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うけたま
ふりがな文庫
“
承
(
うけたま
)” の例文
火星の女こと甘川歌枝と、娘のアイ子が県立高女在校中、無二の親友であったと言うようなお話も、只今初めて
承
(
うけたま
)
わった位の事です。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「それは意義のあることだ。是非
承
(
うけたま
)
わり度い。あのレコードは
何処
(
どこ
)
の国語か知らないが、望月君の翻訳で聴くのも一段ではないか」
奇談クラブ〔戦後版〕:08 音盤の詭計
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「平素より御隠居さま、一芸一能のある者共を、あまさず、御見知り置き遊ばしたいという、お言葉を
承
(
うけたま
)
わり居りましたれば——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「マ、そ、その、
人斬庖丁
(
ひときりぼうちょう
)
という
物騒
(
ぶっそう
)
なものを納めなされ。そして、そして、何なりと、ゆっくり話を
承
(
うけたま
)
わろうではござらぬか」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こういう
苦
(
にが
)
い真理を
承
(
うけたま
)
わらなければならない我々日本人も随分気の毒なものだが、彼のようにたった一人の秘密を、
攫
(
つか
)
もうとしては恐れ
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
お
答
(
こた
)
へ
承
(
うけたま
)
はらずば
歸邸
(
きてい
)
いたし
難
(
がた
)
し
平
(
ひら
)
にお
伺
(
うかゞ
)
ひありたしと
押返
(
おしかへ
)
せば、それ
程
(
ほど
)
に
仰
(
おほ
)
せらるゝを
包
(
つゝ
)
むも
甲斐
(
かひ
)
なし、
誠
(
まこと
)
のこと申
上
(
あげ
)
ん
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その館へ参ってお泊りなされ。和田の翁より
承
(
うけたま
)
わったと、このように申せば喜んで泊めよう。さあさあおいで、行ってお泊り
弓道中祖伝
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
老叟
(
らうそう
)
は
笑
(
わら
)
つて『さう言はるゝには
何
(
なに
)
か
證據
(
しようこ
)
でも
有
(
ある
)
のかね、
貴君
(
あなた
)
の
物
(
もの
)
といふ
歴
(
れき
)
とした
證據
(
しやうこ
)
が有るなら
承
(
うけたま
)
はり
度
(
た
)
いものですなア』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
承
(
うけたま
)
わってみるといかにもごもっともの点もあるように考えます。会議の結果早速旅行券を上げることに決定致しましたから四時頃までお待ち下さい
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
柔
(
やはら
)
げ相摸殿よく
承
(
うけたま
)
はられよ徳川は
予
(
よ
)
が
本性
(
ほんせい
)
ゆゑ名乘申す
又
(
また
)
葵
(
あふひ
)
も予が
定紋
(
ぢやうもん
)
なる故用ゆる
迄
(
まで
)
なり何の
不審
(
ふしん
)
か有べきとの
詞
(
ことば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
段々
(
だん/″\
)
承
(
うけたま
)
はれば
蓄音器
(
ちくおんき
)
から
御発明
(
ごはつめい
)
になつたと
云
(
い
)
ふ事を聞きましたが
豪
(
えら
)
いもんや、
何
(
ど
)
うしても
是
(
これ
)
からの世界に
世辞
(
せじ
)
と
云
(
い
)
ふものは無ければならぬ、
必要
(
ひつえう
)
のものぢや
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……さて時に
承
(
うけたま
)
はるが
太夫
(
たゆう
)
、
貴女
(
あなた
)
は其だけの御身分、それだけの芸の力で、人が
雨乞
(
あまごい
)
をせよ、と言はば、すぐに
優伎
(
わざおぎ
)
の舞台に出て、
小町
(
こまち
)
も
静
(
しずか
)
も勤めるのかな。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「単に一身上の都合によりと書いてあるが、その辺をハッキリ
承
(
うけたま
)
わって置かないと、相談が出来ません」
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何でも私が
人伝
(
ひとづて
)
に
承
(
うけたま
)
わりました所では、初めはいくら若殿様の方で御熱心でも、御姫様は
反
(
かえ
)
って誰よりも、
素気
(
すげ
)
なく御もてなしになったとか申す事でございます。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伝わっているようにも
承
(
うけたま
)
わるのは
忝
(
かたじけな
)
いことで、少なくとも是は一国の古事を学ばんとする者に、或る方法を設けて
与
(
あず
)
かり知らしめておくべき
尊
(
とう
)
とい事実であった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
勿論
(
もちろん
)
これには深い事情がお有んなさるのでせう。ですから
込入
(
こみい
)
つたお話は
承
(
うけたま
)
はらんでも
宜
(
よろし
)
い、
但何故
(
ただなにゆゑ
)
に貴下方は
活
(
い
)
きてをられんですか、それだけお聞せ下さい」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「時に太夫は
京師
(
けいし
)
を出発される前に妻子を離別してこられたと
承
(
うけたま
)
わるが」と、一人がまた言いだした。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
雪合戦
(
ゆきがっせん
)
をすると、にんじんはたった一人で一方の陣を
承
(
うけたま
)
わる。彼は猛烈だ。で、その評判は遠くまで及んでいるが、それは彼が雪の中へ石ころを入れるからである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
殊に今晩の御趣意を
承
(
うけたま
)
わりまして、主人もお話の選択によほど苦しんでいたようでございました。
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『御家老。——
承
(
うけたま
)
わればすでに、
公儀御使
(
こうぎおつかい
)
の大目付荒木十左衛門まで、開城のお受けを差出された由でござるが、それは、噂でござろうか、それとも、真実でござろうか』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陛下は
稀
(
まれ
)
に見る美人でおわしました。
明眸皓歯
(
めいぼうこうし
)
とはまさにこの君の御事と思わせられた。いみじき御才学は、包ませられても、御詠出の御歌によって
洩
(
も
)
れ
承
(
うけたま
)
わる事が出来た。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「それでは申しあげますが、今
承
(
うけたま
)
われば、
当方
(
こちら
)
の奥さまが、何かまちがいをしでかしまして」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
して、
櫻木君
(
さくらぎくん
)
の
一行
(
いつかう
)
は
意外
(
ゐぐわい
)
の
天變
(
てんぺん
)
のために、
來
(
きた
)
る二十五
日
(
にち
)
拂曉
(
ふつげう
)
、
橄欖島
(
かんらんたう
)
の
附近
(
ふきん
)
にて
貴下等
(
きから
)
の
應援
(
おうえん
)
を
待
(
ま
)
つのですか、よろしい、
斯
(
か
)
く
承
(
うけたま
)
はる
以上
(
いじやう
)
は
最早
(
もはや
)
憂慮
(
いうりよ
)
するには
及
(
およ
)
びません。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「君にはなにごとを
躊躇
(
ちゅうちょ
)
したもうや、敵の軍勢はいきおいに乗じたり、ここは本城に
退
(
ひ
)
きて後日の合戦をまつべきなり、はやはや浜松へ退きたまえ、それがししんがりを
承
(
うけたま
)
わる」
死処
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
御当所は繁華にまさる御名地と
承
(
うけたま
)
わり、名ある諸芸人、入れかわり立ちかわり、芸に芸当を取りつくしたるそのあとに、みじくなる我々どもがまかりいで、
相勤
(
あいつと
)
めまする
極彩色写絵
(
ごいさいしきうつしえ
)
は
顎十郎捕物帳:15 日高川
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「劍山
登攀
(
とうはん
)
冒険談」なる、昨四十年七月末『富山日報』に
出
(
い
)
でたる切抜を郵送せられ、かつ「先日山岳会第一大会に列席して諸先輩の講演、
殊
(
こと
)
に志村氏の日本アルプスの話など、
承
(
うけたま
)
わり、 ...
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
「
承
(
うけたま
)
わると、犯人は妙な三重の渦巻の指紋を持った奴だということですが……」
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところが、私といたしましたことが、宿を出て、道の一、二丁も参りましたとき、思いついたのでございますが、御隠居さまの御用を
承
(
うけたま
)
わって来ることを、失念いたしていたのでございます。
両面競牡丹
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
いや、
実
(
じつ
)
に私めも
今朝
(
けさ
)
そのおはなしを
承
(
うけたま
)
わりまして、
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
してござります
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
嗚呼、何等の特操なき心ぞ、「
承
(
うけたま
)
はり
侍
(
はべ
)
り」と
応
(
こた
)
へたるは。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「町方の御用を勤める平次と申すものですが、福井町の城彈三郎さんのことに就て、ちよいとお話を
承
(
うけたま
)
はり度いことが御座いますが——」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それで二人のうちの一人が他を招待して、秋刀魚のご
馳走
(
ちそう
)
をする事になりました。その
旨
(
むね
)
を
承
(
うけたま
)
わって驚ろいたのは家来です。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「貴殿のお話
承
(
うけたま
)
わらぬ
以前
(
まえ
)
なら、お譲りしたかは知れませぬが、承わった現在においては、お譲りすることなりませぬ」
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「初めて
承
(
うけたま
)
わるお痛わしいおはなし、なんとも申しあげようがございません。村の方々をはじめ大次郎さまも、さぞ、さぞ口惜しく思召して——。」
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そういうお医者であるということを
承
(
うけたま
)
わる上は、実はこちらにも非常な病人がありますからそれも見て戴きたい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
何
(
なん
)
だつてお
前
(
まへ
)
極
(
き
)
まつてらアね、
承
(
うけたま
)
はりますれば
御邸
(
おやしき
)
から
何
(
なに
)
か
御拝領物
(
ごはいりやうもの
)
の
儀
(
ぎ
)
に
就
(
つ
)
きまして、
私共
(
わたくしども
)
までお
赤飯
(
せきはん
)
を
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じますてんだよ。亭「おせきさんを
有難
(
ありがた
)
う。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さりながら
徃日
(
いつぞや
)
の
御詞
(
おんことば
)
は
僞
(
いつは
)
りなりしか、
汝
(
そち
)
さへに
見捨
(
みすて
)
ずば
我
(
わ
)
が
生涯
(
しやうがい
)
の
幸福
(
かうふく
)
ぞと、
忝
(
かたじ
)
けなき
仰
(
おほ
)
せ
承
(
うけたま
)
はりてよりいとゞ
狂
(
くる
)
ふ
心
(
こゝろ
)
止
(
とめ
)
がたく、
口
(
くち
)
にするは
今日
(
けふ
)
始
(
はじ
)
めてなれど
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
時
(
とき
)
に
扇子使
(
あふぎづか
)
ひの
手
(
て
)
を
留
(
と
)
めて、
默拜
(
もくはい
)
した、
常光院
(
じやうくわうゐん
)
の
閻王
(
えんわう
)
は、
震災後
(
しんさいご
)
、
本山
(
ほんざん
)
長谷寺
(
はせでら
)
からの
入座
(
にふざ
)
だと
承
(
うけたま
)
はつた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一斉にスッパ抜いているという風評を
承
(
うけたま
)
わった位ですが……これは
寧
(
むし
)
ろ外務省の機密局か、もしくは
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「御経を
承
(
うけたま
)
わり申した嬉しさに、せめて
一語
(
ひとこと
)
なりとも御礼申そうとて、
罷
(
まか
)
り
出
(
いで
)
たのでござる。」
道祖問答
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
當分
(
たうぶん
)
押込
(
おしこめ
)
置
(
おき
)
て
猶
(
なほ
)
助
(
たすけ
)
候半んと存ぜし中相役の立花左仲と申者竊に
主人
(
しゆじん
)
と申合せ
絞殺
(
しめころ
)
し其儀に付右等の儀は全く
後
(
あと
)
にて
承
(
うけたま
)
はりたる
事
(
こと
)
ゆゑ萬事の儀ども
相違
(
さうゐ
)
仕つりて候と申
立
(
たて
)
けるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
承
(
うけたま
)
わりますれば、殿様がお成りあそばされたそうで、さぞお疲れの事と存じます」
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかし、段々と、お話を
承
(
うけたま
)
わっていますと、それにも道理のあること、と
合点
(
がてん
)
したのでございます。この方は、私が最初に推量いたしましたように、名ある資産家の御隠居さまでございました。
両面競牡丹
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
何卒
(
なにとぞ
)
余所
(
よそ
)
ながらも
承
(
うけたま
)
はり
度
(
たく
)
存上候
(
ぞんじあげさふらふ
)
は、長々
御信
(
おんたより
)
も無く居らせられ候
御前様
(
おんまへさま
)
の
是迄
(
これまで
)
如何
(
いか
)
に
御過
(
おんすご
)
し
被遊候
(
あそばされさふらふ
)
や、さぞかし
暴
(
あら
)
き
憂世
(
うきよ
)
の波に
一方
(
ひとかた
)
ならぬ
御艱難
(
ごかんなん
)
を
遊
(
あそば
)
し候事と、思ふも
可恐
(
おそろし
)
きやうに
存上候
(
ぞんじあげさふらふ
)
を
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「いや、今
承
(
うけたま
)
わって思い当ったんです。矢っ張り凄いな、吉川君は」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
名所
(
などころ
)
とほど(程)などを
承
(
うけたま
)
はり候へ 殿へも申合せさうらふべく候
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大きな事を言やがる。お上の御用を
承
(
うけたま
)
はる者が、
手弄
(
てなぐさみ
)
などしちやならねえと、あれほどやかましく言つて居るぢやないか」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
因
(
よ
)
ってその人物を
承
(
うけたま
)
わると、もとは
家老
(
かろう
)
だったが今では
家令
(
かれい
)
と改名して依然として生きていると何だか妙な事を答える。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「討手を
承
(
うけたま
)
わるほどの人々の、何んという
穢
(
きたな
)
き振る舞いぞ、あなたよりおいでないならば、こなたより推参
仕
(
つかまつ
)
る!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
はい。男「
少々
(
せう/\
)
物
(
もの
)
が
承
(
うけたま
)
はりたうございますが、
此処
(
こゝ
)
は
何処
(
どこ
)
ですね。女「
此処
(
こゝ
)
は六
道
(
だう
)
の
辻
(
つじ
)
でございますよ。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“承”の意味
《名詞》
承(しょう)
漢詩の起承転結の一つ。承句。
(出典:Wiktionary)
“承”の解説
承(しょう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
承
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“承”を含む語句
承知
承諾
承引
治承
承合
御承知
承塵
承久
不承無承
不承知
御承引
承認
不承
承香殿
承禎
承応
伝承
承元
不承不精
不承々々
...