状態じやうたい)” の例文
勘次かんじ菜種油なたねあぶらのやうに櫟林くぬぎばやしあひせつしつゝ村落むら西端せいたん僻在へきざいして親子おやこにんたゞ凝結ぎようけつしたやうな状態じやうたいたもつて落付おちついるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
夫婦ふうふ毎夜まいよおな火鉢ひばち兩側りやうがはつて、食後しよくご時間じかんぐらゐはなしをした。はなし題目だいもく彼等かれら生活せいくわつ状態じやうたい相應さうおうした程度ていどのものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すなは戰時中せんじちう膨張ぼうちやうした日本にほん經濟けいざい戰後せんごおい收縮しうしゆくした状態じやうたいついての國民自體こくみんじたい自覺じかく喚起くわんきすることが非常ひじやう必要ひつえうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
れが實際問題じつさいもんだいになると、土地とち状態じやうたい風土ふうど關係くわんけい住者ぢうしや身分みぶん境遇きやうぐう趣味しゆみ性癖せいへき資産しさん家族かぞく職業しよくげふその種々雜多しゆ/″\ざつた素因そいん混亂こんらんしてたがひあい交渉かうせうするので
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
それはある場合ばあひ、あるこゝろ状態じやうたいの時には、さういふことも考へないではなかつたけれど、離婚りこんをもつてそのくいつぐなふものだとはけつして思はなかつたらうと思ひます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
備中びつちう一時あるとき越前ゑちぜん領土巡検りやうどじゆんけんやくを、主人しゆじん義景よしかげよりうけたまはり、供方ともかた二十にんばかりをれて、領分りやうぶんたみ状態じやうたいさつせんため、だゝる越前ゑちぜん大川おほかは足羽川あすはがはのほとりにかゝる。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この大問題だいもんだいたる彌生式やよひしきくわんしてであるので、注意ちういうへにも注意ちういくはへて、其土器そのどき状態じやうたい結果けつくわ彌生式貝塚やよひしきかひづかとして發表はつぺうするにる、特種とくしゆ遺跡ゐせきといふこと確認かくにんした。
教頭けうとう隨分頑固ずゐぶんぐわんこをとこで、こんな不都合ふつがふ示威運動じゐうんどう讓歩ぢやうほしては學校がくかう威嚴ゐげんたもたれないとつて、葉書はがきなんまいようと見向みむきもしなかつたが、状態じやうたい一月ひとつきばかりもつゞいて
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
故意こいならず犯罪はんざいすことがいともはれぬ、ひと讒言ざんげん裁判さいばん間違まちがひなどはべからざることだとははれぬ、そもそ裁判さいばん間違まちがひは、今日こんにち裁判さいばん状態じやうたいにては、もつとべきことなので
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其の時、周三の頭に、まぼろしごとく映ツたのは、都會生活の慘憺さんたんたる状態じやうたいだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
わしはつぎへやだ 最初さいしよこの部屋へや火星くわせい状態じやうたいにする
それでも狡獪かうくわいすゞめためもみのまだかたまらないであま液汁しるごと状態じやうたいをなしてうちからちひさなくちばしんでしたゝかに籾殼もみがらこぼされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうしてきん解禁かいきん決行けつかうせんとするには政府せいふみづからの行動かうどうのみにては不充分ふじうぶんであつて、戰後せんご日本にほん經濟けいざい變化へんくわした状態じやうたい
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
やうやうち辿たどいたときかれれいやう御米およねと、れいやう小六ころくと、それかられいやうちや座敷ざしき洋燈らんぷ箪笥たんすて、自分じぶんだけれいにない状態じやうたいもと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なにしろ、中京ちうきやう殖産工業しよくさんこうげふから、名所めいしよ名物めいぶつ花柳界くわりうかい一般いつぱん芝居しばゐ寄席よせ興行こうぎやうものの状態じやうたい視察しさつ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
不味相まづさう容子ようすをしてはしるのは卯平うへいすべての場合ばあひつうじての状態じやうたいなので、おつぎのには格別かくべつ注意ちういおこさしむべき動機どうきひとつもとらへられなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
毎月まいげつごと發表はつぺうする貿易ぼうえき状態じやうたい發表毎はつぺうごと改善かいぜんされて、十一ぐわつ二十輸入超過額ゆにふてうくわがくは七千萬圓まんゑん減額げんがくした。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
兩家族りやうかぞくはこの状態じやうたいやくねんばかりをおくつた。すると宗助そうすけよりも氣分きぶんわかいとゆるされた叔父をぢ突然とつぜんんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あんずるに、これ修善寺しゆぜんじ温泉いでゆける、河鹿かじか蜃氣樓しんきろうであるらしい。かた/″\、そんなことはあるまいけれども、獨鈷とつこかゝ状態じやうたいをあてにして、おかけにつては不可いけない。……
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)