“石燈籠:いしどうろう” の例文
“石燈籠:いしどうろう”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花12
泉鏡太郎5
野村胡堂5
永井荷風5
芥川竜之介4
“石燈籠:いしどうろう”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 地球科学・地学 > 地震学(児童)100.0%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸4.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
どっしりとした古風な石燈籠いしどうろうが一つ置いてあって、その辺にはまるく厚ぼったい「つわぶき」なぞも集めてある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おびたゞしい庭石や石燈籠いしどうろうるゐを積んだ大きな荷車を、たくましい雄牛に曳かして來るのにも逢つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
折角せつかく塩梅あんばいこけむした石燈籠いしどうろうたふし、まつつちまひ
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
六畳の座敷は東向で、松葉を敷き詰めた狭い庭に、大き過ぎるほど立派な御影みかげ石燈籠いしどうろうが据えてあった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
樫の木を移ってお銀様が、石燈籠いしどうろうの蔭へ避けた時に、神尾主膳はさながら絵に見る悪鬼の形相ぎょうそうです。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それが、ひさししたにあのかたはら床几しやうぎに、飛石とびいし石燈籠いしどうろうのすつきりした
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人が帰って行く道は、その路傍みちばた石燈籠いしどうろうや石造の高麗犬こまいぬなぞの見いださるるところだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それは平生へいぜい見かける枯れ葉のたまった水のない石の御手洗みたらしかたわらにある石燈籠いしどうろうの燈であった。
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
石燈籠いしどうろう顛倒てんとうによつて兒童じどう壓死者あつししやすことがめづらしくない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
荷車挽にぐるまひきは、椿つばきもと石燈籠いしどうろうかげに、ごろ/\やすんでる。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すべつてころんで石燈籠いしどうろう押倒おしたふし、まつるといふさわぎで
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
とく兒童じどう顛倒てんとうした石燈籠いしどうろうのために生命せつめいうしなつたれいすこぶおほい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
両大師の横を曲がって石燈籠いしどうろうの沢山並んでいる処を通って、ふと鶯坂うぐいすざかの上に出た。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
が、庭は赤土に薄日がさして、塔形の高い石燈籠いしどうろうに、こけ真蒼まっさおなさびがある。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中門の壇上、金堂の壇上、講堂前の石燈籠いしどうろうの傍、講堂の壇上、それからまた石燈籠の傍へ帰り、右へ回って、回廊との間を中門の方へ出る。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
おおいなる門を入りて、赤土あかつちの色きれいにきたる一条ひとすじの道長き、右左、石燈籠いしどうろう石榴ざくろの樹の小さきと
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこではじめて、これは石燈籠いしどうろうに向かつて物をいつてるのと、同じだといふことがわかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
裏庭ののほとりに栗みのりて落ち縁先えんさきには南天なんてんの実、石燈籠いしどうろうのかげには梅疑うめもどき色づきめぬ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そう独りで頷いて、十内が足を移そうとすると、その辺に潜んでいた吉良方の家来が、石燈籠いしどうろうの陰からいきなり彼の脚をねらって太刀で払った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頼山陽の息子は、寛永寺の徳川廟前の石燈籠いしどうろうを倒して、事面倒になったことがあります。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あひた植込うゑこみみどりなか石燈籠いしどうろうかげあをい。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そうですよ、あの石燈籠いしどうろうの傍だそうですよ、洋服を着た立派な男だと云うのですよ」
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここに石燈籠いしどうろうあれば、かしこに稲荷いなりほこらあり、またその奥に思いがけなき四阿あずまやあるなど、この門内にこの庭はと驚かるるも
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
父とをくの内外を見れば、被害は屋瓦のちたると石燈籠いしどうろうの倒れたるのみ。
大きい石燈籠いしどうろうの下部。少年はそこに腰をおろし、両手に顔を隠して泣きはじめる。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そう云う蟻には石燈籠いしどうろうの下や冬青もちの木の根もとにも出合った覚えはない。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
或人こけを封じ来るこは奈良春日神社かすがじんじゃ石燈籠いしどうろうの苔なりと
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
外には閑静な中庭が石燈籠いしどうろうに火を入れて、ひつそりと竹の暗をつくつてゐる。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「庭から入つて、石燈籠いしどうろうを足場に、二階へ——あとは心得て居りますから」
こけの生えた石燈籠いしどうろうにつかまって、しばらく泣きましたって、姉さんがね、……それでも、一念が届いて弟が助かったんですから……思い置く事はありません
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
石燈籠いしどうろうあたまが少し見えるとこしらへにして、其此方そのこなた暖簾のれんこれくゞつてなか這入はいると
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
垣も、隔ても、跡はないが、倒れた石燈籠いしどうろうおおきなのがある。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二七不動に近き路地裏に西京汁粉さいきょうしるこ行燈あんどうかけて、はぎ袖垣そでがき石燈籠いしどうろう置きたる店口ちよつと風雅に見せたる家ありけり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
むなしく庭うち石燈籠いしどうろうに美しきこけを添えて人手に渡し、長屋門のうしろに大木のもみこずえ吹く風の音ばかり、今の耳にもかわらずして
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
金砂のように陽の踊る庭に、こけをかぶった石燈籠いしどうろうが明るい影を投げて、今まで手入れをしていた鉢植えのきく澄明ちょうみょうな大気にかおっている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「それから一目散に飛び出した。——懷中ふところの十手を取り出すわけにも行かないから、逃げの一手だ。石燈籠いしどうろうを蹴散して植込をくゞつて、裏門を出るのが精一杯」
ひらり輪先をそこの庭の石燈籠いしどうろうの首にひっかけてみせました。
また山内豊覚が遺言いげんして五百に贈った石燈籠いしどうろうがある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
次に目についたのは画面の右のはずれにある石燈籠いしどうろうである。
庭の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
むかしは神明神社の境内けいだいで梅林もあり、水際には古雅な形の石燈籠いしどうろうが立っていたが、今は石炭を積んだ荷船にぶね幾艘いくそうとなくつながれているばかり
水のながれ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
石燈籠いしどうろうの灯のほのかに照らした中庭——、一疊敷もあらうと思ふ庭石の上へ、目隱しをしたまゝの左孝が、叩き付けられたかへるのやうに伸びて、見事に眼を廻して居たのです。
土の崩れかけた築山つきやまや、欠けて青苔あおごけのついた石燈籠いしどうろうなどは、いまだに残っていて、以前は中々なかなかったものらしく見える、が何分なにぶんにも
怪物屋敷 (新字新仮名) / 柳川春葉(著)
「おや、また石燈籠いしどうろうのそばへ顔を寄せているぞ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おおいなる門をりて、赤土の色きれいに掃きたる一条ひとすじの道長き、右左、石燈籠いしどうろう石榴ざくろの樹の小さきと、おなじほどの距離にかわるがわる続きたるをきて
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
玄知が出立してからまもなく、こまかな雨が降りだして、方丈の前庭にある冬枯れの植込や、石燈籠いしどうろうや敷石道が、その雨にすっかり濡れて、さむざむとはがね色に雨空をうつしていた。
その前列の石燈籠いしどうろうは、さまで古いものとは思われないが、六角形の笠石だけは、奈良の元興寺がんごうじ形に似たもので、たなごころを半開にしたように、指が浅い巻き方をしている。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
明智は注意深く堂の隅々、物の陰などをのぞき廻って、二三の広い部屋を通り過ぎ、最後に庭に降りると、石燈籠いしどうろうや植木の間もくまなく調べた上、板塀の開き戸を開けて、墓地の方に出て行った。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると最前からまばたきしていた石燈籠いしどうろうの火も心ありにはたと消えるを幸い、二人の男女は庭の垣根に身を摺寄すりよせて互の顔さえ見分けぬほどなやみの夜をかえって心安しと
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
をともす石燈籠いしどうろうや○○○○○
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
だが日本は、古くより雅味、茶気、俳味、古雅、仙骨、埃を礼讃した国民であり、折角作り出した塑像を縁の下の土に埋め、石燈籠いしどうろうを数年間雨に打たせてこけを生ぜしめる趣味の特産地なのである。
われわれ階級の生活に許される程度のわずかな面積を泉水や植え込みや石燈籠いしどうろうなどでわざわざ狭くしてしまって、逍遙しょうようの自由を束縛したり、たださえ不足がちな空の光の供給を制限しようとは思わない。
芝刈り (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
もつともかう言つた有徳人の中には、お寺や社に餘分の寄進をしたり、大きな石燈籠いしどうろうでもけんずると、私生活は出鱈目で冷酷でも、極樂行の旅券は無條件でもらへるやうに思ひ込んでゐる人も少くはありません。
表紙は八雲氏が愛用していた蒲団地ふとんじから取ったものだそうで、紺地に白く石燈籠いしどうろうはぎ飛雁ひがんの絵を飛白染かすりぞめで散らした中に、大形の井の字がすりが白くきわ立って織り出されている。
この庭径を踏んだことのある人は、常緑樹の薄明に、下には松葉の散りしくところを、調和ある不ぞろいな庭石の上を渡って、こけむした石燈籠いしどうろうのかたわらを過ぎる時、わが心のいかに高められたかを必ず思い出すであろう。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
「おとうさん、もう何もすることはありません。庭石は三度も洗いました。石燈籠いしどうろうや庭木にも、よく水を撒きました。蘚苔こけも生き生きとして緑色に輝いています。地面にはもうちり一つも、木の葉一枚もありません」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
ところで——番町ばんちやう下六しもろく此邊このへんだからとつて、いし海月くらげをどしたやうな、石燈籠いしどうろうけたやうな小旦那こだんなたちが皆無かいむだとおもはれない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
西の縁づたいに、竹に石燈籠いしどうろうをあしらった、本屋の土蔵の裏を、ずッと段を下りてくのですが、人懐ひとなつこい可愛い雀が、ばらばら飛んだり踊ったり、横に人の顔を見たり、その影が、湯の中まで、竹の葉と一所に映るのでした。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
廊下の横手には、お客を通す八畳の間が両側に二つずつ並んでいてそのはずれの処と便所との間が、右の方は女竹めだけが二三十本立っている下に、小さい石燈籠いしどうろうの据えてある小庭になっていて、左の方に茶室まがいの四畳半があるのである。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
晴れた空には早や秋の気が十分に満渡みちわたっているせいか銀河を始め諸有あらゆる星の光は落ちかかる半輪はんりんの月よりもかえってあかるく、石燈籠いしどうろうの火の消残る小庭こにわのすみずみまでくまなく照しているように思われた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雨戸をらないお屋敷のまわり縁に夜の名残りがたゆたって、むこうの石燈籠いしどうろうのあいだを、両手をうしろにまわし庭下駄を召して、煙のようにすがすがしいうす紫の明気をふかく呑吐どんとしながら、いったり来たりしている忠相のすがたを小さく浮かび出している。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
けてねむ合歡ねむはなの、面影おもかげけば、には石燈籠いしどうろうこけやゝあをうして、野茨のばらしろよひつき、カタ/\と音信おとづるゝ鼻唄はなうたかへるもをかし。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうちに歩調が段々に緩くなって、鶯坂うぐいすざかの上を西へ曲って、石燈籠いしどうろうの列をなしている、お霊屋たまやの前を通る頃には、それまではだえを燃やしていた血がどこかへ流れて行ってしまって、自分の顔のあおくなって、膚にあわを生ずるのを感じた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
がらりと気を替えて、こうべ肉のすき焼、ばた焼、お望み次第に客を呼んで、抱一ほういつ上人の夕顔を石燈籠いしどうろうの灯でほの見せる数寄屋すきやづくりも、七賢人の本床に立った、松林の大広間も、そのままで、びんちょうの火をうずたかく、ひれのあぶらる。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
硝子戸ガラスどの店頭の一方に篠竹の小藪こやぶをあしらひ、こけ石燈籠いしどうろうのもとにはつくばひがあつて、かけひからは涼しげな垂水たるみが落ちてゐる……硝子戸越しに見える店主らしいのが照明燈の下で静かに黙々と印章を彫つてゐる……それが私なのである。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
維新以来、一切のものの建て直しとはまだまだ名ばかり、朝に晩に彼のたたずみながめた神社の回廊の前には石燈籠いしどうろうの立つ斎庭ゆにわがひらけ、よく行った神門のそばには冬青そよぎの赤い実をたれたのが目についたが、薄暗い過去はまだそんなところにも残って、彼の目の前に息づいているように見えた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかしその折にはまだ裏手の通用門から拝観の手続きをなすべき案内をも知らなかったので、自分は秋の夜の静寂のうち畳々じょうじょうとして波の如く次第に奥深く重なって行くその屋根と、海のように平かな敷地の片隅に立ち並ぶ石燈籠いしどうろうの影をば、めぐらされた柵の間から恐る恐る覗いたばかりであった。
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「飛んでもない、——尤も旦那は少し敵を作り過ぎました。良い方でしたが、金貸しといふ商賣は、どんな慈悲善根を積んでも、人樣によくは申されません。お寺ややしろに、寄進を一つなすつても、菊屋から金を借りてひどい目に逢つた方は、自分の拂つた利息で、石燈籠いしどうろうが立つたり石垣が出來たやうに思ひ込んでをります」