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いままで
ふりがな文庫
“
今迄
(
いままで
)” の例文
が、瑠璃子が、そう声をかけた瞬間、
今迄
(
いままで
)
静
(
しずか
)
であった父が、
俄
(
にわか
)
に立ち上って、何かをしているらしい様子が、アリ/\と感ぜられた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
たゞ、
今迄
(
いままで
)
の経験で、アジトを襲われたり、アジトに変なことがあったりしたら直ぐ出掛けて行ける宿所を作って置かなければならない。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
併し、それにしても、彼はどうしてこんな分り切ったことを
今迄
(
いままで
)
気附かずにいたのでしょう。実に不思議と云わねばなりません。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
何
(
なん
)
にもしないで
遊
(
あす
)
んでるんでせう。
地面
(
ぢめん
)
や
家作
(
かさく
)
を
持
(
も
)
つて」と
御米
(
およね
)
が
答
(
こた
)
へた。
此
(
この
)
答
(
こたへ
)
も
今迄
(
いままで
)
にもう
何遍
(
なんべん
)
か
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
されたものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
国道沿線に五六軒の
家作
(
かさく
)
を建てたりして裕福に暮らしていたのだったが、福子のことでは大分
今迄
(
いままで
)
に手を焼いていた。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
扨
(
さて
)
も平野村甚左衞門方に
世話
(
せわ
)
に成居るお三婆は此事を
聞
(
きく
)
より
大
(
おほひ
)
に
歎
(
なげ
)
き
悲
(
かなし
)
み先年
御誕生
(
ごたんじやう
)
の若君の
今迄
(
いままで
)
も御存命に
在
(
おはし
)
まさば將軍の
御落胤
(
おんおとしだね
)
なれば
何樣
(
いかやう
)
なる立身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
はついふらふらと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
りましたが、
不思議
(
ふしぎ
)
にそれっきり
病人
(
びょうにん
)
らしい
気持
(
きもち
)
が
失
(
う
)
せて
了
(
しま
)
い、
同時
(
どうじ
)
に
今迄
(
いままで
)
敷
(
し
)
いてあった
寝具類
(
しんぐるい
)
も
烟
(
けむり
)
のように
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そこでみなさんはこれからも、大人になってもうそをつかず人をそねまず私共狐の
今迄
(
いままで
)
の悪い評判をすっかり無くしてしまふだらうと思ひます。閉会の辞です。
雪渡り
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
この夏僕のところへ、
山形
(
やまがた
)
県から手紙が来た。手紙を出した人は、
山崎操
(
やまざきみさを
)
と云ふ人だつた。これが
今迄
(
いままで
)
、手紙を貰つたこともなければ
逢
(
あ
)
つたこともない人だつた。
偽者二題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
真実
(
まこと
)
あり
丈
(
たけ
)
智慧
(
ちえ
)
ありたけ
尽
(
つく
)
して御恩を報ぜんとするに
付
(
つけ
)
て慕わしさも
一入
(
ひとしお
)
まさり、心という者一つ
新
(
あらた
)
に
添
(
そう
)
たる
様
(
よう
)
に、
今迄
(
いままで
)
は
関
(
かま
)
わざりし
形容
(
なりふり
)
、いつか繕う気になって
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
アヽおい
源八
(
げんぱち
)
さん、
源八
(
げんぱち
)
さん、アヽ死んだ、
何
(
ど
)
うも
此金
(
このかね
)
があるんで
今迄
(
いままで
)
死切
(
しにき
)
れずに
居
(
ゐ
)
たんだナ
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は
今迄
(
いままで
)
日記をつけたことがなく、この二十日間ほどの日記の後は再び日記をつけていない。
戯作者文学論:――平野謙へ・手紙に代えて――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
いつの間にかクシベシは
今迄
(
いままで
)
のような
襤褸
(
ぼろ
)
のではない、新しい着物を着ていましたが、クシベシは、「こんなもので、これだけで足りるものか?」とぶつぶつ独言を言いながら
蕗の下の神様
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
午後
(
ごゞ
)
三
時
(
じ
)
十五
分
(
ふん
)
にゴールデンゲートを
過
(
す
)
ぎてから、
今迄
(
いままで
)
にもう
何時間
(
なんじかん
)
経
(
た
)
つたと
思
(
おも
)
ふぞ。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
懷中時計
(
くわいちうどけい
)
は
海水
(
かいすい
)
に
濡
(
ひた
)
されて、
最早
(
もはや
)
物
(
もの
)
の
用
(
よう
)
には
足
(
た
)
らぬが、
時
(
とき
)
は
午前
(
ごぜん
)
の十
時
(
じ
)
と十一
時
(
じ
)
との
間
(
あひだ
)
であらう、
此時
(
このとき
)
不圖
(
ふと
)
心付
(
こゝろづ
)
くと、
今迄
(
いままで
)
は、たゞ
浪
(
なみ
)
のまに/\
漂
(
たゞよ
)
つて
居
(
を
)
るとのみ
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
つた
端艇
(
たんてい
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
特
(
とく
)
に
今迄
(
いままで
)
ゐた
家
(
いへ
)
が
潰
(
つぶ
)
れたときにさうである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
勝平が、
今迄
(
いままで
)
金で買い得た女性の美しさは、
此
(
この
)
少女の前では、皆偽物だった。金で買い得るものと思っていたものは、皆
贋物
(
にせもの
)
だったのだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
小六
(
ころく
)
に
御米
(
およね
)
の
今朝
(
けさ
)
から
今迄
(
いままで
)
の
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
くと、
實
(
じつ
)
は
餘
(
あま
)
り
眠
(
ねむ
)
いので、十一
時半頃
(
じはんごろ
)
飯
(
めし
)
を
食
(
く
)
つて
寐
(
ね
)
たのだが、
夫迄
(
それまで
)
は
御米
(
およね
)
も
能
(
よ
)
く
熟睡
(
じゆくすゐ
)
してゐたのだと
云
(
い
)
ふ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを見ると、
今迄
(
いままで
)
夢の様に思われた彼女の美しさが、
俄
(
にわ
)
かに生々しい現実味を伴って、私に迫って来るのであった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だが、彼女は
今迄
(
いままで
)
よりモット色々なことをおッくうがり、ものごとをしつこく考えてみるということをしなくなった。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
そこでみなさんはこれからも、大人になってもうそをつかず人をそねまず私共狐の
今迄
(
いままで
)
の悪い評判をすっかり無くしてしまうだろうと思います。閉会の辞です。
雪渡り
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今迄
(
いままで
)
書いた
一聯
(
いちれん
)
の文章も一望のうちに視野におさめることが出来る、そういう状態にいない限り観念を文字に変えて表わすことに難渋するということを
覚
(
さと
)
らざるを得なかった。
文字と速力と文学
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
知ずやと仰せ有ければ
流石
(
さすが
)
不敵
(
ふてき
)
の段右衞門も
只
(
たゞ
)
茫然
(
ばうぜん
)
として
暫時
(
しばらく
)
物をも言ず
俯向
(
うつむき
)
て居たりしが何思ひけんぬつくと顏を
上
(
あげ
)
今迄
(
いままで
)
包
(
つゝ
)
み隱せし我が
惡行
(
あくぎやう
)
成程穀屋平兵衞を殺害し金子百兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ところが、さういふ風にして一二枚書いてゐるうちに、
沼波瓊音
(
ぬなみけいおん
)
氏が
丁度
(
ちやうど
)
それと同じやうな小説(?)を書いてゐるのを見ると、
今迄
(
いままで
)
の計画で書く気がすつかりなくなつてしまつた。
一つの作が出来上るまで:――「枯野抄」――「奉教人の死」――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
頃
(
ころ
)
私は
或
(
あ
)
る
気紛
(
きまぐ
)
れな
考
(
かんがえ
)
から、
今迄
(
いままで
)
自分の身のまわりを
裹
(
つつ
)
んで居た
賑
(
にぎ
)
やかな
雰囲気
(
ふんいき
)
を遠ざかって、いろいろの関係で交際を続けて居た男や女の圏内から、ひそかに逃れ出ようと思い
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
其頃
(
そのころ
)
弦月丸
(
げんげつまる
)
が、
今迄
(
いままで
)
に
無
(
な
)
い
程
(
ほど
)
澤山
(
たくさん
)
の、
黄金
(
わうごん
)
と
眞珠
(
しんじゆ
)
とを
搭載
(
たふさい
)
して、ネープルス
港
(
かう
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
して、
東洋
(
とうやう
)
に
向
(
むか
)
ふといふのは
評判
(
ひやうばん
)
でしたが、
誰
(
たれ
)
も
世
(
よ
)
に
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
海蛇丸
(
かいだまる
)
が、
竊
(
ひそ
)
かに
其
(
その
)
舷側
(
そば
)
に
停泊
(
ていはく
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あなたが
私
(
わたくし
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
であると
仰
(
お
)
っしゃるなら、
何故
(
なぜ
)
もっと
早
(
はや
)
くお
出
(
で
)
ましにならなかったのでございますか?
今迄
(
いままで
)
私
(
わたくし
)
はお
爺様
(
じいさま
)
ばかりを
杖
(
つえ
)
とも
柱
(
はしら
)
とも
依
(
たよ
)
りにして、
心細
(
こころぼそ
)
い
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
って
居
(
お
)
りましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
父の大事などには、
今迄
(
いままで
)
一度も口出しなどをしたことのない彼女も、恐ろしい危機に、つい平生のたしなみを忘れてしまった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そうでしたか。僕は上野駅で変な自動車に押込まれたことは覚えていますが、すると
今迄
(
いままで
)
気を失っていたのでしょうか。それにしても、どうして僕を
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ありや
一體
(
いつたい
)
何
(
なに
)
をする
男
(
をとこ
)
なんだい」と
宗助
(
そうすけ
)
が
聞
(
き
)
いた。
此
(
この
)
問
(
とひ
)
は
今迄
(
いままで
)
も
幾度
(
いくたび
)
か
御米
(
およね
)
に
向
(
むか
)
つて
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
されたものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから私達は六百人の首切にそなえるために、
今迄
(
いままで
)
入れていたどっちかと云えば工新式のビラをやめて、ビラと工場新聞を分けて独立さすことにした。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
とすると、矢張この空地に根気よくうずくまっていて、リリーがここを通りかかる偶然の機会を
捉
(
とら
)
えるより外はないのであるが、しかし
今迄
(
いままで
)
待って
駄目
(
だめ
)
なら、とても今夜は覚つかない。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
憤
(
いきど
)
ほり我が家へ
忍
(
しの
)
び入て
種々
(
しゆ/″\
)
盜
(
ぬす
)
み
迯
(
にげ
)
んと
爲
(
する
)
折
(
をり
)
お竹に
見付
(
みつけ
)
られし故殺したる
成
(
なら
)
ん
疾
(
とく
)
より
然
(
さ
)
は思ひけれども是ぞと云ふ
見定
(
みさだ
)
めたる事
無
(
なけ
)
れば
今迄
(
いままで
)
控
(
ひかへ
)
たり最早證據あれば
渠
(
かれ
)
が
天命
(
てんめい
)
遁
(
のが
)
れぬ處なるにより
早速
(
さつそく
)
願書
(
ぐわんしよ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ところが、その半年ばかり前からというものは、私は朝々の出勤を、
今迄
(
いままで
)
程はいやに思わぬ様になっていた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
代助は
寐
(
ね
)
ながら、自分の近き未来を
何
(
ど
)
うなるものだらうと考へた。
斯
(
か
)
うして
打遣
(
うちや
)
つて置けば、是非共
嫁
(
よめ
)
を
貰
(
もら
)
はなければならなくなる。
嫁
(
よめ
)
はもう
今迄
(
いままで
)
に
大分
(
だいぶ
)
断
(
ことわ
)
つてゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いくら歩いても一つ所を
蹈
(
ふ
)
んでいるようである。砂地と云うものがこんなに歩きにくいとは
今迄
(
いままで
)
嘗
(
かつ
)
て感じなかった。おまけに、前とは違って
僅
(
わず
)
かの間に路が何遍も左へ曲ったり右へ折れたりする。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
今迄
(
いままで
)
の例によると、賊の予告は必ず実行されるのです。この紙切れがどういう径路を取って舞い込んで来たにもせよ。書かれてある文句は恐らく信用していいでしょう。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
無
(
ぶ
)
用
心
(
じん
)
だから」と云つた。
今迄
(
いままで
)
日の
透
(
とほ
)
る
澄
(
す
)
んだ空気の
下
(
した
)
で、
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かしてゐた
所為
(
せゐ
)
で、
頬
(
ほゝ
)
の
所
(
ところ
)
が
熱
(
ほて
)
つて見えた。それが
額際
(
ひたひぎは
)
へ
来
(
き
)
て
何時
(
いつ
)
もの様に
蒼白
(
あをしろ
)
く
変
(
かは
)
つてゐる
辺
(
あたり
)
に、
汗
(
あせ
)
が少し
煮染
(
にじ
)
み
出
(
だ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
沼のまわりは、少しの余地も残さず、
直
(
ただ
)
ちに森が囲んでいた。そのどちらの方角を見渡しても、末はあやめも知れぬ闇となり、
今迄
(
いままで
)
私の歩いて来たのより浅い森はない様に見えた。
火星の運河
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これが
今迄
(
いままで
)
の下宿屋であったら、
仮令
(
たとえ
)
押入れの中に同じような棚があっても、壁がひどく汚れていたり、天井に
蜘蛛
(
くも
)
の巣が張っていたりして、一寸その中へ寝る気にはならなかったのでしょうが
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今
常用漢字
小2
部首:⼈
4画
迄
漢検準1級
部首:⾡
7画
“今”で始まる語句
今日
今
今朝
今度
今宵
今夜
今年
今更
今生
今時