トップ
>
羊
>
ひつじ
ふりがな文庫
“
羊
(
ひつじ
)” の例文
おろかなる
羊
(
ひつじ
)
は草を食いながら、少しでも柔軟に、少しでも緑の草があるほうに進み、だいたいの方向も忘れて進み路を迷いやすい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
見
(
み
)
わたすと、
乳色
(
ちちいろ
)
の
雲
(
くも
)
が、ちょうど
牧人
(
ぼくじん
)
の、
羊
(
ひつじ
)
の
群
(
む
)
れを
追
(
お
)
うように、
町
(
まち
)
を
見
(
み
)
おろしながら、
飛
(
と
)
んでいくのでした。
風
(
かぜ
)
は、
彼
(
かれ
)
の
耳
(
みみ
)
もとへ
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから、ガンたちは、
羊
(
ひつじ
)
たちにわかれをつげて、カクシがオヤユビくんに見せたいという場所へ、いま、むかっているところでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
灰色
(
はいいろ
)
の
土塊
(
どかい
)
が長く
幾畦
(
いくあぜ
)
にもなっているかと思うと、急にそれが動きだしたので、よく見ると
羊
(
ひつじ
)
の群れの
背
(
せ
)
が見えていたのでした。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
朱
(
しゆ
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、
羊
(
ひつじ
)
守
(
も
)
る
娘
(
こ
)
が、戀に惱んで
畠
(
はたけ
)
に
眠
(
ね
)
てゐる姿、
羊牧
(
ひつじかひ
)
はゆきずりに匂を吸ふ、
山羊
(
やぎ
)
はおまへに
觸
(
さは
)
つてゆく、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
「さあ、先生、それじゃお気の毒でも、いっしょにきてもらいましょうか」
屠所
(
としょ
)
にひかれる
羊
(
ひつじ
)
とは、このときの机博士のようなのをいうのであろう。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
又いにしへ
六二
ある僧
卑
(
あや
)
しき家に旅寝せしに、其の夜雨風はげしく、
灯
(
ともし
)
さへなきわびしさに
六三
いも寝られぬを、夜ふけて
羊
(
ひつじ
)
の鳴くこゑの聞えけるが
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
鵞鳥
(
がちょう
)
が遊ぶ
碧
(
あお
)
い湖、
羊
(
ひつじ
)
の群れる緑の草原、赤い屋根、白い家々。大学もそんなユウトピアの中にあります。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
その
恩滴
(
したゝり
)
は野の
牧場
(
まき
)
をうるほし、小山はみな
歓
(
よろこ
)
びにかこまる。牧場は
皆
(
みな
)
羊
(
ひつじ
)
の群を
衣
(
き
)
、もろ/\の谷は
穀物
(
たなつもの
)
におほはれたり。彼等は
皆
(
みな
)
よろこびてよばはりまた
謳
(
うた
)
ふ
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
師走
(
しはす
)
の
中頃
(
なかごろ
)
で、
淀川堤
(
よどがはづつみ
)
には
冬枯
(
ふゆが
)
れの
草
(
くさ
)
が
羊
(
ひつじ
)
の
毛
(
け
)
のやうでところ/″\に
圓
(
まる
)
く
燒
(
や
)
いた
痕
(
あと
)
が
黒
(
くろ
)
く
見
(
み
)
えてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
或
(
あるひ
)
は
患者
(
くわんじや
)
に
對
(
たい
)
して、
單
(
たん
)
に
形式以上
(
けいしきいじやう
)
の
關係
(
くわんけい
)
を
有
(
も
)
たぬやうに
望
(
のぞ
)
んでも
出來
(
でき
)
ぬやうに、
此
(
こ
)
の
習慣
(
しふくわん
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
がさせて
了
(
しま
)
ふ、
早
(
はや
)
く
言
(
い
)
へば
彼等
(
かれら
)
は
恰
(
あだか
)
も、
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つて
羊
(
ひつじ
)
や、
牛
(
うし
)
を
屠
(
ほふ
)
り
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
清朗な光、虫の羽音、草葉のやさしい
戦
(
そよ
)
ぎ、通りゆく
羊
(
ひつじ
)
の群れの銀の鈴音、大地の力、それらのものが、自分の
聖
(
きよ
)
き運命をまだ知らないこの少年の夢想を揺っていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と忽ち、その
前檣
(
ぜんしやう
)
にさら/\と上がつたのはドイツの鉄十字! あゝ、つひに恐しい海の上の
狼
(
おほかみ
)
、「ウルフ号」は現れた。
羊
(
ひつじ
)
の皮を着た狼とは、まさしくこのことである。
怪艦ウルフ号
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
沢庵の後に
尾
(
つ
)
いて
悄々
(
しおしお
)
と歩く彼の足つきは、
屠所
(
としょ
)
の
羊
(
ひつじ
)
という形容をそのまま思わせる姿だった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
キリストの言葉に九十九のひつじをさしおいても一頭の迷える
羊
(
ひつじ
)
を救えというのがあります、あれだけ悪い家庭に育ってあれだけ悪いことをする阪井は
憎
(
にく
)
いにちがいないが
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
小川
(
おがは
)
を
描
(
か
)
いて、草をもぢや/\
生
(
は
)
やして、
其縁
(
そのふち
)
に
羊
(
ひつじ
)
を二匹
寐
(
ね
)
かして、其向ふ
側
(
がは
)
に大きな男が
洋杖
(
ステツキ
)
を持つて立つてゐる所を写したものである。男の
顔
(
かほ
)
が甚だ獰猛に出来てゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
旦那
(
だんな
)
、おおかみというやつは、
羊
(
ひつじ
)
を食うのでなく、ただおどかしてかみ殺しては喜ぶのです。一
体
(
たい
)
、羊は、千頭から三千頭までを一群にして
一人
(
ひとり
)
二人
(
ふたり
)
の番人をつけておくのです。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
命
(
いのち
)
にかへて
嘘
(
うそ
)
とは
思
(
おぼ
)
しめすまじ、それほど
度胸
(
どきよう
)
すわれど
奧
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ
行
(
ゆ
)
く
心
(
こゝろ
)
は
屠處
(
としよ
)
の
羊
(
ひつじ
)
なり。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
又
(
また
)
ギカントスは
兩脚
(
れうあし
)
が
蛇
(
へび
)
で
上半身
(
かみはんしん
)
は
人間
(
にんげん
)
、サチルスは
兩脚
(
れうあし
)
は
羊
(
ひつじ
)
で
上半
(
かみはん
)
が
人間
(
にんげん
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
『
縱令
(
よし
)
、それが
全
(
まつた
)
く
卵
(
たまご
)
を
孵
(
かへ
)
す
邪魔
(
じやま
)
をしないにせよ』と
云
(
い
)
つて
鳩
(
はと
)
は、『それにしても、
私
(
わたし
)
は
晝夜
(
ちうや
)
蛇
(
へび
)
を
見張
(
みは
)
らなければならない!さう
云
(
い
)
へば、
私
(
わたし
)
はこの三
週間
(
しうかん
)
些
(
ちツ
)
とも
羊
(
ひつじ
)
の
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
ないが!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
羊
(
ひつじ
)
のシチュー 冬付録 病人の食物調理法の「第百二十四 羊のシチュー」
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
暫
(
しばら
)
くすると
今
(
いま
)
其奴
(
そやつ
)
が
正面
(
しやうめん
)
の
戸
(
と
)
に
近
(
ちかづ
)
いたなと
思
(
おも
)
つたのが、
羊
(
ひつじ
)
の
啼声
(
なきごゑ
)
になる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
帯
(
おび
)
のなかに
金
(
きん
)
・
銀
(
ぎん
)
または
銭
(
ぜに
)
を
持
(
も
)
つな。
旅
(
たび
)
の
嚢
(
ふくろ
)
も、
二枚
(
にまい
)
の
下衣
(
したぎ
)
も、
鞋
(
くつ
)
も、
杖
(
つえ
)
も
持
(
も
)
つな。
視
(
み
)
よ、
我
(
われ
)
なんじらを
遣
(
つかわ
)
すは、
羊
(
ひつじ
)
を
豺狼
(
おおかみ
)
のなかに
入
(
い
)
るるが
如
(
ごと
)
し。この
故
(
ゆえ
)
に
蛇
(
へび
)
のごとく
慧
(
さと
)
く、
鴿
(
はと
)
のごとく
素直
(
すなお
)
なれ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
打ちますにしろがねの鞭うつくしき愚かよ泣くか名にうとき
羊
(
ひつじ
)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
面澁
(
おもしぶ
)
る
唖
(
おし
)
の
羊
(
ひつじ
)
の
輩
(
ともがら
)
は
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
それが十八世紀になりますと、
競馬用
(
けいばよう
)
の
駿馬
(
しゅんめ
)
を
飼
(
か
)
っている
飼養場
(
しようじょう
)
や、いく百という
羊
(
ひつじ
)
のむらがっている
飼羊場
(
しようじょう
)
となりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
こういう意味において表裏の差を生ずるはもちろん望ましからぬことで、いわゆる
狼
(
おおかみ
)
が
羊
(
ひつじ
)
の皮を
被
(
かぶ
)
るがごときもの、俗にいう
猫
(
ねこ
)
を
被
(
かぶ
)
るのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
男
(
おとこ
)
どもは、
牛
(
うし
)
や、
羊
(
ひつじ
)
を
追
(
お
)
って、
月
(
つき
)
の
下
(
した
)
のかすんだ
道
(
みち
)
を
帰
(
かえ
)
ってゆきました。
女
(
おんな
)
たちは、
花
(
はな
)
の
中
(
なか
)
で
休
(
やす
)
んでいました。
月とあざらし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
或
(
あるい
)
は
患者
(
かんじゃ
)
に
対
(
たい
)
して、
単
(
たん
)
に
形式以上
(
けいしきいじょう
)
の
関係
(
かんけい
)
をもたぬように
望
(
のぞ
)
んでも
出来
(
でき
)
ぬように、この
習慣
(
しゅうかん
)
と
云
(
い
)
う
奴
(
やつ
)
がさせてしまう、
早
(
はや
)
く
言
(
い
)
えば
彼等
(
かれら
)
は
恰
(
あだか
)
も、
庭
(
にわ
)
に
立
(
た
)
って
羊
(
ひつじ
)
や、
牛
(
うし
)
を
屠
(
ほふ
)
り
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
かれは
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した。それはさながら群がるとらの前にでた
羊
(
ひつじ
)
のごとく弱々しい態度であった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
かつて美禰子と一所に秋の
空
(
そら
)
を見た事もあつた。所は広田先生の二階であつた。
田端
(
たばた
)
の小川の
縁
(
ふち
)
に
坐
(
すは
)
つた事もあつた。其時も
一人
(
ひとり
)
ではなかつた。
迷羊
(
ストレイシープ
)
。
迷羊
(
ストレイシープ
)
。
雲
(
くも
)
が
羊
(
ひつじ
)
の
形
(
かたち
)
をしてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
羊
(
ひつじ
)
の
肉
(
にく
)
冬 第三百五十二 豚と
犢
(
こうし
)
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
チョウのかたいせなかにあたる、この上では、
羊
(
ひつじ
)
や牛や子馬が、ぶらぶらしているだけで、鳥にしても、ナベゲリとチドリが住んでいるっきりさ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
世間の批評が我々の行為を抑制することは、あたかも
羊
(
ひつじ
)
の群れを監督するために
羊犬
(
シェファードドッグ
)
を付けるがごとくである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「なにが
怖
(
こわ
)
いことがある。あれは
羊
(
ひつじ
)
だ。
草
(
くさ
)
を
食
(
た
)
べさせに百
姓
(
しょう
)
がつれてゆくのだ。よけてやれば、おとなしく
前
(
まえ
)
を
通
(
とお
)
ってゆく。」と、おばあさんは
答
(
こた
)
えました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
らくだや、
羊
(
ひつじ
)
に、
荷
(
に
)
をつけて、
彼
(
かれ
)
らは、
砂漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
をあるいていきました。
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
同
(
おな
)
じような
単調
(
たんちょう
)
な
景色
(
けしき
)
がつづきました。そして、むし
熱
(
あつ
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いていました。
砂漠の町とサフラン酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
は、さびしい、あまり
人
(
ひと
)
の
通
(
とお
)
らない
田舎路
(
いなかみち
)
を、どこまでもまっすぐに
歩
(
ある
)
いてゆきました。すると、あちらから、
一人
(
ひとり
)
の百
姓
(
しょう
)
が、二
頭
(
とう
)
の
羊
(
ひつじ
)
を
引
(
ひ
)
いて、こちらにきかかりました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おばあさんと
子供
(
こども
)
は、
路
(
みち
)
の
片端
(
かたはし
)
によって、百
姓
(
しょう
)
と
羊
(
ひつじ
)
を
通
(
とお
)
してやりました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ぼくのも
白
(
しろ
)
いね。この
筆
(
ふで
)
の
毛
(
け
)
は、やはり
羊
(
ひつじ
)
でない。」
山に雪光る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そう、
羊
(
ひつじ
)
の
毛
(
け
)
だ。」
山に雪光る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“羊”の意味
《名詞》
ひつじ。食肉用又は毛を糸又は織物の原料とするため飼育される中型の家畜。
(出典:Wiktionary)
“羊(ヒツジ)”の解説
ヒツジ(羊、綿羊、学名Ovis aries)は、ウシ科ヤギ亜科の鯨偶蹄目である。角を持ち、主に羊毛のために家畜化されている。
(出典:Wikipedia)
羊
常用漢字
小3
部首:⽺
6画
“羊”を含む語句
羚羊
羊皮
山羊
羊腸
羊飼
羊皮紙
仔山羊
迷羊
白羊宮
羊羹
羊歯
羊羹色
小羊
仔羊
野羊
牡羊
煉羊羹
綿羊
羊羮
亡羊
...