“凡:およ” の例文
“凡:およ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花32
海野十三18
坂口安吾17
野村胡堂17
泉鏡太郎14
“凡:およ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.9%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.4%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それからおよそ七十マイルばかり疾走して、全く南洋らしいジャングルや、森林の中を行くとき、私は娘にいた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
殿でんに在りしものおよそ五六十人、痛哭つうこくして地に倒れ、ともちかってしたがいまつらんともうす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一分貳朱は[#「貳朱は」は底本では「※朱は」]その時の相場でおよ二貫にかん四百文であるから、一日が百文より安い。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
古来の習慣に従えば、およそこの種の人は遁世とんせい出家しゅっけして死者の菩提ぼだいとむらうの例もあれども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼が日本人に信ぜられたるその信用しんようを利用して利をはかるに抜目ぬけめなかりしはおよそこのたぐいなり。
およ一間いつけん六尺ろくしやくあま長蟲ながむしが、がけ沿つた納屋なやをかくして
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
およそ何の題にて俳句を作るも無造作に一題五、六十句作れるほどならば俳句は誰にでもたやすく作れる誠につまらぬ者なるべし。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
およそこれらの性質嗜好の相違はさる事ながらその相異がことごとく画の上にあらはるるに至つて益〻興味を感ずるなり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
龍海さんは痩せ衰えて、風に吹かれて飛びそうな姿であったが、およ執拗しつよう頑固な決意を胸にかくしていたのであった。
勉強記 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
あみうつるのかおよ五十畳ごじふでうばかりの広間ひろまが、水底みずそこから水面すゐめん
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
およそ暑い釣りで、経木の帽子に浴衣ゆかた、一日舟の上で潮風に吹かれてゐるのであるから、健康にはよいかも知れない。
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
およそ人間というやつは、興奮の振動体のようなもので、いつも二十四時間、なにかかにかの興奮に神経をがしている。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
御前ごぜん谷の下およそ一里ばかりにして、内蔵助くらのすけ谷と相対して東から落ち込む沢といえば、赤沢である。
およ幾百戸いくひやくこ富家ふか豪商がうしやう、一づゝ、この復讐しかへしはざるはなかりし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れは只の丸玉まるだまの三倍ぐらい優等なしるしで、およそ塾中の等級は七、八級ぐらいに分けてあった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかし、ちがふにしても、およそちがふ程度があるもので、馬を書かうと思つたのが馬蝿うまばへになつたといふことはない。
いふ。およそありとしあらゆる物、皆その間に秩序を有す、しかしてこれは、宇宙を神の如くならしむる形式ぞかし 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
およそ児童はその父の能力に就いてどう思惟してゐるか』といふことに就いて、ある時期には児童は父の万能を信ずることがある。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
私に与えられた勉強部屋は屋根裏の、大きな梁木のむき出しになったおよそ美というイデーとかかわりのないものであった。
光り合ういのち (新字新仮名) / 倉田百三(著)
およそ美術の壮快を極むるもの、荘厳を極むるもの、優美を極むるもの、必らず其の根底に於て情熱を具有せざるべからず。
情熱 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
およそ三分ばかり彼は黙って見つめて居たが、急にその呼吸がはげしくなり出した。ヨードホルムのにおいが室内に漂った。
肉腫 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
初期微動しよきびどうたる縱波たてなみ比較ひかくしておよ十倍じゆうばいおほいさをつてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
仏教の盛んな土地だけに、町全体の雰囲気には近代のにおいが全くなく、科学などというものには、およそ無縁の土地であった。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
およそ何万匹の昆虫が如何いかなる力に支配され何を感じてかくも一時に声を合せて、私の身のまわりに叫ぶのでしょう。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
肯定できないのは、お前の倫理観が、およそ芸術家らしくもなく薄っぺらだからだ、という見方もあるのは承知している。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
大体が六百五十万ほどだそうだから、そのなかでサラリーマンと云われる部類はおよそ数十万を占めているにちがいない。
杉垣 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
一本のから一日におよそ一ポンドの採収が出来ると云ふのが真実ほんとうなら大した利益のあるはずである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
司令機と思わるる一機に引続き、海面よりあらたに飛び出したる潜水飛行艦隊の数は、およそ百六、七十台に及べり。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが、ここに、およそモラルというものが有って始めて成立つような童話の中に、全然モラルのない作品が存在する。
文学のふるさと (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
しかしてその述作じゆつさくするところは、およ露西亞人ロシアジン血痕けつこん涙痕るいこんをこきまぜて
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
およそ今井の友人として、僕ほど不信な、僕ほど非人情な、僕ほどのほうずな男は、何処どこにあろうとも思われない。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
道明寺は河内志紀郡にあって、大阪城の東南およそ五里、奈良より堺に通ずる街道と、紀州より山城に通ずる街道との交叉の要地である。
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
郊外かうぐわい南北なんぼくおよみな蓮池はすいけにて、はなひらとき紅々こう/\白々はく/\
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
およ何時いつ取りに来る?」といた。やっぱり、軸物じくもののことが少しは気になっているのだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
わが想像のあだとなれるを思うに、およそ貴嬢を知るほどの者は必ず貴嬢をめとらんとねがう者なるべし。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
およ人間にんげんほろびるのは、地球ちきう薄皮うすかはやぶれてそらからるのでもなければ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
およそ今日の勢、いやしくも余地あれば其処に建築を起す、然らずともこれに耒耜を加うるに躊躇ちゅうちょしない。
それのみならず今日はまた、およそ世の中で何よりも嫌いな何よりも恐しい機械体操のある事を思い出したからである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「意見もし度くなりますよ、あの店へ入ると、八方から美人りがして、およそ男の子なら皆カーツとなりますぜ」
およそ何が気障きざだって、思わせ振りの、涙や、煩悶はんもんや、真面目まじめや、熱誠ほど気障なものはないと自覚している。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然れば澄見の下がり候後は「まりや」様の画像の前に、およそ一刻に一度づつは「おらつしよ」と申すおん祈りを一心にお捧げ遊ばされ候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
およそ異性の愛は吾愛の如く篤かるを得ざる者なるか、あるは己の信ずらんやうに、宮の愛のことに己にのみ篤からざりしなるか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
およ手掌てのひらほどあらうといふ、ぞく牡丹ぼたんとなづくるゆきが、しと/\とはてしもあらず降出ふりだして
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一群いちぐんおよそ三十ぴきばかりが、數頭すうとう巨大きよだいぞうまたがつて
石壁せきへきの上に地上の街の名が書かれて其れが度度たび/\変るのでおよそ三ちやうも屈折して歩いて居る事がわかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
毎年、夏期には、教室で、産婦人科学の講習会が開かれますが、その年もおよそ二十五六人の聴講生が御座いました。
手術 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「判りました」「判りました」とおよそ二十人あまりの警官隊員は緊張したおもてを警部の方へ向けたのでした。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
およそ屋舎十の四、池水九の三、菜園八の二、芹田きんでん七の一、とあるので全般の様子は想いやられるが、芹田七の一がおもしろい。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
東京は南京虫のいるところはおよそどこときまっていたのが、相当どこにでもいるようになったし家ダニが又あっちこっちに発生しました。
さて、生命について比較的深い考察を行ったのはギリシャ人でして、およそ今から二千七八百年ぜんのことです。
人工心臓 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
それはおよそ考え得る万般の注意を払われたにもかかわらず、肝腎かんじんの決定的実験の際に箱の中に乾板を入れ忘れられたのである。
千里眼その他 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
従って百姓弥之助は植民は即ち宗教だという先入主から離れるわけに行かぬ、およそ侵略とは根本から種苗を異にしたものが即ち植民である。
さうとする勇氣ゆうきはなく、およ人間にんげん歩行ほかうに、ありツたけのおそさで、あせになりながら
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
シルレルの詩に、「地球の分配」という面白い一篇がありますが、その大意は、およそ次のようなものであります。
心の王者 (新字新仮名) / 太宰治(著)
が、「およそ文学に於て構造的美観を最も多量に持ち得るものは小説である」と云ふ谷崎氏の言には不服である。
塩原から雇って来た強力ごうりき殿の足の早いこと、およそ五、六貫位の重荷であるが、平気でドンドン行く。
やうやく安心して、やがて話し/\行く連の二人の後姿は、と見ると其時はおよそ一町程も離れたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
およそ十丈もあろうかと思うほどの、裸体の人形で、腰には赤の唐縮緬からちりめんの腰巻をさして下からだんだん海女の胎内に入るのです。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
およそ、食物の中で、滋養じように富みそしておいしく、また見掛けも大へん立派なものはにわとりです。
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
空高そらだか長方形ちやうはうけい透間すきまからおよそ三十でふけようといふみせ片端かたはしえる
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たちまこころをどらすばかりあたたかいろまつてゐる蜜柑みかんおよいつむつ
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
頃は去る明治二十三年の春三月、父はよんどころなき所用あって信州軽井沢へ赴いて、およそ半月ばかりも此のしゅくに逗留していた。
私の生活はむしろ甚だストイックだが、この魂の放浪に対してはおよそだらしなく自制心がないようである。
流浪の追憶 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
つづけて話してくれたそれ等からも、私は若い教官の考慮がどのような点にあるかおよそ想像することが出来た。
なれど山男は身の丈およそ三丈あまりもおぢやるほどに、河の真唯中を越す時さへ、水は僅にほぞのあたりを渦巻きながら流れるばかりぢや。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
苫一枚というのはおよたたみ一枚より少し大きいもの、贅沢ぜいたくにしますと尺長しゃくながの苫は畳一枚のよりよほど長いのです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
およそ歴史は繰返すものなりというけれども、歴史は決して繰返さぬのである、繰返すというのは間違である。
教育と文芸 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
およ是等これら一味の友にわが見得せる所を如実さながらに分かち伝へんが為めに語らんとはするなり。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
兄の死は急死であり、時刻は九時から九時十五分までの間であること、およそこればかりの貧弱な材料でした。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一九二七年の秋、ソヴェト同盟の革命十周年記念のために文化上の国賓として世界各国からモスクヷへ招待された人々は、およそ二十数名あった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そをいかにといふに、およそ民間学の流布るふしたることは、欧洲諸国の間にて独逸にくはなからん。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
(三)ナニ僕より角の多いやつがおる。馬鹿いいたもうな。およそ世界わ広しといえども、僕より余計に角をもった奴わないはずだ。
三角と四角 (その他) / 巌谷小波(著)
障子しやうじかして、たゝみおよ半疊はんでふばかりの細長ほそなが七輪しちりん
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その食堂という奴が抑々そもそもどんなものであるかは、およそ旅をする程の人なら誰でもよく知っている。
およそ日本国に生々せいせいする臣民は、男女老少を問はず、万世一系の帝室を奉戴ほうたいして、其恩徳を仰がざるものあるべからず。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉慶應義塾(著)
然し、僕がこの——で死ぬことに決定するまでには、自殺を決心した午後七時から、およそ五時間かかったよ。
ある自殺者の手記 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
およそ相手が左様さように手の込んだらし方をすると云うのは、彼を嫌っているのではなくて、彼に興味を抱いている證拠ではないのか。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この困難な解決案の収集において現われたものを分類すると、およそ顕著な傾向を示すものが四種類あった。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
相模灘さがみなだ沿岸えんがん沿ふて、およ波濤はたうつところ、およ船舶せんぱくよこたはるところ
コルヴィンの所から写真を送って来た。ファニイ(感傷的な涙とはおよそ縁の遠い)が思わず涙をこぼした。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
およ相愛あいあいする二ツの心は、一体分身で孤立する者でもなく、又仕ようとて出来るものでもない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
杜はふとじしおよそこうした活溌な運動には経験のないお千に、この危かしい橋渡りをやらせるのにかなり骨を折らねばならなかった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
およそ、この六道四生の旅路に於て「峠」を以て表現し摂取し得られざる現われというのは一つもあるまい。
「峠」という字 (新字新仮名) / 中里介山(著)
寛保末年より宝暦末年に至るまでおよそ二十年間、浮世絵師の色彩に対する観念の時々刻々発達するに従ひ、彩色板刻に対する経験も円熟し来れり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
まへなるやまおよ三四百間さんしひやくけんとほところ千歳ちとせひさしき靈水かたちみづいたりといふ
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
随分地味な拵えをして行くように努めはしたものの、日頃の衣裳いしょう持ち物が派手なものばかりであるから、そう云ってもおよそ限度があって
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ところが私は性来最も頼りにならない男で、自分の親切さにはおよそ自信を持たないから、人に信頼されたりすると重苦しくて迷惑するのであった。
(新字新仮名) / 坂口安吾(著)
一番最初のものは、今からおよそ三十年以前のもので、重明や儀作の生れる二年ほど前の父の手記だった。
黄鳥の嘆き (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
それから遂に大自在力を得て、およそ二百年余も生きた後、応永七年足利義持の時に死したということだ。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
兼「本当に男と云うものはじょうのない者と思って居るが、情のある人てえものはおよそ無いもので」
今日の日本人は、およそ、あらゆる国民の中で、恐らく最も憎悪心のすくない国民の中の一つである。
日本文化私観 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
梅ヶ谷もこゝにて其運命を終りたり、境川さかひがはも爰にて其運命を定めたり、およそ爰に登り来るもの、必らず又た爰を去らざる可からず。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
階段を降りておよそ三間ばかり進んだと思うころ、彼らは壁のようなものにばったりと進路を遮られた。捜ってみると、それはドアであるらしい。
凍るアラベスク (新字新仮名) / 妹尾アキ夫(著)
この水平虹は湖面近く微小の水粒が浮んで居るので生ずる虹の脚部だけが見えるのであるから、七色が横に並んで居て、厚さはおよそ一尺程に見える。
釣十二ヶ月 (新字旧仮名) / 正木不如丘(著)
色は白い方で、背丈も高からず、肉附もふくらかであったので、何となく女性めき、この頃もてはやされるスポーツマンとはおよそ正反対の男であった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
およそ女性の前に置かれる他の男性的領土——夫、恋人、友人、それらのどれ一つが母に与えられたむす子程の無条件で厳粛清澄な領土であり得ようか。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
およそ偶然にむねに浮んだ事は、月足らずの水子みずこ思想、まだ完成まとまっていなかろうがどうだろうがそんな事に頓着とんじゃくはない
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何、樵夫に聞くまでもないです。私に心覚こころおぼえちゃんとある。先ずおよそ山の中を二日も三日も歩行あるかなけれゃならないですな。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
およ一抱ひとかかえずつ、さっくと切れて、なびき伏して、隠れた土が歩一歩ほいっぽ飛々とびとびあらわれて、五尺三尺一尺ずつ
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
攻城こうじょう野戦やせんおよそ八箇月、わずかに平定へいていこうそうしたれども