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ざい
ふりがな文庫
“
在
(
ざい
)” の例文
一組は、六十くらいの白髪の
老爺
(
ろうや
)
と、どこか
垢抜
(
あかぬ
)
けした五十くらいの老婆である。品のいい老夫婦である。この
在
(
ざい
)
の小金持であろう。
美少女
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いそがしい夏場だけ、高崎の
在
(
ざい
)
から飯炊きの婆さんがよく働きに來てゐた。目が惡いので、いつも孫ぐらゐの小娘を連れてきてゐた。
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
我が越後にも化石渓あり、
魚沼郡
(
うをぬまこほり
)
小出
(
こいで
)
の
在
(
ざい
)
羽川
(
はかは
)
といふ
渓
(
たに
)
水へ
蚕
(
かひこ
)
の
腐
(
くさり
)
たるを
流
(
ながし
)
しが一夜にして石に
化
(
くわ
)
したりと
友人
(
いうじん
)
葵亭翁
(
きていをう
)
がかたられき。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
老婢
(
ばあや
)
の話によると、宇都宮の
在
(
ざい
)
にいる老人の甥の娘とかが今度むこを取るについて、わざわざ呼ばれて行ったということであった。
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
白羽
(
しらは
)
の箭が立った若者には、勇んで出かける者もある。
抽籤
(
くじ
)
を
遁
(
のが
)
れた礼参りに、わざ/\
鴻
(
こう
)
の
巣
(
す
)
在
(
ざい
)
の何宮さんまで出かける若者もある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
彼等は兼次の叔父が聟に行つて居る栃木の
在
(
ざい
)
へ辿りついた。叔父は國元へ手紙を出した。返事は至極簡單で只捨てゝ置いてくれとあつた。
芋掘り
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「もう十八九だろう。
在
(
ざい
)
で小学校の代用教員をしていたんだよ。僕と並んでいる
山口君
(
やまぐちくん
)
はあの人から習ったことがあるそうだ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
九州の
再燃
(
さいねん
)
にあったのだ。彼はすぐ、少なからぬ船と兵力を
割
(
さ
)
いて、仁木義長にさずけ、即日、
在
(
ざい
)
九州の味方の加勢にあとへ引っ返させた。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さうでございます、
上州
(
じやうしう
)
沼田
(
ぬまた
)
の
在
(
ざい
)
だと
云
(
い
)
ふことでございます」「
何処村
(
どこむら
)
といふことは
分
(
わか
)
りませぬか」「どうも
分
(
わか
)
りませぬ」
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
梅子は
斯
(
か
)
う答へて、すぐ新聞を
膝
(
ひざ
)
から
卸
(
おろ
)
すと、手を鳴らして、
小間使
(
こまづかひ
)
を呼んだ。代助は再び
父
(
ちゝ
)
の
在
(
ざい
)
、
不在
(
ふざい
)
を
確
(
たしか
)
めた。梅子は其
問
(
とひ
)
をもう忘れてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
寛永年中のこと
也
(
なり
)
。
安成久太夫
(
やすなりきゅうだゆう
)
といふ武士あり。備前因幡
国換
(
くにが
)
への時節にて、
未
(
いま
)
だ
居
(
おる
)
屋敷も定まらず、
鹿野
(
かの
)
(今の
気高
(
けたか
)
郡鹿野町)の
在
(
ざい
)
に仮に住みけり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
こないだ店へ買物に来た
在
(
ざい
)
の者が話して行つたが、その家の前を通るとね、どうも女の泣声らしいものが聞える。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
在
(
ざい
)
の人が町に出た帰りに必ず立ち寄るのがこれらの店であります。農村で使う
一渡
(
ひとわたり
)
の品が皆揃えてあります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
今は遠く坂田の郷里である北陸の高田の
在
(
ざい
)
に見知らぬ坂田の祖先たちとともに埋もれている八重、雪が深いと聞くその土地では花を
祀
(
まつ
)
られることも
稀
(
まれ
)
であろう。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
呼出
(
よびいだ
)
され
亂心
(
らんしん
)
ながら其方
生國
(
しやうこく
)
は越後高田
在
(
ざい
)
寶田村にて父は憑司母は早
夫
(
をつと
)
は昌次郎なる由云立しが
相違
(
さうゐ
)
なきかと尚再三
尋問
(
たづね
)
られし上豫て入牢申付られたる庄兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
在
(
ざい
)
の者のしきたり通り太い毛繻子の洋傘をかついだ禰宜様は、小股にポクポクとついて行ったのである。
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それは、くらの夫——すなわち先代の近四郎が、草津
在
(
ざい
)
の癩村に
祈祷
(
きとう
)
のため赴いたという事実である。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そこで
小諸
(
こもろ
)
在
(
ざい
)
の
小原
(
こはら
)
というところにかわれている牛は、ご主人の牛乳屋さんに連れられ、牛小屋を出て、
烏帽子
(
えぼし
)
が
岳
(
たけ
)
のふもとにある牧場をさして骨休めに出かけました。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
俺、よっぽど草津から越後へ出ようと思ったが、よく考えてみると、
熊谷
(
くまがや
)
在
(
ざい
)
に伯父が居るのだ、少しは、熊谷は危険かも知れねえが、故郷へかえる
足溜
(
あしだま
)
りには持って来いだ。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
四五年前の雑誌を見給へ、駿州
有渡郡
(
うどごほり
)
田子の浦
在
(
ざい
)
駿河不二郎の名がチヨク/\見えるよ。
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
もう此上
憤
(
おこ
)
らせると、又三日も物を言わなかった挙句、ぷいと
家
(
うち
)
を出て
在
(
ざい
)
の親類へ行った
切
(
きり
)
帰らぬという騒も起りかねまじい景色なので、父は黙って了う。母も黙って出て行く。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
じつはこちらさまにきっとお気に入ること大うけあいという
上玉
(
じょうだま
)
がありましたもんで、それを迎えに行っておりましたような
次第
(
しだい
)
で——ところがこれが
埼玉
(
さいたま
)
の
在
(
ざい
)
でございまして
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
で、かれは昨夜聞いておいた
鳥喰
(
とりはみ
)
のほうの路を選んで歩き出した。
初会
(
しょかい
)
にも似合わず、女はしんみりとした調子で、その父母の
古河
(
こが
)
の少し手前の
在
(
ざい
)
にいることを打ち明けて語った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
土蔵破
(
むすめやぶ
)
りで江戸中を騒がし長い草鞋を穿いていた
卍
(
まんじ
)
の富五郎という
荒事
(
あらごと
)
の
稼人
(
かせぎて
)
、相州鎌倉は
扇
(
おうぎ
)
が
谷
(
やつ
)
在
(
ざい
)
の
刀鍛冶
(
かたなかじ
)
不動坊祐貞
(
ふどうぼうすけさだ
)
方
(
かた
)
へ押し入って召捕られ、伝馬町へ差立てということになったのが
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
漁業者
(
ぎよげふしや
)
と
建築家
(
けんちくか
)
とで
阿米利加
(
あめりか
)
に
居
(
を
)
る
者
(
もの
)
が
二人
(
ふたり
)
、
地方
(
ちはう
)
の
中学教員
(
ちうがくけういん
)
が
一人
(
ひとり
)
、
某省
(
ぼうせう
)
の
属官
(
ぞくくわん
)
が
二人
(
ふたり
)
、
大阪
(
おほさか
)
と
横浜
(
よこはま
)
とで
銀行員
(
ぎんかういん
)
が
二人
(
ふたり
)
、
三州
(
さんしう
)
の
在
(
ざい
)
に
隠
(
かく
)
れて
樹
(
き
)
を
種
(
う
)
ゑて
居
(
ゐ
)
るのが
一人
(
ひとり
)
、
石炭
(
せきたん
)
の
売込屋
(
うりこみや
)
が
一人
(
ひとり
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
時
(
とき
)
に、
其
(
そ
)
の
一名
(
いちめい
)
、
弘法
(
こうぼふ
)
の
湯
(
ゆ
)
の
露呈
(
あらは
)
なことは、
白膏
(
はくこう
)
の
群像
(
ぐんざう
)
とまでは
行
(
い
)
かないが、
順禮
(
じゆんれい
)
、
道者
(
だうじや
)
、
村
(
むら
)
の
娘
(
むすめ
)
、
嬰兒
(
あかんぼ
)
を
抱
(
だ
)
いた
乳
(
ちゝ
)
も
浮
(
う
)
く……
在
(
ざい
)
の
女房
(
にようばう
)
も
入交
(
いれまじ
)
りで、
下積
(
したづみ
)
の
西洋畫
(
せいやうぐわ
)
を
川
(
かは
)
で
洗濯
(
せんたく
)
する
風情
(
ふぜい
)
がある。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
明治三十三年(1900)宮城県
岩出山
(
いわでやま
)
町
在
(
ざい
)
の中農の家に生まる。当時既にこの層の没落は、全農民階級中最も甚しく、私の家もまたその例にもれず
只管
(
ひたすら
)
に没落への途を急いでいたのであった。
簡略自伝
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
町としてうっちゃってはおけない——よろしく町葬にすべし、表彰すべしというので
在
(
ざい
)
から茂助の伯父伯母を呼んで、ちょうど火事から三日後の今日が、そこでこの茂助の町葬の日なのである。
舞馬
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
我が越後にも化石渓あり、
魚沼郡
(
うをぬまこほり
)
小出
(
こいで
)
の
在
(
ざい
)
羽川
(
はかは
)
といふ
渓
(
たに
)
水へ
蚕
(
かひこ
)
の
腐
(
くさり
)
たるを
流
(
ながし
)
しが一夜にして石に
化
(
くわ
)
したりと
友人
(
いうじん
)
葵亭翁
(
きていをう
)
がかたられき。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
八王子の
在
(
ざい
)
、高尾山下浅川附近の古い
由緒
(
ゆいしょ
)
ある農家の墓地から買って来た六地蔵の一体だと云う。眼を半眼に開いて、
合掌
(
がっしょう
)
してござる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
茂左衛門は二度の
主取
(
しゅど
)
りを嫌って津山の
在
(
ざい
)
に引っ込んでしまい、その後は代々農業をつづけて
今日
(
こんにち
)
に至ったのだそうである。
馬妖記
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とうとう辛抱しきれずに爺やと別れて、自分だけはこれから
横川
(
よこがわ
)
の
在
(
ざい
)
まで自分の先夫の娘を
頼
(
たよ
)
って行くのだと言います。
朴の咲く頃
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
此友人は国へ帰つてから、約一年許りして、京都
在
(
ざい
)
のある財産家から
嫁
(
よめ
)
を
貰
(
もら
)
つた。それは無論
親
(
おや
)
の云ひ
付
(
つけ
)
であつた。すると、
少時
(
しばらく
)
して、
直
(
すぐ
)
子供が生れた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
遠州
相良
(
さがら
)
在
(
ざい
)
の農家の十六の少年、夜中の一時ごろに便所に出たまま戻らず、しばらくすると悲鳴の声が聞えるので、両親が飛び起きて便所を見たがいない。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
蒲
(
がま
)
、
稈心
(
みご
)
、
科
(
しな
)
、
葡萄蔓
(
ぶどうづる
)
、麻糸、木綿糸、馬の毛など様々なものが使われます。
新庄
(
しんじょう
)
の市日などに
在
(
ざい
)
からこれを着て出てくる風俗は、都の者には眼を見張らせます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
申入るゝ者多かりしが
今度
(
このたび
)
同宿
(
どうしゆく
)
の
杉戸屋
(
すぎとや
)
富
(
とみ
)
右衞門が
媒人
(
なかうど
)
にて
關宿
(
せきやど
)
在
(
ざい
)
坂戸村
(
さかとむら
)
の名主是も
分限
(
ぶんげん
)
の聞えある
柏木庄左衞門
(
かしはぎしやうざゑもん
)
の
悴
(
せがれ
)
庄之助に
配偶
(
めあは
)
せんとて
既
(
すで
)
に
約束
(
やくそく
)
整
(
とゝの
)
ひ
双方
(
さうはう
)
の
結納
(
ゆひなふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
直義をはじめ
在
(
ざい
)
鎌倉の面々は、猛虎のように恐れ扱ったにちがいない。——ただちに二階堂薬師谷の東光寺に押し
籠
(
こ
)
め
奉
(
たてまつ
)
って、昼夜、きびしい軍兵監視のもとにおいた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬鹿
(
ばか
)
な事を
云
(
い
)
ふな、
手前
(
てめえ
)
は
江戸
(
えど
)
ツ
子
(
こ
)
ぢやアねえぞ、十一の
時
(
とき
)
三
州
(
しう
)
西尾
(
にしを
)
の
在
(
ざい
)
から
親父
(
おやぢ
)
が手を引いて
家
(
うち
)
へ
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
て、
何卒
(
どうぞ
)
置いてくれと
頼
(
たの
)
まれる時、
己
(
おれ
)
が
鼠
(
ねづみ
)
半切
(
はんぎれ
)
へ
狂歌
(
きやうか
)
を書いて
遣
(
や
)
つたツけ
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
産
(
うまれ
)
は
加州
(
かしゅう
)
の
在
(
ざい
)
、善光寺
詣
(
もうで
)
の
途
(
みち
)
なる
由
(
よし
)
。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
信濃屋の番頭は宿帳をしらべて、その客は上州太田の
在
(
ざい
)
の百姓甚右衛門四十二歳で、去年の暮の二十四日から
逗留
(
とうりゅう
)
していた。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蒲原郡五泉の
在
(
ざい
)
一里ばかりに
下新田
(
しもしんでん
)
といふ村あり。或年此村の者ども㕝ありて阿加川の
岸
(
きし
)
を
掘
(
ほり
)
しに、
土中
(
どちゆう
)
より長さ三間ばかりの船を掘いだせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
カイナゴ 加賀の
大根布
(
おおねぶ
)
のイタダキの女などの、
在
(
ざい
)
へ魚を売りにまわって農産物と交換する人々の、カイナゴといっているのは米のことだというが(ひだびと六巻三号)
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「柿岡
在
(
ざい
)
の者が、折入って、お願いの儀があると申して参りましたが……」というのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地理的にも遠くはないからこの想像は無理ではない。窯が小さいせいか、出来るものは
在
(
ざい
)
に流れ込んで遠くには売られない。米沢の町には出るが、山形まではほとんど届かない。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
案内として武州川越
在
(
ざい
)
の百姓市右衞門方へ到着し是又以前の
手續
(
てつゞき
)
にて
辯
(
べん
)
に
任
(
まか
)
して諸人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此のお話は
暫
(
しばら
)
く
措
(
お
)
きまして、是から
信濃国
(
しなのゝくに
)
の上田
在
(
ざい
)
中の条に居ります、渡邊祖五郎と姉の娘お竹で、お竹は
大病
(
たいびょう
)
で、田舎へ来ては勝手が変り、何かにつけて心配勝ち、
左
(
さ
)
なきだに病身のお竹
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
長吉の父は長左衛門といって、信州善光寺の
在
(
ざい
)
に住んでいた。お照の父の新兵衛はむかしは新吉といって、やはり同じ村に生まれた者であった。
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蒲原郡五泉の
在
(
ざい
)
一里ばかりに
下新田
(
しもしんでん
)
といふ村あり。或年此村の者ども㕝ありて阿加川の
岸
(
きし
)
を
掘
(
ほり
)
しに、
土中
(
どちゆう
)
より長さ三間ばかりの船を掘いだせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ここで美しい
黒土瓶
(
くろどびん
)
を焼くが、近頃武雄
在
(
ざい
)
で発掘された元禄時代の土瓶と形も釉もさしたる違いがない。それ故現に作られる日本の土瓶のうち最も古格を保つものといっていい。
日田の皿山
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
神子上
(
みこがみ
)
家は、世々、神宮のおまもりをしている伊勢の神職荒木田家に属す神苑
衛士
(
えじ
)
の家だったが、典膳がもの心づいた頃は、松坂
在
(
ざい
)
にひき
籠
(
こも
)
って、母ひとり子ひとりの暮しであった。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
在
常用漢字
小5
部首:⼟
6画
“在”を含む語句
御在
存在
現在
在所
所在
在宅
実在
在處
在処
在家
在来
駐在所
不在
罷在
滞在
在世
散在
在々
在合
在郷
...