)” の例文
旧字:
さぞ、お驚きのことと思いますが、し隠して置くわけにはいきません。利七さんは、大阪でこんなことになッてしまいました。
共に眺めんキトウスの月、翁は久しくキトウスの月を共に眺むる人を求めて居る。若い者さえ見ると、胸中きょうちゅうをほのめかす。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
知ってし隠しに隠していた。しかし何の罪によって入牢じゅろうしたかは、誰も教えてくれなかった。無論これ程の大罪とは知る由もなかったのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
各々おの/\してその術を人に伝へざるに、おなじ時おなじ村つゞきにておなじ火浣布の奇工きこうたるも一奇事なり、是文政四五年の間の事なりき。
またあるいは音にひびいた軍学者小幡が、はたしてどんな奇策きさくを胸にめているか、それは余人よじんがうかがうことも、はかり知ることもできない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰が誰やらわからぬこの井戸の底の世界は、世を隠れる者、身をめる人にとりては、まことに何より安息所、休息所といわなければならない。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……云わばここは我々が幸運の星にめぐり逢うと云うめられたる場所だ。天が我々に与えたもうためぐみのとびらだ。……扉は今や開け放たれねばならない。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
その男を訪ねるに仔細しさいはないが、訪ねてくのに、十年ごしの思出がある、……まあ、もう少しして置こう。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何かの童話の主人公のやうに、父は私のしに秘してゐる事も瞬く間に見抜いて了ふのだ。それでこれはかくしてもとても駄目だと咄嗟の間に思ひ決めて、そつと答へた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
桂次けいじがもとへおくりこしたる寫眞しやしんはあれども、しがくしに取納とりおさめてひとにはせぬか、れともひとしらぬ火鉢ひばちはいになりおはりしか、桂次けいじならぬものるによしなけれど
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
閣下の御註文ごちゅうもんのとおり鞄にして置くと目に立つという心配から、仕掛はこの角材の中にめて邸から持ち出されたんじゃあないでしょうか。いや、それに違いないです。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
役向の事で怨を買つたらしいことをも直觀ちよくくわんしてしまつた平次は、それから三日經たないうちに、獨特の探索で奉公人の全部の身許を洗ひ上げ、かくしに隱して居るが
行跡ぎようせきやゝたゞしとしようせらるゝ者もなほおやし夫にして貯金帳ちよきんてう所持しよじせんためそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
発行所で今夜は、同人どうにん重立おもだつた人々に来てもらつて、今日までして居つた島木赤彦君の病気の経過を報告しようとしたのであつた。席には土屋文明君、橋本福松君もすでに見えてゐた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
すーいと流れて行く、その両側の川楊は、梢と梢とが、ずーっと手をひろげて、もう今からは、誰も入れないというように「通せん坊」をして、そうしてっそりと静まりかえってしまう
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ただ遺憾いかんなるは脇屋わきや某が屠腹とふくを命ぜられたる事を聞き、かかる暴政ぼうせいの下にありては何時いついかなる嫌疑けんぎをうけて首をられんも知れずと思い、その時筐中きょうちゅうおきたる書類しょるい大抵たいてい焼捨やきすてました
その度毎たびごとに、おせんのくびよこられて、あったらたま輿こしりそこねるかと人々ひとびとしがらせて腑甲斐ふがいなさ、しかもむねめた菊之丞きくのじょうへのせつなるおもいを、ひととては一人ひとりもなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
先生の本旨ほんしは、右二氏の進退しんたいに関し多年来たねんらい心に釈然しゃくぜんたらざるものを記して輿論よろんただすため、時節じせつ見計みはからい世におおやけにするの考なりしも、爾来じらい今日に至るまで深く筐底きょうていして人に示さざりしに
瘠我慢の説:01 序 (新字新仮名) / 石河幹明(著)
余等よらもつと興味きやうみゆうして傾聽けいちやうしたのは、權現臺貝塚ごんげんだいかひづか歴史れきしであつて、最初さいしよ野中のなかくわん發見はつけんしたのを、ふかしてたので、其頃そのころ發掘はつくつをせずとも、表面ひやうめんをチヨイ/\掻廻かきまはしてれば、土偶どぐう
ただめよ、ただ守れ、いつき死ぬまで
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふところふかめて置いて
春の詩集 (新字旧仮名) / 河井酔茗(著)
めつゝむ苦痛くるしみつひ
寂寞 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
各々おの/\してその術を人に伝へざるに、おなじ時おなじ村つゞきにておなじ火浣布の奇工きこうたるも一奇事なり、是文政四五年の間の事なりき。
「おシヅに、ジャッキーの居どころを吐かせようと思うんだが、しかくして、どうしても言いやがらねえんです」
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
雷火らいか炸裂さくれつは、詭計きけいでもなんでもない。怪人かいじん呂宋兵衛るそんべえが、ふところにめておいた一かい強薬ごうやくを、祭壇さいだんに燃えのこっていたろうそくへ投げつけたのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜など、この姿の大次郎にあの弥四郎頭巾を思い出して、千浪は、ひとりそかにぞっとすることが多かった。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ロッセ氏が、或るごとを、ここで告白するのでなければ、どうにもならないのであった。
神職 しがくしに秘め置くべき、この呪詛のろい形代かたしろを(藁人形を示す)言わば軽々かるがるしう身につけおったは——別に、恐多おそれおお神木しんぼくに打込んだのが、森の中にまだほかにもあるからじゃろ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れにはらぬおやむかし、かたるまじきことれもめ、父君ちヽぎみさらなり母君はヽぎみにもいへはぢとてつヽむを、かせまゐらするではなけれど、一しやうに一打明うちあものがたり、きいたまはれ素性すじやう
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひっくりかえすような大発明だよ。しかし、それがなんであるかは、わしのほかは、だれも知らない。木村君もしらない。うっかりしゃべったら、たいへんなことになるのだ。これは秘中ひちゅうだよ。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ああただめよ、くるすのあいしるしを。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「養い親の人情で、虎五郎は私にそれをかくしにしていましたが、息をひきとる時になって、初めて、それを明かそうとしたのじゃないかと思うのです」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは深山理学士が戸棚の中に秘蔵ひぞうしていた或る品物だったが、彼はそれを係官に報告しなかった。それは決して忘れたわけではなくて、故意こいに学士の心にめたものと思われる。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
らぬこヽろうらみもせんくみもせん、そのくまるヽを本望ほんまうにての處爲しよゐもらひしふみ何處どこまでもしきに、ふうこそらぬ手文庫てぶんこめて、一しやうきはまではともとせんこヽろ、さりとては生先おひさきのある
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
縋着すがりつけば、ころ/\とたなそこめたさいつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つねめてつねちぬ。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
面箱の底へしておいた、「ばてれん口書くちがき」の一じょうも、ぜひ、何とかして取り返さなければならない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
永らくおのれが胸だけにめていた解き得ぬ謎の解決を求めんがために折角せっかく私という話相手を選んだのでしたが、流石さすがの私にも彼が満足するような明答めいとうを与えることが出来ませんでした。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
『騎者、おのおのが、持ち馬のあしし合うて、その日にのぞむのは、競馬の策戦で、ふしぎはない』
二人の身状みじょうを預かっている以上、たとえ、どんな事があっても、仲間を裏切るような真似はしないつもりだが、この間から見ていれば、何か、おれにはしかくしにして
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秘中ひちゅう、味方といえども、余人よじんのいるところでは、ちともうしかねます」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
烏帽子えぼしのかたちにも、衣服の色にも、洗練された神経が見られ、強装束こわしょうぞくという一種の風を作ったのも、鳥羽院からの流行であり、また、男性が、おもて粉黛ふんたいをほどこしたり、たもとにこうめるなども
「何も、し隠しにしやしねえ」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春にはめし、かう
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時雨しぐれぶみ
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)