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拝
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はい
ふりがな文庫
“
拝
(
はい
)” の例文
旧字:
拜
食卓に向い合って、金博士が、
王水険老師
(
おうすいけんろうし
)
を
恭々
(
うやうや
)
しく
拝
(
はい
)
しながらいった。それは老師にとって、いささか皮肉にも響く言葉であった。
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
金蓮はそのしなやかな両の腕を柳の枝のように
交叉
(
こうさ
)
して、
初見
(
しょけん
)
の
拝
(
はい
)
をしながら、濃い
睫毛
(
まつげ
)
の
翳
(
かげ
)
でチラと武松の全姿を見るふうだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾度
(
いくたび
)
幾通
(
いくつう
)
の
御文
(
おんふみ
)
を拝見だにせぬ我れ、いかばかり憎くしと
思
(
おぼ
)
しめすらん。
拝
(
はい
)
さばこの
胸
(
むね
)
寸断になりて、常の決心の消えうせん
覚束
(
おぼつか
)
なさ。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
酉陽雑俎
(
いうやうざつそ
)
に、狐
髑髏
(
どくろ
)
を
戴
(
いたゞ
)
き
北斗
(
ほくと
)
を
拝
(
はい
)
し尾を
撃
(
うち
)
て火を出すといへり。かの国はともあれ我がまさしく見しはしからず、そは
下
(
しも
)
にいふべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
教訓を、
罐詰
(
かんづめ
)
にしないで
生
(
なま
)
のままに身につけること、そうだ、そうだ、と悟浄は今一遍、
拝
(
はい
)
をしてから、うやうやしく立去った。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
此
(
こ
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
き
)
き、
此像
(
このざう
)
を
拝
(
はい
)
するにそゞろに
落涙
(
らくるゐ
)
せり。(
略
(
りやく
)
)かく
荒
(
あ
)
れ
果
(
は
)
てたる
小堂
(
せうだう
)
の
雨風
(
あめかぜ
)
をだに
防
(
ふせ
)
ぎかねて、
彩色
(
さいしき
)
も
云々
(
うん/\
)
。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
奥山を廻って観音堂へ出、階段を
上
(
のぼ
)
って
拝
(
はい
)
を済まし、戻ろうとしたその時であった、そこに立っていた
虚無僧
(
こむそう
)
の話が平八の好奇心を引き付けた。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おお
)
くも
私
(
わたくし
)
として、
天照大御神様
(
あまてらすおおみかみさま
)
、
又
(
また
)
皇孫命様
(
こうそんのみことさま
)
の
尊
(
とうと
)
い
御神姿
(
おすがた
)
を
拝
(
はい
)
し
奉
(
たてまつ
)
ったのは
実
(
じつ
)
にその
時
(
とき
)
が
最初
(
さいしょ
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
肩を叩かれて私が目を見上げますと左手に大きい
鳥居
(
とりゐ
)
があるのでした。母は車上で手を合せて
拝
(
はい
)
をして居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
元
(
もと
)
より
此度
(
このたび
)
の
御大喪
(
ごたいさう
)
は、
是迄
(
これまで
)
にない事でございますから、
何
(
ど
)
うかして
拝
(
はい
)
したいと
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りました
処
(
ところ
)
へ、
円生
(
ゑんしやう
)
と
円遊
(
ゑんいう
)
に
頼
(
たの
)
まれました
事
(
こと
)
故
(
ゆゑ
)
、
腹
(
はら
)
の
中
(
うち
)
では
其実
(
そのじつ
)
僥倖
(
さいはひ
)
で
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こうなっては凡夫も同じではないか? あの
実方
(
さねかた
)
の中将は、この神の前を通られる時、
下馬
(
げば
)
も
拝
(
はい
)
もされなかったばかりに、とうとう
蹴殺
(
けころ
)
されておしまいなすった。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
之れ予等一行に
従
(
したが
)
ふて利根
水源
(
すゐげん
)
たる世人未知の
文珠
(
もんじゆ
)
菩薩を
拝
(
はい
)
せんとする為めなり、各蕎麦粉三升を
負
(
お
)
ふ、之を
問
(
と
)
へば曰く即ち
食糧
(
しよくれう
)
にして、毎日三合
宛
(
づつ
)
之を
湯
(
ゆ
)
に入れて
呑
(
の
)
み以て
飢
(
うへ
)
を
凌
(
しの
)
ぐを得
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
牧之
(
ぼくし
)
老人は
越後
(
ゑちご
)
の
聞人
(
ぶんじん
)
なり。
甞
(
かつて
)
貞介朴実
(
ていかいぼくじつ
)
を
以
(
もつて
)
聞
(
きこ
)
え、
屡
(
しば/\
)
県監
(
けんかん
)
の
褒賞
(
はうしやう
)
を
拝
(
はい
)
して氏の
国称
(
こくしよう
)
を
許
(
ゆるさ
)
る。
生計
(
せいけい
)
の
余暇
(
よか
)
風雅
(
ふうが
)
を以四方に
交
(
まじは
)
る。余が
亡兄
(
ぼうけい
)
醒斎
(
せいさい
)
京伝の別号
翁
(
をう
)
も
鴻書
(
こうしよ
)
の
友
(
とも
)
なりしゆゑ、
余
(
よ
)
も
亦
(
また
)
是
(
これ
)
に
嗣
(
つ
)
ぐ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
握りつゝ
拝
(
はい
)
しけり。
悪夢
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
「
左少将
(
さしょうしょう
)
さまにはいつもながら、ますますご
健勝
(
けんしょう
)
のていに
拝
(
はい
)
せられまして、かげながら
主人
(
しゅじん
)
家康
(
いえやす
)
も
祝着
(
しゅうちゃく
)
にぞんじあげておりまする」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はれわたりたればいざや御
来迎
(
らいかう
)
を
拝
(
をがみ
)
たまへと案内がいふにまかせ、
拝所
(
をがむところ
)
にいたり日の
昇
(
のぼる
)
を
拝
(
はい
)
し、したくとゝのへて山をくだれり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その
本来
(
ほんらい
)
のお
姿
(
すがた
)
は
白
(
しろ
)
く
光
(
ひか
)
った
球
(
たま
)
の
形
(
かたち
)
でございますが、
余
(
よ
)
ほど
真剣
(
しんけん
)
な
気持
(
きもち
)
で
深
(
ふか
)
い
統一状態
(
とういつじょうたい
)
に
入
(
はい
)
らなければ、
私
(
わたくし
)
どもにもそのお
姿
(
すがた
)
を
拝
(
はい
)
することはできませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と生きたる主人に物云う如く
恭
(
うや/\
)
しく
拝
(
はい
)
を遂げましてから、新幡随院の玄関に掛りまして
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と、油学士は、急に
慎
(
つつ
)
しみの色を現して、醤主席を
拝
(
はい
)
したのであった。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
衆人
(
しゅうじん
)
めぐり見る中へ、其の姿をあの島の柳の上へ高く
顕
(
あらわ
)
し、大空に向つて
拝
(
はい
)
をされい。
祭文
(
さいもん
)
にも歌にも及ばぬ。
天竜
(
てんりゅう
)
、雲を
遣
(
や
)
り、
雷
(
らい
)
を放ち、雨を
漲
(
みなぎ
)
らすは、
明午
(
みょうご
)
を過ぎて
申
(
さる
)
の
上刻
(
じょうこく
)
に
分毫
(
ふんごう
)
も相違ない。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
はれわたりたればいざや御
来迎
(
らいかう
)
を
拝
(
をがみ
)
たまへと案内がいふにまかせ、
拝所
(
をがむところ
)
にいたり日の
昇
(
のぼる
)
を
拝
(
はい
)
し、したくとゝのへて山をくだれり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「そのおり、よそながら
一学
(
いちがく
)
は、おすがたを
拝
(
はい
)
しておりましたが、わずか一年のうちに、見ちがえるばかりなご
成長
(
せいちょう
)
……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右
(
みぎ
)
の
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
い
終
(
おわ
)
ると
共
(
とも
)
に、いつしか
私
(
わたくし
)
の
躯
(
からだ
)
は
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
う
波間
(
なみま
)
に
跳
(
おど
)
って
居
(
お
)
りました、その
時
(
とき
)
ちらと
拝
(
はい
)
したわが
君
(
きみ
)
のはっと
愕
(
おどろ
)
かれた
御面影
(
おんおもかげ
)
——それが
現世
(
げんせ
)
での
見納
(
みおさ
)
めでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
軒下
(
のきした
)
に
縄張
(
なはば
)
りがいたしてございます
此
(
こ
)
の
中
(
うち
)
に
拝観人
(
はいくわんにん
)
は
皆
(
みな
)
立
(
たつ
)
て
拝
(
はい
)
しますので、
京都
(
きやうと
)
は
東京
(
とうきやう
)
と
違
(
ちが
)
つて
人気
(
にんき
)
は誠に
穏
(
おだ
)
やかでございまして、
巡査
(
じゆんさ
)
のいふ事を
能
(
よ
)
く守り、
中々
(
なか/\
)
縄
(
なは
)
の外へは出ません。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
年
(
とし
)
経
(
た
)
つて、
再
(
ふたゝ
)
び
双六
(
すごろく
)
の
温泉
(
をんせん
)
に
遊
(
あそ
)
んだ
時
(
とき
)
、
最
(
も
)
う
老爺
(
ぢい
)
は
居
(
ゐ
)
なかつた。が、
城址
(
しろあと
)
の
濠
(
ほり
)
には
船
(
ふね
)
があつて、
鷺
(
さぎ
)
ではない、
老爺
(
ぢい
)
の
姿
(
すがた
)
が、
木彫
(
きぼり
)
に
成
(
な
)
つて
立
(
た
)
つのを
見
(
み
)
て、
渠
(
かれ
)
は
蘆間
(
あしま
)
に
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
えて、やがて
天守
(
てんしゆ
)
を
拝
(
はい
)
した。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
桟敷
(
さじき
)
の公卿百官から武臣たちも、すべて天皇、准后、東宮のほうへ起立の
拝
(
はい
)
をみせていた。
還御
(
かんぎょ
)
の太鼓のうちにである。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
壇
(
だん
)
の上には
席
(
せき
)
をまうけて
神酒
(
みき
)
をそなへ、此町の長たるもの礼服をつけて
拝
(
はい
)
をなし、所繁昌の幸福をいのる。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
龍太郎や忍剣も、居士のすがたを
拝
(
はい
)
さぬこと久しいので、先の
松明
(
たいまつ
)
をふりかざし、竹童をあんないにして、雷神の滝の
断崖
(
だんがい
)
をよじ
登
(
のぼ
)
っていくと、やがて竹童。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
壇
(
だん
)
の上には
席
(
せき
)
をまうけて
神酒
(
みき
)
をそなへ、此町の長たるもの礼服をつけて
拝
(
はい
)
をなし、所繁昌の幸福をいのる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
蔡
(
さい
)
閣下との対面は、例の
白虎節堂
(
びゃっこせつどう
)
だった。ただし、
関勝
(
かんしょう
)
ひとりだけの
謁見
(
えっけん
)
で、
階
(
きざはし
)
の下に、
拝
(
はい
)
を
執
(
と
)
る。——蔡京がつらつら見るに、なるほどすばらしい偉丈夫だ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其いさめを
容
(
いれ
)
玉ひよろこばせ給ひて御衣を賜ひたるを、此
配所
(
はいしよ
)
にもちくだりて毎日御衣にのこりたる
余香
(
よかう
)
を
拝
(
はい
)
すと、
帝
(
みかど
)
をしたひ御恩を忘れ玉はざる御心の
誠
(
まこと
)
を作り玉ひたるなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「この地は、かつて関将軍が治め給うた領地でした。将軍の生けるうちすら、わたくしどもはご恩徳を
頌
(
たた
)
えて、家ごとに
朝夕
(
ちょうせき
)
拝
(
はい
)
しておりました。いわんや今、神明と帰し給うをや」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舎弟の直義も、一トすじの矢を壇にささげて
拝
(
はい
)
をおこない、以下一族の吉良、石堂、一色、仁木、細川、今川、荒川、
高
(
こう
)
、上杉などみな順次に奉納矢を上げたので、祭壇は、矢の塚になった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義貞は書面を巻いて、ちょっと、
拝
(
はい
)
を見せながら、船田ノ入道へ手渡した。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尊氏は、妙恵の遺書へ、ていねいな
拝
(
はい
)
を添えて、頼尚の手へ返した。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼も若水の第一をささげて、まず東方の人に、
拝
(
はい
)
をしていた。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、高時のいる
桟敷
(
さじき
)
のほうへ
拝
(
はい
)
をした。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「今日よりは」と、
拝
(
はい
)
を
執
(
と
)
った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
拝
(
はい
)
をしない者はない。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拝
(
はい
)
をほどこすと
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“拝”の意味
《名詞》
(ハイ)頭を下げて礼をすること。おがむこと。
(ハイ)手紙文の末尾で、自分の名の下に書いて相手への敬意を表す語。
《動詞》
(ハイ)おがむ。
(ハイ)拝見する。お見受けする。
(ハイ)拝命する。拝受する。
(出典:Wiktionary)
拝
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“拝”を含む語句
礼拝
礼拝堂
伏拝
御拝
拝所
拝謝
聖体拝受
拝謁
拝跪
跪拝
拝借
拝領
遥拝
拝聴
叩頭百拝
拝打
小朝拝
拝領物
拝承
拝志氏
...