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轉
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まろ
ふりがな文庫
“
轉
(
まろ
)” の例文
新字:
転
此時
(
このとき
)
にふと
心付
(
こゝろつ
)
くと、
何者
(
なにもの
)
か
私
(
わたくし
)
の
後
(
うしろ
)
にこそ/\と
尾行
(
びかう
)
して
來
(
く
)
る
樣子
(
やうす
)
、オヤ
變
(
へん
)
だと
振返
(
ふりかへ
)
る、
途端
(
とたん
)
に
其
(
その
)
影
(
かげ
)
は
轉
(
まろ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く
私
(
わたくし
)
の
足許
(
あしもと
)
へ
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
身をもて造れる十字架を胸の上より解き放ち、岸に沿ひまた底に沿ひて我を
轉
(
まろ
)
ばし、遂に己が
獲物
(
えもの
)
をもて我を被ひ且つ卷けり。 —一二九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
薪とる
里人
(
さとびと
)
の話によれば、庵の中には玉を
轉
(
まろ
)
ばす如き
柔
(
やさ
)
しき聲して、
讀經
(
どきやう
)
の
響絶
(
ひゞきた
)
ゆる時なく、
折々
(
をり/\
)
閼伽
(
あか
)
の
水汲
(
みづく
)
みに、谷川に下りし姿見たる人は
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
も云ず
拔打
(
ぬきうち
)
に
提灯
(
ちやうちん
)
バツサリ
切落
(
きりおと
)
せば音吉はきやツと一聲立たる
儘
(
まゝ
)
土手
(
どて
)
より
動
(
どう
)
と
轉
(
まろ
)
び
落
(
おち
)
狼藉者
(
らうぜきもの
)
よと
呼
(
よば
)
はりながら雲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
胡粉
(
ごふん
)
に
分
(
わか
)
れた
水
(
みづ
)
の
影
(
かげ
)
は、
朱
(
しゆ
)
を
研
(
と
)
ぐ
藥研
(
やげん
)
に
水銀
(
すゐぎん
)
の
轉
(
まろ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く、
衝
(
つ
)
と
流
(
なが
)
れて、すら/\と
絲
(
いと
)
を
曳
(
ひ
)
くのであつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
しかもこの山は富士山のやうに全く
轉
(
まろ
)
び出たやうに孤立してゐるのではない。妙高、戸隱、飯綱の諸山は相呼應して、嚴として高原の奧に空を劃して立つてゐる。
霧の旅
(旧字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
背中を突かれて驚く男、袂をくぐられて間誤付く女、跳ね飛ばされて泣くは子供、足下を攫はれて
轉
(
まろ
)
ぶが年寄、呆氣に取られた人人の間を縫て、矢の樣に走つて行く一人の男。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「今
急
(
と
)
くこの
水門
(
みなと
)
に往きて、水もちて汝が身を洗ひて、すなはちその水門の
蒲
(
かま
)
の
黄
(
はな
)
七
を取りて、敷き散して、その上に
輾
(
こ
)
い
轉
(
まろ
)
びなば、汝が身本の
膚
(
はだ
)
のごと、かならず
差
(
い
)
えなむ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
が、いくら
身悶
(
みもだ
)
えをしても、
體中
(
からだぢう
)
にかかつた
繩目
(
なわめ
)
は、一
層
(
そう
)
ひしひしと
食
(
く
)
ひ
入
(
い
)
るだけです。わたしは
思
(
おも
)
はず
夫
(
をつと
)
の
側
(
そば
)
へ、
轉
(
まろ
)
ぶやうに
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
りました。いえ、
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
らうとしたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
本堂の如來さま驚きて臺座より
轉
(
まろ
)
び落給はんかと危ぶまるゝやうなり、御新造はいまだ四十の上を幾らも越さで、色白に髮の毛薄く、丸髷も小さく結ひて見ぐるしからぬまでの人がら
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
如何
(
いか
)
にも、あの
綺麗
(
きれい
)
な
雪
(
ゆき
)
が
溶
(
と
)
けて、
露
(
つゆ
)
の
玉
(
たま
)
になつて
樋
(
とひ
)
の
中
(
なか
)
へ
轉
(
まろ
)
び
込
(
こ
)
むのにふさはしい
音
(
おと
)
である……
轉
(
まろ
)
び
込
(
こ
)
んだ
露
(
つゆ
)
はとろ/\と
響
(
ひゞき
)
に
誘
(
いざな
)
はれて
流
(
なが
)
れ、
流
(
なが
)
れる
水
(
みづ
)
はとろ/\と
響
(
ひゞき
)
を
導
(
みちび
)
いて
行
(
い
)
く。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
眼
(
め
)
瞑
(
と
)
づれば 氷の上を風が吹く われ石となりて
轉
(
まろ
)
びて行くを
かめれおん日記
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
硫黄
(
いわう
)
沸
(
わ
)
く
煙
(
けぶり
)
に咽び、われとわが座より
轉
(
まろ
)
びて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
我は詞なくて姫の金蓮の下に臥し
轉
(
まろ
)
びつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
(花園夫婦はこけつ
轉
(
まろ
)
びつ逃げ去る。)
能因法師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かの
轉
(
まろ
)
がされし
酒桶
(
さかをけ
)
のなかに入りて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
轉
(
まろ
)
びがちなるならひや
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
深く思ひ
決
(
さだ
)
めし瀧口が一念は、石にあらねば
轉
(
まろ
)
ばすべくもあらざれども、忠と孝との
二道
(
ふたみち
)
に恩義をからみし父の言葉。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
美
(
うる
)
はしき
顏
(
かほ
)
は『あら。』とばつかり、
其
(
その
)
良君
(
おつと
)
を
顧見
(
かへりみ
)
る。
私
(
わたくし
)
は
彼方
(
かなた
)
へ!
彼方
(
かなた
)
は
此方
(
こなた
)
へ!
轉
(
まろ
)
ぶがごとく※
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いへる處に心をとめ、わが思ひを正さざりせば、今は
轉
(
まろ
)
ばしつゝ
憂
(
う
)
き牴觸を感ずるものを —四二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
さし
貫
(
つらぬ
)
き見るに見られぬ
形状
(
ありさま
)
なれば平吉は
動
(
どう
)
とばかりに
倒
(
たふ
)
れ
伏
(
ふし
)
死骸
(
しがい
)
に取付
狂氣
(
きやうき
)
の如く天に叫び地に
轉
(
まろ
)
び
悲歎
(
ひたん
)
に
昏
(
くれ
)
て居たりしが
良
(
やゝ
)
ありて氣を取直し涙を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
倩々
(
つく/″\
)
と父の
面
(
おもて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
跡
(
あと
)
になして
乘
(
の
)
り
出
(
いだ
)
す
車
(
くるま
)
の
掛聲
(
かけごゑ
)
に
走
(
はし
)
り
退
(
の
)
く
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
あれは
何方
(
いづく
)
の
藥取
(
くすりとり
)
憐
(
あは
)
れの
姿
(
すがた
)
やと
見返
(
みかへ
)
れば
彼方
(
かなた
)
よりも
見返
(
みかへ
)
る
顏
(
かほ
)
オヽ
芳
(
よし
)
さま
詞
(
ことば
)
の
未
(
いま
)
だ
轉
(
まろ
)
び
出
(
い
)
でぬ
間
(
ま
)
に
車
(
くるま
)
は
轣轆
(
れきろく
)
として
轍
(
わだち
)
のあと
遠
(
とほ
)
く
地
(
ち
)
に
印
(
しる
)
されぬ。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
床
(
とこ
)
より墮ち
轉
(
まろ
)
びて、その室の人どもを追ひ出して、その二柱の御子を、
左右
(
ひだりみぎり
)
の膝の
上
(
へ
)
に
坐
(
ま
)
せまつりて、泣き悲みて、人民どもを集へて、假宮を作りて、その假宮に
坐
(
ま
)
せまつり置きて、
驛使
(
はゆまづかひ
)
上りき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
眼
(
め
)
瞑
(
と
)
づれば氷の上を風が吹く我は石となりて
轉
(
まろ
)
びて行くを
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
誰
(
た
)
が手か
轉
(
まろ
)
がしおける、想ひ見れば
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
ズボンは
滅茶苦茶
(
めちやくちや
)
に
引裂
(
ひきさ
)
かれ、
片足
(
かたあし
)
の
靴
(
くつ
)
は
無殘
(
むざん
)
に
噛取
(
かみと
)
られて、
命
(
いのち
)
から/″\
車中
(
しやちう
)
に
轉
(
まろ
)
び
込
(
こ
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
馬鹿野郎
(
ばかやらう
)
めと
罵
(
のゝし
)
りながら
袋
(
ふくろ
)
をつかんで
裏
(
うら
)
の
空地
(
あきち
)
へ
投出
(
なげいだ
)
せば、
紙
(
かみ
)
は
破
(
やぶ
)
れて
轉
(
まろ
)
び
出
(
で
)
る
菓子
(
くわし
)
の、
竹
(
たけ
)
のあら
垣
(
がき
)
打
(
うち
)
こえて
溝
(
どぶ
)
の
中
(
なか
)
に
落込
(
おちこ
)
むめり、
源
(
げん
)
七はむくりと
起
(
お
)
きてお
初
(
はつ
)
と一
聲
(
こゑ
)
大
(
おほ
)
きくいふに
何
(
なに
)
か
御用
(
ごよう
)
かよ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
積重
(
つみかさ
)
ね其上へ
稍
(
やつ
)
と
這上
(
はひあが
)
り
件
(
くだん
)
の
紐
(
ひも
)
の
兩端
(
りやうはし
)
を柱の上へ
縛付
(
しばりつけ
)
首に卷つゝ南無阿彌陀佛の
聲
(
こゑ
)
諸倶
(
もろとも
)
夜着の上より
轉
(
まろ
)
び落れば其
途端
(
はずみ
)
に首
縊
(
くゝ
)
れ終にぞ息は
絶
(
た
)
えたりける
却
(
かへつ
)
て
説
(
とく
)
お菊は田原町にて金の相談せしに金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蕾の
唇
(
くちびる
)
惜氣
(
をしげ
)
もなく喰ひしばりて、噛み碎く息の切れ/″\に全身の哀れを忍ばせ、はては耐へ得で、體を
岸破
(
がば
)
とうつ伏して、人には見えぬ
幻
(
まぼろし
)
に我身ばかりの
現
(
うつゝ
)
を寄せて、よゝとばかりに泣き
轉
(
まろ
)
びつ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
やまうどの
眼
(
まなこ
)
は
轉
(
まろ
)
び沈み入り
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
轉
(
まろ
)
ぶ
白玉
(
しらたま
)
の
露
(
つゆ
)
うるはしゝ、
思
(
おも
)
へば
誰
(
た
)
れも
消
(
き
)
ゆる
世
(
よ
)
なるを、
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
一ツなき
物
(
もの
)
にせば、
何方
(
いづく
)
に
何
(
なん
)
の
障
(
さわ
)
りか
有
(
あ
)
るべき、
我
(
わ
)
れ
憂
(
う
)
き
世
(
よ
)
の
厭
(
いと
)
はしきは
今
(
いま
)
はじめたることならず、
捨
(
す
)
てんは
兼
(
かね
)
てよりの
願
(
ねが
)
ひなり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
轉
部首:⾞
18画
“轉”を含む語句
轉倒
轉覆
移轉
廻轉
一轉
寐轉
轉換
輾轉
臥轉
轉居
一等運轉手
流轉
轉婆
運轉手
轉地
寢轉
回轉
自轉
轉寢
轉落
...