うけ)” の例文
先生におこごとうけましたの——其れから学校を卒業する、貴女は菅原様すがはらさんいらつしやる、他の人々かたがたれ方向をおさだめになるのを見て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
僧侶や牧師は非現代的な迷信の鼓吹者であり、そして最も彼ら老婦人にうけのよい僧侶や牧師は一種の幇間ほうかんに堕落している。
姑と嫁について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
腰にはさんでいた手拭いを天水桶にひたしてしめりをくれると、それを角錠かくじょううけに巻きつける。ひとひねり。ふたひねり。ガクリと錠がおちる。
うっかりすると「演説使い」だとか「雄弁売り」——又は時と場合では「偽国士」とか「似而非えせ愛国者」とかいう尊号をうけないとも限りませぬ。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
うけければ我が家に引込ひきこみ居たりしに玄柳方より呼びに來りしかば早速さつそく走り行き四人打寄うちより又々惡事の相談をなすにお常は聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きとほるやうに蒼白あをじろきがいたましくえて、折柄をりから世話せわやきにたりし差配さはいこゝろに、此人これ先刻さきのそゝくさをとこつまともいもとともうけとられぬとおもひぬ。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うけはいたすが、余所よそながら様子を見て、いよ/\実正じつしやうと知れてから手を着けたいと、折り入つて申し出た。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
兄貴はそれ程驚いたのだろうか。これは兄の日頃の気性から考えて、どうもうけとれないことだ。落したばかりならいい。落したかと思うと、大急ぎで拾い上げた。
疑惑 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
巡査じゆんさいつぷく點火つけてマツチを義母おつかさんかへすと義母おつかさん生眞面目きまじめかほをして、それをうけ取つて自身じしん煙草たばこいはじめた。べつ海洋かいやう絶景ぜつけいながめやうともせられない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
隨一の愛讀者なる醉月の主人は、三田の事になるとひどく買かぶつて、ほめかたを一手にうけるのであつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
又日本の粗末な器物や米醤油しやういうの様な食料品を売る家も巴里パリイに幾軒かあるのを見うける。しかそれ等の好事家かうずか何処どこまで深く日本を領解して居るかと想像すると甚だ怪しい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
モー此方こっちの事は極まったから郷里の両親へ委しい手紙を出して婚礼の承諾をうけたいと思っていたところ郷里くにから至急の手紙が来ていよいよ従妹の一件を宣告されたね。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
実は己が余り粗匆そゝっかしく聞て行たから悪かッたよ、折角内儀の言伝ことづけうけて、先の番地を忘れるとは
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
せふかゝる悲境に沈ましめ、殊に胎児にまで世のそしりをうけしむるをおもんばからずとは、是れをしも親の情といふべきかと、会合の都度つどせつ言聞いひきこえけるに、彼も流石さすがに憂慮のていにて
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
平「其の方は新参者でも蔭日向かげひなたなくよく働くといって大分だいぶ評判がよく、皆のうけがよいぞ、年頃は二十一二と見えるが、人品ひとがらといい男ぶりといい草履取には惜しいものだな」
でも面白い気象の人で、近在へでも行くと、薬代が無けりゃ畠の物でも何でも可いや、ねぎが出来たら提げて来い位に言うものですから、百姓仲間にはうけが好い。奇人ですネ
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なにすんでえ、ぢいは」おつぎはそれをかるうけういつた。卯平うへいしがめた。かれ闇夜あんやにずんずんとはこんだあしきふくぼみをんでがくりと調子てうしくるつたやうな容子ようすであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
兄弟よ我なんじらに示す我がかつて爾らに伝えし所の福音は人より出づるにあらず、けだママわれ之を人より受けずまた教えられず、ただイエス、キリストの黙示もくしによりてうけたればなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
紐は平次の手にたぐられると、その末端をらして絡んだ輪鍵が、うけの金具の上にカタリとはまりました。と見ると、絡んだ紐は獨りでスルスルと輪がほぐれて、平次の手に納まるのです。
げてお招きをうけとりくださるように只今ただいまからおねがいいたします。」
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
俊男は今年ことし三十になる。ぼう私立大學しりつだいがく倫理りんり擔任たんにんしてゐるが、講義の眞面目まじめで親切であるわりに生徒のうけくない。自躰じたい心におもりがくツついてゐるか、ことばにしろ態度にしろ、いやに沈むでハキ/\せぬ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
なんでも当節はそう云うことはうけが好いのでございます。525
ここぞ肝要、御主人の仰せうけて来た所なり。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うけ玉ひて日本ひのもとかへり玉ひたりと
うけ我々も念の爲預けたる證文を入れ申さんとすゞり取寄とりよせ一札を記載したゝめ三人の名の下へ印をすゑて預りの一札と引換ひきかへになしもとより急がぬ旅なれど日和ひより
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
智者の鼻は研磨とぎすまされた心鏡の光を現わしております。仁者の鼻はやわらかい静かな気持を示しております。聖者の鼻からは上品な清らかな霊感をうけるのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
みね引出ひきだしたるはたゞまいのこりは十八あるべきはづを、いかにしけんたばのまゝえずとてそこをかへしてふるへども甲斐かひなし、あやしきは落散おちちり紙切かみきれにいつしたゝめしかうけとりつう
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は気の毒に感じます事は、教育界の諸先生がこういう事件に出会であわれるたびに、心にもない世間うけい事をいわれたり、また正直に自分の不明を告白せられたり致す事です。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
わたくしが金を上げると申したら御立腹でござろうが、子の心を休めるのも親の役でございます、文治郎が失礼の段は板の間へ手を突いてお詫をします、他人と思召おぼしめさずにおうけを願います
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
紐は平次の手にたぐられると、その末端を濡らして絡んだ輪鍵が、うけの金具の上にカタリとはまりました。と見ると、絡んだ紐は独りでスルスルと輪がほぐれて、平次の手に納まるのです。
少しは日本の温室で見うける物もある様だが概して初対面の物が多く、同じ蘭科でも種類が無数なのである。花卉も面白いけれど、一体に𤍠帯植物は幹と葉の姿勢や色彩が奇抜に出来て居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それはかしら御自身が御出馬になることなら、拙者もどちらへでも出張しませう。我々ばかりがこんな所へ参つて働いては、町奉行の下知げぢうけるやうなわけで、体面にもかゝはるではありませんか。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
たれか主の心を知りし、孰か彼と共に議することを為せしや、孰かまずかれにあたえてそのむくいうけんや、そは万物よろずのものは彼よりいで、かれにり、かれに帰ればなり、願くは世々ほまれ神にあれ、アーメン。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
さうすると貴殿あなた小學校せうがくかう以外いぐわい教育けういくはおうけにならんかつたのですか。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
い星の下で出来るたのしみを難有くおうけなさい。6415
... マアした方がいいかもしれん」と笑いながら調戯からかうに当人の大原はうけ大狼狽おおろうばい「イイエさ、僕だって今に柔い方が好きになるよ。お登和さんのお料理ならどんなに出来ても大悦おおよろこびで食べるよ」としきりに今の言葉を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
うけ玉ひて日本ひのもとかへり玉ひたりと
其方儀そのはうぎおもき役儀をも勤ながら百姓九郎兵衞より賄賂わいろの金銀をうけそれため不都合ふつがふの吟味に及びつみなき九助を一たん獄門ごくもんに申付候條重々ぢう/\不屆至極ふとゞきしごくに付大小取上とりあげ主家しうか門前拂もんぜんばらひ申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
種々さま/″\いはくのつきし難物なんぶつのよしなれども、もたねばならぬ義理ぎりありてひきうけしにや、それともちゝこのみて申うけしか、そのへんたしかならねど勢力せいりよくおさ/\女房天下にようぼうてんかと申やうな景色けしきなれば
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
織江からきたる十五日御登城の節お通り掛けお目見え仰付おおせつけらるゝ旨、かつ上屋敷に於てお長家ながやを下し置かるゝ旨をもあわせて達しましたので、大藏は有難きよしのおうけをして拝領の長家へさがりました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
先生箇条だてをした試験をおうけになりましたね。