ばこ)” の例文
画かきはにわかにまじめになって、赤だの白だのぐちゃぐちゃついたきたない絵の具ばこをかついで、さっさと林の中にはいりました。
かしわばやしの夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
といって、もんからはいってきました。そして、いま女中じょちゅうさんが、アルミニウムの湯沸ゆわかしをごみばこてようとしているのをつけて
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはてぬぐいに包んださかなのばこを後生大事に片手にぶらさげ、昼のごとく明るい月の町をひとりたんぼ道へさしかかった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
荷物と云っても、ビールばこで造った茶碗ちゃわん入れとこしの高いガタガタの卓子テーブルと、蒲団ふとんに風呂敷包みに、与一の絵の道具とこのようなたぐいであった。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
ごろでは綿わたがすつかりれなくなつたので、まるめばこすゝけたまゝまれ保存ほぞんされてるのも絲屑いとくづぬの切端きれはしれてあるくらゐぎないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして、はちしたは、みかんばこおおきさの空洞くうどうで、つまり、はちしたなにかをかくしておく場所ばしょができているのであつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
彼は待ちかねたという面持おももちで、二人を大きな卓子テーブルの方へ案内した。そこには硝子蓋ガラスぶたのついたかさばこが積んであった。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
こまは、ごみばこの中に、飛びこんだのです。そこには、いろんなものがありました。キャベツのしんだの、ごみだの、といからおちてきたじゃりだのが。
駄々だだがおもちゃばこをぶちまけたように、のつけられないすねかたをしている徳太郎とくたろうみみへ、いきなり、見世先みせさきからきこたのは、まつろうわらごえだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
あがり口のあさ土間どまにあるげたばこが、門外もんがい往来おうらいから見えてる。家はずいぶん古いけれど、根継ねつぎをしたばかりであるから、ともかくも敷居しきい鴨居かもいくるいはなさそうだ。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その翌る年、不昧公は江戸のやしきへ宗左を招いた。宗左は名高い大名の折角のお招きだといふので、出来るだけ供をたんと連れて、供にははさばこ長刀なぎなたなどを担がせた。
その金貨きんかは、どうも、ほうぼうの金庫やぜにばこからとびだしてきたものらしいんですよ。
(女の子、裏口から出ていって、すぐボールばこを持ってはいってくる)
病む子の祭 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
帰途かえりは、めっかち生芽しょうがとちぎばこがおみやげ、太々餅だいだいもちも包まれている。
それで主人の家をおはらばこになってしまいました。
子供こどもたちは、んである砂利じゃりうえのぼったり、ばこうえにすわったりして、紙芝居かみしばいのおじさんをいていました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
木田きだは、よろこんでたずねてきてくれたともだちをむかえました。みかんばこってきて、なかからいろいろのものをしてひろげました。
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
かあさんは、昨夜さくや物置ものおきまえに、りざおが一ぽんてかけてあり、そのしたに、ちいさなバケツとみみずばこが、いてあるのをごらんになって
お母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼく、よくおしえてあげるよ。お菓子かしばこと、あとでわらがあればいいんだよ。」と、戸田とだが、勇気ゆうきづけてくれました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、あくるおくさまに注意ちゅういされたので、いよいよ、もう、この湯沸ゆわかしともおわかれだとおもって、それをって、ごみばこのところへまいりました。
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
下女げじょは、無神経むしんけいに、くずかごをそとおおきなごみばこのところへっていって、すっかりそのはこなかててしまいました。
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いまなら、くずさんにやると、いいんだね。ごみばこなかへ、すてたりして、おしいなあ。」と、いいました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
ははねこは、あとのこしたねこのことを心配しんぱいしながら、方々ほうぼうのごみばこや、勝手かってもとをあさったのでした。その苦労くろうは、けっして、すこしのことでなかった。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもは、一ごう石油せきゆって、ぜにをそばにかさねてあったばこうえにのせて、ちいさな姿すがた店頭みせさきからえました。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あら、おくれたらたいへん。」といって、お玄関げんかんで、げたばこからくつをしてはいて、おうちました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねん熱心ねっしんうつくしいばこなかおさめてあるいろいろのを一つ一つ使つかけてくさいたり、またとりなどをいたり、はななどをいたりしていました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
せい一は、お菓子かしばこしました。また近所きんじょ米屋こめやはしっていって、わらももらってきました。戸田とだは、かいこをはこを一つ、まぶしを一つつくってくれました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
だんまりばこは、これにたいしてなんともこたえません。むしろ、それについてらないといったほうがいいでありましょう。しかし、レールは、そのことをよくっていました。
雪くる前の高原の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、母親ははおやかえりがおそいと、ばこなかから、あかるみのあるほういて、しきりとなくのでした。もしははねこが、そのこえをききつけようものなら、いそいではしってきました。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかたなく、昼間ひるまはあちらのごみばこをあさり、こちらのお勝手口かってぐちをのぞき、よるになると、らぬいえのひさしのしたや、物置小舎ものおきごやのようなところにうずくまって、ねむったのであります。
ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ごみばこなかで、お人形にんぎょうは、黄色きいろなみかんのかわや、あかいりんごのかわや、また、さかなほねや、しろかみくずや、ちゃがらなどといっしょにいましたが、もとよりはこなかには、光線こうせんがささないから
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かあさんは、エプロンをごみばこなかててしまいました。こうして、あかちゃんのきらいであったエプロンは、永久えいきゅうに、もうあかちゃんのからえないところにいってしまったのです。
はてしなき世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ぼくは、いま十っているよ。あとは、ごみばこへ、すててしまったのさ。」
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて、このおおきなごみばこをのせたくるまは、あるさびしい郊外こうがいのくぼくと、そこのところでとまりました。そして、たくさんのごみといっしょくたに、くぼなかへあけられました。
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、そうしようか。はちみつをやるといいのだよ。砂糖さとうでもいいかもしれない。」まことさんは、石鹸せっけんはいっていた、ボールばこあなけて、そのなかへかぶとむし玉虫たまむしれておきました。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみ、このふえをあげるから、ぼくにそのばこふでもみんなくれないかね。」
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ここは、いいところだな。」と、良吉りょうきちは、おもいました。良吉りょうきちのほかにも、ごとにここでやすんで、いったひとがあったとみえて、タバコのばこや、やぶれたむぎわら帽子ぼうしなどが、ててありました。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
またあるものは、泥濘ぬかるみみちうえてられました。なんといっても子供こどもらは、はこなかはいっている、あめチョコさえべればいいのです。そして、もう、ばこなどに用事ようじがなかったからであります。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
といって、ばこも、ふでもみんな光治こうじにくれたのであります。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
はやく、お菓子かしばこっておいでよ。」
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)