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河
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かわ
ふりがな文庫
“
河
(
かわ
)” の例文
すみなれた
林
(
はやし
)
や、
山
(
やま
)
や、
河
(
かわ
)
や、
野原
(
のはら
)
を
見捨
(
みす
)
て、
知
(
し
)
らぬ
他国
(
たこく
)
へ
出
(
で
)
ることは、これらの
小鳥
(
ことり
)
にとっても、
冒険
(
ぼうけん
)
にちがいなかったからです。
ふるさと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
申
(
もう
)
し上げます。
如来正※知
(
にょらいしょうへんち
)
はあしたの朝の七時ごろヒームキャの
河
(
かわ
)
をおわたりになってこの町にいらっしゃるそうでございます」
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
寿平次は腰にした
道中差
(
どうちゅうざ
)
しを
部屋
(
へや
)
の床の間へ預ける時に言った。その静かさは、
河
(
かわ
)
の音の耳につく福島あたりにはないものだった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それらの事件をよそに、倉持はある時、どこか旅行でも思い立ったように、何かぎっちり詰まった
鞄
(
かばん
)
を
提
(
さ
)
げて、船で
河
(
かわ
)
を下り、町に入って来た。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手紙
(
てがみ
)
をお
書
(
か
)
き
今
(
いま
)
に三
河
(
かわ
)
やの
御用聞
(
ごようき
)
きが
來
(
く
)
るだろうから
彼
(
あ
)
の
子僧
(
こぞう
)
に
使
(
つか
)
ひやさんを
爲
(
さ
)
せるが
宜
(
い
)
い、
何
(
なん
)
の
人
(
ひと
)
お
孃樣
(
ぢようさま
)
ではあるまいし
御遠慮計
(
ごゑんりよばかり
)
申
(
まをし
)
てなる
物
(
もの
)
かな
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
須佐之男命
(
すさのおのみこと
)
は、大空から追いおろされて、
出雲
(
いずも
)
の国の、
肥
(
ひ
)
の
河
(
かわ
)
の
河上
(
かわかみ
)
の、
鳥髪
(
とりかみ
)
というところへおくだりになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
風は
※々
(
しゅうしゅう
)
と
両腋
(
りょうえき
)
に起こりて毛髪
竪
(
た
)
ち、道はさながら
河
(
かわ
)
のごとく、濁流脚下に
奔注
(
ほんちゅう
)
して、身はこれ虚空を
転
(
まろ
)
ぶに似たり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
オホキビツ彦の命とワカタケキビツ彦の命とは、お二方で
播磨
(
はりま
)
の
氷
(
ひ
)
の
河
(
かわ
)
の
埼
(
さき
)
に
忌瓮
(
いわいべ
)
を
据
(
す
)
えて
神
(
かみ
)
を
祭
(
まつ
)
り、播磨からはいつて
吉備
(
きび
)
の國を平定されました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
六条院の御遺産として右大臣の
有
(
ゆう
)
になっている土地は
河
(
かわ
)
の向こうにずっと続いていて、ながめのよい別荘もあった。
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ところが一切の
万物
(
もの
)
は、もちつもたれつの存在であるばかりでなく、すべてのものは、ちょうど
河
(
かわ
)
の水のようにつねに流れているのです。動いているのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
渓流に架かっている
蔦
(
つた
)
のかけ
橋
(
はし
)
、そこを
渡
(
わた
)
ると部落の盆地、あなたに四、五
軒
(
けん
)
、
河
(
かわ
)
べりに七、八軒、また
傾斜
(
けいしゃ
)
の山の
背
(
せ
)
にも八、九軒、
煙
(
けむり
)
を立てている
人家
(
じんか
)
があった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真夏の日の
午
(
ひる
)
すぎ、やけた砂を踏みながら、水泳を習いに行く通りすがりに、
嗅
(
か
)
ぐともなく嗅いだ
河
(
かわ
)
の水のにおいも、今では年とともに、親しく思い出されるような気がする。
大川の水
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、藤原は、何だか、
河
(
かわ
)
の堤防が決壊しでもしたように渦を巻いて彼の話を話し出した。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
そして無理やりに家から出かけさせた。彼が決心を翻えさないようにと、停車場までついて行った。クリストフはなお我を張って、せめて
河
(
かわ
)
を見ないうちは出発しないと言った。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
女星
(
めぼし
)
は早くも詩人が庭より立ち上る煙を見つけ、
今宵
(
こよい
)
はことのほか寒く、天の
河
(
かわ
)
にも霜降りたれば、かの煙たつ庭に
下
(
お
)
りて、たき火かきたてて語りてんというに、男星ほほえみつ
星
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
閑静なる
河
(
かわ
)
ぞいの宿をえらみて、ここを根拠地と定めつつ、軍服を脱ぎすてて平服に身を包み、人を避け、公会の招きを辞して、ただ
日々
(
にちにち
)
浪子を連れては
彼女
(
かれ
)
が意のむかうままに
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
燕王、真定の攻め難きを以て、燕軍は回出して
糧
(
かて
)
を取り、営中
備
(
そなえ
)
無しと言わしめ、傑等を
誘
(
いざな
)
う。傑等之を信じて、遂に
滹沱河
(
こだか
)
に出づ。王
河
(
かわ
)
を渡り
流
(
ながれ
)
に沿いて行くこと二十里、傑の軍と
藁城
(
ごうじょう
)
に遇う。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
瀧のような大雨は
天
(
あま
)
の
河
(
かわ
)
を切って落としたようにどっと降ってきた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
デイ
河
(
かわ
)
にござる。
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
子供
(
こども
)
は、お
母
(
かあ
)
さんの
許
(
ゆる
)
しなどを
受
(
う
)
けるのをもどかしく
思
(
おも
)
いました。ある
日
(
ひ
)
、
子供
(
こども
)
は、ひとりで、
河
(
かわ
)
の
真
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
へ
出
(
で
)
て、
遊
(
あそ
)
んでいました。
魚と白鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
みんなもじっと
河
(
かわ
)
を見ていました。
誰
(
だれ
)
も
一言
(
ひとこと
)
も
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
う人もありませんでした。ジョバンニはわくわくわくわく足がふるえました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
福島の関所は木曾街道中の関門と言われて、大手橋の向こうに正門を構えた山村氏の代官屋敷からは、
河
(
かわ
)
一つ隔てた町はずれのところにある。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
交
(
かわ
)
りばんこに罐詰の水菓子や、ケ—キの折などもって見舞がてら遊びに来る、
家
(
うち
)
の抱えや本家の養女たちで
賑
(
にぎ
)
わい、
河
(
かわ
)
の
洲
(
す
)
に工場をもっている罐詰屋の
野良子息
(
のらむすこ
)
や
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
河
(
かわ
)
へ流してほしいと言った一言以外にまだ今まで何も言わないのであったからたよりなく思った。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
河
(
かわ
)
は長く流れて、
向山
(
むこうやま
)
の松風静かに
度
(
わた
)
る
処
(
ところ
)
、天神橋の欄干に
靠
(
もた
)
れて、うとうとと
交睫
(
まどろ
)
む
漢子
(
おのこ
)
あり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこでごきょうだいは、
天安河
(
あめのやすのかわ
)
という
河
(
かわ
)
の両方の岸に分かれてお立ちになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
見ると、
河
(
かわ
)
は
燐光
(
りんこう
)
のように浮出しており、角燈が眼のように光っていて、そのガラスに大きな翼の蚊がぶっつかっていた。
扉
(
とびら
)
はしめられた。アーダは寝台のそばに立って、
微笑
(
ほほえ
)
んでいた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
降
(
お
)
りてみると燕作はもう
渓流
(
けいりゅう
)
の
岩
(
いわ
)
をとんで、ひらりと
対岸
(
たいがん
)
へあがっている。小文治が
河
(
かわ
)
の向こうへ
渡
(
わた
)
りついた時には、やはり同じ
距離
(
きょり
)
だけをさきへのばして、こんどはスタスタと
登
(
のぼ
)
りにかかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
鞭声
(
べんせい
)
粛々
(
しゅくしゅく
)
夜
(
よる
)
河
(
かわ
)
を渡る」なぞと、古臭い詩の句を
微吟
(
びぎん
)
したりした。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
海や
河
(
かわ
)
をさまよい行く。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
宝石商
(
ほうせきしょう
)
は、それから
幾日
(
いくにち
)
も
旅
(
たび
)
をしました。
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
え、
河
(
かわ
)
を
渡
(
わた
)
り、あるときは
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
り、そして、
南
(
みなみ
)
の
国
(
くに
)
を
指
(
さ
)
して、
旅
(
たび
)
をつづけました。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さびしく聞こえて来る夜の
河
(
かわ
)
の音は、この半蔵の心を日ごろ精神の支柱と頼む先師平田
大人
(
うし
)
の方へと誘った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
河
(
かわ
)
へ出ている広い泥岩の露出で
奇体
(
きたい
)
なギザギザのあるくるみの
化石
(
かせき
)
だの赤い
高師小僧
(
たかしこぞう
)
だのたくさん
拾
(
ひろ
)
った。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
この時節は
河
(
かわ
)
に近い山荘では
網代
(
あじろ
)
に当たる波の音も騒がしくやかましいからとお言いになって、
阿闍梨
(
あじゃり
)
の寺へおいでになり、念仏のため
御堂
(
みどう
)
に七日間おこもりになることになった。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その血がどんどん
肥
(
ひ
)
の
河
(
かわ
)
へ流れこんで、河の水もまっかになって落ちて行きました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
河
(
かわ
)
の上流にある倉持の家は、写真で見ても下手なお寺より大きい構えで、
棟
(
むね
)
の
瓦
(
かわら
)
に定紋の九曜星が浮き出しており、長々しい系図が語っているように、平家の落武者だというのはとにかくとしても
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いまの
巡礼
(
じゅんれい
)
は、
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
え、
河
(
かわ
)
を
渡
(
わた
)
り、
野原
(
のはら
)
を
過
(
す
)
ぎ、
村々
(
むらむら
)
をいって、
自分
(
じぶん
)
の
故郷
(
ふるさと
)
に
着
(
つ
)
くには、いつのころであろうと
考
(
かんが
)
えられたのです。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
正※知
(
しょうへんち
)
はあしたの朝の七時ごろヒームキャの
河
(
かわ
)
をおわたりになってこの町にいらっしゃるそうだ」
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そう思いながら、なおその心地をたどりつづけるうちに、大きな
河
(
かわ
)
の流れているところへ出た。そこは郷里の
木曾川
(
きそがわ
)
のようでもあれば、東京の
隅田川
(
すみだがわ
)
のようでもある。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
兵部卿
(
ひょうぶきょう
)
の宮は春の花盛りのころに、去年の春の
挿頭
(
かざし
)
の花の歌の贈答がお思い出されになるのであったが、その時のお供をした
公達
(
きんだち
)
などの
河
(
かわ
)
を渡ってお
訪
(
たず
)
ねした八の宮の風雅な山荘を
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
子供
(
こども
)
たちは、三びきのきれいな
魚
(
さかな
)
を
町
(
まち
)
はずれの
大
(
おお
)
きな
河
(
かわ
)
へ
逃
(
に
)
がしてやりました、その
後
(
あと
)
で
子供
(
こども
)
たちは、はじめて
気
(
き
)
がついていいました。
赤い魚と子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
正※知
(
しょうへんち
)
はあしたの朝の七時ごろヒームキャの
河
(
かわ
)
をおわたりになってこの町にいらっしゃるそうだ」
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
昼間は騒がしくても、夜になるとさびしい
河
(
かわ
)
から来るらしい音が、半蔵の耳にはいった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
遊びの一行は船で
河
(
かわ
)
を上り下りしながらおもしろい音楽を奏する声も山荘へよく聞こえた。目にも見えないことではなかった。若い女房らは河に面した座敷のほうから皆のぞいていた。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
おばあさんは、
家
(
うち
)
に
帰
(
かえ
)
って、こいが
跳
(
は
)
ねて
河
(
かわ
)
の
中
(
なか
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで、そのお
金
(
かね
)
を
払
(
はら
)
ったということを
話
(
はな
)
しますと、
美代子
(
みよこ
)
さんのお
母
(
かあ
)
さんは
千代紙の春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ええ、ええ、
河
(
かわ
)
までは二千
尺
(
じゃく
)
から六千
尺
(
じゃく
)
あります。もうまるでひどい
峡谷
(
きょうこく
)
になっているんです」
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
三の同僚と共に木曾川へ魚を
捕
(
と
)
りに行って、隣村山口の
八重島
(
やえじま
)
、
字龍
(
あざたつ
)
というところで、ついに
河
(
かわ
)
の水におぼれたことを言って、今度の悲劇もそれを何かの
祟
(
たた
)
りに結びつけるものもあった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ここばかりは、
自分
(
じぶん
)
のまいたわざわいの
砂
(
すな
)
や
河
(
かわ
)
の
水
(
みず
)
がかからなかったのかと
疑
(
うたが
)
いながら、その
家
(
いえ
)
の
前
(
まえ
)
をおそろしい
顔
(
かお
)
をして
通
(
とお
)
りました。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
光ったり
陰
(
かげ
)
ったり、
幾重
(
いくえ
)
にも
畳
(
たた
)
む
丘々
(
おかおか
)
の
向
(
むこ
)
うに、
北上
(
きたかみ
)
の野原が
夢
(
ゆめ
)
のように
碧
(
あお
)
くまばゆく
湛
(
たた
)
えています。
河
(
かわ
)
が、
春日大明神
(
かすがだいみょうじん
)
の
帯
(
おび
)
のように、きらきら銀色に
輝
(
かがや
)
いて
流
(
なが
)
れました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
近くにある
河
(
かわ
)
のところまで浪士は後ろ手にくくった百姓を引き立てた。「天誅」とはどういうわけかと降蔵が尋ねると、天誅とは首を切ることだと浪士が言って見せる。不幸な百姓は震えた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“河”の意味
《名詞》
(かわ) 降水や湧水が、地表の細長い窪みに沿って流れるもの。河川。
(出典:Wiktionary)
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
“河”を含む語句
河内
河童
河原
河上
河岸
大河
山河
河面
白河
河畔
沙河
河辺
河岸縁
小河
運河
恒河
河豚
銀河
河水
河口
...