“見世先”の読み方と例文
読み方割合
みせさき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
駄々だだがおもちゃばこをぶちまけたように、のつけられないすねかたをしている徳太郎とくたろうみみへ、いきなり、見世先みせさきからきこたのは、まつろうわらごえだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
年の暮に間もない左右の見世先みせさきに、幕だの楽隊だの、蓄音機だのを飾るやらそなえるやらして、電灯以外の景気をけて、不時の客を呼び寄せる混雑も勘定かんじょうに入れなければなるまい。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大きな造り酒屋の見世先みせさきにすわりながら酒の一番火入れなどするわが子のために覚え書きをつづり、桝田屋一代目存生中のはなしのあらましから、分家以前の先祖代々より困窮な百姓であったこと
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)