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其方
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そのはう
ふりがな文庫
“
其方
(
そのはう
)” の例文
先年
(
せんねん
)
自分
(
じぶん
)
に下されしなり大切の品なれども
其方
(
そのはう
)
の
願
(
ねがひ
)
も
點止
(
もだ
)
し難ければ
遣
(
つか
)
はすなりと
御墨付
(
おんすみつき
)
を添て
件
(
くだん
)
の短刀をぞ
賜
(
たま
)
はりける其お
墨付
(
すみつき
)
には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
從
(
したが
)
つて
其方
(
そのはう
)
の
談判
(
だんぱん
)
は、
始
(
はじ
)
めから
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
て
筆
(
ふで
)
にした
事
(
こと
)
がなかつた。
小六
(
ころく
)
からは
時々
(
とき/″\
)
手紙
(
てがみ
)
が
來
(
き
)
たが、
極
(
きは
)
めて
短
(
みじ
)
かい
形式的
(
けいしきてき
)
のものが
多
(
おほ
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それより
一同
(
いちどう
)
種々
(
いろ/\
)
申
(
まを
)
して
渠
(
かれ
)
を
御前
(
ごぜん
)
にわびたりければ、
幼君
(
えうくん
)
ふたゝび
御出座
(
ごしゆつざ
)
ありて、
籠中
(
かごのなか
)
の
人
(
ひと
)
に
向
(
むか
)
はせられ、「
其方
(
そのはう
)
さほどまでに
苦
(
くる
)
しきか」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
併
(
しか
)
し
何
(
なに
)
か
其
(
そ
)
れには
意味
(
いみ
)
があるやうに
思
(
おも
)
はれる。「——
泳
(
およ
)
げないとの
辯疏
(
いひわけ
)
で——」
其方
(
そのはう
)
には
泳
(
およ
)
げぬか、え?』
云
(
い
)
つて
軍人
(
ネーブ
)
の
方
(
はう
)
を
御覽
(
ごらん
)
になりました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其方
(
そのはう
)
の伜文三とよく似てはゐらつしやるが、若樣は人品骨柄が違ひ、それに左の頬に目につくほどの
黒子
(
ほくろ
)
がある。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
事
(
こと
)
に
依
(
よ
)
つたら、
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
も、それをお
知
(
し
)
りにならうとなさらないのだらう。
時
(
とき
)
に、あの
子供
(
こども
)
たちも
名
(
な
)
が
無
(
な
)
いやうだ。
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
は
却
(
かへ
)
つて
其方
(
そのはう
)
が
好
(
い
)
いと
仰有
(
おつしや
)
るだらう。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
イヤ
先日
(
せんじつ
)
は
癇
(
かん
)
が
起
(
た
)
つて
居
(
を
)
つた
処
(
ところ
)
へ、
其方
(
そのはう
)
が
逆
(
さか
)
らつたものだから、
詰
(
つま
)
らん事を
申
(
まう
)
して気の毒に
心得
(
こゝろえ
)
、
出牢
(
しゆつらう
)
をさした、
其方
(
そのはう
)
が
入牢中
(
じゆらうちう
)
に一
詩
(
し
)
作つたから見て
呉
(
く
)
れ。シ
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
か
)
うした
地主
(
ぢぬし
)
にばかり
出會
(
であは
)
して
居
(
を
)
れば
文句
(
もんく
)
は
無
(
な
)
いなど
戯
(
たはむ
)
れつゝ、
其方
(
そのはう
)
を
發掘
(
はつくつ
)
に
掛
(
かゝ
)
つたが、
此所
(
こゝ
)
は
未
(
ま
)
だ三
千年
(
せんねん
)
來
(
らい
)
手
(
て
)
のつかぬ
處
(
ところ
)
であつて、
貝層
(
かひそう
)
の
具合
(
ぐあひ
)
が
大變
(
たいへん
)
に
好
(
よ
)
い。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
『まア
貴下
(
あなた
)
あれが
見
(
み
)
えないの。アゝ
最早
(
もう
)
見
(
み
)
えなくなつた。』と
老婦人
(
らうふじん
)
は
殘念
(
ざんねん
)
さうに
舌打
(
したうち
)
をした。
義母
(
おつかさん
)
は
一寸
(
ちよつ
)
と
其方
(
そのはう
)
を
見
(
み
)
たばかり
此時
(
このとき
)
自分
(
じぶん
)
は
思
(
おも
)
つた
義母
(
おつかさん
)
よりか
老婦人
(
らうふじん
)
の
方
(
はう
)
が
幸福
(
しあはせ
)
だと。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
後
(
のち
)
に
商業学校
(
せうげふがくかう
)
に
転
(
てん
)
じて、
中途
(
ちうと
)
から
全然
(
すつかり
)
筆
(
ふで
)
を
投
(
たう
)
じて、
今
(
いま
)
では
高田商会
(
たかだせうくわい
)
に出て
居
(
を
)
りますが、
硯友社
(
けんいうしや
)
の
為
(
ため
)
には
惜
(
をし
)
い人を
殺
(
ころ
)
して
了
(
しま
)
つたのです、
尤
(
もつと
)
も本人の
御為
(
おため
)
には
其方
(
そのはう
)
が
結搆
(
けつかう
)
であつたのでせう
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
張揚
(
はりあげ
)
コリヤ憑司只今傳吉夫婦が言立る所は如何にも
明白
(
めいはく
)
なり然すれば
其方
(
そのはう
)
は公儀を
僞
(
いつは
)
る
罪人
(
ざいにん
)
茲
(
こゝ
)
な
不屆
(
ふとゞき
)
者めと
白眼
(
にらめら
)
るゝに憑司はハツと
頭
(
かうべ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
鰹船
(
かつをぶね
)
が
一
(
ひと
)
つ
宛
(
づゝ
)
此
(
この
)
器械
(
きかい
)
を
具
(
そな
)
へ
付
(
つ
)
ける
樣
(
やう
)
になつたら、
莫大
(
ばくだい
)
な
利益
(
りえき
)
だつて
云
(
い
)
ふんで、
此頃
(
このごろ
)
は
夢中
(
むちゆう
)
になつて
其方
(
そのはう
)
ばつかりに
掛
(
かゝ
)
つてゐる
樣
(
やう
)
ですよ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三
(
み
)
ツ
四
(
よ
)
ツの
壁越
(
かべごし
)
ですが、
寢臺
(
ねだい
)
に
私
(
わたし
)
、
凍
(
こほ
)
りついたやうに
成
(
な
)
つて、
熟
(
じつ
)
と
其方
(
そのはう
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ますと、
向
(
む
)
きました、
高
(
たか
)
い
壁
(
かべ
)
と、
天井
(
てんじやう
)
の
敷合
(
しきあ
)
はせの
所
(
ところ
)
から、あの、
女性
(
をんな
)
が
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
ういたしまして、
何
(
ど
)
うも
遠方
(
ゑんぱう
)
の
処
(
ところ
)
を
恐入
(
おそれいり
)
ます、
何
(
いづ
)
れも
稼業人
(
かげふにん
)
ばかりですから
成
(
なる
)
たけ早く
致
(
いた
)
して
了
(
しま
)
ひたいと
存
(
ぞん
)
じます。「
其方
(
そのはう
)
が
宜
(
い
)
い、机や
何
(
なに
)
か
立派
(
りつぱ
)
に
出来
(
でき
)
たね。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いや
其方
(
そのはう
)
に申してもわかるまい。主人半兵衞が案内してくれる筈であつたが、拙者でも分らぬことはあるまい。——ところで、店の名前の入つた
提灯
(
ちやうちん
)
を一つ借り度い」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
憐
(
あは
)
れな
小
(
ちひ
)
さな
蜥蜴
(
とかげ
)
の
甚公
(
じんこう
)
が
眞中
(
まンなか
)
に
居
(
ゐ
)
て、二
匹
(
ひき
)
の
豚
(
ぶた
)
に
支
(
さゝ
)
へられながら一
本
(
ぽん
)
の
壜
(
びん
)
から
何
(
なん
)
だか
出
(
だ
)
して
貰
(
もら
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたが、
愛
(
あい
)
ちやんの
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
ると
直
(
す
)
ぐに
皆
(
みん
)
な
其方
(
そのはう
)
へ
突進
(
とつしん
)
しました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
神戸
(
かうべ
)
へ
參
(
まゐ
)
つたのも、
全
(
まつた
)
く
其方
(
そのはう
)
の
用向
(
ようむき
)
なので。
石油發動機
(
せきゆはつどうき
)
とか
何
(
なん
)
とか
云
(
い
)
ふものを
鰹船
(
かつをぶね
)
へ
据
(
す
)
ゑ
付
(
つ
)
けるんだとかつてね
貴方
(
あなた
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
へい、
芝居茶屋
(
しばゐぢやや
)
の若い
衆
(
しゆ
)
さんのお
世辞
(
せじ
)
だよ、うむ、
其方
(
そのはう
)
が
宜
(
よ
)
からう、エヽ
此手
(
このて
)
では
如何
(
いかゞ
)
でございます。と
機械
(
きかい
)
へ手を
掛
(
かけ
)
てギイツと
巻
(
ま
)
くと
中
(
なか
)
から
世辞
(
せじ
)
が
飛出
(
とびだ
)
しました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ハツハツハツ、町方御用聞の
其方
(
そのはう
)
には氣の毒だが、俺は數馬殺しの下手人ではないよ。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其方
(
そのはう
)
懷妊
(
くわいにん
)
の由我等血筋に相違是なし
若
(
もし
)
男子
(
なんし
)
出生
(
しゆつしやう
)
に於ては時節を以て呼出すべし女子たらば其方の勝手に致すべし後日證據の爲め
我等
(
われら
)
身
(
み
)
に添大切に致し候
短刀
(
たんたう
)
相添
(
あひそへ
)
遣
(
つかは
)
し置者也依て如件
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
此
(
こ
)
の
事件
(
じけん
)
に
關
(
くわん
)
して、
其方
(
そのはう
)
の
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
ることは!』と
王樣
(
わうさま
)
が
愛
(
あい
)
ちやんに
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其様
(
そんな
)
に
貴方
(
あなた
)
劇剤
(
げきざい
)
を
分度外
(
ぶんどぐわい
)
にお
入
(
いれ
)
になりましては
豪
(
えら
)
い
事
(
こと
)
になりませう。殿「ナニ
宜
(
よろ
)
しい、
心配
(
しんぱい
)
をするな、安心して
直
(
すぐ
)
に
此場
(
このば
)
で
飲
(
の
)
め、さア/\
今度
(
こんど
)
は
其方
(
そのはう
)
も
診
(
み
)
てやらう、
何歳
(
なんさい
)
ぢや。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三年前、少しばかりの油斷から、
其方
(
そのはう
)
の繩に掛つたが、鈴ヶ森の
處刑場
(
しおきば
)
に引出されるといふ間際になつて、仲間のものの助勢で、首尾よく繩拔けをし、
上方
(
かみがた
)
へ行つて暫らく時節を待つた。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
処
(
ところ
)
が
当今
(
たうこん
)
では
皆
(
みな
)
門弟等
(
もんていら
)
や、
孫弟子共
(
まごでしども
)
が
面白
(
おもしろ
)
をかしく
種々
(
いろ/\
)
に、
色取
(
いろどり
)
を
附
(
つ
)
けてお話を
致
(
いた
)
しますから
其方
(
そのはう
)
が
却
(
かへつ
)
てお
面白
(
おもしろ
)
い事でげすが、
円朝
(
わたくし
)
の
申上
(
まうしあ
)
げまするのは
唯
(
たゞ
)
実地
(
じつち
)
に見ました事を
飾
(
かざ
)
りなく
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ナニ心配する事はない、コレ
井上
(
ゐのうへ
)
此所
(
これ
)
へ
出
(
で
)
い、
序
(
ついで
)
に
其方
(
そのはう
)
も
診
(
み
)
て
遣
(
つか
)
はすから。井上「
有難
(
ありがた
)
うは
存
(
ぞん
)
じますが、
何分
(
なにぶん
)
裸体
(
はだか
)
になりますのを
些
(
ち
)
と
憚
(
はゞか
)
ります
儀
(
ぎ
)
で、
生憎
(
あいにく
)
今日
(
けふ
)
は
下帯
(
したおび
)
を
締
(
し
)
めて
参
(
まゐ
)
りませぬから。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“其方”で始まる語句
其方除
其方此方
其方儀
其方退
其方達
其方共
其方法
其方共儀
其方們
其方側