“二道”の読み方と例文
読み方割合
ふたみち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれは今、世阿弥の残した秘財と、美しいその息女とに、色慾しきよく二道ふたみちかけて、さまざまな画策かくさくをやりぬいている最中だ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
深く思ひさだめし瀧口が一念は、石にあらねばまろばすべくもあらざれども、忠と孝との二道ふたみちに恩義をからみし父の言葉。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
或時瀬戸が「君は老人のような理窟りくつを考えるね」と云ったのも道理である。色でしたか、慾でしたか、それとも色と慾との二道ふたみち掛けてしたかと、新聞紙の三面の心理のような事が考えられる。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)