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極
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きはま
ふりがな文庫
“
極
(
きはま
)” の例文
木曾の溪山は十數里、其特色たる、山に樹多く、
溪
(
けい
)
に
激湍
(
げきたん
)
多く、
茅屋
(
ばうおく
)
村舍
山嶰
(
さんかい
)
水隈
(
すゐわい
)
に點在して、雲烟の變化殆ど
極
(
きはま
)
りなきにありといふ。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
の
婦人
(
ふじん
)
の
心痛
(
しんつう
)
と
恐怖
(
きようふ
)
はそも、
身
(
み
)
をしぼる
汗
(
あせ
)
は
血
(
ち
)
と
成
(
な
)
つて、
紅
(
くれなゐ
)
の
雫
(
しづく
)
が
垂々
(
たら/\
)
と
落
(
お
)
ちたと
云
(
い
)
ふ。
窘
(
くるしみ
)
も
又
(
また
)
極
(
きはま
)
つて、
殆
(
ほとん
)
ど
狂亂
(
きやうらん
)
して
悲鳴
(
ひめい
)
を
上
(
あ
)
げた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
蔭
(
かげ
)
で
名譽
(
めいよ
)
は
助
(
たす
)
かつた。もう
出發
(
しゆつぱつ
)
しませう。
這麼不徳義
(
こんなふとくぎ
)
極
(
きはま
)
る
所
(
ところ
)
に一
分
(
ぷん
)
だつて
留
(
とゞま
)
つてゐられるものか。
掏摸
(
すり
)
ども
奴
(
め
)
、
墺探
(
あうたん
)
ども
奴
(
め
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さうして見ると人民一般は田とも云はず畠とも云はず、道のない所を縱横に歩いて居るのであります。實に亂雜
極
(
きはま
)
つて居る、むちやであります。
仮名遣意見
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
差
(
さし
)
て送らせける其後
種々
(
しゆ/″\
)
樣々
(
さま/″\
)
吟味有けるに先の申
立
(
たて
)
と相違も無きこと故
是
(
これ
)
より大惡の
本人
(
ほんにん
)
たる重四郎の段右衞門と
愈々
(
いよ/\
)
突合
(
つきあは
)
せ吟味とこそは
極
(
きはま
)
りけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
永
(
なが
)
い
日
(
ひ
)
は
僅
(
わづか
)
な
日數
(
ひかず
)
の
内
(
うち
)
に
目
(
め
)
に
渺々
(
べうべう
)
たる
畑
(
はたけ
)
をからりとさせて、
暫
(
しばら
)
くすると
天候
(
てんこう
)
は
極
(
きはま
)
りない
變化
(
へんくわ
)
の
手
(
て
)
を一
杯
(
ぱい
)
に
擴
(
ひろ
)
げて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それを私が
今日
(
こんにち
)
始めて知つたのではない、知つて身を
堕
(
おと
)
したのは、私は当時
敵手
(
さき
)
を殺して自分も死にたかつたくらゐ無念
極
(
きはま
)
る失望をした事があつたからです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
妾宅といふやうな
不真面目
(
ふまじめ
)
極
(
きはま
)
る問題をば、全然其れとは調和しない形式の漢文を以て、仔細らしく論じ出して、更に戯作者風の頓智滑稽の才を
振
(
ふる
)
つて人を笑はす。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
日頃
(
ひごろ
)
沈着
(
ちんちやく
)
で、
何事
(
なにごと
)
にも
動顛
(
どうてん
)
した
事
(
こと
)
のない
大佐
(
たいさ
)
の
面
(
おもて
)
には、
此時
(
このとき
)
何故
(
なにゆゑ
)
か、
心痛
(
しんつう
)
極
(
きはま
)
りなき
色
(
いろ
)
が
見
(
み
)
えたのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
怪
(
け
)
しからんな。名の為に
実
(
じつ
)
を顧みないに至つては
閥族
(
ばつぞく
)
の横暴も
極
(
きはま
)
れりだ。」と
憤慨
(
ふんがい
)
した。
饒舌
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
先生
(
せんせい
)
の
言論
(
げんろん
)
には
英雄
(
えいゆう
)
の
意氣
(
いき
)
の
充
(
みち
)
て
居
(
ゐ
)
ながら
先生
(
せんせい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
一見
(
いつけん
)
平凡
(
へいぼん
)
極
(
きはま
)
るものでした。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「馬鹿、不親切
極
(
きはま
)
る、何を着れば好いんだ。
如何
(
いか
)
に田舎者だつて、それ位の注意が出来んで
何
(
ど
)
うなる。」と散々毒づいて見たが、妹は
病上
(
やみあが
)
りの蒼い顔して黙つて
俯向
(
うつむ
)
いてばかり居るので
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
警察の方なども
緩漫
(
くわんまん
)
極
(
きはま
)
つて居りまするから——
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
一
心
(
しん
)
不亂
(
ふらん
)
に
祈
(
いの
)
りしに今日は
早
(
はや
)
源内の罪
極
(
きはま
)
り御仕置と聞し故娘の豐は其日
父
(
ちゝ
)
の引れ
行
(
ゆき
)
し御仕置場へ行て見るに終に
仇
(
あだ
)
し
野
(
の
)
の
露
(
つゆ
)
と
消果
(
きえはて
)
しゆゑ
泣々
(
なく/\
)
も其所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一隊
(
いつたい
)
三十
有餘名
(
いうよめい
)
の
三年
(
さんねん
)
以來
(
いらい
)
の
馴染
(
なじみ
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
は、
別
(
わかれ
)
を
惜
(
をし
)
まんとて、
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
の
周圍
(
ぐるり
)
を
取卷
(
とりま
)
いたが、
誰
(
たれ
)
も
一言
(
いちごん
)
も
發
(
はつ
)
する
者
(
もの
)
が
無
(
な
)
い、
中
(
なか
)
には
感慨
(
かんがい
)
極
(
きはま
)
つて、
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
した
者
(
もの
)
もあつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
死
(
し
)
ぬるものなら一
足
(
あし
)
でも
前
(
まへ
)
へ
進
(
すゝ
)
んで、
世間
(
せけん
)
の
者
(
もの
)
が
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らぬ
血
(
ち
)
と
泥
(
どろ
)
の
大沼
(
おほぬま
)
の
片端
(
かたはし
)
でも
見
(
み
)
て
置
(
お
)
かうと、
然
(
さ
)
う
覚悟
(
かくご
)
が
極
(
きはま
)
つては
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
いも
何
(
なに
)
もあつたものぢやない
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
只
看
(
み
)
る、宮は行き行きて
生茂
(
おひしげ
)
る柳の暗きに分入りたる、
入水
(
じゆすい
)
の覚悟に
極
(
きはま
)
れりと、貫一は必死の声を
搾
(
しぼ
)
りて
連
(
しきり
)
に呼べば、
咳入
(
せきい
)
り咳入り
数口
(
すうこう
)
の
咯血
(
かつけつ
)
、
斑爛
(
はんらん
)
として地に
委
(
お
)
ちたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其の
代
(
かはり
)
に残忍
極
(
きはま
)
る
殺戮
(
さつりく
)
の描写は、他人種の芸術に類例を見ざる特徴であつて、
所謂
(
いはゆる
)
「殺しの場」として黙阿弥劇中興味の大部分を占めてゐる事は、今更らしく論じ出すにも及ぶまい。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
不汚
(
ふけつ
)
極
(
きはま
)
る
動物
(
どうぶつ
)
で、
始終
(
しゞゆう
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
くやうな、
胸
(
むね
)
の
惡
(
わる
)
くなる
臭氣
(
しうき
)
を
放
(
はな
)
つてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
合せ見るにしつくりと
合
(
あひ
)
ければ扨は此者に
相違
(
さうゐ
)
なしとて家内を
檢査
(
あらため
)
しに戸棚の
隅
(
すみ
)
の重箱に
財布
(
さいふ
)
に入りたる金八十兩有りければ
彌々
(
いよ/\
)
盜賊火附に
極
(
きはま
)
りしと
此趣
(
このおもぶ
)
きを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『いや、
决
(
けつ
)
して
笑
(
わら
)
ふのではないが、
其事
(
そのこと
)
は
心配
(
しんぱい
)
するには
及
(
およ
)
ばぬよ、
奧樣
(
おくさま
)
も
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も、
私
(
わたし
)
が
生命
(
いのち
)
にかけて
保護
(
ほご
)
して
上
(
あ
)
げる。』と
言
(
い
)
つたが、
亞尼
(
アンニー
)
は
殆
(
ほと
)
んど
絶望
(
ぜつぼう
)
極
(
きはま
)
りなき
顏
(
かほ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今日
(
こんにち
)
のこの軽薄
極
(
きはま
)
つた世の中に、とてもそんな心掛のある人間は、私は決して在るものではないと念つてをつた。で、もし在つたらば、どのくらゐ嬉からうと、さう念つてをつたのです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
或時
(
あるとき
)
は
日
(
ひ
)
の
出
(
い
)
づる
立山
(
りふざん
)
の
方
(
かた
)
より、
或時
(
あるとき
)
は
神通川
(
じんつうがは
)
を
日沒
(
につぼつ
)
の
海
(
うみ
)
より
溯
(
さかのぼ
)
り、
榎
(
えのき
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
會合
(
くわいがふ
)
して、お
月樣
(
つきさま
)
と
呼
(
よ
)
び、お
十三
(
じふさん
)
と
和
(
わ
)
し、パラリと
散
(
ち
)
つて
三々五々
(
さん/\ごゞ
)
、
彼
(
かの
)
杖
(
つゑ
)
の
響
(
ひゞ
)
く
處
(
ところ
)
妖氛
(
えうふん
)
人
(
ひと
)
を
襲
(
おそ
)
ひ、
變幻
(
へんげん
)
出沒
(
しゆつぼつ
)
極
(
きはま
)
りなし。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
車室
(
しやしつ
)
の
中
(
うち
)
はさのみ
不潔
(
ふけつ
)
の
人間計
(
にんげんばか
)
りではなかつたが、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
直
(
すぐ
)
に
人々
(
ひと/″\
)
と
懇意
(
こんい
)
になつて
誰
(
たれ
)
にでも
話
(
はなし
)
を
仕掛
(
しか
)
け、
腰掛
(
こしかけ
)
から
腰掛
(
こしかけ
)
へ
廻
(
まは
)
り
歩
(
ある
)
いて、
大聲
(
おほごゑ
)
で、
這麼不都合
(
こんなふつがふ
)
極
(
きはま
)
る
汽車
(
きしや
)
は
無
(
な
)
いとか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“極”の意味
《名詞》
(きょく)2端のうちの一方。
(ごく)1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 = 1048を表す。載の次で恒河沙の前の位。
《形容動詞》
(ごく)程度の大きい様。
(出典:Wiktionary)
極
常用漢字
小4
部首:⽊
12画
“極”を含む語句
京極
極刑
見極
極端
極光
北極
極微
至極
極々
極彩色
取極
極月
極熱
極楽寺
感極
北極星
終極
結極
極限
極付
...