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蛙
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かはづ
ふりがな文庫
“
蛙
(
かはづ
)” の例文
『それは
能
(
よ
)
く
解
(
わか
)
つてる、
大方
(
おほかた
)
蛙
(
かはづ
)
か
蟲
(
むし
)
ぐらゐのものだらう』と
云
(
い
)
つて
家鴨
(
あひる
)
は『しかし、
僕
(
ぼく
)
の
訊
(
き
)
くのは
大僧正
(
だいそうじよう
)
が
何
(
ど
)
うしたと
云
(
い
)
ふのだ?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「これでもう天井の落ちる心配もなくなつた。」書庫が出来上ると、犬養氏は
夜着
(
よぎ
)
のなかで、安心して
蛙
(
かはづ
)
のやうに両脚を踏み延ばした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(将来を過去に求めるのは常に我々のする所である。我々の心の眼なるものはお伽噺の
蛙
(
かはづ
)
の眼と多少同一に出来てゐるらしい。)
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかも人知れず
埋
(
うづも
)
れたその池の中にも、生物は絶えずその生と滅とを続けてゐるのであつた。夜は
蛙
(
かはづ
)
の鳴く声が
喧
(
やかま
)
しくそこからきこえた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
宵月
(
よいづき
)
の
頃
(
ころ
)
だつたのに
曇
(
くもつ
)
てたので、
星
(
ほし
)
も
見
(
み
)
えないで、
陰々
(
いんいん
)
として
一面
(
いちめん
)
にものゝ
色
(
いろ
)
が
灰
(
はい
)
のやうにうるんであつた、
蛙
(
かはづ
)
がしきりになく。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
二本でも時々
観世物
(
みせもの
)
などに来ることがあります。これは「両頭の蛇」と云つて、蛇の
不具
(
かたは
)
です。
蛙
(
かはづ
)
や
蜥蜴
(
とかげ
)
などにも、よくこんなのがゐます。
原つぱの子供会
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
殊にナブルスの谷は、清泉
処々
(
しよ/\
)
に湧きて、
橄欖
(
かんらん
)
、
無花果
(
いちじゆく
)
、
杏
(
あんず
)
、桑、林檎、葡萄、各種野菜など青々と茂り、小川の末には
蛙
(
かはづ
)
の音さへ聞こえぬ。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
(お時は奧に入る。
蛙
(
かはづ
)
の聲きこゆ。十吉は蚊いぶしを煽ぐ。村の娘お米、浴衣にて出で、内を窺ひてつか/\入り來る。)
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此うなツては、幾らえらい藝術家も、
柳
(
やなぎ
)
に
飛付
(
とびつ
)
かうとする
蛙
(
かはづ
)
にも
劣
(
おと
)
る………幾ら飛付かうとして
躍起
(
やツき
)
になツたからと謂ツて取付くことが出來ない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
古池に飛び込む
蛙
(
かはづ
)
は昔のまゝの蛙であらう。中に
玉章
(
たまづさ
)
忍ばせた
萩
(
はぎ
)
と
桔梗
(
ききやう
)
は
幾代
(
いくだい
)
たつても同じ形同じ色の萩桔梗であらう。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
た
蛙
(
かはづ
)
は
剽輕
(
へうきん
)
に
其
(
その
)
花
(
はな
)
へ
飛
(
と
)
び
付
(
つ
)
いて、それからぐつと
後
(
うしろ
)
の
足
(
あし
)
で
水
(
みづ
)
を
掻
(
か
)
いて
向
(
むかふ
)
の
岸
(
きし
)
へ
着
(
つ
)
いてふわりと
浮
(
う
)
いた
儘
(
まゝ
)
大
(
おほ
)
きな
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つてこちらを
見
(
み
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
草ごめや
蛙
(
かはづ
)
のこゑの、夜に聴けばくくくとふくむ。おもしろよ
盲目
(
めしひ
)
の蛙、かいろ、くく、暗しとを啼く。
盲
(
し
)
ひぬ
盲
(
し
)
ひぬ、くくく。惜しや惜しや、くくく。
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蛙
(
かはづ
)
の声もする。はじめ気がついた時は僅に蛙の声かと聞き分くる位のひそみ音であつたが、筬の音と張り競ふのか、あまたのひそみ音の中に一匹大きな蛙の声がぐわアとする。
斑鳩物語
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
井手
(
ゐで
)
の
蛙
(
かはづ
)
の干したのも珍らしくないからと、行平殿のござつた時、モウシ若様、
妾
(
わたし
)
の
従来
(
これまで
)
見た事の無いのは
業平
(
なりひら
)
朝臣
(
あそん
)
の歌枕、
松風
(
まつかぜ
)
村雨
(
むらさめ
)
の
汐汲桶
(
しほくみをけ
)
、ヘマムシ入道の
袈裟法衣
(
けさころも
)
、
小豆
(
あづき
)
大納言の
小倉
(
をぐら
)
の色紙
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
閨中
(
けいちゆう
)
の
秘語
(
ひご
)
を心
平
(
たひ
)
らかに聞くごとし町の夜なかに
蛙
(
かはづ
)
鳴きたり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
おぼろ夜の月には水も霞むらん
蛙
(
かはづ
)
なくなり前の山の井
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
湯崗子
蛙
(
かはづ
)
なくなる夕ぐれに柳のわたのしのびくる窓
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
けりけりと水のほとりに鳴く
蛙
(
かはづ
)
駱駝の瘤にまたがつて
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
閣に坐して遠き
蛙
(
かはづ
)
を聞く夜かな
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
一徳利
(
ひとゝくり
)
あとは
蛙
(
かはづ
)
の聲に寐よ
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
古池や
蛙
(
かはづ
)
とびこむ水の音
意慾的創作文章の形式と方法
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
秀子
(
ひでこ
)
とともに
蛙
(
かはづ
)
聴
(
き
)
きけれ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
蛙
(
かはづ
)
ゲッコゲッコ
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
お婆さんは大きな膝を夫人の方へ
捩
(
ね
)
ぢ向けた。椅子はその重みに溜らぬやうに、お婆さんの腰の下で
蛙
(
かはづ
)
のやうに泣き声を立てた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
拳
(
こぶし
)
で
荒々
(
あら/\
)
しく
戸
(
と
)
を
敲
(
たゝ
)
くと、
戸
(
と
)
は
中
(
なか
)
から
制服
(
せいふく
)
を
着
(
つ
)
けた、
圓顏
(
まるがほ
)
で
蛙
(
かはづ
)
のやうに
大
(
おほ
)
きい
眼
(
め
)
をしたモ
一人
(
ひとり
)
の
歩兵
(
ほへい
)
の
手
(
て
)
で
開
(
ひら
)
かれました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
寂寞
(
ひつそ
)
と
成
(
な
)
る。
蛙
(
かはづ
)
の
声
(
こゑ
)
の
小
(
を
)
やむだ
間
(
ま
)
を、
何
(
なん
)
と、
園
(
その
)
は、はづみでころがり
出
(
だ
)
した
服紗
(
ふくさ
)
の
銀
(
ぎん
)
の
鍋
(
なべ
)
に、
霊
(
れい
)
と
知
(
し
)
りつゝ、
其
(
そ
)
の
霊
(
れい
)
の
常夏
(
とこなつ
)
の
花
(
はな
)
をうけようとした。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
棗
(
なつめ
)
の花の咲くところ、光は強く、
陽
(
ひ
)
は青し。棗の
下
(
もと
)
に啼く
蛙
(
かはづ
)
、蛙と呼ばひ
恍
(
ほ
)
れ遊ぶ。棗よそよげ、青空に。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
(能因は紙づつみを披く。加賀も良因ものぞいて見る。包の中よりは干した
蛙
(
かはづ
)
が一匹出る。)
能因法師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いつも上野の森蔭や根岸の垣根道に時間を定めて忍び會ひ、其れからは足の行くまゝ氣の向くまゝ、遠く向島のはづれまで走つて、もう
蛙
(
かはづ
)
の鳴いてゐる
田中
(
たなか
)
の温泉宿に泊る。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
且
(
かつ
)
は御機嫌もこの時より引きつづき甚だよろしからず、ことごとにわたくしどもをお叱りなされ、又お叱りなさるる度に「えそぽ物語」とやらをお読み聞かせ下され、誰はこの
蛙
(
かはづ
)
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
春雲
(
しゆんうん
)
月
(
つき
)
を
籠
(
こ
)
めて、
夜
(
よる
)
ほの白く、
桜花
(
あうくわ
)
澹
(
たん
)
として無からむとす。
蛙
(
かはづ
)
の声いと静かなり。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
蛙
(
かはづ
)
の喧しく啼くのを見ても、人が海辺川辺に避暑に出かけて行く噂を耳にしても、時の間に過去になつたその恋がいろ/\に思ひ出されて容易にそこから離れて来ることは出来なかつた。
百合子
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
こもりくの谷の若葉の繁り深み
蛙
(
かはづ
)
ころろ鳴く声さびしらに
『さびし』の伝統
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
雨を呼ぶ
蛙
(
かはづ
)
よ明日は和田峠
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
蛙
(
かはづ
)
は
水田
(
みづた
)
でお
囃
(
はや
)
しだ
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
蛙
(
かはづ
)
のお客さん
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
蛙
(
かはづ
)
は愛嬌者で、
臍
(
へそ
)
の無い癖に人間並に一つは持合せてゐるらしい顔つきをしてゐるが、広い世間にはこんな愛嬌者を何よりも
恐
(
こは
)
がる人さへある。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
(
そ
)
れの
徳義
(
とくぎ
)
は——「
廋
(
かく
)
すより
露
(
あら
)
はるゝはなし」——
尚
(
な
)
ほ
言
(
い
)
ひ
換
(
か
)
へれば——「
外見
(
ぐわいけん
)
を
飾
(
かざ
)
るな、
幾
(
いく
)
ら
體裁
(
ていさい
)
ばかり
繕
(
つくろ
)
つても
駄目
(
だめ
)
だ、
蛙
(
かはづ
)
の
子
(
こ
)
は
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱり
)
蛙
(
かはづ
)
さ」
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
櫻
(
さくら
)
、
山吹
(
やまぶき
)
、
寺内
(
じない
)
の
蓮
(
はちす
)
の
華
(
はな
)
の
頃
(
ころ
)
も
知
(
し
)
らない。そこで
蛙
(
かはづ
)
を
聞
(
き
)
き、
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
待
(
ま
)
つ
度胸
(
どきよう
)
もない。
暗夜
(
やみよ
)
は
可恐
(
おそろし
)
く、
月夜
(
つきよ
)
は
物
(
もの
)
すごい。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
古池
(
ふるいけ
)
には早くも
昼中
(
ひるなか
)
に
蛙
(
かはづ
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて、去年のまゝなる
枯草
(
かれくさ
)
は水にひたされて
腐
(
くさ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
蛙
(
かはづ
)
が鳴き立てゝ居た。海岸の家畑には、夏蜜柑がその黄ろい大きな実を艶の好い
緑葉
(
みどりは
)
の中に見せて居た。風の寒い伊勢志摩から比べると、かうも違ふかと思はれるほど気候が暖かであつた。
春雨にぬれた旅
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
春さきのころころ
蛙
(
かはづ
)
、一つ鳴き、二つ鳴き、ころころと
後
(
あと
)
続け鳴き、ふと鳴き止み、くぐみ鳴き、また急に湧きかへり鳴く。いよいよに声合せ鳴く。近き田のころころ蛙、よく聴けば声変り鳴く。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蛙
(
かはづ
)
鳴くから
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
それを見ると、外の俳人連もぢつとしては
居
(
を
)
られなかつた。みんな古池の
蛙
(
かはづ
)
のやうに自席からのこのこ這ひ出して来た。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
俥
(
くるま
)
は
踏切
(
ふみきり
)
を、
其
(
そ
)
の
蛙
(
かはづ
)
の
声
(
こゑ
)
の
上
(
うへ
)
を
越
(
こ
)
した。
一昨日
(
おととひ
)
の
夜
(
よ
)
を
通
(
とほ
)
した
雨
(
あめ
)
のなごりも、
薄
(
うす
)
い
皮
(
かは
)
一
枚
(
まい
)
張
(
は
)
つたやうに
道
(
みち
)
が
乾
(
かは
)
いた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
耳
聰
(
さと
)
き子らかなやあはれ夜に聽きて
蛙
(
かはづ
)
啼くころろと啼くよと聽きをる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蛙
(
かはづ
)
になつた
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「いや/\隠し立てしたつて駄目です。」博士は湯の中で
蛙
(
かはづ
)
のやうに顔をふつた。「肌ざはりでちやんと判りますよ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
白河
(
しらかは
)
の
雨
(
あめ
)
の
夜
(
よ
)
ふけに、
鳴立
(
なきた
)
つて
蛙
(
かはづ
)
が
売
(
う
)
る、
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
の
影
(
かげ
)
を
添
(
そ
)
へた、うまさうな
饂飩
(
うどん
)
は
何
(
ど
)
うもやめられない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
耳
聡
(
さと
)
き子らかなやあはれ夜に聴きて
蛙
(
かはづ
)
啼くころろと啼くよと聴きをる
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“蛙(カエル)”の解説
カエル(蛙、en: Frog)は、両生綱無尾目(むびもく、Anura)に分類される構成種の総称。古称としてかわず(旧かな表記では「かはづ」)などがある。英名は一般にはfrogであるが、ヒキガエルのような外観のものをtoadと呼ぶことが多い。
(出典:Wikipedia)
蛙
漢検準1級
部首:⾍
12画
“蛙”を含む語句
青蛙
蟇蛙
赤蛙
初蛙
井蛙
雨蛙
洒蛙洒蛙
洒蛙々々
蛙子
疣蛙
女蛙
蛙泳
枝蛙
酒蛙酒蛙
田蛙
夜蛙
蛙股
青蛙神
蛙鳴蝉騒
酒蛙々々
...