トップ
>
爐
>
ろ
ふりがな文庫
“
爐
(
ろ
)” の例文
新字:
炉
蝋燭はなかつたが、
爐
(
ろ
)
からのぼんやりした光が、とき/″\、張り壁や、
絨毯
(
じうたん
)
や、窓掛や、光つてゐるマホガニの家具を明かにした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
が
小使部屋
(
こづかひべや
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
りかゝつた
時
(
とき
)
、
大
(
おほ
)
きな
爐
(
ろ
)
の
炭火
(
すみび
)
が
妙
(
めう
)
に
赤
(
あか
)
く
見
(
み
)
える
薄暗
(
うすくら
)
い
中
(
なか
)
から、
子供
(
こども
)
をおぶつた
内儀
(
かみ
)
さんが
慌
(
あわ
)
てゝ
聲
(
こゑ
)
をかけた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
時
(
とき
)
に、
先客
(
せんきやく
)
が
一人
(
ひとり
)
ありまして
爐
(
ろ
)
の
右
(
みぎ
)
に
居
(
ゐ
)
ました。
氣高
(
けだか
)
いばかり
品
(
ひん
)
のいゝ
年
(
とし
)
とつた
尼
(
あま
)
さんです。
失禮
(
しつれい
)
ながら、
此
(
こ
)
の
先客
(
せんきやく
)
は
邪魔
(
じやま
)
でした。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
御飯
(
ごはん
)
の
時
(
とき
)
でも、なんでも、
草鞋
(
わらぢ
)
ばきの
土足
(
どそく
)
のまゝで
爐
(
ろ
)
の
片隅
(
かたすみ
)
に
足
(
あし
)
を
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れましたが、
夕方
(
ゆふがた
)
仕事
(
しごと
)
の
濟
(
す
)
む
頃
(
ころ
)
から
草鞋
(
わらぢ
)
をぬぎました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
餘程
(
よほど
)
の
大火
(
おほび
)
を
焚
(
た
)
かなければ、
馬籠
(
まごめ
)
にて
見
(
み
)
たる
如
(
ごと
)
き
跡
(
あと
)
を
遺
(
のこ
)
すものでない。
竈
(
かまど
)
とか、
爐
(
ろ
)
とか、それ
位
(
くらゐ
)
の
火
(
ひ
)
の
爲
(
ため
)
に
出來
(
でき
)
たのでは
恐
(
おそ
)
らくあるまい。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
縁側附で
爐
(
ろ
)
も切ってあって、都合が宜うごぜえます、其の奥の方も畳を敷けば八畳もありましょうか、
直
(
すぐ
)
に折曲って台所になって居ります
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
床も天井も
引剥
(
ひきはが
)
したまゝ、壁は落され、
爐
(
ろ
)
の灰は掻き廻され、戸棚も
箪笥
(
たんす
)
も引つくり返して、千兩箱の行方を搜した樣子です。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雪は降っても
未
(
ま
)
だ宵である。入口の
爐
(
ろ
)
を囲んでいた人々は、この声を聞いてばらばらと
起
(
た
)
って来た。
或
(
ある
)
者は手に
洋燈
(
らんぷ
)
を持った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
張昺
(
ちょうへい
)
謝貴
(
しゃき
)
の二人、入りて
疾
(
やまい
)
を問うに、時まさに盛夏に属するに、王は
爐
(
ろ
)
を囲み、身を
顫
(
ふる
)
わせて、寒きこと
甚
(
はななだ
)
しと
曰
(
い
)
い、宮中をさえ
杖
(
つえ
)
つきて行く。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この
貝塚
(
かひづか
)
の
附近
(
ふきん
)
だとか、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
人
(
ひと
)
が
棲
(
す
)
んでゐた
跡
(
あと
)
を
發掘
(
はつくつ
)
する
時
(
とき
)
は、をり/\
石
(
いし
)
でもつて
取
(
と
)
り
圍
(
かこ
)
んだ
爐
(
ろ
)
の
跡
(
あと
)
だとか
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
もっと
燭火
(
あかし
)
を
持
(
も
)
て、
家來共
(
けらいども
)
!
食卓
(
テーブル
)
を
疊
(
たゝ
)
んでしまうて、
爐
(
ろ
)
の
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
せ、
餘
(
あま
)
り
室内
(
ざしき
)
が
熱
(
あつ
)
うなったわ。……あゝ、こりゃ
思
(
おも
)
ひがけん
好
(
よ
)
い
慰樂
(
なぐさみ
)
であったわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
木口を戸口から運んで来る者、そいつを中途で受けとる者、器をざるへ入れる者、それを戸口から持ち出す者、一方部屋の片隅では、火が
爐
(
ろ
)
の中で燃えている。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
押
(
おさ
)
へたりと云ふに左京は是を
聞
(
きい
)
て大いに
訝
(
いぶか
)
り我々は大雪を
踏分
(
ふみわけ
)
寒
(
さむ
)
さを
厭
(
いと
)
はず
麓
(
ふもと
)
へ出て
網
(
あみ
)
を
張
(
はつ
)
ても
骨折損
(
ほねをりぞん
)
して歸へりしに貴殿は内に居て
爐
(
ろ
)
に
煖
(
あた
)
り乍ら千兩程の大鳥を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
門から覗いてみれば、小使室らしい
爐
(
ろ
)
のなかで、
榾火
(
ほたび
)
があかあかと照っている。しめた、と思った。
酒徒漂泊
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
二つの武器のそばに懐中時計を置いて、ふたたびマコーレーを読み始めると、わたしの前の火は明かるく燃えて、犬は
爐
(
ろ
)
の前の敷物の上に眠っているらしく寝ころんでいた。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
突然、すては
爐
(
ろ
)
にささった竹の
火箸
(
ひばし
)
を手に取ると、唇に
咥
(
くわ
)
えこんだと見る間に、あろうことかばりばりと上と下の白い前歯で噛み砕いた。歯と唇とから一面に鮮血が
噴
(
ふ
)
いてはしった。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
天なる
爐
(
ろ
)
を出でそめし星に似たり。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
爐
(
ろ
)
をきれ
竈
(
かまど
)
をきづけ
艸千里
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
塞
(
ふさ
)
がれた
爐
(
ろ
)
を前に
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
「親分、溜飮が下がりましたぜ。あの二千五百兩といふ大金を入れた錢箱が三つ、
左吉松
(
さきまつ
)
の死骸の下の、
塞
(
ふさ
)
いだ
爐
(
ろ
)
の下から出て來た時には」
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この婦人は長い教室の
爐
(
ろ
)
の側の末席の方に立つて——兩側に
煖爐
(
だんろ
)
があつたから——默つて、まじめな顏をして、二列の生徒を見渡してゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
父
(
とう
)
さんの
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
前
(
まへ
)
で、
爐邊
(
ろばた
)
にある
太
(
ふと
)
い
鐵
(
てつ
)
の
火箸
(
ひばし
)
を
取出
(
とりだ
)
しました。それで
澁柿
(
しぶかき
)
に
穴
(
あな
)
をあけました。
栗
(
くり
)
を
燒
(
や
)
くと
同
(
おな
)
じやうにその
澁柿
(
しぶかき
)
を
爐
(
ろ
)
にくべました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ために、
音信
(
おとづれ
)
を
怠
(
おこた
)
りました。
夢
(
ゆめ
)
に
所
(
ところ
)
がきをするやうですから。……とは
言
(
い
)
へ、
一
(
ひと
)
つは、
日
(
ひ
)
に
増
(
ま
)
し、
不思議
(
ふしぎ
)
に
色
(
いろ
)
の
濃
(
こ
)
く
成
(
な
)
る
爐
(
ろ
)
の
右左
(
みぎひだり
)
の
人
(
ひと
)
を
憚
(
はゞか
)
つたのであります。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯
(
たゞ
)
、一
箇所
(
かしよ
)
、
丈餘
(
じやうよ
)
の
貝層
(
かひそう
)
の
下部
(
かぶ
)
から一二
尺
(
しやく
)
の
處
(
ところ
)
に、
小石
(
こいし
)
で
爐
(
ろ
)
の
如
(
ごと
)
く
圍
(
かこ
)
つた
中
(
なか
)
で、
焚火
(
たきび
)
をしたらしい
形跡
(
けいせき
)
の
個所
(
かしよ
)
が、
半分
(
はんぶん
)
切
(
きり
)
くづされて
露出
(
ろしゆつ
)
して
居
(
ゐ
)
るのを
見出
(
みいだ
)
した。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
初め立戻り皆々
爐
(
ろ
)
の
端
(
はた
)
へ集まりぬ此時左京は大膳に向ひ貴殿の
御異見
(
ごいけん
)
に
隨
(
したが
)
はず
我意
(
がい
)
に
募
(
つのり
)
て參りしか此雪で往來には
半人
(
はんにん
)
の
旅客
(
りよかく
)
もなし夫ゆゑ
諸方
(
しよはう
)
を
駈廻
(
かけまは
)
り漸く一人の
旅人
(
たびびと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
素燒
(
すや
)
きでありますけれども、
黒
(
くろ
)
ずんだ
茶色
(
ちやいろ
)
で
爐
(
ろ
)
に
燻
(
いぶ
)
されたのが
多
(
おほ
)
いのです。そしてその
土
(
つち
)
の
質
(
しつ
)
も
細
(
こま
)
かい
砂
(
すな
)
や、
時
(
とき
)
には
大粒
(
おほつぶ
)
の
砂
(
すな
)
がまじつてゐるために
平均
(
へいきん
)
してをりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
爐
(
ろ
)
の右手にある化粧室のドアがあいて、その口からさらに老婆の形があらわれた。老婆はその手に二通の手紙を持っていた。また、そのうしろに
跫音
(
あしおと
)
が聞こえるようであった。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
ここの宿では、大きな鍋を
爐
(
ろ
)
にかけて鍋めしを炊いていた。
瀞
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
懴悔の
壇
(
だん
)
の
香
(
かう
)
の
爐
(
ろ
)
に
信
(
しん
)
の心の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
さあ、一寸の間離れさせて下さいまし、もつとよく火をおこして、
爐
(
ろ
)
を綺麗にしますから。どつさり火が燃えてるときにはお分りになつて?
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「疊と疊の隙間に
埃
(
ほこり
)
がハミ出して居るぢやないか——おや、
爐
(
ろ
)
を切つてあるのか。若い者の癖に、
炬燵
(
こたつ
)
でもしたんだらう」
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あか/\と
燃
(
も
)
える
樂
(
たの
)
しさうな
爐
(
ろ
)
の
火
(
ひ
)
も、みんなが
夕飯
(
ゆふはん
)
を
食
(
た
)
べるさまも、
庭
(
には
)
の
梨
(
なし
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
からよく
見
(
み
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
昌黎
(
しやうれい
)
信
(
まこと
)
とせず、
審
(
つまびらか
)
に
其
(
そ
)
の
仔細
(
しさい
)
を
詰
(
なじ
)
れば、
韓湘
(
かんしやう
)
高
(
たか
)
らかに
歌
(
うた
)
つて
曰
(
いは
)
く、
青山雲水
(
せいざんうんすゐ
)
の
窟
(
くつ
)
、
此
(
こ
)
の
地
(
ち
)
是
(
こ
)
れ
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
。
子夜
(
しや
)
瓊液
(
けいえき
)
を
飱
(
そん
)
し、
寅晨
(
いんしん
)
降霞
(
かうか
)
を
咀
(
くら
)
ふ。
琴
(
こと
)
は
碧玉
(
へきぎよく
)
の
調
(
てう
)
を
彈
(
たん
)
じ、
爐
(
ろ
)
には
白珠
(
はくしゆ
)
の
砂
(
すな
)
を
煉
(
ね
)
る。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さう言ふ浪之進は、總髮にチヤンチヤンコを着て、一刀を左脇の下に置き、
爐
(
ろ
)
の中ではグラグラと粥を煮て居るのです。
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
時
(
とき
)
は、
四疊半
(
かこひ
)
ではありません。が、
爐
(
ろ
)
を
切
(
き
)
つた
茶
(
ちや
)
の
室
(
ま
)
に
通
(
とほ
)
されました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
する型の女ぢや無いのだよ。
爐
(
ろ
)
の中には小判で五六十兩隱してあつたし、あの女は悧巧だから、外に何處かへ廻して利に利を生ませて居ることだらう
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
茶店
(
ちやみせ
)
のものも
爐
(
ろ
)
を
圍
(
かこ
)
んで、ぼんやりとして
居
(
ゐ
)
るばかり。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
だから綱田屋の主人の部屋には
爐
(
ろ
)
が切つてある、——尤もあの五郎次郎といふのは、若い時の道樂が
祟
(
たゝ
)
つてひどい
疝氣
(
せんき
)
ださうで、夏でも時々は股火鉢で温める。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いやはや、話にもならぬて、——親分が花火玉と鑑定したさうだが、全くそれに相違あるまい。
爐
(
ろ
)
の中にあんな物を仕込まれては、氣をゆるして茶も飮めない有樣だ」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「すつかり氣が轉倒して見ずに居りますが、師匠の居間の、塞いだ
爐
(
ろ
)
の中にあると思ひます」
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
型の如く
明窓淨几
(
めいさうじやうき
)
、側には俳書らしいのを入れた本箱、前の
爐
(
ろ
)
には釜がチンチンたぎつて、俳畫の細物の一軸が後ろにあると言つた道具立てゞ、主人の
鶯谷
(
あうこく
)
は茶色の頭巾を深々と冠り
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、もう大丈夫だ。追つ拂つても歸る氣遣はないが、——第一に訊き度いのは戸締りだ。この家は恐ろしく嚴重さうに見えるが、外から入つて來て、花火玉を
爐
(
ろ
)
に仕込む隙があるのかな」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この
爐
(
ろ
)
の中は見なかつたのか、兼吉
兄哥
(
あにい
)
」
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
爐
部首:⽕
20画
“爐”を含む語句
爐棚
香爐
煖爐
爐邊
暖爐
圍爐裏
地爐
爐火
火爐
囲爐裡
瓦斯暖爐
香爐形
圍爐裡
焜爐
爐端
爐土
焙爐
爐畔
爐前
爐石
...