此樣このやう)” の例文
新字:此様
わしだんずることも出來でけうずれ、このやうに頭髮かみのけ掻毟かきむしって、ま此樣このやう地上ぢびたたふれて、まだらぬ墓穴はかあなしゃくることも出來でけうずれ!
ひとうへつものはだけ苦勞くらうおほく、里方さとかた此樣このやう身柄みがらでは猶更なほさらのことひとあなどられぬやうの心懸こゝろがけもしなければるまじ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はふ道理だうり無茶苦茶むちやくちや犬畜生いぬちくしやうのやうなこゝろであらう、此樣このやうないたづらの畜生ちくしやうをば、御存ごぞんじのこととててんにもにもいかのやうに可愛かあいがつてくだすつて
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さて、此樣このやう行裝ぎゃうさうで、彼奴きゃつ毎夜々々まいよ/\戀人共こひびとども頭腦あたまなか馳𢌞かけまはると、それがたちま種々さま/″\ゆめとなる。
むかしともといふうちにもこれはわすられぬ由縁ゆかりのあるひと小川町をがはまち高坂かうさかとて小奇麗こぎれい烟草屋たばこや一人息子ひとりむすこいま此樣このやういろくろられぬをとこになつてはれども
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
パリス 今朝けさかほうれしさをば、ひさしう待焦まちこがれてをったに、此樣このやうさまようとは!
らうかりふでずさびに、此樣このやうよびよいものいてれたるまちといふをば引出ひきいだしぬ、をんな容貌きりようきにこそ諸人しよにんあいけて果報くわほうこのうへものなれ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このうまりしが大將たいしやう説明はなせば、雀躍こをどりしてよろこび、ぼく成長おほきくならば素晴すばらしき大將たいしやうり、ぞくなどはなんでもなくち、そして此樣このやう書物ほんかれるひとりて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れはいづれも取止とりとめのとりこし苦勞くろう御座ござりませうけれど、うでも此樣このやうのするをなにとしたら御座ござりますか、唯々たゞ/\こゝろぼそう御座ござりますとてうちなくに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしのやうにまはりはこと/″\心得こゝろえちがひばかりで出來上できあがつて、ひとつとして取柄とりえこまものでも、こゝろとしてをかしたつみいほどに、これ此樣このやう可愛かあいらしいうつくしい
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
友仙いうぜんおびぢりめんのおびあげも人手ひとでりずにばしこくめたる姿すがた不圖ふとたるには此樣このやう病人びやうにんともおもるまじきうつくしさ、兩親ふたおや見返みかへりて今更いまさらなみだぐみぬ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いま原田はらだ嫁入よめいりのことにはつたれど、其際そのきはまでもなみだがこぼれてわすれかねたひとわたしおもふほどは此人このひとおもふて、ゆゑ破滅はめつかもれぬものを、此樣このやう丸髷まるまげなどに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さとしわれながらあきれるばかり、天晴あつぱ未來みらい文學者ぶんがくしや此樣このやうのことにて如何どうなるものぞと、しかりつけるあとよりこヽろふらふらとるに、是非ぜひもなし是上このうへはと下宿げしゆく世帶しよたい一切いつさいたヽみて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よ、おまへ此樣このやう病氣びやうきになつてから、お父樣とつさんもお母樣つかさん一晩ひとばんもゆるりとおやすみになつたことはない、おつかれなされておせなされて介抱かいはうしてくださるのを孝行かう/\のおまへ何故なぜわからない
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其都度そのつど紛失物ふんしつもの出來できますやら品物しなもの破損はそんなどはおびたゞしいことで、うすれば此樣こんなに不人情ふにんじやうものばかり寄合よりあふのか、世間一體せけんいつたい此樣このやう不人情ふにんじやうなものか、それともわたし一人ひとりなげかせやうといふので
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもへばたつとき御勉強ごべんきやうざかりをれなどのためにとは何事なにごとぞや、いよいよこひあさましきもの果敢はかなきものくきもの、生涯しやうがい此樣このやうかなしく、ひとはれぬものおもふも、あさましきこひゆゑぞかし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
萬一もしにそぐなはぬことならばとあんじられまして、此事このことをおもふに今宵こよひさびしきことてもちてもあられぬほどのなさけなさより、ふてはならぬとぞんじましたれど、此樣このやう申上まうしあげ仕舞しまひました
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まへ此樣このやう本心ほんしん取亂とりみだして御兩親ごりやうしんなげきをかけるとふはわからぬではないか、れにたいしておまへ處置しよち無情むじやうであつたもれはけつしてうらんではなかつた、れは道理だうりつてをとこであらう、な
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ざうといふかよ番頭ばんとうふでにて此樣このやうむかぶみいやとはひがたし。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手早てばやりておわすあそばしたかととりすがりてるゝ燒野やけの雉子きゞす我子わがこならねどつながるえんとてはゝをんなこゝろよわくオヽおたかいなたかどのかなんとして此樣このやうところたづねてれましたとおろ/\なみだこゑきゝけてや膝行出いざりいづる儀右衞門ぎゑもんはくぼみしにキツとにらみてコレなに
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)