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所詮
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しよせん
ふりがな文庫
“
所詮
(
しよせん
)” の例文
其
(
それ
)
にあなたも
舊
(
もと
)
と
違
(
ちが
)
つて、
今
(
いま
)
のやうな
御身分
(
おみぶん
)
でせう、
所詮
(
しよせん
)
叶
(
かな
)
はないと
斷
(
あきら
)
めても、
斷
(
あきら
)
められないもんですから、あなた
笑
(
わら
)
つちや
厭
(
いや
)
ですよ。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し平八郎の言ふことは、年来
暗示
(
あんじ
)
のやうに此
爺
(
ぢ
)
いさんの心の上に働く習慣になつてゐるので、ことわることは
所詮
(
しよせん
)
出来ない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
されど全く身に覚えなき事なれば大いに仰天
仕
(
つかまつり
)
、さま/″\に歎き悲しみけれども更にお聴入なく、今は
所詮
(
しよせん
)
逃れぬところと覚悟を極め候が
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
深
(
ふか
)
く
隱
(
かく
)
し是まで
恙
(
つゝが
)
なく
置
(
おき
)
しは
全
(
まつた
)
く我が恩なり因て我に從ひ申すべし
所詮
(
しよせん
)
喜八が命は
助
(
たす
)
からぬなりと云ひければお梅は大いに驚きしが是は粂之進我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
麻利耶観音、(蘭人に)聞いてゐたらうね? わたしの言葉さへ通らないのだから、
所詮
(
しよせん
)
お前の願ひはかなはないよ。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「念珠集」は、
所詮
(
しよせん
)
『わたくしごと』の記に過ぎないから、これは『秘録』にすべきものであつた。それであるから、僕の友よ、どうぞ
怒
(
いか
)
らずに欲しい。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
牛の性質を
克
(
よ
)
く暗記して居るといふ丈では、
所詮
(
しよせん
)
あの
烏帽子
(
ゑぼし
)
ヶ
嶽
(
だけ
)
の深い
谿谷
(
たにあひ
)
に長く住むことは出来ない。気候には堪へられても、
寂寥
(
さびしさ
)
には堪へられない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして決心致したので御座います、私は兼ねて
愚父
(
ちゝ
)
から多少の地所と財産とを譲り受けて居りまするので、
所詮
(
しよせん
)
不義の結果の財産のですから、一には
贖罪
(
しよくざい
)
の為め
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
所詮
(
しよせん
)
は紐に結はへられた猿の自由であつたが。しかし彼女はその自由を利用しようとはしなかつた。いつも、三尺四方の呼び込み口に坐つて、薄暗く靜まつてゐた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
所詮
(
しよせん
)
事業は後に置かざるべからず、
若
(
も
)
し文学を事業といふ標率の上より論ずれば、政治上の論文を書く小新聞の雇記者は、大概の詩人小説家より上に置かざるべからず
賤事業弁
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
この所証を幾分にても世に
宣
(
の
)
べ伝ふるは、吾が貴き一分の使命の存する所にあらずや。げにや、悟といひ見証といふもの、
所詮
(
しよせん
)
は言説の伝へ得べき限りにあらざるべし。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
其意味
(
そのいみ
)
の
繋
(
つな
)
がらぬ、
辻妻
(
つじつま
)
の
合
(
あ
)
はぬ
話
(
はなし
)
は、
所詮
(
しよせん
)
筆
(
ふで
)
にする
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬのであるが、
彼
(
かれ
)
の
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
を
撮
(
つま
)
んで
云
(
い
)
へば、
人間
(
にんげん
)
の
卑劣
(
ひれつ
)
なること、
壓制
(
あつせい
)
に
依
(
よ
)
りて
正義
(
せいぎ
)
の
蹂躙
(
じうりん
)
されてゐること
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
又一方には
貸倒
(
かしだふれ
)
の損耗あるを思へば、
所詮
(
しよせん
)
仆
(
たふ
)
し、仆さるるは
商
(
あきなひ
)
の習と、お峯は
自
(
おのづか
)
ら
意
(
こころ
)
を強うして、この
老女
(
ろうによ
)
の
狂
(
くるひ
)
を発せしを、夫の
為
(
な
)
せる
業
(
わざ
)
とは
毫
(
つゆ
)
も思ひ
寄
(
よす
)
るにあらざりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
行者を信じる兄も、行者を信じない弟も、
所詮
(
しよせん
)
は水かけ論に過ぎないので、ゆふ飯を境にしてその議論も自然物別れになつてしまつたが、要次郎の胸はまだ納まらなかつた。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
で、たれこめた沈默が今また
邸
(
やしき
)
の中を支配してしまふと、もう一度
睡眠
(
ねむり
)
が私に歸つて來るのが感じられたけれども
所詮
(
しよせん
)
その夜は眠るやうに運命づけられてはゐなかつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
だつて
何
(
ど
)
うもすみませんもの。すむのすまないのとそんなこと
気
(
き
)
にするより一
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
く
癒
(
よ
)
くなつて
呉
(
く
)
れるがいゝ。
御親切
(
ごしんせつ
)
に
有難
(
ありがた
)
うございますですが
今度
(
こんど
)
は
所詮
(
しよせん
)
癒
(
なほ
)
るまいと
思
(
おも
)
ひます。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晴代は
所詮
(
しよせん
)
駄目だといふ気がしたが、それも二人の大きな
亀裂
(
ひゞ
)
であつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
所詮
(
しよせん
)
此の経を
一〇一
魔道に
回向
(
ゑかう
)
して、恨をはるかさんと、一すぢにおもひ定めて、
指
(
ゆび
)
を
破
(
やぶ
)
り血をもて
願文
(
ぐわんもん
)
をうつし、経とともに
一〇二
志戸
(
しと
)
の海に
沈
(
しづ
)
めてし後は、人にも
見
(
まみ
)
えず深く
閉
(
と
)
ぢこもりて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
其処
(
そこ
)
でもう
所詮
(
しよせん
)
叶
(
かな
)
はぬと
思
(
おも
)
つたなり、これは
此
(
こ
)
の
山
(
やま
)
の
霊
(
れい
)
であらうと
考
(
かんが
)
へて、
杖
(
つえ
)
を
棄
(
す
)
てゝ
膝
(
ひざ
)
を
曲
(
ま
)
げ、じり/\する
地
(
つち
)
に
両手
(
りやうて
)
をついて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
今以而
(
いまもつて
)
全快と申には
無御座候而
(
ござなくさふらうて
)
、少々
麻痺
(
まひ
)
仕候氣味に御座候へ共、老體のこと故、元の通りには
所詮
(
しよせん
)
なるまいと、
其
(
その
)
儘
(
まゝ
)
に
而
(
て
)
此節は療治もやめ申候」
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
モネの
薔薇
(
ばら
)
を
真
(
しん
)
と云ふか、雲林の松を
仮
(
か
)
と云ふか、
所詮
(
しよせん
)
は言葉の意味次第ではないか? わたしはこの図を眺めながら、そんな事も考へた覚えがある。
支那の画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
して廻り場へ
出行
(
いでゆき
)
けり
跡
(
あと
)
には七助お梅に
對
(
むか
)
ひ
所詮
(
しよせん
)
其方
(
そなた
)
も旦那は
嫌
(
いや
)
なるべし
我
(
われ
)
取持
(
とりもち
)
せん事も
骨折損
(
ほねをりぞん
)
出來ぬ時は
却
(
かへ
)
つて
首尾
(
しゆび
)
惡
(
わろ
)
し然らば其方には少しも早く此處を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
医者の話によると、身体の
衰弱
(
おとろへ
)
は一通りで無い。
所詮
(
しよせん
)
助かる見込は有るまいとのことである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
レニンの病気もその後悪いさうだが、追つかけ死ぬだらう。臨終の近くに誰かがどういふ言葉かを掛けるだらう。それが
所詮
(
しよせん
)
、
希臘
(
ギリシヤ
)
加特利
(
カトリツク
)
教の儀式の代弁ならつまらぬなどとも私は思つた。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
嫁
(
よめ
)
になどゝは
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬことなり
芳之助
(
よしのすけ
)
は
兎
(
と
)
もあれ
我
(
わ
)
れ
許
(
ゆる
)
さずと
御立腹
(
ごりつぷく
)
の
數々
(
かず/\
)
それいさゝかも
御無理
(
ごむり
)
ならねどお
前
(
まへ
)
さまと
縁
(
えん
)
きれて
此世
(
このよ
)
何
(
なん
)
の
樂
(
たの
)
しからずつらき
錦野
(
にしきの
)
がこともあり
所詮
(
しよせん
)
は
此命
(
このいのち
)
一
(
ひと
)
つぞと
覺悟
(
かくご
)
の
道
(
みち
)
も
同
(
おな
)
じやうに
行逢
(
ゆきあ
)
つてお
前
(
まへ
)
さまのお
心
(
こゝろ
)
伺
(
うかゞ
)
へば
其通
(
そのとほ
)
りとか
今更
(
いまさら
)
御違背
(
ごゐはい
)
のある
筈
(
はず
)
なし
私
(
わたし
)
は
嬉
(
うれ
)
しう
存
(
ぞん
)
じますを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれども
其
(
それ
)
を
話
(
はな
)
すとなると、それ
行
(
ゆ
)
け、
救
(
すく
)
へで、
松明
(
たいまつ
)
を
振
(
ふ
)
り、
鯨波
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
を
揚
(
あ
)
げて
騒
(
さわ
)
ぐ、
騒
(
さわ
)
いだ
処
(
ところ
)
で
所詮
(
しよせん
)
駄目
(
だめ
)
です。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
家來筋と
言
(
いは
)
るゝや
死人
(
しにん
)
に口なし
所詮
(
しよせん
)
爰
(
こゝ
)
にて
兎
(
と
)
や
角
(
かく
)
云とも
理非
(
りひ
)
は
解
(
わか
)
らず
夜
(
よ
)
明
(
あけ
)
なば
是非
(
ぜひ
)
にも
駿州
(
すんしう
)
まで同道なし
善惡
(
ぜんあく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
翌朝
(
よくてう
)
知縣
(
ちけん
)
に
送
(
おく
)
られて
出
(
で
)
た。けふもきのふに
變
(
かは
)
らぬ
天氣
(
てんき
)
である。一
體
(
たい
)
天台
(
てんだい
)
一
萬
(
まん
)
八千
丈
(
ぢやう
)
とは、いつ
誰
(
たれ
)
が
測量
(
そくりやう
)
したにしても、
所詮
(
しよせん
)
高過
(
たかす
)
ぎるやうだが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
虎
(
とら
)
のゐる
山
(
やま
)
である。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
所で遂には「きりしとほろ」も、あまりの重さに圧し伏されて、
所詮
(
しよせん
)
はこの流沙河に命を
殞
(
おと
)
すべいと覚悟したが、ふと耳にはいつて来たは、例の聞き慣れた四十雀の声ぢや。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私も一度は従軍記者として出掛けたいといふ希望を起したが、斯ういふ田舎に居てその機会を
捉
(
とら
)
へることは、
所詮
(
しよせん
)
不可能だとあきらめた。私には私の気質に
適
(
かな
)
つたことが有る。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
水
(
みづ
)
も
白
(
しろ
)
く
夜
(
よ
)
も
明
(
あかる
)
く
成
(
な
)
つた……お
浦
(
うら
)
の
行方
(
ゆくへ
)
も
知
(
し
)
れ、
其
(
そ
)
の
在所
(
ありか
)
も
分
(
わか
)
り、
草鞋
(
わらぢ
)
や
松明
(
たいまつ
)
で
探
(
さぐ
)
つた
処
(
ところ
)
で、
所詮
(
しよせん
)
無駄
(
むだ
)
だと
断念
(
あきらめ
)
も
着
(
つ
)
く……
其
(
それ
)
に、
魔物
(
まもの
)
の
手
(
て
)
から
女房
(
にようばう
)
を
取返
(
とりかへ
)
す
手段
(
しゆだん
)
も
出来
(
でき
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
左の脇腹に三寸余り
切先
(
きつさき
)
が
這入
(
はひ
)
つたので、
所詮
(
しよせん
)
助からぬと
見極
(
みきは
)
めて、平八郎が
介錯
(
かいしやく
)
した。渡辺は色の白い、少し歯の出た、温順篤実な男で、年齢は
僅
(
わづか
)
に四十を越したばかりであつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
所詮
(
しよせん
)
が
嵩
(
かう
)
じて、
眞暗
(
まつくら
)
がり。
我
(
わ
)
が
掌
(
てのひら
)
は
見
(
み
)
えいでも、
歴々
(
あり/\
)
と、
影
(
かげ
)
は
映
(
うつ
)
る、
燈
(
あかり
)
を
消
(
け
)
しても
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
筆者は正月三日
後
(
ご
)
に風を引いて持病が起つて寝てゐるので、渡辺を
以
(
もつ
)
て首領にことわらせた。
此体
(
このてい
)
では事を挙げられる日になつても
所詮
(
しよせん
)
働く事は出来ぬから、切腹して
詫
(
わ
)
びようと云つたのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これまで幾度謝罪をして
進
(
あ
)
げましても、お前様の料簡が直らないから、もうもう何と謂つたつて
御肯入
(
おきゝい
)
れなさらない、
妾
(
わたし
)
が謂つたつて
所詮
(
しよせん
)
駄目です、あゝ、余り
酷
(
ひど
)
うございますよ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“所詮”の意味
《名詞》
つまるところ。最後に行き着く所。
(仏教)経文などによって表される道理。
《形容動詞》
望ましくはないが、最後にはその結果に行き着くさま。つまるところは。
(出典:Wiktionary)
“所詮”の解説
所詮(しょせん)は、日本語の二字熟語の一つ。仏教においての用語、古語でもある。
(出典:Wikipedia)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
詮
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“所詮”で始まる語句
所詮人界