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ゆふべ
ふりがな文庫
“
夕
(
ゆふべ
)” の例文
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
の
夕
(
ゆふべ
)
。
道子
(
みちこ
)
はいつよりも
少
(
すこ
)
し
早目
(
はやめ
)
に
稼
(
かせ
)
ぎ
場
(
ば
)
の
吾妻橋
(
あづまばし
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
くと、
毎夜
(
まいよ
)
の
顔馴染
(
かほなじみ
)
に、
心
(
こゝろ
)
やすくなつてゐる
仲間
(
なかま
)
の
女達
(
をんなたち
)
の
一人
(
ひとり
)
が
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
郎女は唯、
先
(
さき
)
の日見た、万法蔵院の
夕
(
ゆふべ
)
の幻を筆に追うて居たばかりである。堂・塔・伽藍すべては、当麻のみ寺のありの姿であつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
しばらく聴いてゐて、良寛さんは、やうやくそれが、異人達の住んでゐる出島の寺から、鳴り出す
夕
(
ゆふべ
)
の鐘の音であることがわかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
昔より
云傳
(
いひつたへ
)
たりまた里人の
茶話
(
ちやばなし
)
にも
朝
(
あした
)
に出る日
夕
(
ゆふべ
)
に入る日も
輝
(
かゞや
)
き渡る山の
端
(
は
)
は黄金千兩錢千
貫
(
ぐわん
)
漆
(
うるし
)
千
樽
(
たる
)
朱砂
(
しゆしや
)
千
斤
(
きん
)
埋
(
うづめ
)
ありとは云へど
誰
(
たれ
)
ありて其
在處
(
ありどころ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
その
)
翌日
(
よくじつ
)
から、
私
(
わたくし
)
は
朝
(
あさ
)
は
東雲
(
しのゝめ
)
の
薄暗
(
うすくら
)
い
時分
(
じぶん
)
から、
夕
(
ゆふべ
)
は
星影
(
ほしかげ
)
の
海
(
うみ
)
に
落
(
お
)
つる
頃
(
ころ
)
まで、
眞黒
(
まつくろ
)
になつて
自動鐵檻車
(
じどうてつおりのくるま
)
の
製造
(
せいぞう
)
に
從事
(
じゆうじ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
晝間
(
ひるま
)
の暑き日の熱のほてり、
未
(
いま
)
だに消えやらぬ
牧
(
まき
)
の
草間
(
くさま
)
に横はり、あゝこの
夕
(
ゆふべ
)
のみほさむ、空が漂ふ
青色
(
あをいろ
)
のこの
大盃
(
おほさかづき
)
を。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
されば玲瓏として玉の如く、
朝
(
あした
)
に起き、
夕
(
ゆふべ
)
に寝ねて、いただくはありふれし米の飯、添ふるに一汁一菜の風韻、さながら古人の趣に相かなふを悦ぶ。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
念
(
おも
)
へ、彼等の
逢初
(
あひそ
)
めし
夕
(
ゆふべ
)
、互に
意
(
こころ
)
有りて
銜
(
ふく
)
みしもこの酒ならずや。更に
両個
(
ふたり
)
の影に伴ひて、人の
情
(
なさけ
)
の必ず
濃
(
こまやか
)
なれば、必ず
芳
(
かうばし
)
かりしもこの酒ならずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
かしこを
朝
(
あした
)
こゝを
夕
(
ゆふべ
)
となしゝ日は殆どかゝる處よりいで、いまやかの半球みな白く、その
他
(
ほか
)
は黒かりき 四三—四五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
この歌は結句で、「この
夕
(
ゆふべ
)
かも」と名詞に「かも」をつづけているが、これも晩景を主としたいい方で、この歌の場合やはり動かぬものかも知れない。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
右近
(
うこん
)
の馬場を
右手
(
めて
)
に見て、何れ昔は
花園
(
はなぞの
)
の里、
霜枯
(
しもが
)
れし
野草
(
のぐさ
)
を心ある身に踏み
摧
(
しだ
)
きて、
太秦
(
うづまさ
)
わたり
辿
(
たど
)
り行けば、
峰岡寺
(
みねをかでら
)
の五輪の塔、
夕
(
ゆふべ
)
の空に形のみ見ゆ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
十二月廿五日の
夕
(
ゆふべ
)
は来りぬ、寒風枯草を吹きて、暗き空に星光る様、そぞろに二千年前の
猶大
(
ユダヤ
)
の
野辺
(
のべ
)
を
偲
(
しの
)
ばしむ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
香港
(
ホンコン
)
の夜の
灯
(
ひ
)
は珠玉なりと君のかねて云ひ給ひしが、この港に
入
(
い
)
り
候
(
さふら
)
ひしは
夕
(
ゆふべ
)
も過ぎし頃にて、
甲板
(
かふばん
)
へ
出
(
い
)
でし私の目は余りのまばゆさに
暈
(
くら
)
まむと致し
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
天皇、
小碓
(
をうす
)
の命に詔りたまはく、「何とかも
汝
(
みまし
)
の
兄
(
いろせ
)
、
朝
(
あした
)
夕
(
ゆふべ
)
の
大御食
(
おほみけ
)
にまゐ
出來
(
でこ
)
ざる。もはら
汝
(
みまし
)
ねぎ
一
教へ覺せ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
そんなイヤなものでないことは、
此家
(
こゝ
)
に三日も泊つてゐればわかることだ。
朝
(
あした
)
に武藝を
勵
(
はげ
)
み、
夕
(
ゆふべ
)
に
孔孟
(
こうまう
)
の教へを聽く、修業の嚴しさも一と通り見て貰ひたい。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
漱
(
くちそゝ
)
ぎ果てつ、書斎なる小机に据ゑて、人なき時、端然として、失言を謝す。
然
(
しか
)
も
夕
(
ゆふべ
)
にはしをれんもの、願くば、葉の命だに久しかれ、荒き風にも当つべきか。
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕
(
ぼく
)
は
直
(
す
)
ぐ
支度
(
したく
)
して
先生
(
せんせい
)
の
宅
(
うち
)
に
駈
(
か
)
けつけました、それが
朝
(
あさ
)
の
六時
(
ろくじ
)
、
山野
(
さんや
)
を
歩
(
ある
)
き
散
(
ち
)
らして
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たのが
夕
(
ゆふべ
)
の
六時
(
ろくじ
)
でした、
先生
(
せんせい
)
は
夏期休業
(
なつやすみ
)
と
雖
(
いへど
)
も
常
(
つね
)
に
生徒
(
せいと
)
に
近
(
ちかづ
)
き
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして広島
杉木小路
(
すぎのきこうぢ
)
の父の家に謹慎させられてゐた山陽は、此
夕
(
ゆふべ
)
嚔
(
くさめ
)
を幾つかしただらうとさへ思つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
朝
(
あした
)
に平氏あり、
夕
(
ゆふべ
)
に源氏あり、
飄忽
(
へうこつ
)
として去り、飄忽として
来
(
きた
)
る、
一潮
(
いつてう
)
山を
噬
(
か
)
んで一世紀没し、一潮退き尽きて他世紀来る、歴史の載するところ一潮毎に葉数を減じ
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
うるがんは或日の
夕
(
ゆふべ
)
、
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の門前で、その姫君の
輿
(
こし
)
の上に、一匹の悪魔が坐つてゐるのを見た。が、この悪魔は
外
(
ほか
)
のそれとは違つて、玉のやうに美しい顔を持つてゐる。
悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日の
夕
(
ゆふべ
)
にガリリヤノの河を渡りぬ。古のミンツルネエ(羅馬の殖民地)は此岸にありしなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
明星の
夕
(
ゆふべ
)
はやがて月の夜となりぬ。ホテルの下に泉あり。清冽の水滾々と湧き、小川をなして流る。甕の婦人来り、牧夫来り、
牛
(
ぎう
)
、
羊
(
やう
)
、
驢
(
ろ
)
、
馬
(
ば
)
、
駱駝
(
らくだ
)
、首さしのべて月下に飲む。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
そのうちに、日が暮れて、
夕
(
ゆふべ
)
のお月さまが東の空からあがつて来ました。
つね子さんと兎
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
市街を離れて
里許
(
りきよ
)
、不二の裾野は、虫声にも色あり、そよ吹く風にも色あり、色の
主
(
あるじ
)
を花といふ、金色星の、
夕
(
ゆふべ
)
下界に下りて、
茎頭
(
けいとう
)
に宿りたる如き
女郎花
(
をみなへし
)
、一輪深き
淵
(
ふち
)
の色とうたはれけむ朝顔の
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
月の
夕
(
ゆふべ
)
、花の
朝
(
あした
)
、酒をくんで、意に敵すれば、詩を吟じ情を放つ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いゆきめぐるあしびがもとの道明るし春日野にある此の
夕
(
ゆふべ
)
なり
大和ぶり
(新字旧仮名)
/
佐佐木信綱
(著)
誰ぞ
夕
(
ゆふべ
)
ひがし
生駒
(
いこま
)
の山の上のまよひの雲にこの子うらなへ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼が妓楼と云ふものに始めて上つたのはその
夕
(
ゆふべ
)
であつた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
朝
(
あした
)
咲き
夕
(
ゆふべ
)
は消ぬる
鴨頭草
(
つきくさ
)
の
消
(
け
)
ぬべき恋も吾はするかも
或る国のこよみ
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
見し人の煙を雲とながむれば
夕
(
ゆふべ
)
の空もむつまじきかな
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
煮茗圍爐微雪夕 茗を煮、炉を囲む、微雪の
夕
(
ゆふべ
)
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
しかも、あゝ、
夕
(
ゆふべ
)
となれば
冷然
(
れいぜん
)
たる泉の
中
(
なか
)
に
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
六月の同じ
夕
(
ゆふべ
)
に簾しぬ娘かしづく絹屋と木屋と
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
忘れられしものとはなりつ、
夕
(
ゆふべ
)
の来るまでは。
我が一九二二年:02 我が一九二二年
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
朝躋鶴巓夕雲開(
朝
(
あした
)
に
鶴巓
(
かくてん
)
を
躋
(
こ
)
え
夕
(
ゆふべ
)
に雲開く)
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その日の
夕
(
ゆふべ
)
、かれは遂に永き眠りに入れり。
呼子と口笛
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
足曳
(
あしびき
)
の三笠の山のふもとなるこの
夕
(
ゆふべ
)
はも
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
手に手をその後くます
夕
(
ゆふべ
)
來
(
く
)
とも
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
こころしづかに
夕
(
ゆふべ
)
の
祈祷
(
いのり
)
をささげ
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
夕
(
ゆふべ
)
として思ひ
量
(
はか
)
らざることなし
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
牡丹
剪
(
き
)
って気の衰へし
夕
(
ゆふべ
)
かな
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
鞄屋の女房の
夕
(
ゆふべ
)
の鼻汁だ。
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
夕
(
ゆふべ
)
となれば、
水
(
み
)
がくれの
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
この
夕
(
ゆふべ
)
この海のこゑ
一点鐘
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
夕
(
ゆふべ
)
の
設
(
まけ
)
をたづぬるに
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
夕
(
ゆふべ
)
の浪は
靜
(
しづ
)
かなり
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
朝
(
あした
)
夕
(
ゆふべ
)
を
刻
(
きざ
)
みてし
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
この
夕
(
ゆふべ
)
隆三は彼に食後の茶を
薦
(
すす
)
めぬ。一人
佗
(
わび
)
しければ
留
(
とど
)
めて
物語
(
ものがたら
)
はんとてなるべし。されども貫一の
屈托顔
(
くつたくがほ
)
して絶えず思の
非
(
あら
)
ぬ
方
(
かた
)
に
馳
(
は
)
する
気色
(
けしき
)
なるを
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
みすまるの
玉
(
たま
)
、もとより
硝子
(
がらす
)
に
候
(
さふら
)
ふべけれど、美しければ二人の娘の
料
(
れう
)
に緑と薄紫の
二掛
(
ふたかけ
)
を求め
候
(
さふらふ
)
。
珠数
(
じゆず
)
にして朝に
夕
(
ゆふべ
)
に白き手に打ち揉むにも
宜
(
よろ
)
しからん。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
晝の始めより第三時の終りに亙りてあらはるゝところと同じとみえたり、かしこは
夕
(
ゆふべ
)
こゝは
夜半
(
よは
)
なりき —六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
“夕”の意味
《名詞》
(ゆう)日暮れから夜半にかけて。ゆうべ。
(出典:Wiktionary)
“夕”の解説
夕(ゆう、ゆうべ)は、1日のうち太陽が沈んで暗くなる時間帯を指す。
(出典:Wikipedia)
夕
常用漢字
小1
部首:⼣
3画
“夕”を含む語句
夕食
夕飯
朝夕
夕照
夕陽
夕映
夕餐
夕餉
夕暮
昨夕
一夕
旦夕
夕立
夕炊
夕方
夕凪
夕栄
夕涼
夕霧
夕凉
...