
(
おも
)
い
思
(
おも
)
いの
場所
(
ばしょ
)
で
休
(
やす
)
みました。あちらのベンチに、こちらの
芝生
(
しばふ
)
に、三
人
(
にん
)
、四
人
(
にん
)
というふうに。
托児所のある村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
合宿前の日当りの
好
(
よ
)
い
芝生
(
しばふ
)
に、
皆
(
みんな
)
は、円く坐って、黒井さんが読みあげる、
封筒
(
ふうとう
)
の
宛名
(
あてな
)
に「ホラ、
彼女
(
かのじょ
)
からだ」とか一々、騒ぎたてていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
席を立った宗近君は、横から来て甲野さんの手を取るや否や、明け放った
仏蘭西窓
(
フランスまど
)
を抜けて二段の石階を
芝生
(
しばふ
)
へ
下
(
くだ
)
る。足が柔かい地に着いた時
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紅葉山
(
もみじやま
)
から西北に、丘となり
芝生
(
しばふ
)
となり、山となり渓谷となる所は、有名な吹上の大園で、林間
堂濤
(
どうとう
)
の響きをなすものは
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれども今度はさっきのように、一町も二町も逃げ出しはしません。
芝生
(
しばふ
)
のはずれには
棕櫚
(
しゅろ
)
の木のかげに、クリイム色に
塗
(
ぬ
)
った犬小屋があります。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし彼女がすわってる隅からは、右手の方に、隣家の二つの中庭の向こうに、ハンカチほどの
芝生
(
しばふ
)
の片隅が見られた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
庭には
沈丁花
(
ちんちょうげ
)
の
甘
(
あま
)
い
香
(
か
)
が日も夜も
溢
(
あふ
)
れる。梅は赤い
萼
(
がく
)
になって、
晩咲
(
おそざき
)
紅梅
(
こうばい
)
の蕾がふくれた。犬が
母子
(
おやこ
)
で
芝生
(
しばふ
)
にトチ
狂
(
くる
)
う。猫が小犬の様に
駈
(
か
)
け
廻
(
まわ
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
王子はみんながちょっといなくなったひまに、
玻璃
(
はり
)
でたたんだ自分のお
室
(
へや
)
から、ひょいっと
芝生
(
しばふ
)
へ
飛
(
と
)
びおりました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
座敷から見渡すと向うの河原の
芝生
(
しばふ
)
が真青に
萌
(
も
)
え
出
(
い
)
でて、そちらにも
小褄
(
こづま
)
などをとった美しい女たちが笑い興じている声が、花やかに聞えてきたりした。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
芝生
(
しばふ
)
に立つやいな、振り仰いで見ると、早くも今の雨戸は締まって心ありげに落花が打っているばかり、空家はやっぱりただの空家で、物音一つしない。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
はなれないものでござりますからわたくしも葉と葉のあいだへ顔をあててのぞいてみましたら
芝生
(
しばふ
)
や
築山
(
つきやま
)
のあるたいそうな庭に泉水がたたえてありまして
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
短く美しく刈り込まれた
芝生
(
しばふ
)
の芝はまだ
萌
(
も
)
えていなかったが、所まばらに立ち連なった小松は緑をふきかけて、
八重
(
やえ
)
桜はのぼせたように花でうなだれていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
右
(
みぎ
)
の
裝
(
よそほ
)
ひでスリツパで
芝生
(
しばふ
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
秋空
(
あきぞら
)
を
高
(
たか
)
く
睫毛
(
まつげ
)
に
澄
(
すま
)
して、やがて
雪見燈籠
(
ゆきみどうろう
)
の
笠
(
かさ
)
の
上
(
うへ
)
にくづほれた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さうすると又人足を呼びあつめて今度は松の木の下、庭一面に青い
芝生
(
しばふ
)
を敷きつめる事に取りかゝつた。
夢
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
道夫は、おかしいやらはずかしいやら、そしてまたうれしいやらで庭石の上から
芝生
(
しばふ
)
へ下りようとした。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中央公園脇の
王様丘
(
コングス・ヘイ
)
に、王城のような大邸宅を構えて、定紋打った大門の
鉄扉
(
てっぴ
)
を
潜
(
くぐ
)
ってから、両側に並んだ石造の獅子や、
毛氈
(
もうせん
)
を敷き詰めたごとき眼も遥かな
芝生
(
しばふ
)
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「それでは
一刻
(
いっこく
)
も早く、ふたりをおしどりにしてください。」老人はうなずいてまず若者を、月光が何ものにもさえぎられていない美しい
芝生
(
しばふ
)
の上につれていった。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
二人は犬ころのように
芝生
(
しばふ
)
の上を
転
(
ころ
)
がって歩く。どっちも成績がよかったから、嬉しくて仕方がない。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
芝生
(
しばふ
)
を隔てて二十
間
(
けん
)
ばかり先だから判然しない。判然しないが似ている。背
格好
(
かっこう
)
から歩きつきまで確かに
武
(
たけし
)
だと思ったが、彼は足早に過ぎ去って
木陰
(
こかげ
)
に隠れてしまった。
二老人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
顔蔽いせる者 二分間前まで日あたりのよい
芝生
(
しばふ
)
の上で友人とたのしく話していた。その時友の一人がふとした思いつきで、たれか煙突にのぼって見せないかと言った。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
署長
(
しょちょう
)
はケンプ
博士
(
はくし
)
からピストルを
借
(
か
)
りて、外にでた。ところが、アダイ署長が
芝生
(
しばふ
)
の上を門に近づいて、中ほどにきたときである。目に見えない
怪物
(
かいぶつ
)
が、署長を
襲
(
おそ
)
った。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
梅の
外
(
ほか
)
には
一木
(
いちぼく
)
無く、
処々
(
ところどころ
)
の乱石の低く
横
(
よこた
)
はるのみにて、地は
坦
(
たひらか
)
に
氈
(
せん
)
を
鋪
(
し
)
きたるやうの
芝生
(
しばふ
)
の園の
中
(
うち
)
を、玉の砕けて
迸
(
ほとばし
)
り、
練
(
ねりぎぬ
)
の裂けて
飜
(
ひるがへ
)
る如き早瀬の流ありて横さまに貫けり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
寺の門を配した
豪奢
(
ごうしゃ
)
な別荘もある。廃寺の庭は広々とした
芝生
(
しばふ
)
で、少年が一人寝転んで
呆
(
ぼ
)
んやり空を見ていた。白い雲が、疏水の水に影をおとして流れている。いい天気だった。
田舎がえり
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
これらの丘の上をおおっている
薄
(
うす
)
い
芝生
(
しばふ
)
の中には、人々の名前が切りこまれていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そして雪さんの背から子供をおろして、
路傍
(
みちばた
)
の
土手
(
どて
)
の
芝生
(
しばふ
)
の上に腰をかけ、まだ眠っている子を揺り起して、しゃくり込むように泣きながら
乳首
(
ちくび
)
を無理に子供の口に押し込んだ。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
青々としたる
芝生
(
しばふ
)
に咲き残れる
薔薇
(
ばら
)
の花半ばは落ちて、ほのかなる
香
(
かおり
)
は庭に満ちたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
まあいちばんよく教えてもちったのは、
休憩
(
きゅうけい
)
の時間で、木の根かたや、
小砂利
(
こじゃり
)
の山の上や、または
芝生
(
しばふ
)
なり、道ばたの草の上が、みんなわたしの木ぎれをならべる
机
(
つくえ
)
が代わりになった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
また
他
(
た
)
のものは
尼寺
(
あまでら
)
の
小
(
ちひ
)
さき
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
に百合の紋章打つたる
天幕
(
てんと
)
を張りたる如し。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
走るのは
畜生
(
ちくしょう
)
だし、乗るのは他人だし、本命といっても自分のままになるものか、もう競馬はやめたと予想表は尻に
敷
(
し
)
いて
芝生
(
しばふ
)
にちょんぼりと
坐
(
すわ
)
り、残りの
競走
(
レース
)
は見送る
肚
(
はら
)
を決めたのに
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
埒
(
らち
)
もなく
万年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
あらひ、さては
芝生
(
しばふ
)
を
這
(
は
)
つて
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
拾
(
ひろ
)
ふ
姿
(
すがた
)
、
我
(
われ
)
ながら
見
(
み
)
られた
体
(
てい
)
でなく、これを
萬一
(
もし
)
も
學友
(
とも
)
などに
見
(
み
)
つけられなばと、
心
(
こヽろ
)
笹原
(
さヽはら
)
をはしりて、
門外
(
もんぐわい
)
の
用事
(
ようじ
)
を
兎角
(
とかく
)
に
厭
(
いと
)
へば
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鵯
(
ひよどり
)
の来る高い
欅
(
けやき
)
の
梢
(
こずえ
)
はすっかり秋の色にそまり、
芝生
(
しばふ
)
の中に
一叢
(
ひとむら
)
咲き乱れているコスモスの花は、強い日差しに照り映えていた。子供たちは、広い芝生を喜んで、いつまでも
馳
(
か
)
け廻っている。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
南さがりになっている
芝生
(
しばふ
)
に、色の
褪
(
さ
)
めた
文字摺
(
もじずり
)
があちこち立っています。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
○ベースボールに要するもの はおよそ千坪ばかりの平坦なる地面(
芝生
(
しばふ
)
ならばなお
善
(
よ
)
し)皮にて包みたる
小球
(
ボール
)
(直径二寸ばかりにして中は
護謨
(
ゴム
)
、糸の
類
(
たぐい
)
にて
充実
(
じゅうじつ
)
したるもの)
投者
(
ピッチャー
)
が投げたる球を
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
労役牛の汗、ほこりで白い
撒水
(
さっすい
)
自動車の鼻、日射病の
芝生
(
しばふ
)
、帽子のうしろに日
覆布
(
おおい
)
を垂らしたシンガリイス連隊の行進、女持ちのパラソルをさして舗道に腰かけている街上金貸業者、
人力車人
(
リキシャ・マン
)
の
結髪
(
シイニョン
)
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
羽子板を犬
咥
(
くわ
)
へ来し
芝生
(
しばふ
)
かな
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
芝生
(
しばふ
)
にいる
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
芝生
(
しばふ
)
の方へ歩きながら、私は、眼を上げて、
邸
(
やしき
)
の前を見渡した。三
階建
(
がいだて
)
で、かなりのものだつたが、さう宏大ではなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
シェル修道院の昔の水道の
覆
(
おお
)
いとなってほとんど丘を取り巻いてる
芝生
(
しばふ
)
の小道まで達した時、彼は一つの帽子が
藪
(
やぶ
)
の上から見えてるのを認めた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
見ると、自分は
城
(
しろ
)
の
庭
(
にわ
)
の
芝生
(
しばふ
)
の上に
寝
(
ね
)
ころんでるのでした。からだ中
汗
(
あせ
)
ぐっしょりになって
胸
(
むね
)
が高く
動悸
(
どうき
)
していました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
芝
常用漢字
中学
部首:⾋
7画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“芝”で始まる語句
芝居
芝
芝翫
芝草
芝山内
芝口
芝原
芝浦
芝居気
芝田