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此儘
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このまゝ
ふりがな文庫
“
此儘
(
このまゝ
)” の例文
腐敗
(
くさ
)
り易き盛りと云い
殊
(
こと
)
に我国には仏国
巴里府
(
ぱりふ
)
ルー、モルグに
在
(
あ
)
る如き死骸陳列所の設けも無きゆえ
何時
(
いつ
)
までも
此儘
(
このまゝ
)
に捨置く可きに非ず
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
國民
(
こくみん
)
の
消費節約
(
せうひせつやく
)
の
程度
(
ていど
)
が
此儘
(
このまゝ
)
で
持續
(
ぢぞく
)
すれば、
初
(
はじめ
)
て
日本
(
にほん
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
の
基礎
(
きそ
)
は
安固
(
あんこ
)
なものになる、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つて
宜
(
よ
)
いのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
此儘
(
このまゝ
)
下らない作者に
堕
(
お
)
ちて了ふのは、余りに惜しい芸術的素質が自分にはある
筈
(
はず
)
だ。併し自分の創作が思ふまゝにできる日はいつ来るであらう。
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
が、久し振りで湯に入った
故
(
せい
)
か、何となく眠気がさして、
此儘
(
このまゝ
)
床に入って、肩の凝らない雑誌でも、読もうかと云う気にもなりました。丁度その時でした。
たちあな姫
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
こんな
口惜
(
くやし
)
いことは御座いません、
此儘
(
このまゝ
)
死にましては草葉の蔭の奥様に御合せ申す顔が無いので御座います
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
ロミオ けふの
此
(
この
)
惡運
(
あくうん
)
は
此儘
(
このまゝ
)
では
濟
(
す
)
むまい。これは
只
(
たゞ
)
不幸
(
ふしあはせ
)
の
手始
(
てはじめ
)
、つゞく
不幸
(
ふかう
)
が
此
(
この
)
結局
(
しまつ
)
をせねばならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
變て扨は私を
慰
(
なぐさ
)
み者にして女房にもせず金も出さずお前は
構
(
かま
)
はぬ
了簡
(
れうけん
)
成ん其心ならば私も
此儘
(
このまゝ
)
には
濟
(
すま
)
し
難
(
がた
)
し
迚
(
とて
)
も生ては居られねば此通り
旦那樣
(
だんなさま
)
に申上お前の首へも繩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「色々奔走したが
出来
(
でき
)
ないんだから仕方がない。已を得なければ今月末迄
此儘
(
このまゝ
)
にして置かう」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
上人
(
しやうにん
)
は
頷
(
うなづ
)
いて、
私
(
わし
)
は
中年
(
ちうねん
)
から
仰向
(
あふむ
)
けに
枕
(
まくら
)
に
着
(
つ
)
かぬのが
癖
(
くせ
)
で、
寐
(
ね
)
るにも
此儘
(
このまゝ
)
ではあるけれども
目
(
め
)
は
未
(
ま
)
だなか/\
冴
(
さ
)
えて
居
(
を
)
る、
急
(
きふ
)
に
寐着
(
ねつ
)
かれないのはお
前様
(
まへさま
)
と
同一
(
おんなし
)
であらう。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
何事
(
なにごと
)
かの
手段
(
しゆだん
)
かも
知
(
し
)
れたことならず
優
(
やさ
)
しげな
妹御
(
いもとご
)
も
當
(
あ
)
てにならぬよし
折々
(
をり/\
)
見
(
み
)
たこともあり
毒蛇
(
どくじや
)
のやうな
人々
(
ひと/″\
)
信用
(
しんよう
)
なさるお
心
(
こゝろ
)
には
何
(
なに
)
ごと
申
(
まを
)
すとも
甲斐
(
かひ
)
はあるまじさりとて
此儘
(
このまゝ
)
に
日
(
ひ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
だから妾、自分が救はれようなんぞとは夢にも望んでゐなくつてよ。却つて救はれない事を望みますわ。讃美しますわ! 本当によ! 妾は
此儘
(
このまゝ
)
で地獄に堕ちて行けば本望なんですの。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
『もう
何事
(
なにごと
)
も
爲
(
な
)
さりますな。
妾
(
わたくし
)
も、
日出雄
(
ひでを
)
も、
此儘
(
このまゝ
)
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
と
消
(
き
)
えても、
决
(
けつ
)
して
未練
(
みれん
)
に
助
(
たす
)
からうとは
思
(
おも
)
ひませぬ。』と
白※薇
(
はくさうび
)
のたとへば
雨
(
あめ
)
に
惱
(
なや
)
めるが
如
(
ごと
)
く、しみ/″\と
愛兒
(
あいじ
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
金
(
かね
)
を
腹
(
はら
)
ん
中
(
なか
)
い
入
(
い
)
れちまつてモウ
誰
(
たれ
)
にも取られる
気遣
(
きづかひ
)
がないから安心して死んだのだが
何
(
ど
)
うも
強慾
(
がうよく
)
な
奴
(
やつ
)
もあつたもんだな、
是
(
これ
)
が
所謂
(
いはゆる
)
有財餓鬼
(
うざいがき
)
てえんだらう、
何
(
なに
)
しろ
此儘
(
このまゝ
)
葬
(
はう
)
むつて
了
(
しま
)
ふのは
惜
(
をし
)
いや
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『面倒臭い
此儘
(
このまゝ
)
で
食
(
く
)
ふ、お
燗
(
かん
)
は
最早
(
もう
)
可
(
い
)
いだらう。』
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
有りもせぬ
銭
(
ぜに
)
を出し合つて病院へ入れたのですが、兼吉は、
此儘
(
このまゝ
)
にしては、廿世紀の工業の耻辱であると云ふので、其の腕を
携
(
たづさ
)
へて、社長の宅へ面談に参つたのです
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
見たらしき者はなきやと聞に下女は
考
(
かんが
)
へ夫も彦兵衞殿より外に見た者は無と申
故
(
ゆゑ
)
偖
(
さて
)
は下女の留守を知て
奪
(
うば
)
ひ取たるに
疑
(
うたが
)
ひなし
左右
(
とかく
)
此儘
(
このまゝ
)
には指置難しとて
早々
(
さう/\
)
其段
訴
(
うつた
)
へ出檢使を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(
嬢様
(
ぢやうさま
)
そんなら
此儘
(
このまゝ
)
で
私
(
わし
)
参
(
まゐ
)
りやする、はい、
御坊様
(
おばうさま
)
に
沢山
(
たくさん
)
御馳走
(
ごちさう
)
して
上
(
あ
)
げなされ。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今
(
いま
)
吾等
(
われら
)
は、
重大
(
ぢゆうだい
)
の
使命
(
しめい
)
を
帶
(
お
)
びながら、
何時
(
いつ
)
大陸
(
たいりく
)
へ
着
(
つ
)
くといふ
目的
(
あて
)
も
無
(
な
)
く、
此儘
(
このまゝ
)
に
空中
(
くうちう
)
に
漂蕩
(
へうたう
)
して
居
(
を
)
つて、
其間
(
そのあひだ
)
に
空
(
むな
)
しく
豫定
(
よてい
)
の
期日
(
きじつ
)
を
經※
(
けいくわ
)
してしまつた
事
(
こと
)
ならば、
後悔
(
こうくわい
)
臍
(
ほぞ
)
を
噛
(
か
)
むとも
及
(
およ
)
ぶまい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ならば
此儘
(
このまゝ
)
に
死
(
し
)
にたしと
願
(
ねが
)
へど
命
(
いのち
)
は
心
(
こゝろ
)
のまゝならず
病
(
や
)
むともなく
煩
(
わづら
)
ふともなくつく/″\と
眺
(
なが
)
めてつくづくと
泣
(
な
)
く
涙
(
なみだ
)
と
空
(
そら
)
とを
意中
(
いちゆう
)
の
友
(
とも
)
として
送
(
おく
)
らねど
迎
(
むか
)
へねど
來
(
く
)
るものは
月
(
つき
)
改
(
あらた
)
まるは
歳
(
とし
)
ちりて
返
(
かへ
)
らぬ
君
(
きみ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もし
自然
(
しぜん
)
が
此儘
(
このまゝ
)
に
無爲
(
むゐ
)
の
月日
(
つきひ
)
を
驅
(
か
)
つたなら、
久
(
ひさ
)
しからぬうちに、
坂井
(
さかゐ
)
は
昔
(
むかし
)
の
坂井
(
さかゐ
)
になり、
宗助
(
そうすけ
)
は
元
(
もと
)
の
宗助
(
そうすけ
)
になつて、
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
と
崖
(
がけ
)
の
下
(
した
)
に
互
(
たがひ
)
の
家
(
いへ
)
が
懸
(
か
)
け
隔
(
へだゝ
)
る
如
(
ごと
)
く、
互
(
たがひ
)
の
心
(
こゝろ
)
も
離
(
はな
)
れ
離
(
ばな
)
れになつたに
違
(
ちがひ
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
如何
(
いか
)
に思ひても女房にはされず
偖
(
さて
)
も
當惑
(
たうわく
)
千萬と
思案
(
しあん
)
すれども元來
愚鈍
(
ぐどん
)
なる生れ付故工夫も出ず
困
(
こま
)
り切し
體
(
てい
)
を見てお兼は今更斯なりては奉公も
成難
(
なりがた
)
し若
此儘
(
このまゝ
)
切
(
きれ
)
る御心なら
手當
(
てあて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
此儘
(
このまゝ
)
篠田さん」と梅子は
却
(
かへつ
)
て怪みつ「
貴所
(
あなた
)
は入獄なさるので御座いますか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
殊
(
こと
)
に
今宵
(
こよひ
)
は
密雲
(
みつうん
)
厚
(
あつ
)
く
天
(
てん
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ、四
邊
(
へん
)
の
空氣
(
くうき
)
は
變
(
へん
)
に
重々
(
おも/\
)
しく、
丁度
(
ちやうど
)
釜中
(
ふちう
)
にあつて
蒸
(
む
)
されるやうに
感
(
かん
)
じたので、
此儘
(
このまゝ
)
船室
(
ケビン
)
に
歸
(
かへ
)
つたとて、
迚
(
とて
)
も
安眠
(
あんみん
)
は
出來
(
でき
)
まいと
考
(
かんが
)
へたので、
喫煙室
(
スモーキングルーム
)
に
行
(
ゆ
)
かんか、
其處
(
そこ
)
も
暑
(
あつ
)
し
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此儘
(
このまゝ
)
すぐにとそこ/\
身仕度
(
みじたく
)
して
庭口
(
にはぐち
)
出
(
い
)
でんとする
途端
(
とたん
)
孃
(
ぢやう
)
さま
今日
(
けふ
)
もお
出
(
で
)
かけか
何處
(
どこ
)
へぞと
勘藏
(
かんざう
)
がぎろ/\
目
(
め
)
恐
(
おそ
)
ろしけれど
臆
(
おく
)
してなるまじと
態
(
わざ
)
とつくる
笑顏
(
ゑがほ
)
愛
(
あい
)
らしく
今日
(
けふ
)
もとは
勘藏
(
かんざう
)
酷
(
ひど
)
いぞや
今日
(
けふ
)
はと
言
(
い
)
はねばてにを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
此儘
(
このまゝ
)
でも構はないわ」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
此儘
(
このまゝ
)
では」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
儘
漢検準1級
部首:⼈
16画
“此”で始まる語句
此方
此
此処
此家
此奴
此處
此所
此間
此頃
此様