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南部
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なんぶ
ふりがな文庫
“
南部
(
なんぶ
)” の例文
青森県のままごと方言は色々あるが、だいたいに
南部
(
なんぶ
)
領はオフルメヤコ、
津軽
(
つがる
)
領はオヒルマイコまたはジサイコナコというのがひろい。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
(ロ)
暖帶林
(
だんたいりん
)
(
又
(
また
)
は、
櫧帶
(
かしたい
)
)。 この
帶
(
たい
)
に
屬
(
ぞく
)
する
區域
(
くいき
)
は、
沖繩縣
(
おきなはけん
)
の
中央
(
ちゆうおう
)
以北
(
いほく
)
から、
四國
(
しこく
)
九州
(
きゆうしゆう
)
の
全部
(
ぜんぶ
)
と
本州
(
ほんしゆう
)
の
南部
(
なんぶ
)
で、
平均
(
へいきん
)
北緯三十六度
(
ほくいさんじゆうろくど
)
以南
(
いなん
)
の
地
(
ち
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
南部
(
なんぶ
)
の
才浦
(
さいうら
)
と
云
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
で、
七日
(
なぬか
)
ばかり
風待
(
かざまち
)
をして
居
(
ゐ
)
た
内
(
うち
)
に、
長八
(
ちやうはち
)
と
云
(
い
)
ふ
若
(
わか
)
い
男
(
をとこ
)
が、
船宿
(
ふなやど
)
小宿
(
こやど
)
の
娘
(
むすめ
)
と
馴染
(
なじ
)
んで、
明日
(
あす
)
は
出帆
(
しゆつぱん
)
、と
云
(
い
)
ふ
前
(
まへ
)
の
晩
(
ばん
)
、
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大きな地域を有つ県で、昔は
南部
(
なんぶ
)
領でありました。更に
溯
(
さかのぼ
)
れば藤原一門の文化が栄えた所で、有名な
平泉
(
ひらいずみ
)
の「
金色堂
(
こんじきどう
)
」は、その栄華の夢の跡を語ります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
……たとえば、
南部
(
なんぶ
)
の
絵暦
(
えごよみ
)
を、学者よりも百姓のほうが、じょうずに読む。……しょせん、頭が正直で、まよわずにあるがままにものを見るからだろうて。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
それは
小倉織
(
こくらおり
)
で、普通の学生には
見出
(
みいだ
)
し
得
(
う
)
べからざるほどに、太い
縞柄
(
しまがら
)
の
派出
(
はで
)
な物であった。彼はこの袴の上に両手を載せて、自分は
南部
(
なんぶ
)
のものだと云った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
近年
(
きんねん
)
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
の
古
(
ふる
)
い
遺物
(
いぶつ
)
が
發見
(
はつけん
)
されるといふことでありますし、なほ
北方
(
ほつぽう
)
のシベリヤの
南部
(
なんぶ
)
においても、
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
のものが
現
(
あらは
)
れて
來
(
き
)
たところから
見
(
み
)
ますと
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
実はてまえも、いささか誇りといたす愛馬で、
南部
(
なんぶ
)
の馬
商人
(
あきんど
)
が、京の貴人へ、高値に売るとて、都へ曳いて上るのを、
強
(
た
)
って所望いたしたものにございまする。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日
(
こんにち
)
は
身装
(
なり
)
の
拵
(
こしら
)
えがくすんでも居ず
華美
(
はで
)
でも無い様子、ちょっと適当の
装
(
なり
)
に拵え、旧九月四日の事でございましたが、
南部
(
なんぶ
)
の
藍
(
あい
)
の
万筋
(
まんすじ
)
の下へ、
琉球
(
りゅうきゅう
)
の変り
飛白
(
がすり
)
の
下著
(
したぎ
)
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
南部
(
なんぶ
)
が何と言っても、京都には敵いません。値段も倍から違います。
鉄気
(
かなけ
)
の出ないこと
請合
(
うけあい
)
です」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
秋は早い奥州の或
山間
(
さんかん
)
、何でも
南部
(
なんぶ
)
領とかで、
大街道
(
おおかいどう
)
とは
二日路
(
ふつかじ
)
も
三日路
(
みっかじ
)
も横へ折れ込んだ途方もない
僻村
(
へきそん
)
の
或
(
ある
)
寺を心ざして、その男は鶴の如くに
癯
(
や
)
せた病躯を運んだ。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
南部
(
なんぶ
)
の山中から
駈
(
か
)
け出した十六歳の少年が仙台で将軍の
応接間
(
おうせつま
)
の椅子に先ず腰かけて「馬鹿ッ!」と
大喝
(
だいかつ
)
されてから、二十八歳の休職士官が失意失恋故山に
悶死
(
もんし
)
するまで
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
青森地方、即ち
南部
(
なんぶ
)
や
津軽
(
つがる
)
からも、はるかに九州のこの
僻地
(
へきち
)
まで、数名の門弟が来ている。
淡窓先生の教育
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
まだ三月二十日になったばかりですが、少年の住んでいる村は、
南部
(
なんぶ
)
スコーネのずっと南の、西ヴェンメンヘーイにありました。そこにはもう春の
香
(
かお
)
りがみちみちていたのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
尤
(
もつと
)
も「チヌノウミ」は
元來
(
ぐわんらい
)
和泉
(
いづみ
)
の
南部
(
なんぶ
)
のチヌといふ
所
(
ところ
)
の
沖
(
おき
)
を
稱
(
せう
)
したのではあるが‥‥。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
南部
(
なんぶ
)
の紫紺染は、
昔
(
むかし
)
は大へん名高いものだったそうですが、
明治
(
めいじ
)
になってからは、
西洋
(
せいよう
)
からやすいアニリン
色素
(
しきそ
)
がどんどんはいって来ましたので、
一向
(
いっこう
)
はやらなくなってしまいました。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
五年十二月には
南部
(
なんぶ
)
家と共に永く東西蝦夷地を警衛することを命ぜられて、十万石に進み、
従
(
じゅ
)
四位
下
(
げ
)
に叙せられた。この津軽家の政務発展の時に当って、允成が
啓沃
(
けいよく
)
の功も少くなかったらしい。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
昨日
(
きのふ
)
甘
(
あま
)
へて
買
(
か
)
ふて
貰
(
もら
)
ひし
黒
(
くろ
)
ぬりの
駒下駄
(
こまげた
)
、よしや
疊
(
たゝみ
)
は
擬
(
まが
)
ひ
南部
(
なんぶ
)
にもせよ、
比
(
くら
)
ぶる
物
(
もの
)
なき
時
(
とき
)
は
嬉
(
うれ
)
しくて
立出
(
たちいで
)
ぬ、さても
東叡山
(
とうえいざん
)
の
春
(
はる
)
四
月
(
ぐわつ
)
、
雲
(
くも
)
に
見紛
(
みまが
)
ふ
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
の
花
(
はな
)
も
今日
(
けふ
)
明日
(
あす
)
ばかりの十七日
成
(
な
)
りければ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
惰氣滿々
(
だきまん/\
)
たる
此時
(
このとき
)
に、
南部
(
なんぶ
)
の
横穴
(
よこあな
)
の
方
(
かた
)
で、
坪井博士
(
つぼゐはかせ
)
は、一
聲
(
せい
)
高
(
たか
)
く。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
南部
(
なんぶ
)
。255。
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
伴
(
ともな
)
ひ紀州へこそは歸りけれ
爰
(
こゝ
)
に伊豫國
新居郡
(
にゐごほり
)
西條の
城主
(
じやうしゆ
)
高三萬石松平左京太夫
此程
(
このほど
)
病氣
(
びやうき
)
の所ろいまだ
嫡子
(
ちやくし
)
なし此は紀伊家の
分家
(
ぶんけ
)
ゆゑ
家督評議
(
かとくひやうぎ
)
として紀州の
家老
(
からう
)
水野筑後守
(
みづのちくごのかみ
)
久野但馬守
(
くのたじまのかみ
)
三
浦
(
うら
)
彈正
(
だんじやう
)
菅沼
(
すがぬま
)
重兵衞渡邊
對馬守
(
つしまのかみ
)
熊谷
(
くまがや
)
次郎
南部
(
なんぶ
)
喜太夫等の
面々
(
めん/\
)
打
(
うち
)
より
跡目
(
あとめ
)
の評議に及びける
時
(
とき
)
水野筑後守
進出
(
すゝみいで
)
て申けるは各々の
御了簡
(
ごれうけん
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
奧羽地方
(
おううちほう
)
では
更
(
さら
)
に
下
(
くだ
)
つて
四千七百尺
(
しせんしちひやくしやく
)
から
三千五百尺
(
さんぜんごひやくしやく
)
の
高
(
たか
)
さまでになり、
北海道
(
ほつかいどう
)
の
南部
(
なんぶ
)
では
一千五百尺
(
いつせんごひやくしやく
)
に
下
(
くだ
)
り、その
中央
(
ちゆうおう
)
では
遂
(
つひ
)
に
海水面
(
かいすいめん
)
と
一致
(
いつち
)
してゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
旧
南部
(
なんぶ
)
領にはウバガシラとウバシラガというのと二つあって、
姥白髪
(
うばしらが
)
の方が印象は深いが、私は
姥頭
(
うばがしら
)
の方が舞の姿から出た名で、一つ古いもののように思っている。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
喟然
(
きぜん
)
として
私
(
わたし
)
は
歎
(
たん
)
じた。
人間
(
にんげん
)
は
斯
(
そ
)
の
徳
(
とく
)
による。むかし、
路次裏
(
ろじうら
)
のいかさま
宗匠
(
そうしやう
)
が、
芭蕉
(
ばせを
)
の
奧
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
の
眞似
(
まね
)
をして、
南部
(
なんぶ
)
のおそれ
山
(
やま
)
で、おほかみにおどされた
話
(
はなし
)
がある。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
嫁
(
とつ
)
いで京都に往って居る
季
(
すえ
)
の
女
(
むすめ
)
の家を訪うべく幾年か心がけて居た母と、折よく
南部
(
なんぶ
)
から出て来た
寄生木
(
やどりぎ
)
のお新お糸の姉妹を連れて、余の家族を合せて
同勢
(
どうぜい
)
六人京都に往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
インドにおいては、
地理
(
ちり
)
歴史
(
れきし
)
の
關係
(
くわんけい
)
から、
北部
(
ほくぶ
)
と
南部
(
なんぶ
)
とでは
根本
(
こんぽん
)
から
言語
(
げんご
)
がちがふので、インド
人
(
じん
)
同士
(
どうし
)
で
英語
(
えいご
)
を
以
(
もつ
)
て
會話
(
くわいわ
)
を
試
(
こゝろ
)
みてゐるのを
見
(
み
)
てインドが
到底
(
たうてい
)
獨立
(
どくりつ
)
し
得
(
え
)
ざるゆゑんを
悟
(
さと
)
つた。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
と大きな
声
(
こゑ
)
を出して
山中
(
やまぢう
)
呶鳴
(
どな
)
り歩きます
中
(
うち
)
に、
田圃
(
たんぼ
)
の
出口
(
でぐち
)
の
掛茶屋
(
かけぢやや
)
に腰を
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
ました
女
(
をんな
)
は
芳町辺
(
よしちやうへん
)
の
芸妓
(
げいしや
)
と見えて、お
参
(
まゐ
)
りに
来
(
き
)
たのだから
余
(
あま
)
り
好
(
よ
)
い
装
(
なり
)
では
有
(
あ
)
りません、
南部
(
なんぶ
)
の
藍
(
あゐ
)
の
萬筋
(
まんすぢ
)
の
小袖
(
こそで
)
に
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また
陸奥国
(
むつのくに
)
八戸
(
はちのへ
)
の城主
南部
(
なんぶ
)
遠江守
(
とうとうみのかみ
)
信順
(
のぶゆき
)
と越前国
鯖江
(
さばえ
)
の城主
間部
(
まなべ
)
下総守
詮勝
(
あきかつ
)
とから五人扶持ずつの俸を受けていた。しかし躋寿館においても、家塾においても、大抵養子
竹逕
(
ちくけい
)
が代講をしていたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかしこの
帶
(
たい
)
に
屬
(
ぞく
)
する
土地
(
とち
)
でも、その
南部
(
なんぶ
)
では、
自然
(
しぜん
)
のまゝに
育
(
そだ
)
つた
林
(
はやし
)
が
少
(
すくな
)
く、
人
(
ひと
)
がどん/\
伐
(
き
)
つてはその
跡
(
あと
)
へすぎ、ひのき
等
(
など
)
を
植林
(
しよくりん
)
して
育
(
そだ
)
てた
林
(
はやし
)
が
多
(
おほ
)
いので
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
外
南部
(
なんぶ
)
ではアモコ、岩手県も中央部ではモンコ、それから海岸の方に向かうとモッコ又はモーコで、あるいは昔蒙古人を怖れていた時代に、そういい始めたのだろうという説さえある。
おばけの声
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
侍「
南部
(
なんぶ
)
の
恐山
(
おそれざん
)
から地獄谷の
向
(
むこう
)
へ抜ける時だ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
半歳
(
はんとし
)
の後、彼は郷里の
南部
(
なんぶ
)
で死んだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“南部”の意味
《名詞》
南 部(なんぶ)
南の方の部分。
《固有名詞》
南 部(なんぶ)
青森県南部、岩手県北・中部などを指す地域名。南部地方。その地域の領主であった南部氏に由来。
アメリカ合衆国南部、ロッキー山脈以東のアメリカ合衆国南部地域で、主に南北戦争でアメリカ連合国を構成した州を指す。cf.西部
(出典:Wiktionary)
南
常用漢字
小2
部首:⼗
9画
部
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
“南部”で始まる語句
南部椀
南部表
南部家
南部霰地
南部浪人
南部大膳大夫
南部駒
南部馬
南部紬
南部紫