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旦
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あした
ふりがな文庫
“
旦
(
あした
)” の例文
いや、この家も以前には浮かれ女を数多召抱えて、
夕
(
ゆうべ
)
に源氏の
公
(
きみ
)
を迎え、
旦
(
あした
)
に平氏の殿を送られたものじゃが、今ではただの
旅人宿
(
りょじんやど
)
。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
夜
(
よる
)
の
燭火
(
ともしび
)
は
燃
(
も
)
え
盡
(
つ
)
きて、
嬉
(
うれ
)
しげな
旦
(
あした
)
めが
霧立
(
きりた
)
つ
山
(
やま
)
の
巓
(
いたゞき
)
にもう
足
(
あし
)
を
爪立
(
つまだ
)
てゝゐる。
速
(
はや
)
う
往
(
い
)
ぬれば
命
(
いのち
)
助
(
たす
)
かり、
停
(
とゞ
)
まれば
死
(
し
)
なねばならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
すると
熊
(
くま
)
さんが、『
發句
(
ほつく
)
ツてそんなもんですかい、ぢや
譯
(
わけ
)
アねえ』と
云
(
い
)
ふので、『
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
のでんぐりかへる
旦
(
あした
)
かな』とやりだす。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
前述の通り、『淮南子』に〈鶏まさに
旦
(
あした
)
ならんを知り、鶴夜半を知る〉とあり、呉の陸璣は、鶴は鶏鳴く時また鳴くといった。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
大なるは七八
間
(
けん
)
、種々の
形
(
かたち
)
をなし大小ひとしからず、川の
広
(
ひろ
)
き所と
狭
(
せま
)
き処とにしたがふ。
旦
(
あした
)
に
裂
(
さけ
)
はじめて
夕
(
ゆふ
)
べにながれをはる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
又年神を別に祀りながら尚
旦
(
あした
)
「若えびす」を迎へる風のある如きは、常世神の異訳せられた名称なる事を明らかにしてゐる。
「とこよ」と「まれびと」と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
羨
(
うらや
)
まず
旦
(
あした
)
より
暮
(
くる
)
るまで
只管
(
ひたすら
)
米を
搗
(
つき
)
一
粒
(
つぶ
)
にても
空
(
むだ
)
にせず其勤め方
信切
(
しんせつ
)
なりければ主人益々悦び多くの米も一向に
搗減
(
つきへり
)
なく取扱ひ夫より其年の
給金
(
きふきん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
注ニ寒甚シク夜気霧ノ如ク木上ニ凝ル。
旦
(
あした
)
ニ起キテコレヲ
視
(
み
)
レバ雪ノ如シ。斉人コレヲ霿淞トイフ。詩仏ノコノ作アルイハ南豊ノ詩ト
駢伝
(
へんでん
)
スベキ也。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「およそ
朝廷
(
みかど
)
の人どもは、
旦
(
あした
)
には朝廷に參り、晝は志毘が
門
(
かど
)
に
集
(
つど
)
ふ。また今は志毘かならず寢ねたらむ。その門に人も無けむ。かれ今ならずは、謀り難けむ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
曩
(
さき
)
にこれを繰つりしは、我某省の官長にて、今はこの絲、あなあはれ、天方伯の手中に在り。余が大臣の一行と倶にベルリンに歸りしは、恰も是れ新年の
旦
(
あした
)
なりき。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
旦
(
あした
)
に稽古の窓に
凭
(
よ
)
れば、垣を
掠
(
かす
)
めて靡く霧は不斷の烟、
夕
(
ゆふべ
)
に
鑽仰
(
さんがう
)
の
嶺
(
みね
)
を
攀
(
よ
)
づれば、壁を漏れて照る月は
常住
(
じやうぢゆう
)
の
燭
(
ともしび
)
、晝は
御室
(
おむろ
)
、
太秦
(
うづまさ
)
、梅津の邊を
巡錫
(
じゆんしやく
)
して、夜に入れば
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
申
(
さる
)
の年に人間が生れたから伸で六番目だから六に候。この間の
旦
(
あした
)
は取消故併せて御吹聴に及候。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
太宰府に残って、観世音寺造営に従っていた
沙弥満誓
(
さみのまんぜい
)
から「
真十鏡
(
まそかがみ
)
見飽
(
みあ
)
かぬ君に
後
(
おく
)
れてや
旦
(
あした
)
夕
(
ゆふべ
)
にさびつつ居らむ」(巻四・五七二)等の歌を贈った。それに
和
(
こた
)
えた歌である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
藤原が右京の屋敷を出たのも
彼
(
あ
)
の女の為に多くの金を
遣
(
つか
)
い果し今は困窮して
旦
(
あした
)
に出て
夕
(
ゆうべ
)
に帰る稼ぎも、
女房
(
にょうぼ
)
や母を
糊
(
すご
)
したいからだ、其の夫の稼いだ金銭を
窃
(
くす
)
ねて置けばこそ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旦
(
あした
)
に
呉客
(
ごかく
)
の夫人となり、
暮
(
くれ
)
に
越商
(
ゑつしやう
)
の
小星
(
せうせい
)
となるも、
豈
(
あに
)
悉
(
ことごとく
)
病的なる娼婦型の女人と限る
可
(
べ
)
けんや。この故に僕は娼婦型の婦人の増加せる事実を信ずる能はず。
況
(
いはん
)
や貴問に答ふるをや。
娼婦美と冒険
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幸福
(
さいはひ
)
多かるべきかな舟の上の
活計
(
みすぎ
)
や、日に/\今朝の如くならんには我は櫓をとり舵を操りて、夕の霧、
旦
(
あした
)
の潮烟りが中に五十年の皮袋を埋め果てんかなと我知らず云ひ出づれば
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
旦
(
あした
)
先づ目に觸れし街の有樣、その彩色したる活畫圖を、當時の心になりて寫し出さむには、いかに筆を下すべきか。少しく爪尖あがりになりたる、長き街をば、すべて花もて
掩
(
おほ
)
ひたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
恁
(
か
)
くて
旦
(
あした
)
に
暮
(
くれ
)
に
其
(
そ
)
の
根
(
ね
)
を
治
(
をさ
)
む。
凡
(
すべ
)
て
一七日
(
いちしちにち
)
、
術
(
じゆつ
)
成
(
な
)
ると
稱
(
しよう
)
し、
出
(
い
)
でて
昌黎
(
しやうれい
)
に
對
(
たい
)
して、はじめて
羞
(
は
)
ぢたる
色
(
いろ
)
あり。
曰
(
いは
)
く、
恨
(
うら
)
むらくは
節
(
せつ
)
遲
(
おそ
)
きこと
一月
(
ひとつき
)
なり、
時
(
とき
)
既
(
すで
)
に
冬
(
ふゆ
)
にして
我
(
わ
)
が
思
(
おも
)
ふがまゝならずと。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
父母
(
ちちはは
)
に
寿詞
(
よごと
)
まうさく
歳
(
とし
)
の
旦
(
あした
)
仰ぎまみえむ視力早や無し
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
旦
(
あした
)
に道を聞いて夕べに死すとも可なり」
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
ゆふべゆふべは壯大の
旦
(
あした
)
を夢み
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
寅
(
とら
)
の日の
旦
(
あした
)
を
鍛冶
(
かじ
)
の
急
(
とく
)
起きて 翁
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
春の
旦
(
あした
)
に ひびきます
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
そこで『
立派
(
りつぱ
)
なユーモリスト』なる
澁
(
しぶ
)
六
先生
(
せんせい
)
之
(
これ
)
に
和
(
わ
)
して、『
世界中
(
せかいぢう
)
のひつくりかへる
旦
(
あした
)
かな』とやつたんだ。どうだ
分
(
わか
)
つたか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
ロレ
灰色目
(
はひいろめ
)
の
旦
(
あした
)
が
顰縮面
(
しかめつら
)
の
夜
(
よる
)
に
對
(
むか
)
うて
笑
(
ゑ
)
めば、
光明
(
ひかり
)
の
縞
(
しま
)
が
東方
(
とうばう
)
の
雲
(
くも
)
を
彩
(
いろど
)
り、
剥
(
は
)
げかゝる
暗
(
やみ
)
は、
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
の
火
(
ひ
)
の
輪
(
わ
)
の
前
(
まへ
)
に、さながら
醉人
(
ゑひどれ
)
のやうに
蹣跚
(
よろめ
)
く。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
曩
(
さき
)
にこれを
繰
(
あや
)
つりしは、
我
(
わが
)
某
(
なにがし
)
省の官長にて、今はこの糸、あなあはれ、天方伯の手中に在り。余が大臣の一行と倶にベルリンに帰りしは、
恰
(
あたか
)
も是れ新年の
旦
(
あした
)
なりき。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
またその神詔りたまはく、「
明日
(
あす
)
の
旦
(
あした
)
濱にいでますべし。
易名
(
なかへ
)
の
幣
(
みやじり
)
四
獻らむ」とのりたまふ。かれその旦濱にいでます時に、鼻
毀
(
やぶ
)
れたる
入鹿魚
(
いるか
)
、既に一浦に依れり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ヘブリウの異伝には、アスモデウス身を隠してソロモン王の妃に通ぜしに、王その床辺に灰を撒布し、
旦
(
あした
)
に鶏足ごとき跡を印せるを見て、鬼王の
所為
(
しょい
)
を認めたりという。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
嗚呼劫火烱然として一たび輝けば、大千
旦
(
あした
)
に
壞
(
ゑ
)
す、天地又何の常か之れあらん、想ふに彼の功業を竹帛に留めて盛名の※りなきを望むものは、其の痴之れに等しきを得んや。
人生終に奈何
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
現代思潮の変遷はその迅速なること
奔流
(
ほんりゅう
)
もただならない。
旦
(
あした
)
に見て斬新となすもの
夕
(
ゆうべ
)
には既に陳腐となっている。
槿花
(
きんか
)
の
栄
(
えい
)
、
秋扇
(
しゅうせん
)
の
嘆
(
たん
)
、今は決して宮詩をつくる詩人の
間文字
(
かんもじ
)
ではない。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
朝の氣と暮の氣との差は、二千餘年前の孫子さへ道破して居る。
旦
(
あした
)
の氣のことは孟子も説いてゐる。人の朝の氣は實に張つてゐるのである。天地の陽性の氣に影響されて然るのである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ゆふべゆふべは壮大の
旦
(
あした
)
を夢み
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
かれ朝目
吉
(
よ
)
く汝取り持ちて天つ神の御子に獻れと、のりたまひき。かれ夢の教のまにま、
旦
(
あした
)
におのが倉を見しかば、
信
(
まこと
)
に
横刀
(
たち
)
ありき。かれこの横刀をもちて獻らくのみ
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
隱居
(
いんきよ
)
が
物識
(
ものしり
)
ぶつて『
新玉
(
あらたま
)
の
年
(
とし
)
立
(
た
)
ちかへる
旦
(
あした
)
かな』
先
(
ま
)
づこんな
風
(
ふう
)
に
云
(
い
)
ふものだと
作例
(
さくれい
)
を
示
(
しめ
)
す。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
父祖
(
ふそ
)
十代の
御恩
(
ごおん
)
を集めて此君一人に
報
(
かへ
)
し參らせばやと、風の
旦
(
あした
)
、雪の
夕
(
ゆふべ
)
、
蛭卷
(
ひるまき
)
のつかの
間
(
ま
)
も忘るゝ
隙
(
ひま
)
もなかりしが、思ひもかけぬ世の
波風
(
なみかぜ
)
に、身は嵯峨の奧に吹き寄せられて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
桃符
(
とうふ
)
をその傍に挿む、百鬼これを畏る〉と『荊楚歳時記』に載せ、註に董勛いわく、今正臘の
旦
(
あした
)
、門前、烟火桃神を
作
(
な
)
し、松柏を絞索し、鶏を殺して門戸に著け、疫を追うは礼なり。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
疑へば疑はしきものとこそ覚え侍れ、笑ひも恨みも、はた歓びも悲みも、夕に来ては
旦
(
あした
)
に去る旅路の人の野中なる
孤屋
(
ひとつや
)
に
暫時
(
しばし
)
宿るに似て、我とぞ仮に名を
称
(
よ
)
ぶなるものの中をば過ぐるのみ
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
足の糸は解くに
由
(
よし
)
なし。さきにこれを
繰
(
あやつ
)
りしは、わが
某
(
なにがし
)
省の官長にて、今はこの糸、あなあわれ、
天方伯
(
あまがたはく
)
の手中に在り。余が大臣の一行とともにベルリンに帰りしは、あたかもこれ新年の
旦
(
あした
)
なりき。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
何やら知らぬ
小禽
(
ことり
)
の
囀
(
さえず
)
りは秋晴の
旦
(
あした
)
に聞く
鵙
(
もず
)
よりも一層勢が好い。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ボルネオの
海
(
シイ
)
ダヤク人はタウ・テパン(
飛頭蛮
(
ろくろくび
)
)を怖るる事甚だし、これはその頭が毎夜体を離れ抜け出でて、夜すがらありたけの悪事を行い、
旦
(
あした
)
近く体へ
復
(
かえ
)
るので
里閭
(
りりょ
)
これと交際を絶ち
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
吾人はおのづからにして
旦
(
あした
)
に起き出で、暮に歸り休みたいのである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
然レドモ東西隔絶スルコト千里余ナリ。
夫
(
か
)
ノ羽族ノ序ヲ
逐
(
お
)
ヒ影ヲ
聯
(
つら
)
ネテ
飲啄
(
いんたく
)
相離ルヽコトナキガ如クナルコト能ハズ。悲ミ中ヨリ生ジ老涙
腮
(
さい
)
ニ交ル。コレガタメニ
竟夕
(
きょうせき
)
寧
(
やす
)
カラズ。坐シテ以テ
旦
(
あした
)
ヲ待ツ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから全くの浪人となって
旦
(
あした
)
に暮を
料
(
はか
)
らずという体だったが、奇態に記憶のよい男で、見る見る会話が
巧
(
うま
)
くなり、古道具屋の
賽取
(
さいと
)
りしてどうやらこうやら
糊口
(
ここう
)
し得たところが生来の
疳癪
(
かんしゃく
)
持ちで
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
旦
常用漢字
中学
部首:⽇
5画
“旦”を含む語句
旦那
巴旦杏
旦那衆
旦夕
一旦
旦那様
明旦
旦暮
大旦那
月旦
元旦
巨旦
大旦那様
札旦那
阿旦葉
雪旦
旦那取
旦的
英吉利旦那
旦那等
...