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大袈裟
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おほげさ
ふりがな文庫
“
大袈裟
(
おほげさ
)” の例文
前代未聞の事件で、騷ぎが
大袈裟
(
おほげさ
)
だつた爲か、遠い親類も近い他人も一ぺんに突つ掛け、店から奧へまこと押すな押すなの混雜です。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十字軍とは余り
大袈裟
(
おほげさ
)
にあらずや、凡神的とは多分、禅道を唱へらるゝ天知翁を
苦
(
く
)
るしめる
積
(
つもり
)
にて、唯心的とは僕をいぢめる積ならむ。
人生の意義
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けると、
多勢
(
おほぜい
)
の
通學生
(
つうがくせい
)
をつかまへて、
山田
(
やまだ
)
が
其
(
その
)
吹聽
(
ふいちやう
)
といつたらない。
鵺
(
ぬえ
)
が
來
(
き
)
て
池
(
いけ
)
で
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
つたほどに、
事
(
こと
)
大袈裟
(
おほげさ
)
に
立到
(
たちいた
)
る。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト何も
大袈裟
(
おほげさ
)
に云ふ必要もないが、其歌を自分の教へてやつた生徒は其夜僅か三人(名前も明らかに記憶して居る)に過ぎなかつたが
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
戦争と名のつくものゝ多くは古来から大抵
斯
(
こ
)
んなものかも知れないが、ことに今度の戦争は、
其
(
その
)
仕懸
(
しかけ
)
の空前に
大袈裟
(
おほげさ
)
な
丈
(
だけ
)
に
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
手先
(
てさき
)
の
火傷
(
やけど
)
は
横頬
(
よこほゝ
)
のやうな
疼痛
(
いたみ
)
も
瘡痍
(
きず
)
もなかつたが
醫者
(
いしや
)
は
其處
(
そこ
)
にもざつと
繃帶
(
ほうたい
)
をした。
與吉
(
よきち
)
は
目
(
め
)
ばかり
出
(
だ
)
して
大袈裟
(
おほげさ
)
な
姿
(
すがた
)
に
成
(
な
)
つて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さく子も弟の悪いことは十分知つてゐた。
大袈裟
(
おほげさ
)
に津島の恩を弟に着せたりすると、それが津島には
擽
(
くすぐ
)
つたくもあつた。
風呂桶
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そこで
自分
(
じぶん
)
は『
對話
(
たいわ
)
』といふことに
就
(
つい
)
て
考
(
かんが
)
へ
初
(
はじ
)
めた、
大袈裟
(
おほげさ
)
に
言
(
い
)
へば『
對話哲學
(
たいわてつがく
)
』
又
(
ま
)
たの
名
(
な
)
を『お
喋舌
(
しやべり
)
哲學
(
てつがく
)
』に
就
(
つい
)
て。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
子供は気を呑まれて
一寸
(
ちよつと
)
静かになつたが、直ぐ低い
啜
(
すゝ
)
り泣きから出直して、前にも増した
大袈裟
(
おほげさ
)
な泣き声になつた。
An Incident
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
一
百
(
そく
)
仕方
(
しあ
)
げたに教育せられ
薫陶
(
くんとう
)
せられた中から
良妻賢母
(
れうさいけんぼ
)
も
大袈裟
(
おほげさ
)
だが
並
(
なみ
)
一人前の
日本
(
にほん
)
婦人が出て来る
訳
(
わけ
)
なら
芥箱
(
ごみばこ
)
の玉子の
殻
(
から
)
もオヤ/\
鶏
(
とり
)
に
化
(
くわ
)
さねばならない
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
態度とか
何
(
なん
)
とか云ふと、
甚
(
はなはだ
)
大袈裟
(
おほげさ
)
に聞えるが、何もそんな大したものを持ち合せてゐる次第では決してない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
霞
(
かすみ
)
と
駈出
(
かけいだ
)
すに平兵衞も是はと驚き
逃
(
にげ
)
んとなしたる
後
(
うしろ
)
より
大袈裟
(
おほげさ
)
に切付れば
呀
(
あつ
)
と叫びて倒るゝを起しも立ず
止
(
とゞ
)
めの一刀を
刺貫
(
さしつらぬ
)
き
懷中
(
くわいちう
)
へ手を差入れ彼穀代金百兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから私達の年輩になると、若い人達が平凡な恋や、生活や、感じや、さういふものを
大袈裟
(
おほげさ
)
に書いてゐるものは見るに堪へない。馬鹿々々しくなつて来る。
解脱非解脱
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
彼は階段を上つたり下りたりして歩き𢌞つてゐたときに、こんな短い時間にこれ程の
大袈裟
(
おほげさ
)
な模樣變へを仕了るのは一通りの疲れや辛さではなかつたらうと云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わざと
大袈裟
(
おほげさ
)
に
頭
(
あたま
)
をかきながら、
夫
(
をつと
)
は
鞠
(
まり
)
を
追
(
お
)
つた。そして、
庭
(
には
)
の一
隅
(
すみ
)
の
呉竹
(
くれたけ
)
の
根元
(
ねもと
)
にころがつてゐるそれを
拾
(
ひろ
)
ひ
上
(
あ
)
げようとした
刹那
(
せつな
)
、一
匹
(
ぴき
)
の
蜂
(
はち
)
の
翅音
(
はおと
)
にはつと
手
(
て
)
をすくめた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
然し
今日
(
こんにち
)
の東京になつては下水を呼んで川となすことすら既に滑稽なほど
大袈裟
(
おほげさ
)
である。かくの如く其の名と其の実との
相伴
(
あひともな
)
はざる事は独り下水の流れのみには留まらない。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
よく新聞には
左様
(
さう
)
いふ間違ひが出て来ますよ。まあ御覧の通り、斯うして旅行が出来る位ですから安心して下さい。誰がまた
其様
(
そん
)
な
大袈裟
(
おほげさ
)
なことを書いたか——はゝゝゝゝ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
記に「将門撃つて三千人を殺す」とあるのは
大袈裟
(
おほげさ
)
過ぎるやうだが、敵将維幾を
生捕
(
いけど
)
りにし、官の
印鑰
(
いんやく
)
を奪ひ、財宝を多く奪ひ、営舎を
焚
(
や
)
き、
凱歌
(
がいか
)
を
挙
(
あ
)
げて、二十九日に豊田郡の
鎌輪
(
かまわ
)
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
何
(
なに
)
を考へてゐたかといふと、
甚
(
はなは
)
だ
漠然
(
バウ
)
としたことで、彼
自身
(
じしん
)
にも
具體的
(
ぐたいてき
)
に
説明
(
せつめい
)
することは
出來
(
でき
)
ない。
難然
(
けれども
)
考へてゐることは
眞面目
(
まじめ
)
だ、
少
(
すこ
)
し
大袈裟
(
おほげさ
)
に
謂
(
い
)
ツたら、彼の
運命
(
うんめい
)
の
消長
(
せうちやう
)
に
關
(
くわん
)
することである。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「チエツ。チエツ」その少年は
大袈裟
(
おほげさ
)
に
口惜
(
くや
)
しがつた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「
可厭
(
いや
)
に
大袈裟
(
おほげさ
)
に
顯
(
あら
)
はしたぢやねえか==
陰陽界
(
いんやうかい
)
==なんのつて。これぢや
遊廓
(
くるわ
)
の
大門
(
おほもん
)
に==
色慾界
(
しきよくかい
)
==とかゝざあなるめえ。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へエ、あの番頭が、そんな事を申したのでせう。身代と言へば
大袈裟
(
おほげさ
)
ですが、私が道樂で費ひ殘した身上で、いくらもありやしません」
銭形平次捕物控:205 権三は泣く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其意味を面倒に述べ立てるのは
大袈裟
(
おほげさ
)
だから
止
(
よ
)
しますが、私は自分で小説を書くと
其
(
その
)
あとが心持ちが惡い。それで
呑氣
(
のんき
)
な
支那
(
しな
)
の詩などを讀んで埋め合せを付けてゐます。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この市の唯一のダダイストである
塑像家
(
そざうか
)
M—氏の経営(さう
大袈裟
(
おほげさ
)
なものではないだらうが)
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
友だち いやに
大袈裟
(
おほげさ
)
だぜ——かう静になつて見ると、何だか桜もさむいやうだ。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「さうか、そんぢや
誰
(
だれ
)
に
打
(
ぶ
)
たれたえ、まあだ
壯
(
さかり
)
だからそんでも
何處
(
どこ
)
へか
拵
(
こしら
)
えたかえ」
輕微
(
けいび
)
な
瘡痍
(
きず
)
を
餘
(
あま
)
りに
大袈裟
(
おほげさ
)
に
包
(
つゝ
)
んだ
勘次
(
かんじ
)
の
容子
(
ようす
)
を
心
(
こゝろ
)
から
冷笑
(
れいせう
)
することを
禁
(
きん
)
じなかつた
醫者
(
いしや
)
はかう
揶揄
(
からか
)
ひながら
口髭
(
くちひげ
)
を
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は万年筆を置いて
大袈裟
(
おほげさ
)
に
吃驚
(
びつくり
)
して見せた。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
此
(
こ
)
の
一
(
ひと
)
たてが、ぞろ/\と
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
くと、
些
(
ち
)
と
大袈裟
(
おほげさ
)
のやうだが
待合室
(
まちあひしつ
)
には、あとに
私
(
わたし
)
一人
(
ひとり
)
と
成
(
な
)
つた。それにしても
靜
(
じつ
)
としては
居
(
ゐ
)
られない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大袈裟
(
おほげさ
)
に斬られて、庭先に轉げ落ちたのは丹之丞には遠い從弟で、綾野には直ぐの
從兄
(
あに
)
に當る、針目正三郎の
紅
(
あけ
)
に染んだ姿だつたのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かう云ひ切つて
了
(
しま
)
ふと、
折角
(
せつかく
)
の御尋ねに対する御返事にはならないから、さう
大袈裟
(
おほげさ
)
な問題として取扱はないで、僕の書いた小説の
中
(
うち
)
で、
一寸
(
ちよつと
)
風変りなものを二つ抜き出して見ることにする。
風変りな作品に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そればかりでなく奧樣の御歎きは、
大袈裟
(
おほげさ
)
ではありましたが、決してお人柄相應のものではなく、多分にお芝居があつたやうに見受けました
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それならば
爲方
(
しかた
)
がない。が、
怪猫
(
ばけねこ
)
は
大袈裟
(
おほげさ
)
だ。
五月闇
(
さつきやみ
)
に、
猫
(
ねこ
)
が
屋根
(
やね
)
をつたはらないとは
誰
(
たれ
)
が
言
(
い
)
ひ
得
(
え
)
よう。……
窓
(
まど
)
の
燈
(
ひ
)
を
覗
(
のぞ
)
かないとは
限
(
かぎ
)
らない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
俵屋に
覆
(
おほ
)
ひ
冠
(
かぶ
)
さつた暗い雲は、一夜にして取拂はれましたが、その
代償
(
だいしやう
)
の
大袈裟
(
おほげさ
)
なのに、誰も彼もが
膽
(
きも
)
をつぶしたことです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どやどやどや、がら/\と……
大袈裟
(
おほげさ
)
ではない、
廣小路
(
ひろこうぢ
)
なんぞでは
一時
(
いつとき
)
に
十四五臺
(
じふしごだい
)
も
取卷
(
とりま
)
いた。
三橋
(
みはし
)
、
鴈鍋
(
がんなべ
)
、
達磨汁粉
(
だるまじるこ
)
、
行
(
ゆ
)
くさき
眞黒
(
まつくろ
)
に
目
(
め
)
に
餘
(
あま
)
る。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
決して少ない筈はなく、
大袈裟
(
おほげさ
)
に言へば、我々の踏んでゐる大地の下には、思ひも寄らぬ巨額の金銀貨が埋藏されてゐることもあり得るのです。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは、
大袈裟
(
おほげさ
)
でない、
誰
(
たれ
)
も
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
寢
(
ね
)
られないほど、ひつきりなしに、けたゝましく
鳴立
(
なきた
)
てたのである。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ツイ三四間先には死骸が一つ、中年者の武家姿ですが、右手を
柄頭
(
つかがしら
)
に掛けたまゝ、
大袈裟
(
おほげさ
)
に斬られて、
縡切
(
ことき
)
れてをります。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まあ、
勿體
(
もつたい
)
ないわねえ、
私達
(
わたしたち
)
に
何
(
なん
)
のお
前
(
まへ
)
さん……」といひかけて、つく/″\
瞻
(
みまも
)
りながら、お
品
(
しな
)
はづツと
立
(
た
)
つて、
與吉
(
よきち
)
に
向
(
むか
)
ひ
合
(
あ
)
ひ、
其
(
そ
)
の
襷懸
(
たすきが
)
けの
綺麗
(
きれい
)
な
腕
(
かひな
)
を、
兩方
(
りやうはう
)
大袈裟
(
おほげさ
)
に
振
(
ふ
)
つて
見
(
み
)
せた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私の許しがなければ、一と足も外へは出られないやうに、座敷牢と申しては
大袈裟
(
おほげさ
)
ですが、一と間に押し籠め、嚴重な見張りをつけたのでございます
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
そ
)
の
臭
(
くさ
)
さと
云
(
い
)
つては、
昇降口
(
しようかうぐち
)
の
其方
(
そつち
)
の
端
(
はし
)
から、
洗面所
(
せんめんじよ
)
を
盾
(
たて
)
にした、いま
此方
(
こなた
)
の
端
(
はし
)
まで、むツと
鼻
(
はな
)
を
衝
(
つ
)
いて
臭
(
にほ
)
つて
來
(
く
)
る。
番町
(
ばんちやう
)
が、
又
(
また
)
大袈裟
(
おほげさ
)
な、と
第一
(
だいいち
)
近所
(
きんじよ
)
で
笑
(
わら
)
ふだらうが、いや、
眞個
(
まつたく
)
だと
思
(
おも
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三十五六の素晴しい大年増で、
身扮
(
みなり
)
の派手なこと、顏の表情の
大袈裟
(
おほげさ
)
なこと、化粧の濃いことなど、年齡にも身分にも、場所柄にも不似合の感じです。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お六の驚きやうは
大袈裟
(
おほげさ
)
でした。眞珠太夫もさすがにサツと顏色を變へましたが、默つて俯向ひてしまひます。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道化
(
だうけ
)
た樣子で取つて返したガラツ八は、間もなく椎茸髱——と言ふのは
大袈裟
(
おほげさ
)
ですが、少なからず御守殿の匂ひのする、三十前後の女を案内して來ました。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丁度それは正月の十五日の左義長の宵、忠左衞門は
大袈裟
(
おほげさ
)
などんど燒の跡始末を心配して、水を張つた手桶を持つて、庭へ出たときの出來事だつたのです。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その日、娘のお糸を護つて向島の
寮
(
れう
)
の警戒は、物々しいと言はうか、
大袈裟
(
おほげさ
)
と言はうか全く話になりません。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人——高木勇名の驚きは
大袈裟
(
おほげさ
)
でした。見る蔭もなくやつれ果てて、明日も知れぬ命と見えた大病人が、半身を起き直るやうに枕の上に乘り出したのです。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「曲者は外から入つたのでない證據はうんとあるよ。縁側の泥足の跡は
大袈裟
(
おほげさ
)
過ぎたし、雨戸は心張りをかつてあると、あの
鑿
(
のみ
)
くらゐでは外から開かないよ」
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
座主の百太夫は
大袈裟
(
おほげさ
)
な道化た調子で人を笑はせますが、大した藝のある男ではありません。四十がらみの、少し肥つて來た身體が、藝の邪魔をしてゐるのでせう。
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
大袈裟
(
おほげさ
)
な表情に、好い加減胸を惡くして居ると、ガラツ八は後ろからソツと囁いてくれました。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まア、大層なせりふねえ、——遠からん者は音にも聞け、と言ひたいけれど、實はそんな
大袈裟
(
おほげさ
)
なんぢやありませんよ、——兩國の
篠
(
しの
)
をお忘れになつて、八五郎親分」
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
袈
漢検準1級
部首:⾐
11画
裟
漢検準1級
部首:⾐
13画
“大袈裟”で始まる語句
大袈裟掛