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艣
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ろ
ふりがな文庫
“
艣
(
ろ
)” の例文
舟人は
艣
(
ろ
)
を棄てゝ、手もて水をかき、われ等は身を舟中に横へしに、ララは
屏息
(
へいそく
)
して
緊
(
きび
)
しく我手を握りつ。暫しありて、舟は大穹窿の内に入りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
僕の乗った舟を漕いでいる四十
恰好
(
がっこう
)
の船頭は、
手垢
(
てあか
)
によごれた
根附
(
ねつけ
)
の
牙彫
(
げぼり
)
のような顔に、極めて
真面目
(
まじめ
)
な表情を見せて、器械的に手足を動かして
艣
(
ろ
)
を
操
(
あやつ
)
っている。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
突然
韃靼人
(
だつたんじん
)
が何やら聞き付けました。一体韃靼人といふ奴は、耳の
聡
(
さと
)
い人間です。そこでわたくしも気を付けて聞いて見ました。どうも耳に漕いで来る
艣
(
ろ
)
の音が聞えるやうです。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
その時舟を
漕
(
こ
)
いでいる男が口を出した。「あしたは雨でございましょうね。ひどく山が近く見えますから。」こう
云
(
い
)
って船頭は
艣
(
ろ
)
の手を
停
(
と
)
めると、舟は音もせずに、ゆるやかに波の上を滑って
行
(
ゆ
)
く。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
今は忙しい
艣
(
ろ
)
が波を切っています。11230
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
▼ もっと見る
蝋
(
らふ
)
の火もともるらし、
艣
(
ろ
)
を
抜
(
ぬ
)
けよ。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
舟若し高く岩頭に吹き上げられずば、必ず岩根に
傍
(
そ
)
ひて
千尋
(
ちひろ
)
の底に
壓
(
お
)
し沈めらるべし。われは翁と共に
艣
(
ろ
)
を握りつ。ジエンナロも亦少年を
扶
(
たす
)
けて働けり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
艣
(
ろ
)
の音が
忙
(
せわ
)
しく響いて、山岡大夫の舟は見る見る遠ざかって行く。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
蝋
(
らふ
)
の火もくゆるらし、
艣
(
ろ
)
を抜けよ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
老いたる方の漕手答へて、舟を停むべきところは、さきに漕ぎ出でしところの外
絶
(
たえ
)
て無ければ、是非とも島を一周せでは叶はずといひつゝ、
艣
(
ろ
)
を
搖
(
うごか
)
す手を急にしたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
艣
部首:⾈
19画