“ろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
25.8%
22.3%
16.6%
10.8%
5.8%
3.4%
3.2%
3.0%
2.8%
1.5%
1.3%
0.8%
0.6%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
商人は、なにしろはだの下まで雪がしみとおっていたので、かまわずの火でからだをかわかしながら、ひとりごとのようにいいました。
船頭はやはり二人で、さおをつつッと突張つっぱるや否や、あとのがべそを調べると、櫓をからからとやって、「そおれ出るぞぉ」である。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
熱くて脱いだ黒無地のべんべらが畳んであった、それなり懐中ふところ捻込ねじこんだ、大小すっきり落しにさすと云うのが、洋杖ステッキ、洋杖です。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「誰も気がつかなかったそうですよ、船頭は舫っている時でも気が張っているから、や、かじの音を聞き逃すはずはないと言いますよ」
彼女かのぢよ小使部屋こづかひべやまへとほりかゝつたときおほきな炭火すみびめうあかえる薄暗うすくらなかから、子供こどもをおぶつた内儀かみさんがあわてゝこゑをかけた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
もちろん昔ので押して出掛けるのと違つて、現今は悉くモーター船であるから、品川から三崎までだつて楽に行ける。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
皆是れ御最期までもが君の、世を思い、家を思い、臣下を思いたまいて、孔子こうしの国を去りかね玉いたる優しき御心ぞ。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ミ翁また若返り、二術士を二に化し、自らその一にり、のち山より投下す。今一の驢に豕脂ししを負わせ、報酬として鼠どもに贈るとある。
余ノ吟咏ぎんえいヲ好ムヤ二十年来作ル所千余首ヲ下ラズ。去月望、都下ノ大災イテワガニ及ベリ。炎威惨虐ニシテ百物蕩尽セリ。稿本マタ一紙ヲ留メズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ほらざれば家の用ふさ人家じんかうづめて人のいづべきところもなく、力強ちからつよき家も幾万斤いくまんきんの雪の重量おもさ推砕おしくだかれんをおそるゝゆゑ、家として雪をほらざるはなし。
僕の乗った舟を漕いでいる四十恰好がっこうの船頭は、手垢てあかによごれた根附ねつけ牙彫げぼりのような顔に、極めて真面目まじめな表情を見せて、器械的に手足を動かしてあやつっている。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あだかの字の形とでも言おうか、その中央なかの棒が廊下ともつかず座敷ともつかぬ、細長い部屋になっていて、妙にるく陰気で暗いところだった。
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
大会へ招待されたのは、当の仏国ふつこくのほかに、えいどく西スペインにちの六ヵ国でした。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
それから丁度十年になりまして、自分としてはなんの過失あやまちもないつもりで居りますのに、夫は昨年から更に氏の娘をめとりましたので、家内に風波が絶えません。
前額というものがまったく欠失して、一本も毛のない扁平な頂につづき、薄い眉毛の下に犬のような濡れた大きな眼があった。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それは去年の秋の工学士の事件から私は足立駅長に少からぬ信用を得て、時々夜など社宅に呼ばれることがある、ほかの同輩はそれを非常に嫌に思うている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
翌日私の下宿に配達して行った新聞の「花嫁花婿」という欄に、工学士鉦次郎しょうじろうの写真と、高谷千代子の写真とが掲載されて、六号活字の説明にこんなことが書いてあった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
思うに、彼が死せずしてくだったというのも、ひそかにかの地にあって何事か漢に報いんと期してのことではあるまいか。……
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
霍去病かくきょへいが死んでから十八年、衛青えいせい歿ぼっしてから七年。浞野侯さくやこう趙破奴ちょうはどは全軍を率いてくだり、光禄勲こうろくくん徐自為じょじい朔北さくほくに築いた城障もたちまち破壊される。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
腹がへるからかたパンも喰ふくううが
ぼろぼろな駝鳥 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
又人あつて流に溯つて船をるに水勢の我に利あらずして、腕力既に萎えんとしたる如き時、猶強ひてを操りさをを張るを廢せず、流汗淋漓として勞に服する場合などをも
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「さて数馬殿ごうじろ。愚僧これより白虎太郎めをなぶり物にしてお目に掛ける」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『四べ。今日はすこしゃア、ったけ?』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
職人の手のうちにあるのごとく、であり、またいかなるものも特別なる許しあるに非ざればこれを読みもしくは書くことを得ざるなり、である。